黒死斑の魔王(ブラック・パーチャー)と共にテイルズシリーズへ   作:ヴィヴィオ

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ベルゼブブじゃなくてアスタロトだったので修正させて頂きました。



間桐家2

 

 

 

 

 

 

 間桐家から虫が排除されて綺麗になった。これで間桐家を手に入れた事になる。予想外の事はシア達だが、彼女が手に入ったのだからよしとする。しかし、敵の使徒の一人はディオドラ・アスタロトか。見た目は優しげな雰囲気の美少年だが、外見とは裏腹に信心深い女性を誘惑して墮とすという趣味を持つ奴だったな。それも罠にはめて自分の物とするような奴だ。俺も人の事は言えないが、墮とした後は使い捨てにするような奴とは一緒にされたくはない。ちゃんと妻として迎え入れて幸せにするつもりだからな。自分が鬼畜で外道でもある事はしっかりとわかっているから、せめてそれぐらいはな。

 

「それで、掃除は終わったのだけれどどうするの?」

「合流するか」

「待て。お前にシアを託すに相応しいか試したい。一対一で勝負だ」

「兄さんっ!?」

 

 彼の思いはわかる。行為中の妹の悲鳴を聞けば特に不安になるだろう。それが抗えない事でも。それにこちらとしても好都合だ。

 

「正気なのかしら?」

「男にはそういう事があるそうだ」

「いいだろう。かかってこい。武器は無しで殴り合いだ」

「馬鹿なのね」

 

 他の奴を下がらせてウィルフリッドと対峙する。

 

「行くぞっ!!」

「来い」

 

 ウィルフリッドの拳を避けも防御もせずに受け止める。心の篭った一撃で、芯まで響く。

 

 

 

 

 キジマ・シア

 

 

 

 兄さんが旦那様と喧嘩を初めてしまった。私の為だという事はわかるけれれど、立場が悪くなってしまうのに……

 

「何故避けない。避けられるはずの一撃だ」

「自身を犠牲にしても家族の為にと思っての一撃、避けるのは無粋だ。ましてや、シアを苦しめたのは事実。兄である君の想い、甘んじて受け入れよう。さあ、思う存分来るがいい。何、死んでも復活するのだ。気にせず来い」

「っ!? わかった。だが、反撃して来い!! 私はこちらから一方的に殴るような行為は望んでいない!」

「いいだろう」

 

 始まる殴り合い。どちらも楽しそう。それに旦那様は私の事を本当に大切にしたいと思ってくれている。奴隷ではなく、妻になれるなら離婚という事もあるかも知れない。

 

「シアと言ったか。マスターはああ言っているが、お前が私と同じ奴隷だという事は変わらない。解放されると思うなよ」

 

 隣にやって来た女性に釘を刺される。

 

「はい」

「それと序列というものがある。私達は一番下だと覚えておけ。まあ、マスターは気にしていないようだがこれは大切な事だからな。といっても、全てマスターの意思が優先されるが」

 

 確かに序列が決まっていなければ諍いの元になるし、これは分かる。

 

「一番はペストだが……」

「なによ?」

「一番はペストだという事だ」

「何が一番よ。散々、私の邪魔をしているくせに」

「私はマスターの望むようにしているだけだ。最優先されるのはマスターだからな」

「ふん。まあ、いいわ。私は屋敷を調べてくるから、茶番が終わったら教えて」

 

 茶番……どういう事だろう? それと気になるのはこの二人、仲が悪い?

 

「やれやれ」

「っ!?」

「どうした?」

 

 女性が黒いリボンで後ろの髪の毛を結ぶと身体が縮んで少女になってしまった。凄く不思議。

 

「小さくなった……?」

「この姿か? これは特注のリボンでな。強すぎる力を封印しているだけだ。それにマスターはこっちの方が好きだからな」

 

 綺麗な女性より、少女の方が好きだなんて……

 

「言いたい事は分かるが、諦めろ。まあ、早く慣れる事だ。マスターは身内には優しいからな」

「はい。よろしくお願いします」

「エッチな事さえ好きにさせていればマスターは他の子に迷惑を掛けないぐらいの事なら大概は好きにさせてくれる。もっとも、奴隷として、妻としてしっかりと家事もやって貰う事が前提だと思っておいてくれ」

 

 役目を果たさずに恩恵だけを得るなんて、他の人達からしたら許せない事。私の場合は既に恩恵を貰っている事になるから、特に頑張らないと。

 

「ぐぅっ、やるな……」

「いや、全然効いてないだろ」

「全くだ。せめて反撃をしろ、反撃を」

「手加減は苦手でな。死ぬ可能性がデカイからこちらからは攻撃できない。問題なくなれば二人まとめて真面目に相手をしてもいいんだが……」

「ちっ、それは仕方ねえな。まあ、シアを守れる力はあるって事でいいだろ。少なくとも他の子も居るみたいだしよ」

「そうだな。これで終わりを……」

 

 兄さんも納得したみたい。不満はまだあるようだけど。まあ、両親くらいの年齢の人が義兄弟になるんだから仕方が無いけれど。

 

「どうやらそうもいかないようだ。二人共、動くなよ」

「何?」

「おいっ!」

 

 旦那様が兄さんとアドウさんに近付いて首を掴んで二人を持ち上げる。私は急いで兄さん達の下へと向かおうとする。

 

「兄さん!!」

「ぐぅぅぅぅっ!?」

「ぐ、ぐるし……なにしやっ」

「いいか、耐えろよ。レティシアちゃん、グミを用意しておけ。それとシアを押さえておけ」

「了解した」

「は、離して! 約束が違う!」

「安心しろ。マスターは約束を守る」

「ならどうしてっ!!」

「大人しく見ていろ」

「うっ」

 

 必死に進もうとするけれど、掴まれた手は一切動かない。

 

「っ!?」

「いやぁああああああああああああぁぁぁぁぁっ!! 兄さん、兄さん!!」

 

 声にならない悲鳴と爆発音が聞こえ、悲鳴をあげて床に倒れてしまう。耳には大量の液体が噴き出す音が聞こえる。

 

「ゴホッ、ゴホッ……無事か、アドウ」

「ああ、なんとかな」

「え?」

 

 兄さん達の声が聞こえて来た。殺されたんじゃない?

 

「だから言っただろう」

 

 レティシアちゃんと呼ばれた少女は軽く片手を振るって煙を吹き飛ばしてしまった。視界が広がり、兄さん達を見ると、血塗れで倒れながら喉を押さえているけれど生きている。 

 

「良かった……良かった……」

 

 兄さん達を泣きながら見詰める。

 

「ぐっ……私達は……大丈夫だ。それよりも……」

「マスター、無事か?」

「無事に見えるか?」

「そうだな。はっきり言って見えないな」

 

 出血の殆どは兄さん達ではなく、旦那様の無くなった両手からだった。

 

「爆弾の部分を無理矢理に掴んで防ぐのは関心しないな。吸血鬼にしてしまえば解決した事だろうに」

「いいだろ、別に。苦痛耐性も最大にしてから受けたから痛みも感じないしな。それに二人が吸血鬼になるのをシアは望んでいなかったからな」

「あ、ありがとう、ございます!」

 

 旦那様は兄さん達を自分の手を犠牲にしてまで助けてくれた。とても嬉しい。腰が抜けて動けない間にレティシアは兄さん達にグミを食べさせていく。すると兄さん達の傷がみるみると回復していった。

 

「すまない。助かった」

「気にするな。マスターの命令だ」

「助けてくれて感謝する」

「レティシアちゃんが言ったように気にするな。ウィルフリッドは俺の義弟になるんだしな。アドウはその友達でシアが世話になっている。身内を助けるのは家長として当然だ」

「借りができちまったか」

「そっちも気にしなくていい。どうしてもというならシアにお礼を言うんだな」

 

 私に言われても困るのだけど。でも、何か旦那様にお礼をしないと。やっぱり身体で頑張るしかないかな。

 

「マスター、マスターの治療はどうする?」

「既に血を止めているんだろ?」

「当然だ」

「治せるか?」

「現状では難しい。両手は完全に消滅したからな。魔力で覆っていたのだから、爆発音の衝撃を直に受けたのだからな。これははっきり言って病院に行って再生させるべきだ。残っていればどうとでもなったのだが……」

「高いが仕方無いか。ペストちゃんにどやされるか。それと出た血液だけど……」

「貰っていいか?」

「ああ、好きにしてくれ」

「了解した」

 

 レティシアがしゃがんで血を指に付けて舐めた。それから両手を床に着けると周りの血液が吸い寄せられて小さな球体になっていく。球体は数個出来て、レティシアは美味しそうに口へと入れていく。

 

「ふむ。マスターの血液はやはり美味だな」

「それは知らないな。それよりも首輪の自爆装置を遠隔起動させたのが失敗したと分かれば他に何かを送り込んで来るかも知れない。レティシアちゃんは拠点の護衛についてくれ」

「了解した。そちらはペストが居れば問題ないだろう。お前達も全員、ついていけ。ここにいられても足でまといだから」

「ああ。それは分かっている。すまないがよろしく頼む」

「任せろ。まあ、ウィルフリッドはともかく、アドウは嫁達を怖がらせるなよ」

「わかってるっての」

 

 私達は旦那様の自宅へと向かう。仲良くやっていけるか、わからないけれど頑張らないとといけない。

 

 

 

 

 

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