綺麗な言峰とか呼ばれ始めた奴 作:温めない麻婆=ちゃっぱ
視点って言峰か、立香その他のどっちがいいでしょうか。
言峰(憑依主)に対しても、その他に対しても……まあつまり、どちらにしても読者にとっては愉悦(ニチャア)出来たらいいなと思ってますが。アンケートするのでよければご協力お願い致します。
今までのアンケートもありがとうございます。
藤丸立香の性別は女になりました!
あと、第三話にて一時的にやっていた掲示板ネタについて駄目という回答があったので止めておきます。以上です。
追記
感想にて書いていただいた「アンケートには100パーセント同じものは選ばれない」ということですが、第二話でのアンケートで掲示板は苦手という方も少数いたので、とりあえず本編を進めつつ、○○話記念などといった書ける時に番外編として載せるつもりです。今書いても少ししか投稿できないので、どうせならたっぷりと、本編を進めつつこの話の時はプレイヤー目線だとどんな感じだったのかという想像で書いていこうかと。ついでに何かしらの番外編も書くつもりです。つまりボリュームアップさせていっぱい書いて投稿できるときにやります!
それは、ある日唐突に起きた。
────いや、藤丸立香が「アルトリア・ペンドラゴン・オルタを召喚した」といった時点でフラグは立っていたのだろう。そう言峰は考えた。
それはある日、ダヴィンチ氏に呼び出されたので言峰が向かった工房。そこにいたのはダヴィンチだけではなかった。何枚かの資料を手に話し合う藤丸立香とマシュもそこにいた。
彼女らが部屋に居て何故現時点でカルデアの責任者となったロマニ・アーキマンはいないのかと言峰が尋ねたが、彼は忙しさのあまり倒れそうだからと無理やり休ませたらしい。だから今はここに居ないのだという。
「よろしくお願いします。言峰さん!」
「……ああ」
マシュが元気よく話しかけたので言峰は頷き返した。
マシュ・キリエライト。彼女もまた藤丸立香と同じく言峰の部屋へやってくるカルデア職員の一人……の、ようなもの。
もちろん職員たちのように不安や泣き言をいうためにではない。
藤丸立香のように、絶対に周りには言えない弱みを漏らすためでもない。
それは、言峰が促したこと。
マスターと交流していった記憶を言峰自身と共に共有出来たらというもの。
言峰自身は記憶もあるのでこれから先マシュ・キリエライトが死ぬことなく生き延びることも知っているが、第三特異点へ行き終わった後であるため、現時点でまだマシュは己の寿命が残り僅かであると思っていること。
一瞬、一秒も見逃すことのできない思い出を全部マシュにとって大好きな藤丸立香と共に経験し共有していきたいと思い全力で生きている。そう言峰は推察し、何か面白い部分はないかとマシュに話しかけたのだ。
なんせあの人類崩壊へ導いた元凶がマシュを気にしているようだから。
それ以外にも、あの────言峰には絶対に姿を見せないあのマーリンに似た獣との交流。その接点を聞きたいがため。何かしら面白おかしい話も聞けるだろう。例えばレフが地団駄を踏んでいたあの爆笑しそうなほど理解不能なハロウィンとか。レフが八つ裂きにあったこととか。そういう特異点での出来事をマシュに聞くようにした。
もちろんそれは藤丸立香と交流する前から出来るだけ話をしたいと言っておいたため。
怪しまれないよう、人理が崩壊する前にマシュが経験したことを言峰が知りたいと一言いえば、彼女は快く応じてくれた。
そうして毎日のように話をするようになって、マシュは楽しく笑うようになった。最初の時に見た真顔ではない。藤丸立香と共に過ごすようになって変わっていったのだと理解する。酷くつまらない部分もあるが……。
マシュは言峰を信頼している。そう彼女の事を言峰自身は理解していた。
だから、今回ダヴィンチ工房に呼び出された内容は言峰にしかできないこと。
カルデアで使えない機能。
爆破でやられた部屋。
一部分電気が通らず外と温度が全く同じ氷点下で人が住める状況じゃない場所などのこと。
そういった崩壊部分を回復させるため、言峰がカルデア全体の守護を任されているからこそ把握しているだろうと考えてダヴィンチ氏が報告してほしいとのこと。
それについては言峰は了承し、サーヴァントならば修復できるだろう場所などについても藤丸立香やマシュと通じて話し合う。
後でロマニにも話をするとのことだった。
そんな時、だった。
「貴様……!」
言峰は己の直感を信じ、半歩後ろへ下がった。
そこへ鋭い一閃が切り刻まれる。
言峰がいたはずの場所。避けたことによって床は抉られ周囲にあったダヴィンチが作り上げたいくつかの創作物が吹き飛んだ。
それにダヴィンチが悲鳴を上げるが────その攻撃の鋭さが途切れることはない。
そこにあったのは、黒い剣。黒い鎧を身にまとった、再臨されていない少女。
いや、黒騎士の王というべきか。そう、言峰は他人事のように考える。
言峰自身を攻撃しているのはアルトリア・ペンドラゴン・オルタ。
どうにも藤丸立香に用があったのか、彼女がダヴィンチ工房へ挨拶もなくやってきた。そこで言峰を見た瞬間、攻撃してきたのだ。
不意打ちにも似た一撃二撃という連続攻撃に言峰は余裕を持ってそれを躱した。おそらくはまだオルタの方が再臨もしていない未熟な状態だからかもしれないと、言峰は理解する。
そうしている間に急な騒動にようやく状況を理解したのか、慌てた様子の藤丸立香が両手を上げてオルタを見た。
「ちょっ!? ち、ちょっとちょっと待ってオルタっ!?」
「止めるな立香。アレはこのカルデアに居てはならない、敵でなくてはならない存在だ」
「いや言峰さんは敵じゃないよ!」
「は、はい! 先輩の言うように言峰さんは敵ではありません。カルデアを守護する味方のサーヴァントです!」
「サーヴァントだと?」
眉をひそめたオルタに、言峰は己自身がラスプーチンの疑似サーヴァントとして召喚されたことを明かす。
「……立香。いや、マスター。この男を信じるな」
「なんで!? いや、待って。オルタは急に何を言ってるの? 言峰さんとは初対面じゃないの?」
困惑気味の立香に対し、オルタは「奴が生前の頃だが、以前召喚された時にいた男で、ただの敵だ」という。
口数少ないのはオルタなせいか。それとも藤丸立香とはまだ絆が結ばれていないのか。
「アルトリア・ペンドラゴン・オルタ。君の言いたいことは分かった。でもここでの戦闘は許可していないよ。ラスプーチンと喧嘩したいというのなら専用の場所でやってくれ。もちろん止める時は止めるがね!」
ダヴィンチがオルタを諫める。
これ以上武器を使っての攻撃は許さないと言外に伝えたおかげか、殺気立つオルタがこれ以上言峰自身へ向かうことはない。
言峰にとっては、アルトリア・ペンドラゴン・オルタは敵ではなかった。まだレベルが上がっていないせいか。それとも聖杯が捧げられていないためか。
動きが鈍いなと観察していて分かったこと。
ならば言峰はこの状況を楽しむことにした。
さてこの状況で藤丸立香はどう行動するのか。言峰たる自分自身を怪しむか。それともオルタのことを信じないか。どちらにしてもカルデア内部での亀裂が入るだろう。
現状────カルデアの中心は藤丸立香となっているのだから。
そう、内心で笑っていた時に、オルタが言峰の心情を察したのか睨みつけてくる。
「……喧嘩をしたいわけじゃない。殺したいのだ、この男を」
「絶対に駄目! 言峰さんは良い人なんだから、絶対にだめ!」
「何故だマスター。奴を生かせばいつか取り返しのつかないことになるぞ」
「それでも駄目!!」
藤丸は叫ぶ。
「オルタと一緒に交流してきてるから分かるよ。オルタが嘘をつかないってことを! オルタが言うように、言峰さんが悪い人な一面を持ってるんだって。でも私は、言峰さんと話してきた。その日々は忘れられない! あの夜に話してくれた尊い一言を、私は忘れない!」
オルタのことを信じ、裏切られたとしても。
それでもなお、藤丸立香は真っ直ぐに伝えてくるのだ。
「私は言峰さんに救われたんだ。だから私は信じたい。オルタが言うように悪い部分があっても、そこも受け入れる。受け入れてなお、ラスプーチンとして召喚された言峰さんを信じる!」
真っ直ぐに輝かしくも眩しいその言動を、言峰は静かに聞いていた。
今までやってきた行動の中に悪要素も何も含まれていないのならオルタの言う言葉は信じれないというもの。しかしどちらの意見も信じ、どちらも受け入れると言った。
疑心暗鬼にもならないかと、言峰は少しだけ藤丸立香に落胆した。
まあ玩具候補からは外れていないが。
自分に対して真っ直ぐであること。
受け入れていること。信じていると言った相手が裏切った場合はどう反応するのか。またその後敵だと思っていたら実は味方だと分かったらどうなるのか。二転三転する状況での反応がとても楽しみだと、言峰は薄ら笑う。
自分が依存させるようにしたのだから自分に味方するだろうとは思っていたのだ。オルタの意見を聞き入れた上で反論したのは予想の斜め上だったが……。
オルタはつまらないような顔で「私は忠告したぞ」という。
おそらく言峰に対して隙あらば攻撃してくることもあるだろう。ダヴィンチも思うことはあるようだ。
────さて、これからどうなるか。
そう、言峰は内心で笑った。
現段階でオルタにならちょっかい出してもいいかと、彼はアルトリア・ペンドラゴン・オルタに近づくようになった。
それがある意味、失敗だったのだ。
もしかしたらありえたかもしれないIFでNG話。
(追記、名前の件で感想にて指摘があったので修正しました。『彼』がもう一人きたらまた、名前呼びが変わります!)
彼はここまで幸運値が低かっただろうか。
そう、ぐつぐつと煮立った鍋をかき混ぜながら考える。
それは言峰の部屋。
藤丸立香に用があったのか探し出してやってきたとある青い狗……のちょっと年取ってる姿。
「あぁ!? なんでてめえがここに居やがる!?」
「ああ、ランサーか。召喚されていたのか?」
「違うよ言峰さん。キャスターだよ。キャスターのクー・フーリン」
「そうか」
「そうかじゃねえよ! ってかおい嬢ちゃん。何でこいつと一緒にほのぼの食事してんだ!?」
「はい、言峰さんから頂きましたお夜食です!」
「その真っ赤に輝く麻婆が?」
「うん。美味しいよ?」
にっこりと笑った藤丸立香に対し、信じられないような顔をするキャスターのクー・フーリン。その男の心境を察してニヤニヤと笑う言峰。
藤丸立香は毒が効かない。そのせいだろうか。……いや、毒入れていないがと言峰は内心で考えつつも、麻婆はちょっとだけ辛い程度にしか感じないという藤丸立香の舌の鈍感さに笑った。
「それで、どうしたのクー・フーリン。何か用事?」
「いや言いたいことがあったがこいつがいるせいで全部吹っ飛んじまった。なんでこいつがここに居るのか知りたいが聞きたくもねえ。ってかこの場に居たくねえから後で話す────」
「待ちたまえ、ランサー君」
じりじりと後退し、逃げようとしていたキャスターのクー・フーリンを言峰が捕まえた。
癖のように「ランサー」と呼んでしまったが、そこを指摘するほどの余裕はこの青い髪をしている男にはなかったようだ。
一応藤丸の方から「言峰さん、キャスターだよ?」と軽めにいってきてはいたが、それをキャスターのクー・フーリンが聞いていたとは言峰には思えなかった。
つまり、話をまともに聞きたくないぐらいこの場から逃げ出したかったのだろう。
言峰は内心とっても楽しくニヤニヤしながらも、藤丸に向かって言う。
「藤丸立香。彼もこんな夜中にまでマスターを探して大変な思いをしてきたのだろう。労わってやった方がいい。その麻婆は分けてもいいかね?」
「もちろんだよ!」
「誰がいるか!!」
「えっ、いらないのクー・フーリン? こんなにおいしいのに……ほら、本格的で美味しいんだよ。言峰さんの自信作だって言ってたし、一緒に食べよう?」
そうして藤丸立香は善意でもって地獄を作り出す。
キャスターのクー・フーリンが何度も否定してもそれは止まらない。もちろん逃げ出そうとしたが、彼を拘束する言峰がいるせいで事態は悪化するだけ。
彼の状況など気づいていない様子の藤丸立香は、青い顔で否定するクー・フーリンの言動に「大袈裟だなぁ」といいながらその麻婆をスプーンいっぱいよそってアーンした。
なんせ藤丸立香は言峰を信じている。
依存している。言峰の言っている言葉を全て受け入れて、彼が悪いことなどしないと思い込んでいる。
だからこうして、悲劇は起きた。
「ほら美味しいでしょ。ちょっと辛いけどクー・フーリンなら私と同じく美味しく食べれるんじゃ……ねっ、あれ……待って……
クー・フーリンが死んだ!?」
視点(勘違い視点)は主にどちらがいい?
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言峰憑依主側
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立香を主にその他側