恋姫無双〜黄鬚伝〜(リメイク)   作:ホークス馬鹿

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99話です。


99話

秋蘭の命により

 

「「「観念して出てこい!」」」

 

「「「出てこい逆賊!!」」」

 

「「「もう逃げ道は無いぞ!」」」

 

五万の兵は包囲を更に厳しくし、太鼓を叩き鬨の声を上げたりなどした。

この様子に

 

「姜維殿。敵に完全に包囲されました!」

 

一部の将がそう姜維に言うと

 

姜維「敵は僅か五万だぞ、怖じ気づくな。騒ぐだけ騒がせろ。昼過ぎには連中も疲れ果てる。」

 

姜維「その時、城から出て奇襲を仕掛ければ、殲滅も可能だ!」

 

姜維はそう返すと同時に

 

姜維「それに、逆賊曹彰のいない曹彰軍など、数だけの軍団に過ぎぬ。必ず勝てる!正義が負ける筈など無い!」

 

そうハッキリと言ったのだった。

しかし、時間が経つと様子が一気に変わった。

 

「お、おい!水が無いぞ!」

 

「どうなってるんだ!?」

 

城内から水が無くなったのだ。

そして

 

「の、喉が渇いた・・・」

 

「た、助けてくれ・・・」

 

水が飲めず脱水状態となった城内の兵士は、動けなくなり皆殆どグッタリしてしまった。

この様子に

 

姜維「どうしたのだ?立て!立つのだ!」

 

姜維「早く立て!」

 

ドガッ!

 

姜維「立て!さっさと立て!」

 

ドガッ!

 

兵士を蹴り上げ、立たせようとした。

 

姜維「これはどういう事だ!?」

 

これに、姜維は将の一人を捕まえ尋ねると

 

「姜維殿。水源を断たれ、兵士全員脱水状態になってしまいました。」

 

水源を断たれたため、皆脱水状態に陥ってしまったと言われた。

 

姜維「そんな馬鹿な事があるか!賊軍が襲来した当初はちゃんと水が取れたぞ!」

 

「敵が城の包囲を更に厳しくし、城外へ水を汲みに行けなくさせたのです。水源の確保は、もう出来ません!」

 

水源確保が無理と言われ

 

姜維「城外に出て、水源を確保しろ!」

 

姜維は城外に出ろと言うと

 

「先程も仰いましたが、敵軍の包囲が厳しく、無理にでも行けば非常に危険です!」

 

無理に水源確保に行くのは非常に危険だと言った。

 

姜維「そんなの関係ない!私達には劉備様と諸葛亮様の御霊が付いておられる!賊の攻撃など効きやせぬ!構わず取りに行け!」

 

しかし、姜維は耳を貸さず、それでも水を確保しろと言った。

その時

 

「「「応!応!応!」」」

 

城外が一気に騒がしくなり、それと同時に

 

「大変です!敵が攻撃を仕掛けました!」

 

秋蘭率いる五万の軍勢が一気に総攻撃を仕掛けてきた。

 

姜維「何!?皆の者怯むな!迎え討てー!!」

 

これに姜維は、持ってる槍を掲げ迎え討つよう命令した。

しかし

 

「「「ギャアアアア!!!」」」

 

「「「う、うわぁあああ!!!」」」

 

脱水状態となった兵士では何も出来ず、ただただ討ち取られていくだけだった。

 

姜維「くぅっ!かくなる上は・・・私自ら夏侯淵を討ち取る!!」

 

これに姜維は血管が切れるのではという程の怒りと憎しみの表情を浮かべ、馬に乗って駆けていった。

 

 

 

 

 

 

夏侯淵軍

 

 

 

 

 

秋蘭「一気に攻めろ!敵は相当弱まってるはずだ!!賊は一人残らず討ち取れ!!」

 

秋蘭は、馬上で的確かつ巧みな指揮を取っていた。

その時

 

「夏侯淵様!何者かが近付いて参ります!」

 

誰かがこちらに向かってくるとの知らせが入った。

目線を向けると

 

姜維「うおおおっ!!我が名は姜維!亡き劉備様と諸葛亮様に代わって、逆賊を討ち取ってやるー!!」

 

姜維が槍を振り回して突破していき、秋蘭に近付いた。

そして

 

姜維「これが正義の一撃だ!食らえ、夏侯淵ー!!」

 

姜維は秋蘭に一撃を食らわせようとした。

しかし

 

ガキーン!

 

姜維「な、何!?」

 

秋蘭は純から預かった太刀を抜いて、姜維の一撃を止めたのだった。

 

秋蘭「私が弓だけの将だと思ったら大間違いだぞ。あのお方ほどではないが、剣も扱えるのだぞ。」

 

秋蘭(尤も・・・純様のこの反った剣を扱うのはこれが初めてなのだがな・・・)

 

姜維「き、貴様・・・!」

 

姜維は驚きつつ

 

姜維「逆賊の武が、正義の武に負けるわけ無い!!」

 

そう言い、槍を振った。

 

秋蘭「フッ!」

 

これに秋蘭は、使い慣れていないながらも太刀を巧みに捌き、いなした。

 

秋蘭「勝手に言ってるが良い。貴様の言葉、痛くもかゆくも無い。」

 

そう、秋蘭は姜維に言うと

 

姜維「貴様ー!!」

 

姜維は怒りに身を任せ、猛然と突進してきた。

この様子を見た秋蘭は

 

秋蘭(・・・何と愚かな奴だ。あの劉備と諸葛亮と同じ。理想ばかりに目を向けすぎて曇っている。現実をまるっきり見ていない。)

 

秋蘭(これだけの優れた武を持っているにも関わらず、都合の良い理想ばかり盲信している・・・)

 

そう思いながら彼の攻撃をいなしていると

 

姜維「どうした夏侯淵!!さっきから受けてばかりではないか!我が正義の攻撃に耐えれなくなったか!」

 

姜維がそう声をかけた。

 

秋蘭「ただ闇雲に攻めるのが武ではない!貴様のような軽い武に呆れていただけよ!」

 

これに、秋蘭はそう姜維に返すと

 

姜維「なっ!?か、軽いだと!私の武が軽いだと!」

 

姜維は目を見開いた。

 

秋蘭「そうだ!理想ばかりを盲信し現実を見ない!そのような者に力などこれっぽっちも感じぬ!ただ軽いだけよ!!」

 

すると

 

姜維「我が武は軽くない!私は・・・私は劉備様と諸葛亮様の遺志を継ぐ者だ!あのお方の崇高な理想を継ぐ私の武が軽いはずがない!」

 

姜維「夏侯淵!!我が理想の前に死ぬが良い!!はああああっ!!」

 

姜維はそう言い、槍を振り回し秋蘭に向かって突撃した。

秋蘭も

 

秋蘭「はああああっ!!」

 

馬を駆け突撃した。

そして、二人が交差し、そのまますれ違い走り抜けた。

秋蘭は馬の速度を落としゆっくり回転し姜維の姿を見ると

 

ドサッ

 

姜維は落馬し地面の上に仰向けに倒れていた。

秋蘭は騎乗したままゆっくりと近付き馬上より見下ろすと

 

姜維「殺せ!」

 

姜維は秋蘭を憎悪の表情で睨みながら言った。

秋蘭は、馬から降り

 

秋蘭「何か言い遺す事はあるか?」

 

と声をかけた。

 

姜維「ゲホッ・・・天下の者全てが・・・そ、曹彰や貴様らをガハッ・・・称えようとも、ゴホッ・・・わ、私は必ず・・・曹彰や貴様らを呪ってやる!呪い殺してやる!」

 

姜維は血を吐きながら血の気がない表情ながら憎しみに満ちた目でそう言葉を吐いた。

それに秋蘭は

 

ザシュ

 

眉一つ動かさずに姜維にトドメを刺した。

そして、首を斬り落とし

 

秋蘭「敵将姜維は、この夏侯妙才が討ち取った!」

 

首を掲げそう高らかに叫んだ。

これに

 

「「「おおおーっ!!!」」」

 

五万の軍勢は一斉に雄叫びを上げた。

 

秋蘭「残りの敵兵全て殲滅せよ!!」

 

秋蘭は、そう太刀を前に突き出して命令した。

劉備、諸葛亮の残党の首魁姜維は討ち死にし、新野は陥落し、荊州は完全に平定されたのであった。

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