恋姫無双〜黄鬚伝〜(リメイク)   作:ホークス馬鹿

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120話です。


120話

曹彰軍本営

 

 

 

 

 

 

孫策らが現れたと秋蘭から聞いた純は、鍛錬を中止し本営に戻った。

 

純「孫策らが現れたか・・・」

 

秋蘭「はい。その数、凡そ十万かと。」

 

稟「主だった者は、周瑜に黄蓋に程普、そして太史慈です。」

 

純「成程・・・」

 

それを聞き、純は腕を組んで目を閉じた。

 

楼杏「しかし、敵は内部がバラバラの状況なのに戦に臨んだ。これでは・・・」

 

霞「ああ。かなり危ないものや。そんなの、ウチでも理解出来る。」

 

翠「けど、もし勝ったら、また江東は一つに纏まる。」

 

剛「そうなるために、相手の軍師周瑜は必ず何か企んでるはず。」

 

哲「ああ。多分だけど、我が軍の弱点であるこの水軍の練度。その為に火を仕掛けるはずだ。」

 

春蘭「火攻めか・・・しかし、いつ仕掛けるのか分からないから、常に警戒しなければならないな。」

 

これに、皆はそれぞれの意見を述べ

 

秋蘭「稟。お主はどう思っている?」

 

秋蘭は、稟にそう尋ねると

 

稟「私も、周瑜は火攻めを仕掛けると思っております。その為に、連環の鎖を作り、設置させました。」

 

稟「後は相手の出方次第です。」

 

稟はそう答えた。

その間も、純は腕を組んだまま無言だったのだが

 

純「・・・何も難しく考える事はねーだろう。」

 

そう腕を組んで目を閉じたまま呟くと、皆は純に集中した。

そして、目を開くと

 

純「稟。前から少し思ってた事なんだが、確かに敵は風を利用して火を使って俺達を焼き尽くすかもしれねー。」

 

純「だが、その風が吹く前にこちらから攻めれば良いんじゃねーのか?」

 

純は、そう稟に言った。

 

稟「と、言いますと?」

 

純「ああ。我ら全軍をもって全速力で前に進み、敵の船を木っ端微塵に潰し、その勢いで向こう岸に上陸して、残った敵を斬り捨てれば済む話だ。」

 

純「いつまでもこの調子じゃ、我が軍の厭戦気分は広がり、いざという時に何も出来ねー。俺は兵と共に鍛錬をしてたんだが、皆やはり退屈してた。」

 

純「このまま敵の出方を待ってたら、士気は下がる一方だ。だったら、一気に攻め、目の前の敵を斬って斬って斬りまくれば良い。」

 

と、純は稟にそう答えた。

 

純「お前の策を否定してはいねー。これまでお前の策のお陰で我が軍は幾度も勝利してきた。お前の貢献は、十万いや、百万の兵に匹敵する程だ。」

 

純「だが、ここは俺の我儘を通してはくれねーか。」

 

と、純は続けて稟に言った。

 

純「・・・。」

 

稟「・・・。」

 

そして、お互いを見つめ合って

 

「「「・・・。」」」

 

周りも、この雰囲気に声を出せずにいた。

そして、それがどれ程経ったか不明だが

 

稟「・・・はあ。」

 

稟は頭を押さえながら溜息をついて

 

稟「・・・分かりました、純様。」

 

そう、呆れつつも笑みを浮かべながらそう答えた。

 

純「そうか!」

 

それを聞き、純は笑みを浮かべたが

 

稟「ただし!!決して無理はしないようにお願いします!良いですね!!」

 

そう、稟は強く純に言った。

 

純「ああ!」

 

純は、そう言い

 

秋蘭「・・・ふっ。」

 

秋蘭はクールに笑みを零した。

周りも

 

「「「・・・はぁ。」」」

 

緊張したのか、揃って盛大に息を吐いた。

 

純「さて!話は終わった!!秋蘭、美咲に出陣の準備をするよう伝えろ!」

 

秋蘭「御意!!」

 

純「お前らも、いつでも出れるよう準備しろ!!俺と一緒に、盛大に暴れまくってやろうぜ!!」

 

「「「御意!!」」」

 

そう、純は皆に命じたのだった。

 

 

 

 

 

 

長江・孫軍陣営

 

 

 

 

 

 

長江に到着した孫策達。

その眼前には

 

周瑜「これは・・・想像以上だ・・・」

 

純率いる二十五万の精兵と巨大軍船が集結していた。

それを見た周瑜は、唯々絶句していた。

 

周瑜「まるで・・・水上の大要塞だ・・・」

 

そう呟いていると

 

黄蓋「ほお・・・これはこれは・・・見事な光景じゃのう・・・」

 

孫策「そうね・・・」

 

程普「これだけの兵を難なく束ねるとは・・・流石『黄鬚』曹彰ね・・・」

 

周瑜「雪蓮・・・祭殿に粋怜殿・・・」

 

孫策と黄蓋、そして程普がそう言いながら現れた。

 

黄蓋「儂もこれまで大殿と共に多くの戦を経験してきたが・・・此度のような大船団をこの目で見るのは初めてじゃ。」

 

黄蓋「兵達も皆、驚きで固まっておる。」

 

程普「確かに・・・私も見た事が無いわ・・・」

 

周瑜「あれだけ巨大な船が100隻以上もあるんです・・・驚くのも仕方がありません。」

 

周瑜は、兵が驚くのも仕方が無いと言った。

 

孫策「けど、アイツらは水上戦での経験は無いんでしょ?」

 

周瑜「ああ・・・北方は原野での戦に長けているが、水上での戦は不得手。そこを突く他無い。」

 

孫策の意見に、周瑜はそう言うと

 

孫策「なら、一発奇襲をかけましょう!!そうすれば、こんな大船団なんか木っ端微塵だわ!」

 

黄蓋「うむ!奇襲は大軍に勝る!今の我らの力で、敵を敗北させるやもしれぬ!」

 

孫策と黄蓋は奇襲を仕掛けようと言った。

 

程普「何を言ってるんですか!もしこちらから仕掛けたら、私達の立場は更に悪くなるんですよ!」

 

周瑜「粋怜殿の言う通りだ。軽々しく奇襲を仕掛けたら、ただでさえ朝敵扱いの我らだ。更に厳しくなるだろう。それに、その程度じゃ、曹彰の軍は動じもせぬ。意味が無い。」

 

しかし、周瑜と程普は奇襲に反対で、やっても向こうは動じないから意味が無いと言った。

 

孫策「何言ってるのよ!一撃で撃破せずにこのまま戦が長引いたら、江東の豪族達は次々に私達から離反して曹彰に付いてしまうわ!」

 

孫策「そうなれば、私達はこの江東を守れないわ!」

 

しかし、孫策は奇襲せずにこのまま戦が長引いたら、他の豪族達が見限られてしまう恐れがあると述べた。

 

周瑜「雪蓮!祭殿!言いたい事は分かるが、軽挙妄動は慎んでくれ!」

 

周瑜は、そう強く釘を刺し

 

程普「冥琳の言う通りよ。従いなさい、祭。雪蓮様も。」

 

程普も周瑜に続いてそう言った。

 

孫策「・・・。」

 

黄蓋「・・・。」

 

言われた二人は、それ以上何も言わなかったが、納得できない表情を浮かべていたのだが

 

周瑜「これは私の策だが、あの様な敵の大軍を撃破するには、火攻めが必要だ。」

 

周瑜「だが、その為には東南の風が吹かなければならない。その時こそ、我が軍は火攻めを行う絶好の好機!」

 

周瑜「その時は、お二人の力が必要だ。」

 

と周瑜が言うと

 

孫策「そう!分かったわ!」

 

黄蓋「うむ!分かっておるではないか!!」

 

二人は機嫌を取り戻した。

その時

 

太史慈「あの~・・・」

 

太史慈が気まずそうな表情を浮かべながら現れ

 

孫策「どうしたの、梨晏?」

 

孫策は太史慈にそう尋ねると

 

太史慈「えっと・・・」

 

太史慈はそれでも気まずそうに言ったのだが

 

??「私も来たわ!」

 

太史慈の後ろから声が聞こえたと同時に一人の少女が現れた。

その少女は

 

孫策「シャオ!?」

 

孫尚香だった。

 

周瑜「っ!?」

 

黄蓋「何と・・・!?」

 

程普「・・・!?」

 

周瑜らも、驚きの表情を浮かべていた。

 

孫策「何で!?」

 

孫尚香「私も姉様と戦う!そして、曹彰を討ち取って江東を守る!」

 

孫尚香「それしか、私は皆に償えないわ!」

 

そう、孫尚香は強く言った。

 

孫策「何言ってるの!帰りなさい!」

 

孫尚香「イヤ!!帰らない!!姉様や皆と戦う!!」

 

孫策「駄目よ!!帰るの!」

 

孫尚香「イヤったらイヤ!!」

 

孫策「イヤ!!」

 

これに、二人の帰ろ帰らないの押し問答が続いた。

暫くし

 

孫策「・・・はあ。」

 

孫策は溜息をつき

 

孫策「・・・好きにしなさい。」

 

そう、孫尚香に言った。

 

孫尚香「姉様!」

 

これに、孫尚香は笑顔を浮かべたが

 

孫策「良い!この戦が終わったら、厳罰を受けてもらうわよ!!」

 

そう、孫策は厳しい言葉を言い

 

孫尚香「分かったわ!けど、絶対に私達が勝つわ!!」

 

孫尚香はそう返したのであった。

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