割と平和な遊戯王   作:乾燥海藻類

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第17話 罠戦術の脅威

(おいおいおい、城之内くん負けちゃったよ)

 

一回戦の結果を受けて、レンはわずかに困惑した。

原作では実質勝ってたみたいなものだったので、少し期待していたのだ。

 

(やっぱり追い詰められないと実力が出せないタイプかね。舞の件が無くなったし、遊戯とのデスデュエルもほとんど記憶がなかったっぽいし、何より相手がマリクじゃなくてナムだからな)

 

城之内にしてみれば、気の良い友人とのデュエルみたいなものだろう。それが隙に繋がったのかもしれない。

 

(次は俺の出番か)

 

二回戦の対戦カードが決まった。

高杉レンvsマリク・イシュタール。

ふたりのデュエリストが、天空のデュエルリングに立つ。

 

「レンさん頑張って!」

 

レオンの声援にレンはサムズアップで応える。

 

「兄サマ、あのマリクって男が、3人目の神の使い手なの?」

「噂ではな。だが俺の目で確認せん限り断言はできん」

 

(神の使い手とされるマリク・イシュタール。そして、ペガサスと共にデュエルモンスターズを今日(こんにち)まで支えたといわれるほどの男、高杉レン。果たしてどちらか勝つか)

 

海馬の顔に笑みが浮かぶ。どちらが勝ちあがるにしても強敵であることに変わりはない。決闘者としての本能が、海馬の血を滾らせる。

 

 

『デュエルッ!!』

 

 

「私のターン、ドロー。手札の《天獄の王》の効果発動。このカードを相手ターン終了時まで公開する。そしてその間、フィールドにセットされたカードは破壊されない。カードを4枚伏せてターンを終了する」

 

マリク LP4000 手札2 モンスター0 伏せ4

 

■:伏せカード

■:伏せカード

■:伏せカード

■:伏せカード

 

■■□■■

□□□□□

 

□□□□□

□□□□□

 

高杉レン LP4000 手札5 モンスター0 伏せ0

 

――――――――――――

 

「私のターン、ドロー。手札から《フォトン・スラッシャー》を特殊召喚。このカードは自分フィールドにモンスターが存在しない場合、手札から特殊召喚できる。そしてこのカードをリリースして《人造人間-サイコ・ショッカー》をアドバンス召喚」

 

「なっ!? サイコ・ショッカーだとっ!?」

 

マリクが目を見開いて驚愕する。それもそのはずで、罠カードを封殺するサイコ・ショッカーは、デッキの8割を罠カードが占めるマリクとは相性最悪のカードなのだ。

レンが動きを最小限にしたのも理由がある。それは《スキルドレイン》を警戒したからだ。先にスキルドレインを発動されてしまうと、サイコ・ショッカーの効果は無効化されてしまう。

 

(とりあえず場に出ることはできたか)

 

そして最悪なのは召喚自体を無効にされることだった。いかにサイコ・ショッカーといえども、神の宣告には耐えられない。

 

「バトルフェイズに入る。サイコ・ショッカーでダイレクトアタック!」

 

「攻撃は……通さん! 速攻魔法《墓穴の指名者》を発動。おまえの墓地の《フォトン・スラッシャー》を除外する。セットされたカードが発動したことで、手札の《天獄の王》を特殊召喚。そして天獄の王の効果で、デッキから《サンダー・ボルト》をセットする」

 

「随分と強引な手段で呼び出したな。バトルは中止だ。カードを2枚伏せてターンエンド」

 

高杉レン LP4000 手札2 モンスター1 伏せ2

 

サ:人造人間-サイコ・ショッカー 攻撃力2400

■:伏せカード

■:伏せカード

 

■□□□■

□□サ□□

 

□□天□□

サ■□■■

 

天:天獄の王 守備力3000

サ:伏せカード(サンダー・ボルト)

■:伏せカード

■:伏せカード

■:伏せカード

 

マリク LP4000 手札1 モンスター1 伏せ4

 

――――――――――――

 

「私のターン、ドロー。《サンダー・ボルト》を発動。サイコ・ショッカーを破壊する!」

 

「チェーンして速攻魔法《不朽の特殊合金》を発動。私の場の機械族モンスターは、このターン相手の効果では破壊されない」

 

サイコ・ショッカーの全身を銀幕が覆い、天雷を防ぐ。これでサイコ・ショッカーを破壊し、罠モンスターで一気に攻め込むというプランは瓦解した。

セットした《アポピスの化身》、《殿神アポピス》はメインフェイズでしか発動できないのだ。

 

「ならば戦闘破壊するまで! 天獄の王を攻撃表示に変更。バトルだ。天獄の王でサイコ・ショッカーに攻撃!」

 

「《禁じられた聖槍》を発動。天獄の王の攻撃力を800下げる」

 

「なにっ!? ぐぉおぉぉっ!!」

 

飛来した聖槍が天獄の王の脚に突き刺さり、動きを止めたところにサイコ・ショッカーの電脳(サイバー)エナジー・ショックが直撃した。

 

「くっ、《光の護封剣》を発動する」

 

3本の光の剣が降り立ち、ふたりのフィールドを分ける。

 

(これで時間を稼ぎ、解決札を引くしかない)

 

「ターンエンドだ」

 

マリク LP3800 手札1 モンスター0 伏せ3

 

■:伏せカード

■:伏せカード

■:伏せカード

光:光の護封剣

 

■■□■光

□□□□□

 

□□サ□□

□□□□□

 

サ:人造人間-サイコ・ショッカー 攻撃力2400

 

高杉レン LP4000 手札2 モンスター1 伏せ0

 

――――――――――――

 

「私のターン、ドロー。《宇宙の法則》を発動。キミは手札・デッキから罠カードをセットできるが、どうするかね」

 

「セットすれば2体目のサイコ・ショッカーが出てくるわけか。遠慮しておこう」

 

どの道いま伏せているカードはすべて発動を封じられている罠カードだ。その上で罠カードをセットすれば、魔法・罠ゾーンがすべて埋まることになる。それでは解決札が引けても発動できない。

 

「相手がセットしなかった場合、私はデッキから《人造人間-サイコ・ショッカー》1体か、そのカード名が記されたモンスター1体をデッキから手札に加えることができる。《魔鏡導士サイコ・バウンダー》を手札に加える」

 

だがマリクの選択は、結果として悪手となった。2体目のサイコ・ショッカーを特殊召喚しても、レンに光の護封剣を突破する手段はない。

しかしマリクが罠カードをセットしないことを選択したため、そのためのカードを手札に引き込むことができる。

 

「《魔鏡導士サイコ・バウンダー》を召喚して効果発動。デッキから《電脳(サイバー)エナジーショック》を手札に加え、そのまま発動。光の護封剣を破壊する」

 

「なん……だと……」

 

マリクの表情が絶望に変わる。

 

「バトルだ。2体のモンスターでダイレクトアタック!」

 

「ぐぁああぁぁっ!!」

 

マリクにその攻撃を防ぐすべはなかった。

 

 

 

(まさかリシドが敗れるとは……これでは計画が……)

 

――ふふっ、狂う……か?

 

(――ッ!? お、おまえ……)

 

――あの男の圧が弱まっていくのを感じるよ。さあ、お(ねむ)の時間だぜ。主人格サマよォ

 

(くっ、誰が……おまえなんかに……)

 

――クハハハッ、脆い脆い。さっさと眠りな。ここからはオレの出番だ。さぁ、闇のゲームの始まりだぜ

 

 

 




ちょっとあっさりすぎたかもしれませんが、罠デッキにサイコ・ショッカーぶつけたら大体ああなると思います。
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