黒死斑の魔王(ブラック・パーチャー)と共にテイルズシリーズへ 作:ヴィヴィオ
施設を制圧した俺とレティシアちゃんはとりあえず一旦戻ってから諏訪子ちゃんを呼んでくる。それから捕らえられていた人達を諏訪子ちゃんと一緒に解放していく。
「みんな、もう大丈夫だよ!」
「た、助かったのか……」
「おっ、おおっ……」
「神様であるこの子に感謝するんだ。そうすれば貴方達を守ってくれる」
「はっ、はいっ!」
「で、でも……」
「マーテル教は君達を助けてくれない。それは彼らの組織が大元では同じだ」
「その証拠に……」
俺が証拠を提示し、レティシアちゃんが説得(精神操作)を行っていく。お陰で楽に助けた人達は諏訪子ちゃんを信仰するようになった。それから施設に有った食料を彼らに配って食事を取って貰う。
「残りの問題はエクスフィアか」
「アレは私でも外せるけど?」
「いや、どうせなら有効利用したいし、要の紋で処理するよ。ドワーフが近くに居るはずだからそっちに頼もう。諏訪子ちゃんは土地の掌握をお願い」
「任せてよ」
「では、私は一緒に行こう」
レティシアちゃんが一緒に来てくれるようで助かる。この日はそのまま眠って次の日、ダイクが居るであろう場所に向かったのだが……まだ誰も住んでいなかった。
「これはドワーフの宛が無くなったな……いや、あるにはあるけど面倒だ」
「では、新しい者を用意すればいいじゃないか」
「新しいの?」
「ガチャガチャか何か召喚すれば……誰か来る」
レティシアちゃんの言葉に振り返ればこちらに歩いてくる目的の人物。
「なんじゃお前さん達は……」
「ああ、ドワーフの方ですか?」
「そうじゃが……」
「人命に関する事で一つお願いがありまして……」
「ふむ」
「ドワーフの秘匿技術を使って助けて欲しい」
「詳しく教えてくれんかの」
「ええ」
それから事情を話してエクスフィアの要の紋をお願いした。代わりに家を作るお手伝いもするという事で。
「私達も鍛冶をやっておりまして、できれば教えて欲しいです」
「どうかお願いしたい」
「そっちは腕次第だな。お前達が作ったのはどれだ?」
「レティシアちゃん」
「ああ。これが私達の最高傑作だ」
「これは……」
レティシアちゃんの刀を見てもらう。もちろん、渡したりはしない。
「闇の力が濃いのう」
「材料が闇に属する高位のものですから……」
「腕はあるようじゃが、素材を生かしきれておらんな」
「ええ。だから教えていただきたい」
「教える事は出来んが、盗むのなら好きにせい」
「ありがとうございます」
「わかった」
ダイクさんをイセリア人間牧場跡に案内して診察してもらう。
「抑制鉱石が沢山居るな……」
「どんな石~?」
「これだが……」
「あ、これなら大丈夫だよ。この近くに埋まってるから」
諏訪子ちゃんが教えてくれたので、俺とレティシアちゃんで急いで山を掘っていく。最低限の数が手に入ればそれを使って要の紋を作ってもらい、急がないといけない者に装着して治療を行う。残りは彼らに掘ってダイクさんに作って貰う。その間に俺達はテセアラの方にゲートを繋げて移動する。目的は研究所だが、一応オゼットに移動してみる。移動手段はレティシアちゃんに抱っこしてもらって運んでもらった。オゼットでは既にプレセアとアリシアが居なかった。アリシアはレザレノカンパニーに行っているのだろう。
「次は何処だ?」
「研究所を襲撃かな。よろしく」
「任された」
人間牧場に有った情報で場所は分かっているので移動する。侵入もフォシテスのIDを使えば簡単だった。ディザイアン五聖刃なだけある。
「情報を引き出してくれ」
「ああ」
レティシアちゃんが捕えた兵士から血を抜いて情報を得る。どうやらプレセアは既に実験台にされたようだ。アリシアに関して探ってみると彼女もここに連れて来られて処理を施されて既に移送されたようだ。
「時間がないから急いで奪取して次にいく」
「そうだな」
兵士を倒しながらプレセアが捕らえられている場所に入る。
「なんですか、あなた達は……」
「ちょっと失礼」
だるそうにベットで寝ながらこちらを見上げて来る彼女に未完成の要の紋を取り付ける。ダイクさんに作ってもらったので要の紋としては完成しているが、クルシスの輝石用に調整されていないから未完成だ。
「ぐぅっ」
「アリシアが危ない。助けたいなら一緒に来てくれ」
「……どういう事ですか……まさか……いえ、そういう事ですか」
「お前達は実験に使われていたのだ。妹は化物にされてしまっている」
レティシアが証拠の映像を見せていく。
「わかりました。アリシアを助ける為にご一緒します」
「記憶はあるか」
「はい。実験に使われていた記憶があります、アリシアの事は分かりませんが」
「わかった。彼女を助ける為にも急ごう」
「2人を抱えて飛ぶのは面倒だな。竜を呼ぶ」
「よ、よろしく」
「?」
小首をかしげる合法ロリっ子のプレセアちゃん。いや、未だに12か14くらいだから普通か。っと、そんな事よりも俺はプレセアちゃんを抱きしめてさっさと離れる。
「あ、あの……」
「いいからちょっと待ってて」
「はい……」
感情は止まったままみたいだな。後で調整しないと。そんな事を考えていると巨大な竜……いや、どちらかというと西洋ではなく東洋の龍が召喚される。それも建物の中から外に向かって破壊しながらだ。俺は向かってくる瓦礫や衝撃からプレセアちゃんを守りつつ耐える。
「大丈夫か?」
「ありがとうございます……そちらは……」
「この程度なら平気だよ」
この身体は多少の瓦礫ではビクともしない。
「さて、乗ってくれ」
「ああ。行こうか」
「はい」
巨龍の頭部に乗って脱出していくが、ここまで派手にしたら防衛部隊が出てくる。
「ペストたん、頼む」
「ったく、しょうがないわね」
ペストたんを召喚して後を任せる。俺達は先に向かう。後方で絶望の声が聞こえてくるけれど知らない。楽しそうなペストたんが居るだけだ。
「す、凄いですね……」
「気にしちゃ駄目だ。俺達、人間じゃないしな」
「え?」
「神の使徒とその眷属だから」
「マーテル様のですか?」
「いや、あんな偽物と違って本物だから。まあ、今の間に説明しておこうか。このままだとアリシアちゃんは化け物になって殺されるからな」
「っ!?」
携帯で録画しておいたアニメの映像をそのシーンだけ見せる。
「これが未来に起こる事だ。プレセアちゃんもこのまま放置したら感情を完全に無くしていいように操られてた」
「そん、な……アリシア……」
俺達のような者でも巨龍とか見せたら超常の存在だって分かってくれる。
この世界でなら特に簡単だろう。
天使やモンスターが居て魔法まであるのだから。
「ど、どうにかできないのですか!!」
「できるよ」
「え? できるんですか?」
「うん。殺される前だったらね。でも、生憎とタダで助ける訳にはいかない。助ける方法はあるが、俺でも難しい」
「お願いします! なんでもしますから……どうか、アリシアを……」
「プレセアちゃん。弱みに漬け込むようで悪いけど、俺の眷属になってくれたら助けてあげるよ」
「眷属、ですか……」
「眷属といっても、マスターの女になればいいだけだ。後は結構好き勝手にできる。それに妹を不老不死にする事もできる」
「っ!? わ、わかりました……お父さんみたいに死んで欲しくないですから……眷属でもなんでもなります」
レティシアちゃんのお陰でスムーズだ。まあ、彼女が断るはずがないんだけどね。弱みに漬け込んで本当に悪いとは思っているけれど助ける方法がひょっとしたらエリクサーとかそんなレベルになるかも知れない。それとプレセアちゃんをジーニアスなんかに渡したくない。ゲームでもプレセアちゃんは基本的にロイドとくっつけていたしな。
「レザレノカンパニーのビルはあそこか」
「どうやら間に合ったか」
「良かった……」
「まあ、プレセアちゃんはまずこれにサインしてくれ。レティシアちゃん」
「わかりました」
「任せてくれ」
プレセアちゃんがサインしている間にレティシアちゃんが飛び降りていく。屋上ではちょうどリーガルが化け物となったアリシアの身体からエクスフィアを引き抜いた所だった。
「アリシアっ!!」
「大丈夫だ」
最初は気づかなかったプレセアもエクスフィアが引き抜かれた事で身体が元に戻ってわかったようだ。とりあえず、俺は飛び出そうとするプレセアちゃんを押さえる。レティシアちゃんはリーガルさんとアリシアちゃんの元へと向かう。
「アリシアァァァァァァァッ!!」
「そこを退いてくれ」
「なっ、なんだお前は……」
「今なら助けられる。さっさと渡してくれ」
「本当なのか……」
「任せてくれ。彼女の姉がマスターの嫁になった。その子は既に私達の家族だ。家族を助けるのに理由は要らないだろう?」
「わかった……助けてくれるならなんでもいい。頼む」
「心得た」
受け取ったアリシアちゃんの首筋にレティシアちゃんが噛み付く。
「なっ、何を……」
「何をしているのですか!?」
「黙って見ていろって」
俺はプレセアちゃんを抱えて巨龍から飛び降りて着地する。衝撃で転けそうになったがなんとか踏ん張って大丈夫だった。
「その子はヴァンパイアの真祖と呼ばれる存在だ。種族が変わるが蘇生も可能だ」
「んん……」
「「アリシアっ!?」」
「ふぅ。蘇生完了だ。私の眷属になったがな」
アリシアは目を開けてリーガルとプレセアをみる。俺はプレセアちゃんを解放してやる。彼女は直ぐにアリシアの元に走った。
「お姉、ちゃん」
「アリシア、良かった、良かった……」
「君達はいったい……」
「さて、リーガル・ブライアン。交渉に入ろうか」
優秀な人材の確保は重要だ。リーガルはまさしく優秀な人材だろう。プレセアは妻になってもらうが、リーガルには経営力と財力を期待する。