恋姫無双〜黄鬚伝〜(リメイク)   作:ホークス馬鹿

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101話です。


101話

江陵

 

 

 

 

 

 

稟「陸口が?それは本当ですか?」

 

陸口が占領された。その知らせを聞いた稟は、隠密に再度確認のため尋ねると

 

「はい。昨晩夜襲を仕掛けられ、陸口の守備兵は抗戦しましたが力及ばず・・・先程陸口の守備兵が全身血塗れで怪我をしながら首の入った箱を持っている状態で参られてそう話しました。」

 

隠密がそう報告し、加えて陸口の守備兵が怪我した状態で参られたと話した。

 

稟「・・・誰が陸口を占領したのですか?」

 

「孫家の末娘、孫尚香です。母孫文台と姉孫策に負けず劣らずの苛烈な性格だとか。」

 

稟「孫尚香ですか・・・」

 

稟は顎に指を当てて考え込むような仕草を取ると

 

稟「・・・純様にはまだ連れておりませんね?」

 

そう隠密に尋ねた。

 

「はい。ですが、陸口陥落の情報が耳に入るのも時間の問題かと。」

 

稟「ならば、私が通して純様にご報告します。下がって下さい。」

 

「はっ!陸口の守備兵ですが、今治療をしております。」

 

隠密はそう言い、その場を後にした。

 

稟「フフッ・・・これは天啓ですね。江東を攻める良い大義名分が出来ました。」

 

すると、稟はそう冷酷な笑みを浮かべながらそう呟いたのだった。

そして、陸口の守備兵を連れて純の部屋の前に行き彼を待機させると

 

稟「純様。至急お知らせしたき事があります!」

 

と扉越しに声をかけた。

 

純「稟か。入れ。」

 

稟「はっ。」

 

許可を貰い、稟は部屋の入った。

その際、稟は深い悲しみの表情を浮かべながら入った。

 

純「どうした?そんな顔して?」

 

純は、稟の表情を見てそう尋ねると

 

稟「純様。悲しい知らせが入りました。陸口が、賊に襲われ陥落致しました。」

 

稟は悲しみの表情を崩さずにそう言った。

 

純「・・・どういう事だ?」

 

稟「先程陸口を守っていた守備兵が血塗れの状態で参られ、知らせに来たのです。今、外に控えております。」

 

それを聞き

 

純「・・・呼べ。」

 

と純は言った。

 

稟「純様。何を聞かれようとも、決してお取り乱しなきよう。」

 

稟の言葉に

 

純「早く呼べ!」

 

純が語気を強めて言うと

 

稟「・・・入りなさい。」

 

稟はそう外にいる兵士を呼んだ。

すると、陸口の守備兵が、左腕を吊らし右足を引き摺り右腕に箱を持った状態で現れ、箱を置き何とか跪いて

 

「申し上げます!昨晩の暮れ、孫策の末の妹孫尚香率いる軍に突然夜襲を仕掛けられ、力の限り奮戦しましたが守り切れず、城を奪われ隊長は・・・隊長は・・・!」

 

涙を流しながら報告し、最後の辺りで詰まった。

 

純「お前の隊長がどうしたんだ?」

 

それを見て、純はそう尋ねると

 

「隊長は・・・自らを盾に御身の全身に矢を受け、戦死なされました!」

 

陸口の守備兵は、最後は耐えきれず泣きながら報告した。

 

純「・・・んなの、ありえねーよ。お前達の隊長は俺がまだ未熟の時から仕えてくれた歴戦の友であり兄弟なんだぞ。死ぬなんてありえねーよ。」

 

これに、純は動揺を抑えれず

 

純「だって・・・お前らの隊長は・・・」

 

「閣下!隊長は・・・誠に亡くなられました!私が、責任を持ってその首を守り、何とかここまで参られた次第なのです!」

 

「亡くなる間際に『閣下!陸口守り切れず、武人として誠に申し訳ございませぬ!』と最後に申し上げておりました!」

 

「そして、陸口の守備兵三千は、私以外全て戦死なさいました!」

 

声を震わせながら言うと、陸口の守備兵は顔を伏せてしまった。

 

稟「純様。残念ながら事実です。こちらがその隊長の首でございます。」

 

稟は、純にそう言うと首の入った箱を空けた。

それを見た純は

 

純「あ・・・あぁ・・・」

 

その首を抱き締め

 

純「アアアア!!!」

 

大声を上げ泣いたのだった。

 

稟「純様。すぐさま陸口を取り返し、その報復として江東を灰燼に帰しましょう!」

 

すると、稟は涙を流しながら純にそう進言した。

 

純「・・・孫尚香。よくも・・・よくも俺の仲間を・・・家族を殺したな・・・断じて許さねー!」

 

純は、涙を流しながらその目は憎しみの炎に燃えていた。

 

純「皆を集めろ!即刻兵馬を整え、出陣する!」

 

覇気に溢れた雰囲気で言うと

 

稟「御意!」

 

稟は拱手しその場を後にした。

 

純「お前の仇・・・必ず討ってやるからな・・・!」

 

そう、純は涙を流しながら呟いたのであった。

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