お待たせして、大変申し訳ございません。
それでは、どうぞ。
孫策らを討ち取った純達は、建業に進軍した。
その建業で
甘寧「蓮華様。ご報告が・・・」
孫権「言わずとも分かっているわ。姉様とシャオ達が・・・死んだのね。」
甘寧「はい・・・」
孫権が、姉の孫策と妹の孫尚香、そしてその他の皆が亡くなったという知らせを察した。
孫権「暫く、一人にさせて。」
甘寧「・・・御意。」
甘寧は、孫権の言葉に従い、部屋を出た。
そして
孫権「ううっ・・・姉様・・・シャオ・・・皆・・・ごめんなさい・・・」
孫権は涙を流して孫策らに謝罪したのだった。
その後、孫権は甘寧、呂蒙、張昭、そして陸遜らと共に文武百官を束ね、純達が来るのを待った。
因みに魯粛は、未だに体調が優れず、療養していた。
その数日後
「申し上げます。曹彰大将軍が現れました。」
孫権「分かったわ。」
純を先頭とした二十五万の将兵が現れた。
稟「純様。あの先頭にいる者が孫権です。」
純「・・・そうか。」
秋蘭「孫策の妹で、武には母孫文台と姉の孫策に劣りますが、政の才に恵まれてるとお聞きします。」
純「詰まるところ、俺と姉上みてーなものだな。」
純「よく分かんねー難しい事は姉上の専門、戦は俺の専門みてーにな。」
稟と秋蘭から、孫権の特徴を聞き、純は言葉少なに呟くと
純「行くぞ。」
馬を動かしたのだった。
孫権達は、拱手して頭を下げ、建業に純を入れた。
その際
孫権(あれが『黄鬚』曹彰・・・)
孫権は、初めて見る純の覇気に畏れを抱きつつも臆せずに見据えた。
甘寧(か、身体の震えが・・・止まらない・・・!)
呂蒙(うう・・・す、凄い・・・!)
張昭(な、なんて覇気じゃ・・・見たこと無いぞ・・・!)
陸遜(あわわ・・・!)
しかし甘寧達は、純の強大な覇気に畏れを抱いていたのだった。
そして、純達は建業に入ったのだが
霞「何や?建業の民はどこに行ってもうたんや?」
楼杏「姿が見えませんね・・・」
建業の民は、誰一人姿を見せなかった。
純「家の中じゃねーか。ネズミのように隠れてんだ。」
稟「こうすれば、純様が怒りを鎮めると思っているのでしょう・・・」
稟は、建業の民は、恐れで姿を現さないのだと言った。
そして、入城すると、純は玉座に座り、孫権達は跪いた。
孫権「曹彰大将軍様。我々は朝廷に従い、忠誠を誓います。」
孫権は、頭を下げて忠誠を誓った。
純「『江東を切り取り、孫尚香と孫策の首を陸口にて散っていった友に捧げる』と、伝言という形だが俺はお前に言った。」
純「今、それが現実になった。」
純は、自身が孫権に伝えた言葉が現実になったと孫権に言った。
孫権「勝敗の道は天の道にあらず。私は、言う事はありません。」
孫権は、既に覚悟を決めているといった表情だった。
すると、純は立ち上がると手に持っている太刀を抜き
純「俺は難しい事を考えるのは苦手な性分でな。この太刀を振るって敵を斬り殺す事しか出来ねー男だ。」
純「だから、そんな俺にも分かりやすく答えてくれ。姉である孫策は、お前から見てどんな人だった?」
刀身を見ながら孫権に質問した。
その質問に
孫権「私にとって、姉孫策は英雄です。」
孫権は、ハッキリと孫策は英雄だと答えた。
純「そんじゃあ、姉上と俺は?」
更に質問すると
孫権「・・・確かに曹大将軍の姉である曹丞相は、民を第一とした政策で人々の生活を豊かにしている。」
孫権「けど、陛下を蔑ろにしているとの声も聞いております。」
孫権は、正直に答えた。
すると
春蘭「貴様!!誰がそのような事を言ったのだ!!」
春蘭が目を吊り上げながら詰め寄らんとする勢いで言った。
霞「ちょっ、やめぇ惇ちゃん!!」
春蘭「ええい、離せ!!」
霞が春蘭を必死に止めたが、春蘭は怒り狂っていた。
しかし
純「夏侯元譲・・・」
純が、静かに尚且つ重厚感に溢れるような声で名前を言うと
春蘭「は・・・ははっ。」
春蘭は、一気に大人しくなったのだった。
純「悪いな。アイツは、姉上に対する忠誠心が人一倍強くてな。悪気は無いんだ。」
純は、春蘭が騒ぎ立てた事を孫権に謝罪した。
孫権「は・・・」
純「続けろ。」
孫権「はっ。次に曹大将軍は、民を脅かす敵を全て斬り捨て、守っている。」
孫権「けれど、非常に多くの兵の命を奪い、血を浴びてきたのも事実です。」
すると
秋蘭「お主・・・私は幼き頃よりこのお方のお傍に仕え、多くの戦で共に命を賭けて戦った。」
秋蘭「私に限らず、私達多くの将兵も、共に命を賭けて戦って、血を浴びてきた。」
秋蘭「ならば・・・私達にも同じ事が・・・!」
秋蘭が突然入ってきて、自分達も純と同様に血を浴びてきた者だと言ってる最中に
純「夏侯妙才・・・」
秋蘭「っ!」
純は太刀を抜き、秋蘭の名前を言いながら切先を突きつけた。
その太刀を抜く一連の流れは、誰も見えなかった。
柄を握るとあっという間に秋蘭の前に切先を突きつけていたのだ。
秋蘭「出過ぎた真似を・・・申し訳ございません。」
秋蘭は、頭を下げた。
純「悪い。此奴は幼い頃から俺と一緒にいてな。普段は勿論、寝食も戦でも一緒だったんだ。」
純「故に、悪気は無いんだ。許してくれ。」
再びの純の謝罪に
孫権「は・・・」
孫権は頭を下げた。
純「それでつまり、お前の答えは?」
純は、孫権の答えを尋ねると
孫権「故に、分かりません。」
孫権は、分からないと答えた。
純「何故だ?」
孫権「・・・人の評価は、後の世の人が下すものです。」
孫権の言葉に
純「ふふ・・・アッハッハッハ!!」
純は大声で笑った。
純「ハハ・・・いやぁ、久しぶりに笑った。」
笑いが収まると、純は納刀し
孫権「それは良かったです。」
孫権は、笑みを浮かべた。
純「お前は・・・どうするつもりだ?」
純は、孫権にどうするのか尋ねると
孫権「私は・・・誰の許しも必要としません。」
孫権「どうぞ、ご自由に。」
孫権は、斬られても構わないといった感じで構えて言った。
甘寧「蓮華様!?」
甘寧は、孫権の言葉に驚きを隠せず
甘寧「曹大将軍!孫権様をお許し下さい!!何卒お願いします!!」
甘寧は、頭を地面に打ち付けながら懇願した。
張昭「思春、やめるのじゃ!!」
呂蒙「思春様!!」
陸遜「思春ちゃん!!」
周りの者は、甘寧を必死に抑えた。
そんな中、純は孫権の元に歩み寄って行き、再び太刀を抜いた。
甘寧「曹大将軍!」
すると
孫権「やめなさい、甘興覇!」
甘寧「っ!」
孫権は、甘寧の名を大声で言うと、甘寧はビクッとしながら止まった。
そして、純が孫権の傍に着いた。
孫権「・・・」
孫権は、目を閉じこれから来る斬撃を待った。
そして
純「はっ!」
純は構えると、そのまま太刀を振り下ろしたのであった。