恋姫無双〜黄鬚伝〜(リメイク)   作:ホークス馬鹿

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黄鬚の伝説の始まりです。


幕間1 黄鬚の伝説の始まり

これは、純がまだ無名だった頃のお話である。

 

純「お呼びでしょうか、父上。」

 

純は、父である曹嵩に呼ばれてやって来た。幼馴染であり、側近の秋蘭を連れて。

 

曹嵩「うむ。近くの村が賊に襲われているとの情報があってな。お前たちに任せたい。」

 

純「分かりました。では、すぐに兵馬を整えて、出陣致します。」

 

曹嵩「うむ、頼んだぞ。それと、そこには官軍もおって、皇甫嵩と申す者が率いておる。よろしく頼むぞ。」

 

純「はっ。ではこれにて。行くぞ、秋蘭。」

 

秋蘭「御意。」

 

そう言って、純達はその場を後にし、五千の兵馬を率いて出陣した。

その中で

 

華琳「純!」

 

華琳が見送りに来ていた。

 

純「姉上!?わざわざこちらに来るとは!?」

 

華琳「あなたの見送りよ。お父様に賊討伐を任されたのでしょ。」

 

純「はい。しかし、姉上でも良かったのでは?」

 

華琳「良いのよ。初陣以来、私よりあなたの方が戦で大きな手柄を挙げている。ならばあなたが選ばれるのが当然よ。」

 

華琳「それに、あなたの方が一番戦に長けているしね。」

 

純「ありがたきお言葉。」

 

華琳「気を付けて行きなさい。そして、必ず元気に帰ってくる事!」

 

純「はっ!」

 

そして、純はそのまま出発した。

 

 

 

 

 

官軍

 

 

 

 

 

官軍武将A「皇甫嵩殿、曹嵩殿のご子息曹彰殿がこちらに向かっておられます。」

 

皇甫嵩「分かったわ。」

 

官軍武将A「しかし、大丈夫なのでしょうか?」

 

皇甫嵩「何がかしら?」

 

官軍武将A「此度我らと共に戦う曹彰殿ですが、武に長けているとの噂はかねがね聞いてはおりましたが、まだ年若いです。大丈夫なのでしょうか?」

 

皇甫嵩「それは分からないわ。けど、例え年若かろうとも私達は彼らと協力しなければこの戦は勝てないわ。」

 

官軍武将A「はい・・・」

 

皇甫嵩「良い。例え宦官の息子であろうとも、決して見下してはいけないわよ!」

 

官軍武将A「はっ!!では、兵の様子を見て参ります。」

 

官軍の武将は、そう言ってその場を後にした。

 

皇甫嵩「はあ・・・。」

 

皇甫嵩(曹彰子文・・・曹嵩殿のご子息で武に長けた勇将・・・。どんな子なのかしら?)

 

その時、皇甫嵩はそんな事を考えていた。

そして、純達が官軍の本陣に到着した。

 

官軍兵士A「名を申せ。」

 

純「父曹嵩の名代として参った、曹子文と申す。」

 

官軍兵士A「了解した、では武器をこちらに。」

 

純「うむ。入るぞ、秋蘭。」

 

秋蘭「御意。」

 

そう言い、純は太刀を兵士に預け、天幕に入った。

 

純「お初にお目にかかります。俺は父曹嵩の名代、曹子文です。」

 

皇甫嵩「私は皇甫義真よ。あなたの事はお父君である曹嵩殿から聞いているわ。戦場での働きは任せるわ。」

 

純「御意。であらば、我らは先鋒を担いましょう。」

 

そう言い、純はその場を後にした。

 

皇甫嵩「・・・ふう。」

 

官軍武将A「皇甫嵩殿、如何なさいましたか?」

 

皇甫嵩「大丈夫よ。気にしないで。」

 

そう言った皇甫嵩だったが

 

皇甫嵩(あれが曹彰子文・・・。武勇と軍才に溢れているわ・・・。その強さ・・・まさに虎の如し・・・)

 

純の纏う雰囲気を見て、そう思っていたのだった。

 

 

 

 

 

曹彰軍天幕

 

 

 

 

 

純「一応俺達が先陣だな。この戦で、俺の名を官軍に知らしめてやる!」

 

曹彰軍武将A「曹彰様。皇甫嵩殿は如何なお人でしたか?」

 

この質問に

 

純「ん?そうだな・・・。あのお方はつえーぞ。」

 

純はそう答えた。

 

曹彰軍武将A「え?そこまで武に優れているのですか?」

 

純「いや、個人の武は俺の方がつえー。けど、培った経験による指揮能力と統率力は確かだと思う。実際、官軍の様子も見てみたが、兵の動きもしっかり統率が取れていたし、顔つきも良く、武器鎧もしっかりしていた。まさに精鋭と言っても過言ではない様相だった。」

 

秋蘭「確かに、兵の動きはしっかりしておりましたね。」

 

純「ああ。この戦、面白くなってきやがった。」

 

純「いいかお前ら、賊を討ち滅ぼし、俺達の強さを天下に知らしめてやろうぜ!」

 

「「「おおーっ!」」」

 

 

 

 

 

賊軍

 

 

 

 

 

 

親分「官軍め、全て蹴散らしてやるぜ!」

 

子分A「しかし親分、今回の敵はどこか違う。特に敵の前衛だ、どこか雰囲気が違う気がしますぜ。」

 

親分「んんー?お前さんの気のせいだろう。例え数が増えたって、俺達の敵じゃねーぜ。」

 

親分「良いか!数は俺達の方が上だ!存分に叩き潰してやれ!」

 

「「「おおーっ!」」」

 

そして、賊軍が攻めてきた。

 

 

 

 

 

 

曹彰軍

 

 

 

 

 

曹彰軍兵士A「曹彰様。敵が突撃して参りました!」

 

それを聞いた純は、カッと目を見開いて

 

純「よっしゃああっ!!かかれぇええええっ!!」

 

「「「おおーっ!」」」

 

秋蘭「純様に続けー!!」

 

兵に命令を下し、先陣を切って突撃したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

官軍本陣

 

 

 

 

 

 

 

官軍兵士B「曹彰殿率いる兵と賊軍がぶつかりました!」

 

皇甫嵩「分かったわ。」

 

官軍兵士B「はっ!」

 

皇甫嵩「見る限り、賊は陣を十分に展開できていないわね。酷い縦隊だわ。」

 

皇甫嵩「私達も、いつでも曹彰軍を援護できるように準備しなさい。」

 

官軍兵士B「はっ!」

 

 

 

 

 

 

 

戦場

 

 

 

 

 

 

 

純「うおおおっ!!」

 

賊「「「ギャアアアッ!!」」」

 

その頃戦場では、純が大暴れしており、太刀一振りで数十人単位で斬り殺していた。

 

純「良いか!例え千人だろうが万人だろうが、全て斬り殺せ!!」

 

この鼓舞に

 

「「「おおーっ!」」」

 

曹彰軍の士気が一気に上がった。

 

秋蘭「放て!」

 

賊「「「ギャアアアッ!!」」」

 

純「うおりゃあああっ!!」

 

賊「「「ギャアアアッ!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

親分「な・・・何だあの強さは・・・!」

 

子分B「親分!このままじゃ味方が・・・!」

 

親分「クソッ!よし、あの先頭に立っている奴を矢で射殺せ!」

 

子分B「へいっ!準備しやす!」

 

 

 

 

 

 

親分「お前ら!あの先頭にいる奴へ、全力で矢を射かけてやれー!」

 

「「「おおーっ!」」」

 

すると、純達前衛目掛けて大量の矢が放たれた。

しかし

 

純「邪魔だーっ!!」

 

ズバッ!ザシュ!

 

飛んできた矢を難なく捌き

 

ガシッ!ガシッ!ガシッ!

 

純「これでも喰らいなっ!」

 

と一気に三本の矢を掴んで太刀を納刀し、背中に背負っていた弓に矢をつがえ、放った。

 

賊「「「ガハァッ!!」」」

 

すると、その矢は三本とも賊軍に命中し、射殺した。

 

親分「ば・・・馬鹿な!!クッ、もう一度射かけ・・・」

 

そう言ったが

 

純「うおりゃあああっ!!」

 

賊「「「ギャアアアッ!!」」」

 

全て斬り殺されてしまった。

 

親分「ひぃぃっ!何なんだこのガキは!?」

 

純「うらああああっ!!」

 

賊「「「ギャアアアッ!!」」」

 

この苛烈な戦ぶりに

 

親分「化け物だ・・・虎だ・・・黄鬚だ・・・!」

 

親分「黄鬚だー!!あんなもんに敵わねー!!」

 

賊の親分は逃げようとしたが

 

純「テメーが賊の頭領だな?」

 

親分「ひぃぃっ!」

 

純に追い付かれ

 

純「うりゃあああっ!!」

 

ザシュ!

 

親分「ギャアアアッ!!」

 

真っ二つに斬り殺されてしまった。

 

純「賊の頭領を討ち取ったぞー!!」

 

「「「おおーっ!」」」

 

 

 

 

 

 

その様子を見ていた官軍は

 

官軍武将C「な・・・何て強さだ!?数の差をものともしなかったぞ!!」

 

官軍武将D「これが曹嵩殿のご子息か・・・!恐ろしき武勇じゃ!」

 

官軍武将E「その配下の将兵も、何て精強なのだ!」

 

純達の強さに呆然としていた。

すると

 

皇甫嵩「まるで・・・虎の如き強さね・・・」

 

皇甫嵩「虎の如き・・・『黄鬚』だわ・・・。」

 

と皇甫嵩が純を見てそう呟いた。

 

官軍武将F「まさに言い得て妙ですね。」

 

皇甫嵩「ええ・・・」

 

皇甫嵩(『黄鬚』曹彰・・・。このお方は・・・いずれ天下無双の将軍になるわ・・・!)

 

その時、皇甫嵩は純の戦いぶりを見てそう感じたのだった。

そして、皇甫嵩率いる官軍も、賊軍に攻撃を仕掛け、賊は壊滅したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

戦後

 

 

 

 

 

 

 

皇甫嵩「あなたの活躍、朝廷にしっかりとお伝え致します。」

 

純「分かりました。皇甫嵩殿、もし賊討伐がありましたら、また一緒に戦いましょう!」

 

皇甫嵩「フフッ・・・分かったわ。その時は、あなたのその武勇、頼りにするわね。」

 

純「はい!それでは、また!」

 

純「引き揚げるぞ!」

 

そして、純達は颯爽と馬に乗り、その場を後にしたのだった。

この戦は各地で広まり、純の強さが知れ渡る事となった。

それと同時に付けられた異名は、皇甫嵩が言った通り、『黄鬚』と呼ばれ、味方には信頼と尊敬を、敵には恐怖を植え付けられたのであった。

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