諸葛亮を斬り、益州を平定した純達。
早速、民達の慰撫を行うよう指示し、細部を稟と風に任せた。
また、他にもこういった内容の高札を出すよう命じた。
一・みだりに人を殺す者
二・みだりに物を盗む者
三・みだりに流言を放つ者
以上。その一つを犯す者は斬罪に処す。
大将軍曹彰
この内容を見て
稟「非常に単純な内容ですが、如何にも純様らしいですね。」
稟はそうクールに言うと
純「俺は難しい事はさっぱり分かんねーし苦手だ。こういうのは単純なのが良いんだよ。」
純はそう答えた。
稟「分かりました。では早速、この内容の高札を出して参ります。」
純「ああ、頼む。」
この高札により、曹彰軍はこの軍令をしっかり厳守した。
風「純様〜。未だ我らに抵抗する勢力がございますが〜。如何なさいますか〜?」
純「当然討て。俺達は侵略者ではない。この地の民を救う軍だ。賊に加担し民の心を脅かす者を生かすのは義に反する。」
純「奴らを徹底的に排除して、民を安心させるんだ。」
風「御意〜。」
そして、抵抗勢力は徹底的に討伐され、それの中心にいた者は処刑された。
こうして、成都を含めた益州の民は、皆心服し、治安と民心が落ち着いていった。
そんな時
純「そう言えば、鳳統の様子は?」
稟「はい。特に何かするわけでもなく、一日中部屋に籠っておられます。」
鳳統が、純に願いがあると言って会いたいと言ったのだった。
実はこの鳳統、純が最後の総攻撃をする前日に諸葛亮によって根も葉もない謂われのない罪で投獄され、戦が終わった後に謀反の罪で処刑される予定だったのを総攻撃で諸葛亮が純の手によって斬られた後、牢から出したのだ。
それから暫くは彼女は特に何もしなかったのだが、純にお願いを頼んだ。
純「・・・そっか。」
稟「純様。如何なさいますか?」
純「・・・鳳統個人がどうしたいか聞きたい。ここに来るよう伝えてくれ。」
稟「御意。」
そして、鳳統が純の前に現れると。
鳳統「鳳士元が、曹大将軍に拝謁致します。」
すぐに跪き、拱手すると三拝した。
純「鳳士元。俺は堅苦しいのは苦手なんだ。そう畏まらずに楽にしろ。」
純の言葉に
鳳統「ご配慮、ありがとう存じます。」
鳳統はそう礼を言うとすぐに立ち上がった。
純「鳳統。お前、今後どうするつもりだ?」
純の問いに
鳳統「私は・・・山に籠り、そのまま余生を送りながら贖罪の生活を送りたいと思います。」
鳳統は目を俯かせながらそう答えた。
純「お前の出身は荊州の襄陽だったよな。」
鳳統「はい。しかし、そこに戻ってももう帰る場所はございませぬ。襄陽どころか、荊州にはもう戻れませぬ。」
純「なら、許都に来るか?俺が姉上に頼んで、何とか生活できるようにしよう。」
純のこの提案も
鳳統「お気遣い感謝致します。しかし、もう私はあまり表に出たくはございませぬ。」
鳳統「山に籠り余生を送り、友が犯した罪の償いをしていきたいと思います。」
鳳統はそう断った。
純「何故そこまで諸葛亮を?アイツは、友であるお前を謂われのない罪で殺そうとしたんだぞ。」
純のこの疑問に
鳳統「友だからです。朱里ちゃ・・・諸葛亮は、例え誰がどう言おうと私にとって一番の友です。友が犯した罪は、全て私が背負い、償っていく。それが、私が死んでいった無辜の人達に出来る唯一の償いなのです。」
鳳統はそう答えた。
それを聞いて
純「・・・そうか。そこまで言うなら、許そう。」
純はそう言って許可を取った。
鳳統「感謝致します。」
鳳統は、そう言ってその場を去ろうとすると
純「鳳統。達者で暮らせ。」
純は、そう声をかけたのだった。
鳳統「・・・。」
それを背中で聞いた鳳統は、そのまま立ち去ったのだった。
純「・・・稟。」
稟「はっ。」
純「アイツは・・・鳳統は、目の前の友が変わっていく姿を見て、何も出来ない無力な自分を恨んだだろうな。」
稟「純様・・・」
純「悪い。らしくねー事言っちまったな。さて、今後どうするか許都に指示を仰ごう。」
そう言い、純はその場を後にした。
稟(純様は武勇と軍才、そして統率力に優れた古今東西比類無き勇猛果敢な名将であり、将兵からの人望も厚い英雄の器でもある。・・・知恵が足りないのが最大の弱点ですが。)
稟(しかし・・・乱世が終わったら、まだ異民族の問題があります。姉であり主君である曹操殿は引き続き純様を重用なさってくれると思いますがその先は疑問です。飛鳥尽きて良弓蔵められ、狡兎死して走狗煮らるの言葉があります。)
稟(韓信大元帥がまさにその言葉を体現するかの如くの末路を辿りました。)
稟(もしそのような事が起きそうになりましたら・・・杞憂であって欲しいものです。)
この時、稟はそのような事を考えていたのであった。