好きなウルトラマンに転生したけど、トレーナーやっています! 作:断空我
アプリの方はメジロアルダンやら他の娘様もお迎えしました。
「これは……」
「トウマ君、あれ!」
勝人君に言われて空を見上げる。
いつの間に現れたのか、学園の上空に光り輝く物体が浮遊していた。
普通の人には丸く光る物体にしかみえないだろう。
だが、俺や勝人君の目にそれは別の存在に見えていた。
「宇宙船」
「ケムール人の宇宙船、どうして」
このタイミングでケムール人の宇宙船が現れたことに俺は嫌な予感を覚えた。
視線を宇宙船からターフ、レースをしているウマ娘達をみる。
一位になったナリタタイシンが振り返る。
「逃げろ!」
俺は叫んでいた。
異変に気付いたウマ娘は俺の愛バ達だけ。
オグリやタマは何度か異変に遭遇していたおかげだろう。
俺の言葉ですぐにナリタタイシンの傍から離れていく。
しかし、勢いが止まれずゴールに向かったウマ娘達は次々とその姿が消える。
「クリークゥゥウゥ!」
「ハヤヒデ、チケットォォォォ!」
ゴールに近付きつつあったクリーク、ビワハヤヒデ、ウイニングチケットはタマやオグリが止めてくれたおかげで巻き込まれずに済んだ。
俺は足をもたつかせながらナリタタイシンの近くまで向かう。
ナリタタイシンの足元から円形に広がっている不気味な液体。
この液体を踏んでしまったウマ娘は次々と転送されてしまう仕掛けになっていた。
「トレーナー!これはどうゆうことやねん!?」
「と、トレーナーさん、タイシンに、タイシンに何が起こっているの!?」
「不用意に今は近づかない方がいい。説明はすぐにしてくれる……そうだろう?」
――ケムール人。
こちらを見ているナリタタイシンは不気味に笑う。
だが、彼女の足元の影。
そこに映っている姿はウマ娘ではない。
細長い頭部にひょろりとした手足。
「我々の侵略は二度目だ」
ナリタタイシンに寄生しているケムール人は話を始める。
数十年前、彼らは若い地球人の肉体を狙って侵略を試みた。しかし、彼らの星とコンタクトをとっていた地球人の残した本によって計画は失敗。ケムール星は地球の侵略を一度は諦めた。
しかし、別の次元で似たような星をケムール星は察知する。
彼らは再び侵略を決意した。
そして、ウマ娘の一人の肉体と波長があうケムール人が尖兵としてやってくる。
彼らは人もしくはポテンシャルの高いウマ娘を狙う事にした。
「いつからナリタタイシンに憑りついた?」
「さぁ、いつからだろうか?だが、もう止まらない!我々の計画は最終段階に入る!お前達に止められないぞ!」
「はぁ!?お前、何言うてんねんや!ウチらの大事なレース台無しにしおって!」
「タマ!伏せろ!」
俺はタマの頭を掴んで地面に伏せる。
少し遅れて光線が次々と降り注いできた。
不気味な笑みを浮かべるケムール人。
追いかけようにもタマや他のウマ娘達の身の安全を。
「シェア!」
頭上から降り注ぐ光線が止まった。
見上げるとウルトラマンゼアスが光線を弾き飛ばしている。
「(勝人君、ありがとう)」
感謝しながら俺はタマを抱き上げた。
「と、トレーナー!?」
「ここは危険だ。ひとまず安全なところへ逃げるぞ!」
俺達がいたらウルトラマンゼアスが戦う事ができない。
タマを安全な場所に連れて行った後。
「俺も参戦する」
ウルトラマンゼアスは飛来する光線を弾き飛ばしながら足元からトウマとタマモクロスをはじめとするウマ娘達が避難した事を確認する。
「(よし、これで戦える!)」
足元でウマ娘達がいると戦うことが出来ない。
それ故に彼女達を守っていたウルトラマンゼアス。
彼女達が校舎や体育館に避難した事を確認して必殺技を撃つ体勢に入る。
「撃っていいのかな?」
ケムール人の声がゼアスに届く。
視線を向けるとテレパシーでケムール人が語り掛ける。
「撃てば転送されたウマ娘達は帰ってこないぞ」
「(なんだって!?)」
「フフフフ」
不気味に笑うケムール人に視線を向けていた為に地面から出現した地底怪獣パゴスに気付くことが遅れる。
「!?」
不意打ちに驚きながらもパゴスと対峙するウルトラマンゼアス。
パゴスはケムール人の発する電波に引き寄せられて現れた。
その事を情報として知っていたケムール人の計画の一部として組み込まれている。
「さて……必要な数は収集できた。このまま」
「帰らせるわけがないだろう?」
ケムール人は振り返る。
「ほう、来たのか。宇宙警備隊員」
「さっきの内容や今の言葉で確信したよ。お前、別宇宙の存在だな。もしくは俺と同じ」
「その通りだ。宇宙警備隊員。だが、我々の邪魔をできるかな?」
両手を広げて挑発するケムール人。
「他所の星の生命体を盗む事など宇宙の正義に反する。そんなことをする存在を俺は許さない。何より」
ケムール人の目は相手から発するエネルギーにたじろぐ。
本能的な恐怖、宇宙に進出してから失われた感情をケムール人は否定する。
「レースに勝とうとしていたナリタタイシンの妨害をしたお前を決して、許さない」
「お前は邪魔だ。ここで消えろ!」
本来の姿へ戻ると同時にケムール人は巨大化する。
「消えるのはお前だ!」
腕にマックススパークを装着。
眩い閃光と共にケムール人の前に現るウルトラマンマックス。
円盤から放たれる光線を躱しながらケムール人へ接近。
腕を掴んで投げ飛ばす。
空中でくるりと回転して着地しながら頭部から液体を発射する。
スラッシュ光線で液体を一瞬で蒸発させる。
一滴でも建物や地面に落としてしまえば、大変なことになってしまう。
怒りを抱きながらも冷静にウルトラマンマックスはケムール人と対峙する。
ケムール人はステップを踏みながら接近してくる。
頭頂から次々と液体を発射していく。
液体をスラッシュ光線で撃ち落としていた為に接近したケムール人から放たれるハイキックに反応が遅れる。
腹部にキックを受けて地面に倒れるマックス。
馬乗りになりながら攻撃を仕掛ける。
攻撃を両腕でガードしながらマックスは超能力でケムール人の体を調べていた。
「(よし!)」
ケムール人の体を調べて、足で背中を蹴り飛ばす。
派手に頭から地面に倒れるケムール人。
起き上がりながらウルトラマンマックスは頭頂のマクシウムソードを投げる。
マクシウムソードはケムール人の頭頂の触角、そして、背後の円盤を両断する。
発光していた円盤は大爆発を起こす。
円盤が破壊された事に動揺して振り向いている間にエネルギーをチャージするマックス。
『や、やめろ!俺を殺せば、同化しているウマ娘も死ぬんだぞ!』
マックスが必殺技を放つ体勢に気付いたケムール人は動揺しながらも人質がいることを伝える。
マクシウムカノンが放たれた。
『ぎ、イィィッィィィ』
放たれたマクシウムカノンによってケムール人は爆発、することなく体がドロドロと崩壊していく。
崩れ落ちたケムール人の体があった場所。
その地面に気絶したナリタタイシンが横たわっている。
少し遅れて円盤が破壊された事によってビワハヤヒデやウイニングチケットをはじめとした拉致されたウマ娘や人達が次々と転送されていく。
離れた所でゼアスのハイキックによって地中へ逃げていくパゴス。
『やったんだね!』
『あぁ。賭けだったけど、なんとかなったよ』
二人のウルトラマンは頷く。
ウルトラマンマックスが行った事、それはフェミゴンに憑依されたMATの女性隊員をウルトラマンジャックがスペシウム光線で分離させた技を同じようにしたのだ。
後に分かった事だが、ウルトラマンジャックのスペシウム光線はある成分が含まれており、それが分離させたと地球人が後に推測して似たような物を開発させた。
その事を知っていた俺は似たような事件が起きた時の対策として光線技の修業時にジャックに師事して似たような光線技を放てるようになっていた。
但し、実戦で使ったのは今回がはじめてだったので成功するかどうかは五分五分だった。
ナリタタイシンを助けられたことを確認してそのままゼアスと共に飛翔する。
数日後。
「トレーナーさーん!タイシンが、タイシンがぁあああああああああああ!」
ケムール人事件からいつものようにチームメイトの指導をしていたらウイニングチケットが泣きながら飛び掛かってくる。
抱き着かれるという瞬間、スーパークリークが阻止する。
「あらあら、ダメですよぉ。女の子が不用意に抱き着いたらぁ」
どの口が言うのかと俺と勝人君の心の声がハモる。
「すまない、トレーナー君。だが、事態は急を要するんだ」
「ビワハヤヒデまで来るとは、ナリタタイシンの事か?」
「そうだ。彼女が部屋に閉じこもってしまっていてね。このままでは退学にされてしまう」
「レースの結果も、あんなことになってしまってぇええええええええ」
涙を零しながら叫ぶウイニングチケット。
ナリタタイシンの為に開いた模擬レース、最後はケムール人の乱入によって台無しとされた。
生徒会としてもなんとかしたいようだが、宇宙人絡みで議論しようともうまくいっていないという。
「さて、こんな中途半端な結果で終わってしまうと残念だしなぁ。タマ、手伝ってくれるか?」
「ええで、ウチもあんな最悪な結果は嫌やしな!」
頷いたタマと共に女子寮へ向かう事に。
女子寮の前で問題が発生した。
「男子禁制だもんなぁ。ここから先はタマに任せてみるか」
数分後。
「あかんわ。うんともすんともいわへん。後は扉壊すくらいやな」
「そうか」
「そういうわけやから、乱暴な手段か考えなあかんかもなぁ」
「わかった」
あまり使いたくない手段だけど、実行してみるかなぁ。
ナリタタイシンSide
彼女はベッドでうずくまっていた。
ケムール人の騒動については、彼女に落ち度がなく、生徒会長が自ら伝えに来た。
しかし、彼女のプライドはズタズタ。
あと一歩。
あの時のレースの事を思い出す。
「ハヤヒデ、チケット」
ギリリと歯を噛みしめていた時。
外が騒がしい。
「うっさいなぁ」
外でどこかのバカが騒ぎでもしているのだろうか?
そんなことを考えていると窓をコツコツと叩く音。
「うっさいっての!」
布団を蹴り飛ばして顔を上げたナリタタイシンは言葉を失う。
寮の窓の外。
ノックをしてこちらをみているウルトラマンマックスの姿があった。
思考が停止して数秒、あたふたしながら窓を開けるナリタタイシン。
『ありがとう』
感謝してゆっくりと彼女の前に降り立つウルトラマンマックス。
「アンタ、喋れるの、いや、そもそも、そのサイズ」
『このくらい造作もないことだ』
「そ、そうなんだ」
あのウルトラマンマックスと会話をしているという事実に戸惑いながらも話を進める。
「何をしにきたの……アタシを倒しに?」
『なぜ?そのような考えに?』
「だって、アタシは宇宙人に」
『キミが彼女達を侵略者に差し出す意図があってやったことではない。あれは侵略者がキミを利用した……宇宙の正義をキミが犯したわけではない』
「じゃあ、アタシはどうすればいいのさ!」
我慢できずナリタタイシンはウルトラマンマックスへ叫ぶ。
「アタシがやったことを周りが許したとしても、アタシ自身が許せるわけじゃない。アタシ以外の人が解決してくれただけで、一歩間違えたらみんなをアタシは売り飛ばしていた。そんな最悪な罪をどうやったら消せるのさ!答えてよ!」
『罪の清算は人それぞれだ。ただ言えることは一つ』
ウルトラマンマックスの瞳がナリタタイシンを真っすぐ見据える。
それだけの事なのに、ナリタタイシンは目を外すことが出来ない。
『キミの心に従う事だ』
「アタシの心?」
自然とナリタタイシンは胸に触れる。
『その様子からして、キミの答えは出ているようだな』
ウルトラマンマックスは満足したように窓の方へ向かう。
「ま、待って!」
ナリタタイシンは叫ぶ。
「ど、どうして、アタシのところにきたの!?」
『キミの夢がこのまま廃れるところをみたくなかった。夢に向かって真っすぐに走るキミ達を見守りたい、そう考えている』
「そう」
ナリタタイシンは微笑む。
「アンタ、まるでトレーナーみたい」
瞬きしている間にウルトラマンマックスの姿が消える。
慌てて窓の方へ向かう。
ウルトラマンマックスは夜空に飛翔していく。
「……感謝の言葉は伝えない。感謝の気持ちはレースの勝利を見守っているアンタにみせる」
Sideout
「トレーナー、アンタに話がある」
翌日、ガレージの外でナリタタイシンが立っていた。
「どうした?」
「アタシ、アンタと契約をしたい。チームに入りたい」
「……覚悟を秘めた目だな。良いのか?俺のチームは色々と言われているぞ?この前は有耶無耶になったにしても、レースの結果はお前が勝っていた。他のトレーナーが狙っているかも」
「他の奴らの事なんか知らない!アタシはアンタと一緒なら強くなれる、だから、契約を結んでほしい」
真剣な目をしているナリタタイシン。
「レース前の大前なら断っていた」
「え?」
「レース前のお前は俺を利用してやるって気持ちがみえていた。けれど、今回は少し違う」
宇宙人だからわかるというわけじゃない。
人の悪意や様々なものをみてきたからナリタタイシンが俺を利用してやるという気持ちはわかっていた。
だが、今は違う。
「俺を利用してやるという気持ちはある、でも、それ以上に、レースに勝ちたいという気持ちがびしびしと伝わってくる。ただ利用するだけなら断っていたが、勝利に貪欲であるなら俺はオーケーだ」
「アンタ、曲者だね」
「純粋で純心なトレーナーもいるけれど、俺はそういう奴じゃないんだよ。多分な」
俺の言葉にタイシンは苦笑する。
「これからよろしく。トレーナー」
「よろしく、タイシン」
彼女と握手を交わす。
これでチームは揃った。
チームM78、本格始動だ。
「まもなく、春だな」
新しい季節の始まりか。
「お兄様、ライス、トレセン学園の入学が決まりました」
「それはおめでとう。新たなはじまりですね」
「うん!が、頑張ります!」
ニコリとメフィラスは微笑む。
「これからのライスのレース人生に期待していますよ」
「うん、えへへ」
彼女の頭を撫でながらメフィラスはあるものを見せる。
「より身近にライスの応援をしますね」
「お兄様!?嬉しい!」
抱きしめてくるライスを抱きしめ返しながらメフィラスは笑みを深める。
「(新しい生活、そして、マックス。キミと対峙するときは近いかもしれないな)」
チーム最後の一人、誰になると思う?(ちなみに未登場のウマ娘は今後出る可能性あり)
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ナリタタイシン
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シンボリルドルフ
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ゴールドシップ
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ライスシャワー
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サイレンススズカ
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トウカイテイオー