恋姫無双〜黄鬚伝〜(リメイク)   作:ホークス馬鹿

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100話です。


100話

秋蘭が、姜維を討ち取り新野を平定したという知らせは、江陵にも届いた。

 

「申し上げます!夏侯淵様が、新野を落とし姜維を討ち取ったとの事です!」

 

この知らせに

 

純「そうか!」

 

純は立ち上がって自分の事のように喜びの声を上げた。

純だけじゃない。

 

春蘭「良くやったな、秋蘭・・・!」

 

霞「ああ!」

 

楼杏「秋蘭さん・・・」

 

翠「スゲぇな、秋蘭・・・」

 

剛「凄いな、秋蘭・・・」

 

哲「そうだな・・・」

 

他の皆も、自分の事のように喜び、特に姉である春蘭が特に喜んでいた。

 

純「それで、秋蘭は今どこにいる?」

 

「今戦後処理で新野におり、終わり次第江陵に帰還するとの事です。」

 

それを聞いて

 

純「そうか・・・早く帰ってこねーかな・・・」

 

純は笑みを浮かべながらそう答えたのだった。

 

稟「これで、荊州は完全に平定なさいましたね。」

 

純「ああ。」

 

稟の言葉に、純はそう一言返事をした。

そして、その数日後に

 

「申し上げます。夏侯淵様の旗が見えました。」

 

秋蘭が江陵に帰ってきた。

この一報を聞いた純は

 

純「分かった。」

 

そう言い、すぐに城門に向かったのだった。

一方の秋蘭は

 

秋蘭「着いたか・・・」

 

秋蘭(純様もさぞかしお喜びだろうな・・・)

 

城門前で、純の喜ぶ顔を想像し、頬を緩めていた。

すると城門が開き、そこにいたのは

 

純「よっ、秋蘭!」

 

秋蘭「っ!じ、純様!?」

 

純だった。

これには、普段クールな秋蘭もいつになく驚き

 

秋蘭「じ、純様!わざわざのお出迎え、ありがたき幸せに存じます!」

 

慌てて下馬し、跪いて拱手した。

 

純「そう固くなるな、秋蘭。お前の勝利を真っ先に祝いに来たんだ。」

 

そう言うと、純は秋蘭を立ち上がらせ

 

純「お前達も立て!一緒に城に入ろう!」

 

他の者も立ち上がらせ、共に馬に乗って中に入った。

そして、純と秋蘭が手を繋ぎながら主君の間に入ると、主要な者が秋蘭を出迎えていた。

 

春蘭「良くやったな、春蘭!」

 

霞「ようやったで、妙ちゃん!」

 

楼杏「凄いわ、秋蘭さん!」

 

翠「流石だぜ、秋蘭!」

 

剛「良くやったな、秋蘭!」

 

哲「秋蘭・・・!」

 

凪「流石でございます、秋蘭様!」

 

沙和「なのー!」

 

真桜「スゴイでー、秋蘭様ー!」

 

皆それぞれ喜びの声を上げ迎えた。

その声を聞いた秋蘭は、満更でもないような笑みを浮かべていた。

そして、純は繋いでいた手を離すと、主君が座る席に座った。

その際、秋蘭は一瞬寂しい表情を浮かべたがすぐにキリッとした表情に切り替え、拱手し跪いた。

周りの者も、すぐに切り替えサッと並んだ。

 

純「秋蘭。新野平定本当に良くやったな!」

 

秋蘭「はっ!ありがたきお言葉!お預かりしていた太刀ですが、純様にお返しします!」

 

そう言い、秋蘭は太刀を床に置き再び拱手した。

それを持った兵士は、純に渡し受け取った純は

 

純「さて・・・お前には褒美を与えなければならねーな。」

 

そう言うと椅子の傍にある一本の太刀を一振り手にした。

それを持って秋蘭に近付くと

 

純「この太刀をお前に与える。受け取ってくれ。」

 

そう笑顔で言った。

 

秋蘭「恐れながら純様。この太刀は純様が先程お返しした太刀同様日頃から手入れを欠かさずしておられる大切な太刀では?」

 

これに、秋蘭はその太刀を見て普段からも手入れを欠かさずしているうちの一振りだと分かり、驚きの表情で尋ねると

 

純「お前は劉備、諸葛亮の残党の首魁を討ち取っただけじゃなくそいつらが占拠していた城も平定して見せたんだ。なら、それ相応の褒美を与えなきゃならねーだろ。」

 

純はそう秋蘭に返した。

秋蘭は、それを両手で受け取ると、長く、深々と礼をした。

この時、秋蘭は頭を下げているため顔は見えないが、これだけでも非常に感激していた。

太刀を賜る事は、武人としての最高の誉れなのだ。

 

純「まだあるぞ。お前が新野を平定したと聞いたその時、この役目をお前に与えようと考えた。」

 

しかし、純は秋蘭にまだ褒美があると答えた。

 

秋蘭「それは一体・・・?」

 

純「ああ。お前をこの軍の副都督に任命する。既に許都にはこの件を報告している。近々、正式に任命するだろう。受け取ってくれるか?」

 

それは、秋蘭を全軍の副都督に任命するという事だった。

つまり、秋蘭は純に次ぐ全軍の№2に上り詰めたという意味だった。

 

秋蘭「有り難き幸せ!謹んでお受けし、身命を賭して粉骨砕身励みまする!」

 

これに、秋蘭は感激のあまり涙を流しながら拱手し頭を下げた程だった。

 

純「これからも頼りにしてるぞ!」

 

秋蘭「はっ!」

 

純「それと・・・稟!風!」

 

稟「はっ!」

 

風「はい~!」

 

そして、今度は稟と風を呼び、二人は拱手し秋蘭の横に立った。

 

純「お前達も、司馬懿の反乱を未然に防ぎ禍根を絶ち、軍を、家族を救ってくれた。その手腕、実に見事だ。よって、その功によりお前をこの軍の参軍に任命する。この件も秋蘭と同様許都に報告している為、正式に任命されるだろう。受け取ってくれるか?」

 

純は、稟と風を参軍に任命した。

 

稟「謹んでお受け致しまする!我が知謀、全て純様にお捧げ致します!」

 

風「風も、謹んでお受け致しまする~!今後もより風をお使い下さいませ~!」

 

これに、一層気合の入った表情を浮かべ、稟と風は拱手した。

 

純「これによって、荊州は完全に平定した!これも全て、皆のお陰だ!皆が、俺と共に戦い、互いに力を合わせたからこそ、ここまで戦ってこられた!」

 

純「俺は太刀を振るう以外何も出来ねー男だ!だから・・・今後も俺に力を貸してくれ!」

 

純「行くぜ!『黄鬚』曹彰ここにあり!!俺達は『黄鬚』曹彰軍だ!!」

 

「「「おおおーっ!!!」」」

 

純の覇気に溢れた力強い言葉に、皆雄叫びを上げた。

こうして、純率いる軍はより一層結束力が増したのだった。

 

 

 

 

 

建業

 

 

 

 

 

その頃、建業では、荊州が純の手に落ちたとの知らせが入った。

 

孫策「荊州が、もう曹彰の手に・・・」

 

太史慈「だねぇ。てっきり、もう少し時間がかかると思ってたけど。」

 

周瑜「荊州に侵攻し僅か二ヶ月。こうもあっさり平定するとは・・・流石『黄鬚』曹彰だな・・・」

 

この知らせに、周瑜も流石と言う他なかった。

 

黄蓋「加えて配下の将兵も数多くの戦を経験した百戦錬磨の軍。劉表の軍が可哀想に感じる。」

 

孫策「そうね・・・我が江東の軍も、真っ向から戦えばかなりの犠牲者が出るわね・・・」

 

黄蓋の言葉に、孫策も慎重にならざるを得ず

 

魯粛「うぅ・・・私も袁術様に仕えてた時に拝見した事があるのですが、思い出すだけでも寒気が・・・」

 

魯粛もそんな発言をした。

しかし

 

孫尚香「姉様!何弱気なこと言ってんの!!姉様らしくもない!!」

 

孫尚香「『黄鬚』なんて、所詮格好つけたいだけの異名でしょ!そんな奴、シャオがコテンパンにしてあげるんだから!」

 

孫家の末娘である孫尚香は、純は恐るるに足らずと勝ち気な発言をした。

 

張昭「しかし小蓮様。曹彰は姉である曹操の下これまで曹軍の全将兵を率い数多くの戦を経験し勝利を収めてまいりました。」

 

張昭「その勇猛さは、古の覇王項羽にも勝るものです。軽はずみに倒すと仰ってはなりませぬぞ。」

 

これに、張昭は軽はずみな発言をしてはいけないと注意し

 

孫権「シャオ。雷火の言う通りよ。それに、もし今荊州に侵攻したら向こうにこの江東侵攻の大義名分を与えてしまうわ。」

 

孫権も妹に注意した。

 

孫尚香「そんなの、やってみなきゃ分からないわよ!」

 

しかし、孫尚香は聞く耳を持たなかった。

 

陸遜「小蓮様。お二人の言葉尤もですよ~。ここは一つ、言う事を聞いて下さい~。」

 

陸遜も、遜尚香を諫めても

 

孫尚香「もー!何で穏も蓮華姉様と雷火の肩を持つのよ!」

 

効果は無かった。

 

孫策「シャオ!」

 

孫尚香「っ!」

 

その時、孫策の声が主君の間に響いた。

 

孫策「シャオ。あなたのその発言、姉としても非常に頼もしいと思うわ。けど、今回は別。軽挙妄動は控えなさい。」

 

孫策「でないと、父祖から受け継いだこの江東は灰燼に帰するわよ!」

 

そう、孫策は妹に一喝した。

 

孫策「取り敢えず、今後どうするかは曹彰達の行動次第ね。皆、いつでも動けるように準備するように。ただし、軽挙妄動は控えなさい。」

 

加えて、そう皆に命じたのだった。

 

孫尚香「・・・。」

 

この時、孫尚香は少し不満そうな表情を浮かべていたのだった。

そして、孫尚香はこの日密かに兵を引き連れて出発し、長沙郡の陸口を占領するという愚挙を働いてしまったのであった。

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