この作品は、原作のワールドトリガーのキャラクターやトリガーの種類や専門用語などをある程度知っていないと理解出来ない点が有りつつも、今作の独自解釈や独自設定と言ったモノが含まれる事により、原作をある程度知っていても理解出来ない事がある様なパラレル要素もある作品になっている日常系と言えなくもない様なところを目指しつつ、決して原作と比較して重く正確に捉えて欲しくはないが、個人的に暇な時、書ける気分の時に書けた第3話目である。
ボーダーの隊員達は日々の訓練の成果を試す場として個人ランク戦やチームランク戦というものが設けられています。個人ランク戦はそのまんま個人間のバトルですが、チームランク戦はB級以上でチームを組んでいる人達同士で三つ巴以上での競い合い、切磋琢磨する場と言ったところでしょうか。ですので、チームメイトと試行錯誤して編み出した戦術等が決まった時は格別の想いが溢れる事でしょう。
しかしながらその逆もあります。失敗してしまったり、相手の妨害で上手くいかないこともあるでしょう。失敗にめげずに再度練り直して改善していきましょうね。
さて、そんなチームランク戦の試合を実況と解説を踏まえてB級以上の隊員だけでなく、未来の実力者であるC級の人達にも分かりやすく伝えて今後の育成に繋げる場としてチームランク戦の観戦ルームが存在します。
人気の高い解説の人がいたり、人によっては推しのオペレーターさんなんかもいたりと、一種の娯楽として捉えてる人もいるかも知れません。
「あ、ここ!誰か飲み物溢してる……ぬぉぉぉ!染み抜きトリガーァァァ!」
御覧の通り。本日、ハヤテは誰もいない観戦ルームの清掃に勤しんでいます。トリガー使う時に叫ぶ必要はないんですけどね。叫ぶと汚れ落ちがいい気がするようです。検証結果は出ていませんが。
「乾燥トリガーァァァ!……よし! ハァァ……モトキチ様に作って頂いた染み抜きと乾燥のトリガーは最高ですなぁ!」
無駄なトリガーではありません。この世界では日本の三門市という場所にしかトリガーというモノはありません。それも主に戦闘用のトリガーです。しかし、他の【異世界】とも言えるネイバーフッドという他の国々では日常生活に使えるトリガーというモノは多く存在しており、鬼怒田開発室長も仕事の一環として日常生活に使えるトリガーを作ったりします。決してハヤテにおねだりされたからではありません。多分きっとそうだと思います。
「あれ、開いてる」
そんな観戦ルームにやって来たのは海老名隊オペレーターの武富 桜子です。本日の観戦ルームの下見に来た様ですね。
「あ、ハヤテちゃんか」
「いらさいませ桜子ちゃん! もう少しで掃除終わるのでおまっとうさんです!」
「いつもありがとうね」
「いえ! ふふ、ふふふ、おまっとうさんです! あはははは!」
「急におまっとうさんにハマったね」
「あはははは! ……ふぅ、ふぅ、さぁ! 貴様らの汚れた悪事もここまでだ! ウォッシュトリガー! アーンド! ドライトリガー! よし掃除完了! では、ハヤテは食堂に行った方が良い気がするから行ってきます!」
「おー嵐みたいだね。お掃除ありがとねー」
本当に嵐の様にハヤテは食堂に向けてバクシンして行きます。(バクシーン!)と桜色の人型の様な何かがハヤテの背後に薄っすら見えた気がしますが気のせいでしょう。
さて、ハヤテのサイドエフェクトの効果で、ハヤテの脳裏に一瞬ですが食堂でお祭りわっしょいが起きる予感がしました。お祭りわっしょいとは文字通りではなく、あくまでもハヤテの感覚であり、食堂で面白いことが起きるとかが確定しているわけではありません。ただ、何か【良い事】が起こるかもと閃いただけです。
ハヤテが過去にも多々あるこのサイドエフェクトの啓示とも言える内容に従って、特に悪い事が起きたことはありません。物凄く良い事が起きる事は滅多にありませんが、小さな良い事は結構起こります。今日は何が起こるのでしょうか。
「呼ばれてダッシュでズバババーン!」
「ん? おー、呼んでないけどよく来たね」
「姐さん! お勤めご苦労様です!」
「うむ、飴いる?」
「いつもすみませんねぇ!」
食堂でぼんやりしてたのは諏訪隊のオペレーター小佐野 瑠衣でした。ハヤテは棒付きの飴を貰ってコロコロと口の中で転がし小佐野の横に座ります。やったねハヤテちゃん飴が貰えたよ。
「何日か前にさー、自分の隊室に入ったらウチの諏訪さんが太刀川さんと冬島さんと一緒に3人で正座しててさ、風間さんに怒られてたんだよねー」
「兄上に何したのー?」
お前の件だ。麻雀だ麻雀。コイツ完全に忘れてやがる。
「いや、よく分かんないんだけどさー、おもちゃの札束がどーのって感じで」
「おもちゃて! 子どもか! あはははは!」
自分の案件だとは一切気付かずハヤテと小佐野が世間話に花開かせていると、そこに追加要員が現れました。
「あ、小南だ。飴いる?」
「いらない。それ効果ないんだもん」
何の効果ですかねー。と野暮な事を聞く人はここにはいませんが玉狛支部の小南桐絵が来た方向からだとハヤテは見えなかった様です。ちなみに例の飴ではなく普通の飴です。
「飴ちゃん美味しいよー。美味しい効果があるんだよー」
「あ、ハヤテもいたの。アンタ次はいつウチ来るの?」
「桐絵ちゃんカレーの日に行きたいです!」
「分かってるわねー。じゃあ明日私の当番だから来なさい」
「かしこま! 林藤様が迎えに来てくれるのでしょうか!」
「そ、そうね、多分ウチのボスが車出すわよ?」
目をキラキラとさせ、自分のボスに恋心らしきものを抱いているハヤテから目を逸らしつつ顔を赤らめる小南。まるで自分の過去を目の当たりにしている気分で恥ずかしく居た堪れないようです。とりあえず話を逸らすために小南はハヤテの今日の夕飯を聞くことにしました。
「き、今日は何食べる予定なの? 風間さんと一緒?」
「兄上は隊員のシフト決めで忙しいのです! だから先に食べているように言われているのです! 今日はですねー……んー……あ!」
「な、何?」
「お、ハヤテが何か思いついたね」
小佐野も少々心配に思っていた様で、ハヤテの夕飯には興味が有るようです。
「【かげうら】に行くと良いことありそうです!」
「マジ? じゃあ私も行こうかな」
「いや、アンタに良いことがあるとは限らないでしょ……じゃあ、大丈夫ね。じゃあまた明日ねハヤテ」
「うぃ!」
小南は小佐野にツッコミつつも、ハヤテに食事がある事にホッとしつつ、去って行きました。
そして、その日の夜。影浦隊の影浦 雅人(通称:カゲ)と隊員の北添 尋(通称:ゾエ)と小佐野とハヤテは合流し、お好み焼き屋【かげうら】にきました。
「---。 飲み物とか持ち込み自由だからねぇ」
北添が本日のハヤテの仕事(観戦ルームの掃除)を聞いて、自分も飲み物とか溢さない様に気を付けようと心に決めました。そんな雑談をしつつもお好み焼きは完成間近になっているようです。
「おら、もう焼けるぞ、ひっくり返すのやるか?」
「カゲお願い。ハヤテはまだ修行が足りないようだ」
「じゃあ私やりたーい。んー……ホッと」
「おぉー! 流石は姐さんだ! お好み焼きがなんともないぜ!」
どっかのモビルスーツを称賛するように、ハヤテは綺麗な形を保ったままのお好み焼きに感動します。初めて来た時に挑戦して、大失敗したので、まだ自分にはお好み焼きライセンスが無いと思っているようです。
「まだハヤテにはこれしか出来ない」
そう言いつつ慎重にソースや青のり、鰹節をかけていきます。
「出来た! おかみ様! ライスも頂きたく!」
「あらあら了解」
ハヤテの前に焼かれたお好み焼きが用意されると、ハヤテは元気良く手を挙げて、影浦ママに白飯を要求しました。影浦ママも何度も来ているハヤテに笑顔で答え奥へと下がっていきます。
「あぁ? お前、ソレと一緒に白飯食うのか?」
「えーカゲおっくれってるー! お好み焼き類とタコ焼き類は白飯族とコンボが繋がるんだよー」
「ゲームみたいだね」
「じゃあ私も貰おうかな」
「あー……チッ、追加で用意してくる」
「じゃあボクのもー」
「カゲ! 私のも追加! お好み焼きも私の追加で焼け!」
どこから聞いていたのかジャージ姿の影浦隊オペレーターの仁礼 光も緊急参戦し、影浦は大き目のトレーに白飯を人数分用意して戻ってきました。
「「「うまっ」」」
「あー……まぁ合うな」
「だっろー!」
ハヤテは生駒隊から貰った知識を惜しみなく広げ、【かげうら】に一時的な白飯ブームを起こしました。他にも白飯に合うものはないかと気になってしまった北添と仁礼と小佐野、他の注文も入れていきます。
「もんじゃにはお好み焼きほど合わねーかな。いけるっちゃいけるけど」
「広島焼きにも焼きそば入ってるから微妙に合わないかも」
「何で店の食いモンで検証してんだよお前らは」
「ハヤテはどう思う?」
「白飯だけで他はいらないって千佳ちゃんが言ってた」
「「「「おい!」」」」
お腹が一杯になったハヤテは、自分から勧めたくせに根本から覆す暴論を吐き、満腹満足な表情でカラダにピースな飲み物を飲むのでした。
ハヤテが呼ぶ各キャラの名前は被っている場合もある。
例えば今回の 小佐野瑠衣 → 姐さん
まだ書いてないけど、多分、熊谷友子も 姐さん に近い呼び方になると思う。