黒死斑の魔王(ブラック・パーチャー)と共にテイルズシリーズへ   作:ヴィヴィオ

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ねこレティシアちゃん

 

 

 

 可愛いアリエッタに言語系スキルを覚えさせ、スパルタ教育を行って貰っている間にシルヴァラントにある神託の村イセリア付近にある森にやってきた。

 神託の村イセリアはシンフォニアのスタート地点で、ディザイアンと不可侵条約を締結して安全を守っている。そもそもディザイアンと御子を決めるマーテル教は大元が同じクルシスという組織なので襲うはずがないのだが。

 

「さて、マスター。私達はどうするのだ?」

 

 赤い上着を着た原作と同じ姿のレティシアちゃんが刀の柄を持ちながら聞いてくる。

 

「この森にある人間牧場を調査するが、まずは森の奥を調べてライガクイーン達が生活できるか調査する」

「了解した」

 

 俺とレティシアちゃんで森の奥を調査していく。出てくるモンスターはスライム、ラビット、ミニコイド、ビー、スパイダー、ベイリップといった雑魚しか出現しない。この辺はゲーム通りだった。

 

「食べられそうな食物は結構あるな」

「みたいだな。獲物も多いしマナの減少は起こっているが、ここならどうにかなりそうだ」

「マナの減少はそこまで深刻ではないのか?」

「いや、砂漠化している所もあるから、危ないくらいなんじゃないかな」

「なら砂漠に緑を発生させる方がよくないか?」

「いや、それは諏訪子ちゃんの負担が多いだろう」

「それもそうだな」

 

 あっさりと引き下がったのは、恐らく自分でもそう思っていたのだろう。

 

「後の問題は人間牧場だが……そちらは襲撃してしまえばどうとでもなると思うし、ライガクイーンの説得の方が大変そうだ」

「そっちはアリエッタにやらせればいいだろう。こちらの言葉を理解してからだが」

「ペストたんに頼んでいるけどどうなるやら……」

 

 まあ、そちらは置いておくとして森に関してだが、まずやる事は拠点の確保だ。拠点については奪えばいいのだが。いや、クルシスに襲われた場合、村人達が危険過ぎるか。それなら新しい村を作った方がいいな。守護する戦力はアリエッタの魔物でいい訳だし、非常事には俺達が駆けつければいい。

 

「拠点にできそうな所はあったか?」

「拠点か?」

「雨宿りとかできそうな所だな。最悪、村ができるまでは人間牧場を使ってもいいのだが」

「ふむ。空から探して見るか」

 

 レティシアちゃんが翼を広げて空へと上がり、そこから周りを探してくれる。

 

「ないな。どこも木ばかりで人間牧場とかいう場所くらいしか雨宿りはできそうにない」

「そう都合よくはいかないか」

「まあ、連中の施設を奪えばしばらくは事足りるのではないか」

「まあね」

 

 いっそ、イセリアの村を奪うのも手か。だが、それはダイクとの関係が悪化しそうだ。要の紋を作って貰うか教えて貰わないと駄目だから却下だな。いや、そもそも移り住んで来ているのかもわからないが。

 

「じゃあ、夜になったら強襲するか」

「うむ」

 

 俺達は夜になるまで森に潜みながら時間を潰す。太陽が隠れ、月が出始める頃にレティシアちゃんに血を飲ませて2人で人間牧場の近くにある崖の上に寝そべりながら双眼鏡で様子を伺う。

 

「どうだ?」

「ふむ……警備はザルだ。サーチライトがあるが、これはモンスターを見つける為のようだが……警戒網に穴がある」

「知性を持つ相手を想定していないと。本当に駄目だな」

 

 ディザイアンに喧嘩を売る奴は居ないとでも思っているのかね? ここにいるぞ! って言いたくなるが。

 

「じゃ、行こうか」

「ペストは呼ばなくていいのか?」

「何時でも召喚できるしいいよ。まずはスニークミッションだ」

「わかった」

 

 サーチライトの光が過ぎ去った後、立ち上がって崖から飛び降りる……のは怖いのでレティシアちゃんに掴んで飛んでもらう。できるだけ音も立てたくないし。

 

 着地したら急いで壁際まで走ってサーチライトの死角に入る。巡回の兵士が来るまでの間に通気口から小さいレティシアちゃんが内部に侵入していく。俺は自分の周りに精霊魔法でダークミストを使って隠れる。ちなみにこの小さいレティシアちゃんは掌サイズで背中に堕天使のような黒い羽が生えて、猫耳がついたものだ。その可愛らしいのが大量に居る。そう、レティシアちゃんの猫アルクバージョンだ! サイズは変更可能みたいで、非常に可愛らしく便利だ。

 

 少し待っていると正面ゲートが開かれて兵士達が出てくる。その扉の間からレティシアちゃんが顔を出して来い来いと合図をしてくれるので俺も走って兵士の横を抜けて中に入る。中には倒れている干からびたディザイアンの兵士と元のロリバージョンの姿に戻ったレティシアちゃんが居た。

 

「さっきの兵士達は大丈夫なのか?」

「問題ない。鬼種化して私の配下にしておいたからな」

「そっか。この死体は?」

「鎧などを奪ってマスターが着ればいいだろう。私は小さくなってマスターの服の中などに隠れれば問題ないからな」

「それもそうだな」

 

 死体からさっさと鎧や服を剥ぎ取って浄化してから着込む。ヘルメットもあるので殆ど顔がわからない。せいぜい識別票くらいだろう。間違えなければ問題ないはずだ。

 

「さて、ソーサラーリングないが……まあ、問題ないな」

「ソーサラーリング?」

「この魔法の指輪だ。火を放ったり便利なんだよな」

「ふむ」

 

 入口付近にある変換機は使えない。通れない扉もあるが、それはゲームだからだ。現実となった今では問題ないのでそのまま進んでいく。すると自動販売機と治療用装置が見つかった。

 

「便利だな」

「全くだ……何か買うか?」

「お金はあるのか?」

「多少はあるな。ここはやはりアップルグミとオレンジグミを買っておくか」

「グミか……食べてみたいな」

「後でな」

「……わかった」

 

 若干、しゅんとなったレティシアちゃん。そんな彼女の頭を指の腹で撫でつつ、前に進む通路と左の通路へと進む扉があるが、扉はソーサラーリングがないので開かない。ここは大人しく前の通路を進んでいく。

 進むと左右に向かう道がある。どちらも階段だが、ここは右側を進む事にする。そちらが正解ルートのはずだからだ。

 

「レティシアちゃん、左にも敵が居るはずだから殺っといて」

「了解した」

 

 レティシアちゃんの分体が何体か、素早く俺の服から出てきて左側へと進む。それを見送って右側を進んでいく。階段を降りると前方に何人かのディザイアンの兵士が警備をしている。

 

「どうした?」

「いえ、変な物を見つけたので見てもらおうと思いまして」

「変な物?」

「これです」

 

 レティシアちゃんを更に小さくしたのを掌で隠しつつ近付ける。そして、開いた瞬間に飛び出したレティシアちゃんが首に小さな槍を突き刺して声を出せなくする。

 

「大丈夫か!?」

「おい、どうした?」

「急に苦しみ出して……来てくれ!」

「わかった!」

 

 苦しんで床に倒れた兵士を見に何人かの兵士が奥からやって来る。彼らの背後に回って手刀を叩き込む。すると――ベキッ! という音がして倒れた。

 

「やべ、気絶させるつもりだったのに……」

「別に構わないではないか」

 

 思ったよりも力が強くなっていたのか、首の骨を簡単に折ってしまった。しかも、レベルアップしたようで、更に力が湧いてくる。

 

「レティシアちゃん、鬼化よろしく」

「うむ」

 

 死んだのはゾンビ兵化させ、苦しんでいるのは吸血鬼モドキにした。与えるギフトも自由自在みたいだ。本当に強力な吸血鬼を作る事もできるみたいだが、それは力を分け与えるようなものなのでやらないで貰う。

 作業が終われば南に向かっていく階段を進み、残っている残りの敵に近付く。残りの敵は7人。エレベーターの上に3人。下に4人。上をレティシアちゃんに任せて俺は下を始末する。

 

「歪められし扉よ開け、ネガティブゲイト!」

 

 俺の詠唱によって4人の足元に真っ黒な魔空間が作り出されて、そこから伸びてきた触手のような禍々しい手が周囲の敵を掴んで引きずり込む。ペストたんと契約しているせいか、普通のネガティブゲイトよりも明らかに範囲が広く、威力も高いのか……触れただけで即死して魔空間に引きずり込まれた。上の階に居た奴まで引きずり込んだので、その強さは異常としか言えない。

 

「エルフ、いやハーフエルフか!?」

「残念、どちらも違う」

 

 上の階に居た唯一の生き残りが叫びながら無線機に手をかけようとした所で斬り飛ばされた。残ったのは、通常状態のレティシアちゃんが振り抜いている刀だけ。

 

「というか、その刀は?」

「拾った」

「そ、そう……」

 

 確かにムラマサをここで拾ったはずだが、多分それだな。俺はとりあえず放置してエレベーターに乗って上の階へと向かう。上に着いたらレティシアちゃんと合流してそのまま奥を目指す。

 道なりに進んでいくと広めの所に到着し、敵が28人もいやがった。面倒なのでネガティブゲイトでまとめて始末する。その間にレティシアちゃんには進んで来た隣の通路に向かってもらい、敵を虐殺してもらう。3分もせずに敵を滅ぼせたようで悠々と帰ってきたレティシアちゃん。

 

「捕まって居る人達はひとまず牢屋に居るが、敵兵は残らず斬り捨ててきた」

「ありがとう。それじゃあ残りはこの先か……って、開かない扉はどうしたんだ?」

「叩き斬った」

「……なるほど」

「拾った刀では無理そうだったから、2人で鍛えた刀でだが」

「そっか……じゃあ、この正面の扉もお願い」

「任せてくれ」

 

 扉の前に立ったレティシアちゃんが刀を見えないような速度で抜刀し、何度か振ってから扉に蹴りを入れると粉々になってしまった。

 

「あ、ありがとう」

「気にするな。私はマスターの剣だからな」

 

 こちらに寄ってきたレティシアちゃんの頭を撫でてあげると気持ち良さそうに目を細めるが、直ぐに開けた道に向き直る。

 

「じゃあ、行くか」

「ああ」

 

 進んだ先にあるワープポインに乗り込む。ワープの先で待っていたのはディザイアン五聖刃と呼ばれる5人の内の1人。右目に眼帯をつけ、左手はランチャーを装備したサイボーグのような姿をしたフォシテスだ。

 

「たった二人で……」

「五月蝿い。男に興味はない」

「くっ」

 

 ランチャーをこちらに向けて放とうとしてくる。

 

「悪いが、マスターをやらせる訳にはいかないな」

 

 放たれる前に接近したレティシアちゃんによってランチャーごと身体を左右に分断されてフォシテスはこの世を去った。

 

「弱すぎるな」

「いや、レティシアちゃんが強すぎるだけだから……」

 

 概念系の即死宝具を持ったサーヴァントの4倍の身体能力を持つ真祖の吸血鬼が本気を出したらそりゃ、大概のは弱いっての。それにこのレティシアちゃん、単純に真祖2人分が追加されているみたいなものだしな。まあ、これで人間牧場の制圧は完了っと。

 

 

 

 

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