慣れてない水軍で決戦を挑む事が、純率いる二十五万の精兵に勝てる唯一の策であると述べた周瑜。
しかし
張昭「わしは反対じゃ!」
張昭「曹彰率いる二十五万の将兵は、この上なく勇猛で、これまで多くの戦を駆け抜けた百戦錬磨の強者揃い!」
張昭「それらを率いる曹彰は、『黄鬚』の異名に相応しい武勇と軍才に溢れた歴戦の勇将!加えて全将兵と友または兄弟の如く強固な繋がりを持ち、結束力もある!それらを己の手足の如く巧みに操り、これまで多くの戦を経験してきた!」
張昭「また、彼に従っている参軍の郭嘉は、神算鬼謀の持ち主で、曹彰軍の強さをより際立たせております!」
張昭「それに比べて、我ら江東の兵馬は、歩兵や水軍合わせても十万に足りず!何より、我らは江東を取り戻して以来戦を殆ど経験しておりませぬ!このまま戦えば、我らは皆討ち死にし、この江東は、灰燼に帰してしまうでしょう!」
張昭は、そう強く反対した。
孫権「けど雷火。我らには、長江という要害があるわ。」
これに、孫権がそう返すと
張昭「如何にも。なれど、曹彰は歴戦の勇将であり、従っている将兵は、全て多くの戦を経験した百戦錬磨の精鋭揃いなのです。その上、蓮華様もお聞きになられた通り、曹彰は軍船を揃え、全長120歩あり、数は百隻以上。それらを使って水軍の調練を行っております。」
張昭「これは我らが有する軍船よりも遥かに大きく、多いのです。」
張昭は、要害があれど、純率いる精兵には敵わないと言った。
孫権「・・・では雷火。あなたの考えは?」
張昭「・・・戦は、江東の民を苦しめます。大変申し上げにくいのですが、雪蓮様と小蓮様の首を差し出し、降るのが良いかと・・・」
張昭は、そう言い孫権に降伏を勧めた。
周瑜「雷火殿。確かに曹彰は歴戦の猛将であり、その配下の将兵も皆、多くの戦を経験してきた一騎当千の精鋭揃いだ。」
周瑜「しかし、調練してるとはいえ、水上戦での戦は不慣れだ。加えて南部特有の病に抗う術も持ち合わせていないだろう。」
周瑜「そこを突けば、多少の戦力差など・・・」
しかし、周瑜は慣れてない水上戦での隙を突けば、勝利出来ると言ったが
張昭「それはあくまでも理想じゃ。実際には、二十五万の軍勢を目にすれば、威に圧されて自然と膝を折るのが人の常というものだ。ましてや多くの戦を経験した猛者で、その軍勢を率いるのがあの『黄鬚』曹彰なら、尚更の事。」
張昭はそれでも不利だと言った。
黄蓋「おい雷火!お主、言い過ぎじゃ!そのような弱気な発言などしてどうするのじゃ!」
黄蓋「わしは、この江東の為に大殿と共に命を懸けて戦った。この江東を、敵に臆して渡すなど出来ようか!」
これに、黄蓋は強硬的な発言で張昭に申した。
張昭「わしもお主と同様、大殿と共にこの江東の為に己の才を振るった。」
張昭「しかし、この江東と孫家を守る為には、無駄な血を流さぬのが良いのじゃ!それも分からぬのか!」
しかし、張昭も負けじと黄蓋に言い返すと
張昭「蓮華様。ここは降伏なさいませ。雪蓮様と小蓮様の首を差し出せば、曹彰は姉の曹操に伝えて降伏を受け入れましょう。そうすれば、孫家の血筋も、この地の安寧も保たれるでしょう。」
そう拱手して孫権に言った。
孫権「・・・。」
その時
周瑜「・・・ふぅ。文台様の代から仕え振るってきたその知謀も、錆びれたものだな。」
周瑜が張昭にそう言うと
張昭「・・・何じゃと?」
張昭は目を細め怒りの表情を周瑜に向けた。
周瑜「戦わずしてこの江東を譲り渡すぐらいなら、いっその事初めから曹彰の陣営に加わっておけば良いのだ。」
張昭「ふん。国同士の駆け引きも知らぬヒヨッコが何を言うか!」
そう言い合っていたその時
??「私は戦うわよ!」
突然そのような大きな声が聞こえたので声のする方に目を向けると
孫権「姉様!?」
周瑜「雪蓮!?」
太史慈「雪蓮!?」
黄蓋「策殿!?」
孫策がそこにいた。
孫権「姉様!お身体は?」
孫策「もう良くなったわ!このような危急存亡の時に、寝てなんていられないわ!」
孫策「私は戦うわ!降伏しても、かえって悪化するだけよ!」
孫策「私はこの江東を守りたい!父祖の地を戦わずして敵にくれるなんて出来ないわ!」
孫策「曹彰に決戦を挑むわ!そして勝って、必ずこの江東を守ってみせる!」
孫策は、決戦に挑むと言った。
黄蓋「策殿。よくぞ申された!」
これに、黄蓋は孫策の発言に大いに喜び
張昭「しかし雪蓮様!」
張昭は反対意見を述べようとしたが
孫策「雷火!もう決めた事よ!何も言わないで!」
孫策にそう言われると
張昭「っ!」
もう何も言えなかった。
孫権「・・・。」
この様子に、孫権は何も言えず
太史慈(ここに粋怜殿がいれば・・・)
太史慈は、今ここに程普がいない事に内心頭を抱え、目を閉じており
周瑜(雪蓮・・・)
周瑜は、友の今の雰囲気に違和感を感じた。
こうして、孫策達は純らに決戦を挑む事になったのであった。