恋姫無双〜黄鬚伝〜(リメイク)   作:ホークス馬鹿

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122話です。


122話

100隻以上の巨大軍船が、全速力で一斉に孫軍の船団に突撃した。

それに気付いた

 

「お、おい!敵の船が一斉に来たぞ!」

 

「急いで本陣に知らせろ!」

 

「か、回避だ!回避を取れ!」

 

孫軍の兵士達は、回避行動を取ろうとしたが

 

「だ、駄目だ・・・間に合わない!わぁぁぁ!!」

 

間に合わず

 

ドゴーン!!ゴォーン!!ドゴォォン!!

 

ガガッガガッ!!バキキバキャ!!ガキャキャ!!

 

そのままぶつかり、激しい轟音と共に軍船が沈み

 

「う、うあああああ!!」

 

「ぎゃあああああ!!」

 

兵士達も、そのまま水中に投げ出され、死んでいった。

 

ドォン!!ドォン!!ドォォーン!!

メキキバキャバリバリバリィバキキキメリメリメリ!!

 

その勢いのまま、純率いる100隻以上の巨大軍船はどんどん進み、孫軍の軍船を破壊し沈め、甚大な被害を与えていった。

何故ここまでの破壊力を見せれるのか?それは、実を言うと、この巨大軍船の一部は特殊な軍船で、前方に衝角というサイの角のような突起物をつけていた。

それらが孫軍の船を抉り、破壊させているのだ。

孫軍の軍船のみが破壊される音が戦場に響き渡る。

 

 

 

 

少し時間が遡り孫軍本営

 

 

 

 

程普「雪蓮様!大変です!!曹彰の奇襲です!!あ、あの巨大軍船がまっすぐ突っ込んできております!!」

 

程普が、慌てた表情を浮かべながら本営に戻って報告してきた。

それを聞いた

 

孫策「とうとう来たわね・・・!」

 

孫策は目を鋭くしながら言ったが

 

周瑜「しかし粋怜殿。何をそんなに慌てているのです?速やかに反撃を・・・」

 

周瑜は、何故程普がここまで慌てているのかよく分からなかった。

 

程普「そ、それが・・・相手が全く止まらないから反撃する暇もな・・・」

 

これに、程普は周瑜の言葉を遮って言おうとしたその途中

 

ドゴーン!ゴォーン!!ドゴォォン!!

 

ガガッガガッ!!バキキバキャ!!ガキャキャ!!

 

程普「きゃあ!」

 

巨大軍船が一斉にぶつかった音が本営に響き、説明が途絶えてしまった。

 

周瑜「な、何だ!?」

 

孫策「な、何の音よこれは!?」

 

これには、孫策と周瑜は人生で一度も聞いた事がない音に驚きを隠せなかった。

それと同時に伝令兵が入って来て

 

「ほ、報告します!!既に我が軍の軍船の凡そ8割が沈没!!既に四万程の犠牲者が出ております!!」

 

報告を聞き、孫策と周瑜は外に出て長江を見てみると

 

孫策「な、何よこれ・・・!」

 

周瑜「・・・!」

 

目の前に広がるのは、純率いる巨大軍船の水上要塞が、孫軍の船を踏み潰すようにどんどんにじり寄っていく光景だった。

この様子に、孫策と周瑜は絶句し、言葉が出なかった。

 

 

 

 

 

秋蘭「放て!!」

 

同時刻、秋蘭が弓隊に矢を放たせると

 

「「「ぎゃあああああ!!」」」

 

ただでさえ巨大軍船にやられているこの状況で矢の雨が降りかかり、犠牲がさらに増していった。

そんな中

 

黄蓋「このままでは終わらぬぞ!」

 

黄蓋は怯む様子を見せず、自らも矢を放つなどして奮闘した。

しかし

 

「「「ぎゃああああ!!」」」

 

「「「うわぁぁぁ!!」」」

 

巨大軍船と矢による二重の猛攻に部下はどんどんやられていき

 

ドシュ!ドシュ!

 

黄蓋「グッ!」

 

黄蓋自身も、肩と脇腹に矢を喰らってしまった。

 

黄蓋「グゥ・・・こ、この黄公覆・・・決して・・・決して斃れはせぬぞ・・・!」

 

それでも、黄蓋は矢を放つのを止めなかった。

 

プツン

 

しかし、遂に弓の弦が切れてしまい

 

黄蓋「グゥ!」

 

それと同タイミングで足と胸に矢を喰らい、誰が見ても分かる程立つのもやっとの満身創痍の状態だった。

しかし

 

黄蓋「ま、まだ、じゃ・・・こ、この・・・黄公覆・・・決して・・・死なぬ!!」

 

黄蓋は剣を抜き、そのまま突撃したのだが

 

ドシュドシュドシュ!!

 

黄蓋「ガハァッ!!」

 

更に全身に矢を浴び

 

ドサァ!!

 

そのまま斃れてしまい、息絶えてしまった。

その様子を見た

 

純「黄公覆・・・孫文台から仕えし宿将・・・見事な最期だ。」

 

純は黄蓋の壮絶な死に様に何かを感じ

 

純「黄蓋の遺体を回収しろ。決して辱めさせるな。もし破ったら、その者の首を刎ねる。」

 

美咲「御意。」

 

美咲に黄蓋の遺体を回収させるよう命令した。

そして、黄蓋の遺体を見るや

 

純「黄公覆・・・敵ながら見事な最期だ。一人の武人として、敬意を表す。」

 

そう言い、拱手した。

そして

 

純「この遺体は手厚く保護しろ。戦が終わり次第、懇ろに葬る。」

 

そう命じると

 

純「もし許しを得るなら、『剛侯』の諡を与えたいものだ。」

 

そのように呟いた。

そして

 

純「よく聞けテメーら!!」

 

純「敵将の誇りある死を心に刻め!」

 

純「その誇りに倣い、俺達も自らの誇りを天に向かって貫き通す!」

 

純「己を信じろ!己を信じる戦友を信じろ!『黄鬚』たる俺を信じろ!そして、覇王たる我が姉曹孟徳に、そして、陸口にて散っていった兄弟に勝利を届けろ!」

 

そう覇気を全面に出して純は将兵達に鼓舞した。

 

「「「おおーっ!!」」」

 

この鼓舞に、全将兵の士気は更に最高潮となり、更なる突撃を開始し、孫軍の軍船を破壊していった。

そして

 

ドォォーン!

 

100隻の軍船全てが、孫軍がいる岸に到着した。

到着するや否や純やその他の将兵全てが上陸し

 

純「はああああっ!!」

 

「「「ギャアアアア!!!」」」

 

純「うありゃあああっ!!!」

 

「「「うわああああっ!!!」」」

 

純は先頭に立って太刀を振るい、目の前の孫軍の兵士数十人を斬り殺していく勢いで進んでいった。

 

春蘭「うおおおっ!!」

 

秋蘭「純様に遅れるなー!!」

 

霞「よっしゃああっ!!やったるでー!!」

 

翠「皆殺しだぜー!!」

 

剛「皆に遅れるなー!!」

 

哲「行くぞー!!閣下に続けー!!」

 

楼杏「私も続きましょう!!」

 

凪「行くぞー!!純様に遅れるなー!!」

 

真桜「行くでー!!」

 

沙和「なのー!!」

 

これに、他の皆も続いた。

その様子を初めて見た

 

美咲「はは・・・これは凄いね・・・」

 

美咲は引き攣りながら苦笑いを浮かべたが

 

美咲「って、だからって私も遅れるわけにはいかないね!」

 

すぐに切り替え

 

美咲「行くよ!閣下や他の皆に負けない手柄を挙げよう!」

 

突撃していった。

それを見ていた

 

孫策「・・・。」

 

孫策は、唯々呆然と見ていた。

その時

 

太史慈「雪蓮!冥琳!祭殿が・・・討ち死にしたよ!」

 

太史慈が、黄蓋が戦死した事を知らせた。

 

孫策「な、何ですって!?」

 

周瑜「っ!」

 

これに、孫策と周瑜は驚きの表情を浮かべ

 

孫尚香「そんな・・・祭ぃ・・・」

 

後から来た孫尚香は、特に黄蓋を慕っていたため、大粒の涙を零した。

 

孫策「冥琳!残ってる兵を集めなさい!!」

 

孫策は、周瑜に兵を集めろと命令した。

 

周瑜「それは駄目だ、雪蓮!」

 

これに、周瑜は孫策が何をするか察し、肩を取って止めたのだが

 

孫策「離しなさい、冥琳!!祭の仇討ちよ!」

 

孫尚香「姉様!私も行くわ!!冥琳!!そこをどいて!」

 

孫策は聞く耳を持たず、本当に出撃しようとし、孫尚香もそれに続こうとした。

 

周瑜「もう前線は完全に崩壊した!!行っても無駄だ!徒に兵を減らすだけだ!」

 

それでも、周瑜は諦めずに二人を説得し

 

太史慈「雪蓮!お願いだから聞いて!!ここは撤退しよう!」

 

太史慈も、周瑜と一緒に引き揚げて体勢を立て直すよう言った。

 

孫策「け、けど・・・けど・・・!!」

 

孫尚香「イヤイヤイヤ!!祭の仇を取るの!!撤退なんてイヤ!!」

 

しかし、孫策は躊躇い、孫尚香は聞かずに首を横に振った。

 

周瑜「雪蓮!」

 

周瑜は強く孫策の名を言うと

 

孫策「・・・分かったわ!私達は、建業へ退却するわ!!」

 

孫策は悔しさを浮かべた表情で建業撤退を決断した。

 

孫尚香「何で!?何でよ姉様!!祭の・・・祭の仇を取るの!撤退なんてイヤー!!」

 

これに、孫尚香は癇癪を起こして撤退を頑なに嫌がったが

 

程普「小蓮様!失礼します!」

 

程普は孫尚香を俵担ぎにして持ち上げた。

 

孫尚香「いやー!!離して!離してー!!祭の仇を取るの!!」

 

孫策「退却よ!一度建業に戻り、体勢を立て直すわよ!!」

 

そう言い、孫策は残兵を集めて退却した。

彼女らがいた本営の跡地や残っていた軍旗は、純達二十五万の将兵全員に踏みつけられ、ボロボロになっていった。

この戦で、孫軍六万の戦死者を出すという大敗に終わった。

また、彼女らは知らなかった。

自分達の本拠である建業は、既に降伏派によって占拠されてしまい、もう帰る場所が無い事を。

 

 

 

 

 

 

純「テメーら!!まずは勝ったぞー!!」

 

「「「おおおーっ!!!おおおーっ!!!おおおーっ!!!」」」

 

二十五万の将兵の中心に立っていた純は、全身に返り血を浴びた状態ながらも獰猛かつ強烈な覇気を剥き出しにした状態で太刀を天に掲げ、将兵と喜びを分かち合い、将兵も剣や槍を天に掲げ、純と共に喜びを分かち合った。

 

稟「益々の驍勇、お見事にございました。」

 

すると、そこに稟がいつものクールな表情で言いながら現れた。

 

純「おお、稟か!しかし、これは皆が俺を信じてくれ、付いてきて支えてくれたお陰だ!」

 

純「しかし、俺の我儘を聞いてくれて、後押ししてくれたお前のお陰でもある!感謝する!」

 

そう言い、純は全軍将兵は勿論、稟に感謝の言葉をかけた。

 

稟「あり難きお言葉。」

 

これに、稟はクールな笑みを浮かべながら拱手し

 

「「「曹大将軍!!曹大将軍!!曹大将軍!!」」」

 

周りの将兵は、全員そう叫びながら跪き武器を置き拱手した。

 

稟「この戦に勝った事で、少なからず日和見していた者や孫策寄りの者達は、一斉に我らの味方に付きます。」

 

稟のこの言葉を聞き

 

純「この勢いで、一気にカタを付けよう。」

 

純は、そう一言呟いた。

 

秋蘭「では・・・?」

 

純「ああ。俺達の兄弟を殺したその代価を払わせてくれるわ!」

 

そう、純は獰猛な雰囲気を崩さずに答えると、颯爽と馬に乗って

 

純「このまま進撃する!!兄弟達の仇を取り、御霊に捧げるぞ!!」

 

太刀を天に掲げ号令した。

この号令の下、純達二十五万は進撃を開始したのであった。

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