恋姫無双〜黄鬚伝〜(リメイク)   作:ホークス馬鹿

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11話です。


11話

盗賊討伐は、快勝に終わった。

 

桂花「逃げる者は逃げ道を無理に塞ぐな!後方から柳琳の部隊で追撃を掛ける、大人しく力尽きるのを待って良い!」

 

桂花が兵にそう指示をしていると、騒々しい兵達の波が本陣へと向かってきた。その声は興奮と歓声に包まれており、その中心に

 

純「姉上、ただいま戻りました!これは賊の指揮官の首です!奴らは砦に逃げていきました!」

 

純が端正な顔に人懐っこい笑みを浮かべながら戻ってきた。これだけなら女性が見たら黄色い声を上げるのだが、返り血と左手にぶら下げた敵の指揮官の首で台無しになった。

 

華琳「ご苦労様、純。相変わらず見事な働きだわ。」

 

純「はっ、ありがたきお言葉!けど、これも全て、俺の部下の働きのおかげです!」

 

華琳「そう。貴方らしいわね。」

 

純「へへっ。稟!風!此度の戦の指揮、良くやった!おかげでやりやすかったぞ!」

 

これには

 

稟「はっ!!ありがたきお言葉!!」

 

風「はい~!!ありがとうございます~!!」

 

稟と風は嬉しそうな顔を浮かべ、拱手して答えた。

すると

 

秋蘭「純様。ご無事でしたか。」

 

秋蘭が本隊に来た。

 

純「見事な働きだったぞ、秋蘭。」

 

秋蘭「はっ!!ありがたきお言葉!!」

 

純「春蘭はどこだ?」

 

純の疑問に

 

桂花「どうせ追撃したいと思うので、季衣に春蘭と追撃に行くよう指示しておきました。」

 

桂花はそう答えた。

 

純「・・・姉上。俺も参加して良いですよね?」

 

それを聞いた純は、華琳の顔を見てそう尋ねた。

 

華琳「全く・・・しょうがないわね。行っても良いわよ。」

 

純の顔を見た華琳は、呆れつつも笑みを浮かべながら言った。

 

純「本当ですか!?」

 

華琳「ええ。まだ暴れ足りないでしょう?追撃して、好きに思いっ切り暴れなさい。」

 

それを聞いた純は

 

純「はっ!では直ちに追撃して参ります!!」

 

満面の笑みを浮かべながら拱手し

 

純「行くぞ!『黄鬚』曹彰に付いて来い!!」

 

そう言いながら颯爽と馬に乗ってその場を後にしたのだった。

 

華琳「別に良いわよね、桂花。」

 

桂花「はい。純様が加われば、討伐の時間も更に短縮出来るので。」

 

秋蘭「相変わらずだな、純様は・・・。」

 

栄華「そうですわね・・・。」

 

純の様子を見た秋蘭と栄華は、笑みを浮かべながらそう言った。

 

華琳「あんな顔されたら、無下には出来ないわよ。」

 

華琳「それと桂花。あなたも見事な作戦だったわ。負傷者も殆どいないようだし、上出来よ。」

 

華琳の褒め言葉を聞いた桂花は

 

桂花「あ・・・ありがとうございます!華琳様!」

 

嬉しそうな笑みを浮かべながらそう言ったのだった。

 

華琳「後は、栄華。」

 

栄華「はい。事後処理に関しては、お任せ下さいませ。」

 

華琳「任せるわ。桂花、秋蘭。本陣を前に移す指揮をなさい。このまま砦を落とすわ。」

 

秋蘭「はっ!」

 

桂花「承知致しました!」

 

そして、純の苛烈な猛攻に加え本隊も加わったため、砦はあっさり陥落したのだった。

 

 

 

 

 

その帰り道

 

 

 

 

 

純「いやぁ・・・久し振りに暴れたなぁ。やっぱり戦は良い・・・」

 

華琳「あなた・・・戦だと本当に生き生きしてるわね。」

 

純「へへっ。」

 

華琳「これからも、その武勇頼りにしてるわよ。」

 

純「はっ!例え万人の敵が相手でも、全て斬り殺してやりますよ!」

 

華琳「ええっ。」

 

秋蘭「ただ心残りなのは・・・華琳様が気に掛けておられた古書が見つからなかった事ですね。」

 

春蘭「うむ。大変用心の書だな。」

 

純「いや・・・太平用心だよ、春蘭。」

 

これには

 

華琳「・・・太平要術よ。全く・・・」

 

華琳は呆れながら答えた。

 

柳琳「・・・。」

 

桂花「・・・。」

 

秋蘭「純様・・・。」

 

栄華「お兄様・・・。」

 

春蘭「言ったよな!私と純様はそう言ったよな!」

 

純「・・・すいません姉上。」

 

稟「純様・・・。」

 

純「・・・悪い。」

 

純「え、ええっと・・・稟と風は、その古書について何か知ってるか?」

 

稟「ええ。噂程度で、危険な書物であると。」

 

風「風も、稟ちゃんと同じ意見ですね~。」

 

純「そっか・・・。つっても、俺も良く分かんねーけどな。」

 

稟「でしょうね。名前を間違えるほどですから・・・」

 

純「うっ・・・」

 

香風「あの三人の盗賊も見つからなかったし、良く分かんなかったです。」

 

華琳「無知な盗賊に焚き付けにでもされたか、落城の時に燃え落ちたのか・・・。まあ、代わりに桂花と許緒という得難い宝が手に入ったのだから、それで良しとしましょう。」

 

純「そうですね。季衣、姉上の警護、任せたぞ。」

 

季衣「はい!それに僕の村も、しばらくは曹操様が治めてくれることになりましたので!」

 

季衣「税もずっと安くなるし、警備の兵や曹操様の信用してる役人も連れて来てくれるっていうし、それが一番嬉しいです。」

 

季衣「だから今度は僕が、曹操様をお守りするんだー!」

 

栄華「とはいえ、暫くは今回の件の後始末も必要ですし、警護の名目も兼ねて沛国のあの方に申し出ておきますわね。」

 

純「ふーん。それより姉上、もっと重要な事があるんじゃないですか?」

 

華琳「分かってるわ。桂花の事でしょ?」

 

そう言い、華琳と純は桂花を見た。

 

桂花「じ・・・純様。ここでですか!?」

 

見られた桂花は表情を少し硬くした。

 

純「城を目の前にして言うのもあれだけど、俺・・・スゲー腹減ってんだよ。分かるか?」

 

桂花「・・・はい。」

 

桂花「ですが曹彰様。言い訳を承知で言わせていただければ、それはこの季衣が・・・」

 

季衣「ほえ?」

 

純「不可抗力や予測出来ねー事態が起こるのが、戦場の常だ。それを言い訳にするのは、適切な予測が出来ねー奴のする事だと思うぞ?いくら頭が悪い俺でも分かる。」

 

桂花「そ、それはそうですが・・・。」

 

純「此度の遠征においてのお前の功績は無視出来ねー。だが、約束は反故に出来ねーし、無かった事にするのも同じくだな。」

 

秋蘭「純様・・・。」

 

桂花「・・・分かりました。最後まで糧食の管理が出来なかったのは、私の不始末。首を刎ねるなり、思うままにして下さいませ。」

 

春蘭「ふむ・・・。」

 

桂花「ですが、せめて・・・最後は、華琳様か純様ご自身の手で・・・!」

 

春蘭「・・・。」

 

純「とは言え、先程も申したように、今回の遠征の功績を無視出来ねーのもまた事実だ。・・・良いだろう、減刑して、姉上に何かしてもらえ。」

 

桂花「純様・・・っ!」

 

純「宜しいですか、姉上?」

 

華琳「良いわよ、それで。」

 

純「御意。」

 

華琳「桂花、貴女の件、お仕置きだけで許してあげる。」

 

これを聞いた桂花は

 

桂花「華琳様・・・っ!ありがとうございます!」

 

満面の笑みで答えた。

 

華琳「城に戻ったら、私の部屋に来なさい。たっぷり、可愛がってあげる。」

 

桂花「え?そ、それは・・・ま、ままま、まさか・・・!」

 

栄華「お、お姉様っ!?あの、それはいくら何でも・・・」

 

華琳「あら。なら、栄華は純に可愛がって貰ったら?」

 

栄華「え・・・そ、それは・・・。でも、お兄様が望まれるなら・・・」

 

春蘭「・・・いいなぁ。」

 

華侖「ね、柳琳。華琳姉ぇ達、何の話してるんすか?」

 

柳琳「そ、それは・・・その・・・あぅぅ。」

 

純「あはは・・・。」

 

そして、一同は無事陳留に帰還したのであった。

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