好きなウルトラマンに転生したけど、トレーナーやっています!   作:断空我

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息抜きに前から書いてみたいと思っていたウルトラマン×とウマ娘を書いてみました。

好評であれば、連載するかも。

とりあえず、一話だけ掲載します。




タマモクロスストーリー

突然ですが、自分は転生者である。

 

こんなことを言ったら頭おかしい人と思ったりするかもしれないが事実なのでひとまず話を聞いてほしい。

 

気付いたら自分は死んでいたのだが、死んだら目の前に神様が現れる!とかそういうことはなく転生していたというケースである。

 

それで普通に転生していたら良かったのだが、

 

なんと、転生した先は人間でなく、ましてや地球人でもなかった。

 

M78星雲、光の国のウルトラマンに転生していたのである。

 

オリトラマンではなく、なんと、俺の愛してやまないウルトラマンマックス。

 

知らない人に説明するとウルトラマンマックスはウルトラマンネクサスの後に放映された作品で、3クール、30話でありながらも第一期ウルトラ作品の良さを持ちながら独特な展開などもある最強最速のヒーローである。

 

そんな大好きなウルトラマンになった事実に戸惑いながらもM78星雲光の国の宇宙警備隊に入隊する為に勉強や鍛錬を重ねたものの、文明監視員としての能力が高いという評価から警備隊ではなく、文明監視員として様々な惑星の文明を監視した。

 

宇宙警備隊が宇宙の平和を守るのと同じで文明監視員の仕事も重要なもので他の惑星の文明レベルを監視、宇宙に進出して問題があるか、危険度等を調べる事が主な業務になる。

 

その為に、多くの惑星を監視した。

 

中には文明の発達が良くない方へ進み自滅で滅んだ惑星もあったが、様々な星の文明に興味、関心をよせることが多い。

 

そんな俺だが、現在、赤い光球の状態で前を飛行する存在を追いかけている。

 

青い発光体に包まれている相手は宇宙一の乱暴者、ヤナカーギー。

 

この怪獣、ウルトラマンティガに登場した怪獣なのだが、どういうわけかこの宇宙で好き勝手していたのである。

 

M78星雲に戻る途中であった俺は光の国のウルトラマンとして見過ごすことができず、奴を捕まえようとしていた。

 

捕まえた怪獣は怪獣墓場へ連れていく、もしくは宇宙の墓場へ連行する事になる。

 

この二つが出来ない場合、最後の手段として命を奪う。

 

出来れば、最後の手段はあまりとりたくはないので、捕獲という方法で頑張っていた。

 

宇宙一の乱暴者といわれるだけあってすばしっこい。

 

これは少し手荒なことをしなければなないだろうか?

 

「!?」

 

突如、目の前にワームホールが出現した。

 

いきなりの事に思考停止してしまった俺から逃げようとするヤナカーギーは躊躇いもなくワームホールに飛び込んだ。

 

追跡するかどうするか、少し悩みつつも、ヤナカーギーがこの先で悪さをすることを見過ごすわけにいかない。

 

俺はウルトラサインを発した後、ワームホールへ突入する。

 

 

 

 

 

 

 

ワームホールへ突入してから三年が過ぎた。

 

あれからの事を語ると別宇宙へ突入、ヤナカーギーを撃退したものの、ワームホールが閉じており元の宇宙へ戻ることができなくなった。

 

帰る方法がわからない以上、この宇宙で過ごさなければならない。

 

その為、俺はヤナカーギー撃退の為に訪れた太陽系第三番惑星で生活している。

 

勿論、ウルトラマンの姿ではなく、その星の住人の姿を借りて。

 

いつか、この星の文明が進展すれば、元の宇宙、もしくはM78星雲へ帰るための方法が見つかるかもしれない。

 

もしくはウルトラサインで異変を察した誰かがきてくれる可能性もある。

 

それまではこの星の者として静かに過ごそうと考えていた。

 

この星は俺が住んでいた太陽系第三番惑星地球と異なるところがある。

 

それは人族以外に進化した生命体がいるのだ。

 

ウマ娘と呼ばれる少女達。

 

彼女達は人間と異なり、転生前の世界でみたウマとどこか似ている。

 

違いがあるとすれば、ウマ娘は文字通り、女の子しかいないということくらいだろう。

 

文明監視員としてはどういう環境で進化する事になるのか興味はあった。

 

「しかし、俺がトレーナーねぇ」

 

トレーナーはウマ娘と二人三脚でレースやウイニングライブに向けて奮闘する。

 

そんなウマ娘とトレーナーの多くのはトレセン学園を拠点としている。

 

正式名称は日本ウマ娘トレーニングセンター学園であり、東京ドーム17個分の広大な敷地に建っており、全寮制、生徒達は皆、ここで生活していた。

 

多くのトレーナーとウマ娘達が一番人気となるため、日夜、トレーニングを行っている。

 

そんな役職に俺は就いていた。

 

新人トレーナーから毛が生えた程度だが、スカウトを頑張っている。

 

「文明監視員として活動していた頃よりやりがいを感じるって変な気分」

 

肩を竦めながら近くの芝生へ寝転がる。

 

ホームシックというわけではないけれど、M78星雲の同胞たちはどうしているのだろうか?

 

 

 

「何をしているのかな?トレーナー君」

 

このまま眠ろうとしたところで声をかけられて目を開ける。

 

「この時間帯、生徒は授業中なんじゃないか?」

 

長い髪を揺らしてこちらをみてくるウマ娘。

 

この学園の生徒会長さんか。

 

「教師が急な用事で自習となったのさ。それで外を見たらふらふら歩いているキミを見つけたのでね。ここで何をしているんだい?」

 

「ん~、昼寝」

 

「トレーナーならこの時間帯にやらなければならない業務があったと記憶しているが」

 

「既に終わらせた。俺は今、担当がいないからねぇ」

 

「そう、だったね。すまない。嫌な事を思い出させた」

 

ちらりと、彼女の耳をみるとペタンと萎れている。

 

耳は口ほどに語るといわれるがこれはいつ見ても慣れないなぁ。

 

他の天体の色々な生物を見てきたが、ウマ娘は誰もが美しく、そして感情が耳によくでる。

 

「トレーナー君?どうしたんだい」

 

「いや、空はどこも変わらないなぁと思っただけだよ」

 

ズボンについている汚れを落としながら立ち上がる。

 

「過去をいつまでも気にするなと……軽々しく言えるわけじゃない。だが、キミも前に」

 

「別に引きずっていないよ。ただなぁ、この娘と一緒に頑張りたいと思える出会いがないんだよねぇ」

 

事実だ。

 

ウマ娘をスカウトする為、定期的に行われる選抜レースがあるんだが、この娘だ!と思えるウマ娘がいない。

 

「……なら」

 

「どっかにスカウトしたいと思える娘、いないかなぁ?」

 

後ろでぶつぶつ言っているウマ娘がいるみたいだが、そろそろ選抜レースが始まる。

 

このままダラダラしていても意味がないし、レースの見学でもしてくるかなぁ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「トレーナー君!もし、良ければ、この私を!」

 

 

「アンタ、何やってんだ?」

 

 

数十分後、意を決した様子で訴えるルドルフがいたらしいが、その場に目的のトレーナーはおらず、シリウスシンボリがひきつった表情をしていたとか、そうでないとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、同時刻、トレセン学園のレースの端。

 

「これ、なんだろう?」

 

「石の柱?」

 

「何だろう?」

 

レース中に地面から出現した岩の柱のようなもの。

 

ウマ娘達は気になり、ぺたぺたと柱を触る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「というわけでキミをスカウトしたい」

 

「何がというわけやねん!いきなりすぎてわけわからんわ!!」

 

選抜レースをみて、一人のウマ娘を俺はスカウトしていた。

 

名前をタマモクロス。

 

「って、アンタ、よーみたら、前に子供の為に風船をとったった兄ちゃんやないか!」

 

「うん?お、子供に交じって遊んでいた小学生ウマ娘」

 

「誰が小学生やねん!?ウチは高校生や!!」

 

「おっと、失礼。さて、スカウトの返事を」

 

「アンタ、ウチをスカウト言うたけど、見た感じ、ベテランや中堅ってわけやないやろ。そんなアンタがウチをGⅠ、日本のレースすべてを勝たせる自信があるんか!?」

 

真剣な表情で問いかけてくるウマ娘。

 

「勝たせる自信か、あるといえばウソになる」

 

「それやったら」

 

「けれど!」

 

彼女の言葉を遮る形になったが俺は力強い言葉で伝える。

 

「キミを支えて勝たせる為の力はある。その為の準備はしてきた。だから、タマモクロス」

 

――後はキミの覚悟だけだ!

 

俺の言葉に動揺するタマモクロス。

 

「う、ウチは」

 

彼女が言葉を紡ごうとした瞬間。

 

空に眩い光が降り注いだ。

 

「な、なんや!?」

 

「光……いや、これは」

 

戸惑っていると近くから困惑の声が聞こえてくる。

 

「おい、どうしたんだ?」

 

俺とタマモクロスが向かうとウマ娘の集団がしきりに何もないところを叩いている。

 

「あ、その、何もないのに通れなくて」

 

「通れない?」

 

不思議そうに歩いていくとゴチンとみえない壁のようなものにぶつかってしまう。

 

「つぅう!?」

 

「だ、大丈夫かいな!?え?壁か?見えない壁があんで!?」

 

タマモクロスの言葉通り、見えない壁のようなものに阻まれて先に進むことが出来ない。

 

周りに気付かれないように瞳に意識を集中する。

 

キラリと瞳が輝き、透視能力が発動する。

 

ドーム状に見えない幕のようなものが展開されていた。

 

「見えない壁か……だが、こんなものがなぜ?」

 

「トレーナー君!」

 

芝生を走りながら駆け寄ってくるウマ娘、シンボリルドルフ。

 

「どうした?」

 

「あっちに変なものが地面から出現したんだ」

 

「変なもの?」

 

「目撃した娘の話によれば、岩の柱ということなんだが」

 

「見に行くか……ルドルフ、念の為、岩の柱に他のウマ娘達が近づかないようにするんだ」

 

「わかった」

 

「行くんか?」

 

「あぁ」

 

タマモクロスはついてくる。

 

「おい、危ないかもしれないから避難しろよ」

 

「それはアンタにも言える事やろ?何かあればウチが抱えて走ったるからな!」

 

あまり無茶な事をさせたくもないんだが、目を見る限り引き下がりそうにない。

 

タマモクロスと共に岩の柱らしきものが出た場所へ向かう。

 

「あれー、トレピッピじゃん、何やってんの?」

 

「ゴルシ、危険だから避難しろって話……聞いていてもくるよな」

 

俺の問いかけにゴルシこと、ゴールドシップはビシッとどこかでみたようなポーズをとる。

 

「ふっふっふっ、トレピッピの傍にゴルシあり……って、幼女も同伴かよう」

 

「誰が幼女や!?」

 

タマモクロスのツッコミを聞き流しながら岩の柱に触れる。

 

ほんの僅か、人間に感じ取ることはできないが生命の脈動のようなものが感じられた。

 

――これは良くないな。

 

「トレピッピ?真剣な顔してどーした?」

 

「ゴルシ、タマモクロスもここは危険だ。すぐに離れよう」

 

俺の言葉がトリガーになったのかわからないが地面が揺れる。

 

「なんや!?」

 

「お、お?おぉ!?柱が沈んでいくぅ!?」

 

マズイ!

 

「逃げるぞ!」

 

ゴルシとタマモクロスの腕を掴んで走る。

 

最初は引っ張られている二人だったが少しするとこっちを抜いてしまう。

 

「逃げるって、どこへ逃げたらいいんや!?トレーナー!」

 

「そうだそうだ!」

 

「この先に取り壊し予定の旧校舎がある!ひとまずそこまで逃げるぞ!」

 

二人はあっという間に走り出す。

 

うん、ウマ娘というのもあるけれど、トレーナーから見てあの二人の素質は中々のものだ。

 

そんなことを思っていると悲鳴が連続して起こる。

 

振り返ると地面から次々と触手のようなものがウマ娘を捕まえていた。

 

突然の事に逃げ惑うウマ娘もいれば、勇敢にも助けようと触手へ挑む者もいる。

 

しかし、ウマ娘の力をもってしても触手はほどけず、邪魔とばかりに薙ぎ払われてしまう。

 

近くでぺたんと座り込んでいる娘を立たせながら旧校舎を目指す。

 

目指していたのだが。

 

「なんや、これ……」

 

「うわー、カオスってるなぁ」

 

先についていたゴルシやタマモクロスが呆然とした表情を浮かべている。

 

追い付いた俺も目の前に光景に息を飲む。

 

旧校舎の中に入ろうとするウマ娘を阻むトレーナーや一部の者達によって人だかりが出来ていた。

 

「トレーナー君」

 

「ルドルフ、これはどういう……いや、なんとなく予想できるけどさ」

 

「パニックを起こした一部の者達が籠城を決め込んだ。死屍累々というわけではないけれど、人が増えればより狙われる危険があると」

 

「なんや、それ!自分らだけが助かればそれでええんかい!」

 

「うわー、ゴルゴル星でもこんなことねぇぞ」

 

憤慨するタマモクロスに呆れるゴルシ。

 

勿論、外にいる一部のトレーナーが説得を試みているようだが、パニックを起こして疑心暗鬼になっている人達は信じない。

 

「ルドルフ、他に安全な建物は?」

 

「残念ながら見えない壁に阻まれて、ここと、もう一カ所しかない。だが、もう一カ所はたくさんの生徒達を避難させることに向いていない。後は助けが来る事を待つか」

 

ルドルフの考えをあざ笑うかのように地面が大きく揺れる。

 

「何や!?地震か!」

 

「おい、あれみろよ!」

 

ゴルシの指さす方向。

 

予想していたとはいえ、行動が速い。

 

地面から巨大な生き物が現れる。

 

ごつごつした皮膚。鋭い爪、尖った牙。

 

爪の間にある鞭のような触手。

 

あれがウマ娘達を拉致したモノの正体だろう。

 

俺はあれを知っている。

 

あれの名前を。

 

ウルトラマンティガと呼ばれるヒーローが戦った怪獣。

 

ガギ。

 

何故、奴がこの星にいるのかわからない。

 

だが、あの見えない壁や襲った鞭の正体からある程度の予想はしていた。まさか、本当にガギだったとは思わなかったが。

 

どうするかと考えていると携帯端末が鳴り出す。

 

「もしもし」

 

「こんな時に電話でるんか!?」

 

『いやぁ、お困りのようだねぇ、モルモット君』

 

「タキオンか」

 

電話の相手はウマ娘でありながら走る事よりも実験やら実験が大好きなウマ娘、アグネスタキオンだ。

 

『事情は把握しているよ。学園側は突然の事態に警察や自衛隊等に協力を要請はしている。だが、すぐに行動を起こせないだろうね。いきなりの事態だ。周りの避難などの問題も』

 

「手短に」

 

『見えない壁を何とかする方法があるんだ』

 

「それは?」

 

電話をスピーカーモードにして周りへ聞こえるようにする。

 

『簡単に調べてみたけど、その見えない壁とやらはやたらに水素を含んでいる。液体窒素を使えば一部を壊すことができるだろう』

 

「できるんだな?なら、すぐにやってほしい」

 

『即決即断とはいいねぇ、だけど、見えない壁を壊したらあの未確認巨大生物は気づくかもしれないよ?』

 

「それなら目の前に餌をぶら下げていれば、気付かないだろ?」

 

『成程、成程、だが、そんな事をしてくれる物好きがいるのかな?』

 

「いないだろうな。だから、俺がやる。お前は急ぎ準備をはじめてくれ」

 

『やれやれ、仕方ない。だが、モルモット君』

 

飄々としていた態度から真剣な声が聞こえてくる。

 

『私は命の無駄遣いというものが一番嫌いだ。そんなことをしたら許さないよ?』

 

「おいおい。俺だって命は惜しいよ」

 

『ならば、急いで準備しようじゃないか、五分で用意してみせよう』

 

「任せた」

 

タキオンと通話を終えた所で俺はルドルフをみる。

 

「ルドルフは生徒達を誘導してくれ」

 

「しかし!」

 

「お前は生徒会長だ。生徒を守る義務があるだろ」

 

俺の言葉にルドルフは顔を顰める。

 

「大丈夫だ。囮をするといっても危険な事はしないし、生徒達の避難が完了したらすぐに逃げる」

 

「トレピッピ一人がやるわけじゃない。このゴルシ様ちゃんもやるぜぇ!」

 

俺の肩に手を回しながらピースをしてくるゴルシ。

 

「ゴルシ、お前も避難誘導に回ってほしいんだが」

 

「あー!?なんでだよ!」

 

「普段は破天荒だが、パワフルなお前の力が必要になるんだよ」

 

普段は奇天烈摩訶不思議と言われるゴルシだが、とにかく行動力がある。

 

混乱している連中を追い払う様に避難誘導が出来ると俺は思っていた。

 

「ちぇ~~~っ、トレピッピが言うなら仕方ないなぁ」

 

「すまないな」

 

「なら、ウチがやる」

 

全員の視線がタマモクロスに集まる。

 

「いや、タマモクロスも」

 

「バカにすんなや!ウチは尻尾巻いて逃げることなんてせぇへん。てか、人間であるトレーナーがここまで奮闘しているのに、ウチだけみているなんてできるかい!」

 

ぐぃっとタマモクロスが俺の服を掴む。

 

「それに、アンタとはちゃんと、話し合わないとあかんことがある。あんなわけのわからん奴に邪魔されてたまるか!」

 

真剣なタマモクロスの目。

 

これは何を言っても引き下がらないな。

 

「わかった。だが、俺の指示に従ってもらうぞ」

 

「任せとき!」

 

頷いて俺は全員を見る。

 

「こんな事態だ。俺が言えるのは絶対に死ぬな。後でみんな会おう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はガギの気を引き付ける為にタマモクロスと共に行動を開始する。

 

開始といってもゴルシが悪戯で用意していた爆竹で奴を驚かせて狙わせるようにするというものだ。

 

小柄ながらもウマ娘として力を持つタマモクロスによって眼前に爆発を受けると流石のガギも驚き、こちらへ狙いを定めてくる。

 

 脚で走るタマモクロス。

 

 俺はゴルシが隠し持っていたセグウェイで並走しながら指示を飛ばす。

 

「速度を落とすな!奴の攻撃が来るぞ!」

 

「任せんかい!そんなへなちょこが当たってたまるかぁ!」

 

俺の指示に速度を上げてガギの攻撃から逃げるタマモクロス。

 

ちょこまか逃げるタマモクロスを鬱陶しいと感じているのだろう、ガギの攻撃がどんどん荒くなっていく。

 

この調子なら閉じ込められている娘達を安全に逃がすことが出来ると思う。

 

それにしても。

 

「やっぱり、素質あるよなぁ」

 

タマモクロスは必死さというものもあるだろう、でも、その走り方はウマ娘のトレーナーとして大変、興味深いものだ。

 

「よし、そのままっ!?」

 

続けて指示を出そうとした時、ガギが頭部の角から光線が放たれる。

 

狙いの先はタマモクロス。

 

鞭で潰すことを諦めて光線に切り替えたようだ。

 

一撃が近くの地面に直撃、爆風で吹き飛ぶタマモクロス。

 

セグウェイから飛び降りて彼女の下へ駆け寄る。

 

「タマモクロス!大丈夫か!おい!」

 

うちどころが悪かったのか、動く気配がない。

 

ガギをみると次の光線の準備を始めていた。

 

「……こんなところで死なせるわけにいかない」

 

俺は腰のポーチから変身アイテムマックススパークを取り出す。

 

走りながら左腕にマックススパークを装着。

 

眩い閃光に俺は包まれて、本来の姿へ戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タマモクロスSide

 

――あれ、ウチ、どないしたんや?

 

朦朧とする意識の中でタマモクロスは直前の事を思い出そうとする。

 

――せや、あの変な化け物の気を逸らそうとしたら爆発して?あかん、意識が朦朧とする。

 

直撃は受けなかったものの、受け身がうまくとれず、意識がぼんやりしているタマモクロスの視界の隅で動く怪獣。

 

――動かなあかんのに、体が言う事を聞かへん、死ぬんかな?

 

自分に迫る死。

 

タマモクロスの脳裏に蘇るのは家族の記憶。

 

大好きな両親、そして最愛のチビ達。

 

そして、何故か、自分をスカウトしてきた彼の姿。

 

 

――あれ、なんでアイツの姿が過るんや?

 

 

疑問に思いながらも嫌に感じないことにタマモクロスは気づく。

 

――あ~、そっか、アイツの事をトレーナーとして。

 

迫るガギの光線。

 

来る衝撃に身構えたタマモクロス。

 

しかし、いつまで経っても衝撃は愚か何も起きない。

 

それどころか温かい何かに包まれているような気がする。

 

ゆっくりと瞼を開ける。

 

「へ?」

 

目の前に眩い光と共に現れた巨人がいた。

 

ガギと同じサイズくらいの存在にタマモクロスの意識は急激に覚醒する。

 

「で、デッカーーーーイ!?」

 

驚きのあまり叫びながらタマモクロスは巨人を見る。

 

全体的に赤く、胸元は金と銀の鎧、中心に青く輝きを放つクリスタル。

 

頭部は兜のようなものに覆われ、額のあたりに輝く青い宝石のようなものがあり、黄色い瞳が真っすぐにタマモクロスを見つめている。

 

「アンタが、守ってくれたんか?」

 

タマモクロスの問いかけに巨人は小さく頷いた。

 

――コイツは敵やない。味方や。

 

 

直感的にタマモクロスは巨人を味方と感じ取った。

 

 

タマモクロスSideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――間に合って良かった。

 

本来の姿に戻った俺は掌の中にいるタマモクロスの安否を確認する。

 

大きな怪我は無いようだが、かすり傷などが目に付く。

 

ガギは獲物を横取りされた事に頭にきているようでこちらへ鞭を振り下ろす。

 

俺は高速で移動して鞭を回避すると避難活動をしているルドルフの前に立つ。

 

「キミは……あの時の!?」

 

ルドルフがこちらをみて驚きの声を上げている。

 

はて、この姿で人やウマ娘の前に立つのは初めての筈。

 

疑問を抱きながらも俺はタマモクロスをルドルフの前に降ろす。

 

「タマモクロス、大丈夫かい!?」

 

慌てた様子でルドルフは俺の掌の上にいるタマモクロスへ呼びかける。

 

「へ、あ、まぁ、大丈夫や」

 

呆然としていたタマモクロスはルドルフの呼びかけにハッとした表情で受け答えしている。

 

彼女が地面に降りた事を確認して、俺は立ち上がった。

 

振り返ると同時に高速で移動してガギの額の角を拳で破壊する。

 

ガギは角をへし折られて悲鳴を漏らしながら後退していく。

 

逃げる為に無茶苦茶な軌道で鞭を振るう。

 

それらに当たらないように距離をとりながら頭部の角飾りからマクシウムソードを放つ。

 

マクシウムソードは宇宙ブーメラン状の武器でありウルトラ念力で自由自在に操ることが出来る。

 

ガギの両方の鞭を細切れにした。

 

自慢の武器を全て破壊されたガギは逃走しようとする。

 

この星に住まう怪獣で敵意がないのなら見逃しても良いだろう。

 

だが、ガギは宇宙怪獣であり、産卵の為にウマ娘達を餌として地中に拉致している。

 

このまま見逃すわけにいかない。

 

マックススパークに漲る光のエネルギーを破壊光線にして放つ必殺技“マクシウムカノン”を放つ。

 

マクシウムカノンの直撃を受けたガギは大爆発を起こす。

 

ガギを倒した事を確認して、俺はウルトラ念力で地面へ力を込める。

 

地面がボコボコと膨れ上がり、中からガギに捕らわれた沢山のウマ娘達が閉じ込められた繭が現れた。

 

 

――後は任せて大丈夫か?

 

俺はこちらを呆然とした表情でみているウマ娘やトレーナー達を一瞥しながらジャンプしてそのまま青空の向こうへ飛翔した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やりすぎたかな?」

 

ガギを倒して数時間後、見えない壁はアグネスタキオン特性の液体窒素爆弾によって破壊され、警察や自衛隊が突入して、閉じ込められていたウマ娘達は救助された。

 

人間やウマ娘の醜い面がむき出しになった事もあったが、皆が無事に助かったという気持ちが勝って喜びを分かち合っている。

 

「まぁ、ひとまずは大丈夫かな?」

 

もし、これが悪化するなら色々と考えないといけないかもなぁと思っていたが様子見というところかな?

 

「お、こんなところにおったんやな!」

 

振り返ると手当を受けたタマモクロスがこちらへやってくる。

 

「タマモクロス、ケガは大丈夫か?」

 

「こんなんかすり傷や!問題ないで!」

 

「それなら良かった」

 

「な、なぁ、トレーナー」

 

「ん?」

 

もじもじしながらこちらを見てくるタマモクロス。

 

しばらくして、意を決した表情でこちらをみる。

 

「トレーナー、アンタはうちを最強にしてくれるか?ウチを――白い稲妻に」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

他のウルトラマン来訪あり?(来訪アリの場合、昭和、平成から登場予定)

  • あり
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