恋姫無双〜黄鬚伝〜(リメイク)   作:ホークス馬鹿

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104話です。


104話

陸口の奪還に成功した純達だったが、孫尚香に毒矢を受けた純の体調は日に日に悪化していった。

 

純「・・・。」

 

それでも、純は平静さを保ち続けていたが、時折辛そうな表情を浮かべた。

稟も、毎日解毒薬を作り飲ませていたのだがそれも限界があり、稟自身に疲労が溜まっていった。

 

秋蘭「向こうの様子は?」

 

「はっ!今のところ、変化はありません!」

 

秋蘭「そうか。引き続き頼むぞ。」

 

「はっ!」

 

秋蘭も、副都督として純がよく行っていた兵の様子を見たりして、声をかけたりしていた。

 

春蘭「秋蘭・・・」

 

その様子に、春蘭は複雑な表情を浮かべていた。

 

霞「惇ちゃん・・・」

 

春蘭「おお・・・霞か。」

 

これに、霞も感じており、春蘭に声をかけた。

 

霞「何か妙ちゃん・・・無理してへんか・・・」

 

霞も、秋蘭の様子を見て春蘭にそう言った。

 

春蘭「お前もそう思うか・・・多分だが、秋蘭は純様と同じように兵の様子を見て、声をかけたりしている。」

 

春蘭「しかし、どこか無理に純様がやっている事をやっているように私も感じるんだ・・・」

 

霞「せやな・・・妙ちゃんは妙ちゃん。純やない。無理に真似したって、何も意味ない。」

 

霞「別に何かを手本にやるのはええ。けど、合わなければきっぱりやめるのも手なんやけどな・・・」

 

そう、霞も複雑そうに秋蘭を見た。

 

春蘭「けど・・・秋蘭はああ見えて頑固だからな。聞いてくれるかどうか・・・」

 

春蘭も、同様の表情を浮かべた。

 

楼杏「けど・・・それだけ秋蘭さんは必死なんでしょうね。副都督として与えられた使命を全うしようと。」

 

春蘭「おお、楼杏!純様のご様子は?」

 

楼杏「ええ。様子を見に行ったけど、私達に心配をかけまいと平静さを保っているわ。」

 

楼杏「けど、やはり辛いんでしょうね。苦しそうな表情を僅かに浮かべる時があるわ。」

 

楼杏「稟さんも、参軍としての仕事と純さんの看病で解毒薬も作ってるから、疲れも溜まってるし。」

 

楼杏は、純と稟の様子を思い出し、顔を歪めていた。

 

楼杏「どうすれば良いのかしら・・・もし・・・もし純さんが・・・」

 

これに、楼杏は弱気な発言をすると

 

霞「馬鹿言うなや、楼杏!」

 

バシッ!

 

楼杏「っ!」

 

霞が楼杏の頬を引っぱたいて

 

霞「そんな事、軽はずみに言うんやない!純はきっと助かる!ウチが女として惚れた男や!死ぬはずない!アンタも、純に惚れとるやろ!」

 

霞「だったら、好いた人を信じんでどうするんや!」

 

そう目を吊り上げ泣きそうな表情でそう言った。

これに

 

楼杏「・・・そうね。ごめんなさい、霞さん。」

 

楼杏はいつものキリッとした表情になり

 

楼杏「私も信じるわ。純さんは、きっと助かる!」

 

そう、力強い声で言った。

 

霞「せや!純は助かる!なんたって純は、『黄鬚』と呼ばれし強くて勇ましいウチらのいや、全将兵の大将軍やからな!」

 

霞も、いつもの快活な笑顔を見せてそう言ったのだった。

 

春蘭「そう言えば、許都から誰か参ると聞いたが?」

 

楼杏「ああ、それね。一応純さんの事を江陵の風さんに通じて許都にも知らせていたのよ。」

 

楼杏「恐らくだけど・・・栄華さんが来ると思うわ。その際、ある名医も一緒に連れて行ってるとか・・・」

 

 

 

 

 

 

同時刻

 

 

 

 

 

 

栄華「早く!!急いで下さいまし、華佗さん!!」

 

華佗「分かってる!!そう急ぐと馬が先に潰れてしまう!!」

 

栄華「でも・・・もたもたしては、お兄様が・・・お兄様が・・・!!」

 

華佗「気持ちは分かる!けど、辿り着く前に俺達がくたばってしまうぞ、曹洪殿!!」

 

栄華が、いつになく焦り、余裕のない表情で馬を必死に走らせていた。

その後ろを、華琳が必死に探して見つけた医者が必死に栄華に付いて行っていた。

これより3日前の事だった。

 

 

 

 

 

 

3日前

 

 

 

 

 

 

「江陵からの文です!」

 

一人の兵士が、文を携えて現れた。

 

華琳「江陵から?何があったのかしら?」

 

華琳は疑問の表情を浮かべながら文を受け取り、それを読むと

 

華琳「何ですって!?」

 

華琳は驚きのあまり、大声を上げて立ち上がった。

 

桂花「如何なさいましたか、華琳様?」

 

これに、桂花が尋ねると

 

華琳「純が・・・陸口を占拠した孫策の妹、孫尚香を攻めている時に孫尚香に毒矢をくらったって!」

 

華琳が、純が毒矢を受けたと言った。

これに

 

桂花「え!」

 

桂花は驚きの声を上げた。

桂花だけじゃなかった。

 

柳琳「そんな・・・!?」

 

華侖「ほんとっすか、華琳姉ぇ!?」

 

燈「・・・。」

 

皆それぞれ驚きの声を上げたり、口にはしないが動揺の表情を浮かべてる者もいた。

とりわけ

 

栄華「お姉様!お兄様は・・・お兄様はご無事ですの!!」

 

栄華は激しく動揺しており、華琳に純の様子をすぐに尋ねた。

 

華琳「今のところ命は繋いでるようだけど、明日も分からない状態との事よ。」

 

この回答に

 

栄華「お姉様!今すぐに私を陸口に行かせて下さいまし!!」

 

栄華は必死の表情で華琳に言った。

 

華琳「落ち着きなさい、栄華!あなた、医学の心得はあるの?」

 

これに、華琳は冷静にそう言うと

 

栄華「・・・ございませんわ。」

 

栄華は目を俯かせてそう言ったが

 

栄華「しかし・・・お兄様が・・・!」

 

すぐに顔を上げて鳴きそうな表情でそう言うと

 

華琳「分かってるわ!純を・・・あの子を死なせない!桂花!燈!この許都に華佗がいると聞いてるわ!すぐに探しなさい!」

 

桂花「御意!」

 

燈「分かりましたわ!」

 

華琳は、すぐさま桂花と燈にそう命令した。

命を聞いた二人は、すぐさまその場を後にし、捜索を開始した。

そして、華佗を見つけ事情を説明すると

 

華佗「分かった!すぐに行こう!」

 

華佗は即決で言った。

 

華琳「頼むわね!付き添いには、栄華も一緒に連れて行かせるわ!」

 

これに、華琳はそう華佗に言った。

 

 

 

 

 

 

そして、栄華達は必死に陸口まで走らせていた。

 

栄華(お兄様・・・どうか・・・どうかご無事で・・・お兄様・・・!)

 

この時、栄華はそう必死の気持ちで内心叫びながら馬を走らせていたのであった。

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