綺麗な言峰とか呼ばれ始めた奴   作:温めない麻婆=ちゃっぱ

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ある意味プロローグみたいな感じです。
ここからは敵ターン。





第七話 使い勝手のいい道具

 

 

 

 いわゆるちょっとした刺激を求めて、ちょっとした失態を行った風を装った。

 何故それをやったのかと言えば、言峰自身を警戒するサーヴァントたちから殺意が消えて困惑へ移行し、また疑念の色が見え始めたからである。

 

 何故かと言われれば、それは様々なサーヴァントたちが召喚され始めたから。

 流石にまだ第五次陣営は召喚されていない。しかしアンデルセン達から月の聖杯戦争で運営NPCとしてやら、購買店員として働かされてたりやらとしていた話を聞いたらしい。

 それ以外にもとあるイベ関連にて召喚された魔法少女なイリヤスフィールに驚かれた顔で「ラーメン屋のおじさん!?」と叫ばれた記憶があった。

 

 つまり、並行世界によって言峰の立場が変わるということ。

 英霊にもそういう存在はいるだろう。カルデアが人理崩壊する前から召喚に応じて協力していたことをそこまで警戒しなくてもいいと思われたらしい。

 

 言峰自身に対する評価が善人であるだろうという疑念へ変わっていったのだ。

 これで裏切ったらどうなるだろうかと言峰は考えるより先に行動へ移してしまった。先走ったのだ。

 

 これで追放処分のような扱いを受けて座へ強制送還されたとしても構わなかった。なんせ面白かったから。第五次の「やっぱりか」という呆れたような顔。幼少期のギルガメッシュは真顔だったのが懸念点だが、藤丸とマシュにちょっとした絶望顔を拝むことが出来たのは楽しかったといえよう。そう言峰は行動したことに後悔はなかった。

 

 どうせ裏切るのだ。ならばそれが早いのか遅いのかというだけ。

 部屋に監禁状態であっても構わなかった。それぐらいの覚悟はあった。

 

 しかし────部屋で待機していた言峰に襲い掛かったのは突然のレイシフトにも似た何か。急に時代を超えたように感じたものだった。

 

 これはレフの仕業ではない。聖杯によるイベントのような面白おかしい何かが起きた様子でもなかった。そう言峰は理解している。

 ならばこれは誰がやったのか。考えるより先に結論付けたのだ。

 

 

 ────ゲーティアが言峰をどこかへ送ったのだと。

 

 

「……ふむ」

 

 

 正直に言って自分をどこぞへレイシフトさせる必要性を感じてはいなかった。だがゲーティアは強行した。カルデアで監視されていた、現在最も疑わしいと思われた言峰自身を。

 

 何かしらの役割を与えて動かそうというのか。

 それとも未だに藤丸立香やマシュ・キリエライトに好かれているからか。

 まあ再会したとしても、言峰に対して依存しまくった状態のままだとは思えないが……。

 

 

 惜しいのか、自分自身が。

 言峰自身がカルデアでやっていた行為。何か言峰自身の存在がカルデアに攻撃できるものだと考えているのか。

 

 いや、ゲーティアが自分自身をそこまで評価しているわけではないはず。

 戒めか、それともちゃんと裏切って仕事しろとでもいうのか。

 

 

「……ここで考えていても仕方がない」

 

 

 現在言峰は森の中にいた。

 神父服の姿で歩くには少し面倒ではあったが、力技で押し切った。

 

 少し歩いてみて理解した。

 言峰にとってそれは、少しばかり予想外であったもの。レイシフト先で見た景色に言峰は嗤いが止まらなくなった。

 

 なんせ気が付いたらウルクに飛ばされていたのだから。

 

 

 

 

 




ちなみにカルデアまだ第七章まで進んでない状況。マシュに協力してくれている英霊が誰なのかもわかってない六章未満。

ここから先はレフかゲーティアか藤丸立香に対して裏切り&アゾられフラグが立つ(誰にとは言わない)


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