(おいおいおい、城之内くん負けちゃったよ)
一回戦の結果を受けて、レンはわずかに困惑した。
原作では実質勝ってたみたいなものだったので、少し期待していたのだ。
(やっぱり追い詰められないと実力が出せないタイプかね。舞の件が無くなったし、遊戯とのデスデュエルもほとんど記憶がなかったっぽいし、何より相手がマリクじゃなくてナムだからな)
城之内にしてみれば、気の良い友人とのデュエルみたいなものだろう。それが隙に繋がったのかもしれない。
(次は俺の出番か)
二回戦の対戦カードが決まった。
高杉レンvsマリク・イシュタール。
ふたりのデュエリストが、天空のデュエルリングに立つ。
「レンさん頑張って!」
レオンの声援にレンはサムズアップで応える。
「兄サマ、あのマリクって男が、3人目の神の使い手なの?」
「噂ではな。だが俺の目で確認せん限り断言はできん」
(神の使い手とされるマリク・イシュタール。そして、ペガサスと共にデュエルモンスターズを
海馬の顔に笑みが浮かぶ。どちらが勝ちあがるにしても強敵であることに変わりはない。決闘者としての本能が、海馬の血を滾らせる。
『デュエルッ!!』
「私のターン、ドロー。手札の《天獄の王》の効果発動。このカードを相手ターン終了時まで公開する。そしてその間、フィールドにセットされたカードは破壊されない。カードを4枚伏せてターンを終了する」
マリク LP4000 手札2 モンスター0 伏せ4
■:伏せカード
■:伏せカード
■:伏せカード
■:伏せカード
■■□■■
□□□□□
□□□□□
□□□□□
高杉レン LP4000 手札5 モンスター0 伏せ0
――――――――――――
「私のターン、ドロー。手札から《フォトン・スラッシャー》を特殊召喚。このカードは自分フィールドにモンスターが存在しない場合、手札から特殊召喚できる。そしてこのカードをリリースして《人造人間-サイコ・ショッカー》をアドバンス召喚」
「なっ!? サイコ・ショッカーだとっ!?」
マリクが目を見開いて驚愕する。それもそのはずで、罠カードを封殺するサイコ・ショッカーは、デッキの8割を罠カードが占めるマリクとは相性最悪のカードなのだ。
レンが動きを最小限にしたのも理由がある。それは《スキルドレイン》を警戒したからだ。先にスキルドレインを発動されてしまうと、サイコ・ショッカーの効果は無効化されてしまう。
(とりあえず場に出ることはできたか)
そして最悪なのは召喚自体を無効にされることだった。いかにサイコ・ショッカーといえども、神の宣告には耐えられない。
「バトルフェイズに入る。サイコ・ショッカーでダイレクトアタック!」
「攻撃は……通さん! 速攻魔法《墓穴の指名者》を発動。おまえの墓地の《フォトン・スラッシャー》を除外する。セットされたカードが発動したことで、手札の《天獄の王》を特殊召喚。そして天獄の王の効果で、デッキから《サンダー・ボルト》をセットする」
「随分と強引な手段で呼び出したな。バトルは中止だ。カードを2枚伏せてターンエンド」
高杉レン LP4000 手札2 モンスター1 伏せ2
サ:人造人間-サイコ・ショッカー 攻撃力2400
■:伏せカード
■:伏せカード
■□□□■
□□サ□□
□□天□□
サ■□■■
天:天獄の王 守備力3000
サ:伏せカード(サンダー・ボルト)
■:伏せカード
■:伏せカード
■:伏せカード
マリク LP4000 手札1 モンスター1 伏せ4
――――――――――――
「私のターン、ドロー。《サンダー・ボルト》を発動。サイコ・ショッカーを破壊する!」
「チェーンして速攻魔法《不朽の特殊合金》を発動。私の場の機械族モンスターは、このターン相手の効果では破壊されない」
サイコ・ショッカーの全身を銀幕が覆い、天雷を防ぐ。これでサイコ・ショッカーを破壊し、罠モンスターで一気に攻め込むというプランは瓦解した。
セットした《アポピスの化身》、《殿神アポピス》はメインフェイズでしか発動できないのだ。
「ならば戦闘破壊するまで! 天獄の王を攻撃表示に変更。バトルだ。天獄の王でサイコ・ショッカーに攻撃!」
「《禁じられた聖槍》を発動。天獄の王の攻撃力を800下げる」
「なにっ!? ぐぉおぉぉっ!!」
飛来した聖槍が天獄の王の脚に突き刺さり、動きを止めたところにサイコ・ショッカーの
「くっ、《光の護封剣》を発動する」
3本の光の剣が降り立ち、ふたりのフィールドを分ける。
(これで時間を稼ぎ、解決札を引くしかない)
「ターンエンドだ」
マリク LP3800 手札1 モンスター0 伏せ3
■:伏せカード
■:伏せカード
■:伏せカード
光:光の護封剣
■■□■光
□□□□□
□□サ□□
□□□□□
サ:人造人間-サイコ・ショッカー 攻撃力2400
高杉レン LP4000 手札2 モンスター1 伏せ0
――――――――――――
「私のターン、ドロー。《宇宙の法則》を発動。キミは手札・デッキから罠カードをセットできるが、どうするかね」
「セットすれば2体目のサイコ・ショッカーが出てくるわけか。遠慮しておこう」
どの道いま伏せているカードはすべて発動を封じられている罠カードだ。その上で罠カードをセットすれば、魔法・罠ゾーンがすべて埋まることになる。それでは解決札が引けても発動できない。
「相手がセットしなかった場合、私はデッキから《人造人間-サイコ・ショッカー》1体か、そのカード名が記されたモンスター1体をデッキから手札に加えることができる。《魔鏡導士サイコ・バウンダー》を手札に加える」
だがマリクの選択は、結果として悪手となった。2体目のサイコ・ショッカーを特殊召喚しても、レンに光の護封剣を突破する手段はない。
しかしマリクが罠カードをセットしないことを選択したため、そのためのカードを手札に引き込むことができる。
「《魔鏡導士サイコ・バウンダー》を召喚して効果発動。デッキから《
「なん……だと……」
マリクの表情が絶望に変わる。
「バトルだ。2体のモンスターでダイレクトアタック!」
「ぐぁああぁぁっ!!」
マリクにその攻撃を防ぐすべはなかった。
(まさかリシドが敗れるとは……これでは計画が……)
――ふふっ、狂う……か?
(――ッ!? お、おまえ……)
――あの男の圧が弱まっていくのを感じるよ。さあ、お
(くっ、誰が……おまえなんかに……)
――クハハハッ、脆い脆い。さっさと眠りな。ここからはオレの出番だ。さぁ、闇のゲームの始まりだぜ
ちょっとあっさりすぎたかもしれませんが、罠デッキにサイコ・ショッカーぶつけたら大体ああなると思います。