恋姫無双〜黄鬚伝〜(リメイク)   作:ホークス馬鹿

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18話です。


18話

謁見の間

 

 

 

春蘭「・・・というわけです。」

 

華琳「そう・・・やはり、黄色い布が。」

 

その日の軍議は、暴徒の鎮圧から帰ってきた春蘭の報告で始まった。

 

純「てことは、秋蘭の方もか?」

 

秋蘭「はい。こちらの暴徒達も同じ布を携えておりました。」

 

純「そっか・・・。そういや、俺が前に鎮圧した奴らも、黄色い布を巻いていたな。」

 

稟「そうでしたね。」

 

風「・・・。」

 

華琳「桂花。そちらはどうだった?」

 

桂花「は。面識のある諸侯に連絡を取ってみましたが・・・どこも我が兗州と同じく、黄色い布を身に付けた暴徒の対応に手を焼いているようです。」

 

華琳「具体的には?」

 

桂花「ここと・・・ここ、それからこちらも。」

 

そう言って、桂花は広げた地図の上に丸石を置いていく。

 

桂花「それと、一団の首魁の名前は張角というらしいのですが・・・正体は全くの不明だそうです。」

 

栄華「正体が分かりませんの?」

 

桂花「捕らえた賊を尋問しても、誰一人として話さなかったとか。」

 

純「稟達も同様か?」

 

稟「はい。私も捕らえた賊を尋問したのですが、桂花と同様でした。」

 

風「風もですね~。」

 

純「そっか・・・。」

 

春蘭「・・・ふむ。剣を振り上げれば逃げ回るクセに、そこだけは口を割らんのか。さして忠義が厚いとも思えんが。」

 

その時

 

純「・・・黄巾党。」

 

純が突然そう呟いた。

 

秋蘭「純様、それは一体・・・。」

 

純「ああ。敵を呼ぶにも名前が必要だと思って、咄嗟に思いついた名前だよ。」

 

華琳「そう。まあ確かに、敵を呼ぶにも名前が必要だわ。黄巾党という名だけはもらっておきましょう。それで皆、他に新しい情報はないの?」

 

秋蘭「はい。これ以上は何も・・・。」

 

春蘭「こちらもありません。」

 

華琳「ならば、まずは情報収集ね。その張角という輩の正体も確かめなければ・・・」

 

その時、一人の兵士が慌てて入ってきた。

 

兵士A「会議中、失礼致します!」

 

純「どうした!」

 

兵士A「はっ!南西の村で、新たな暴徒が発生したと報告がありました!また黄色い布です!」

 

言い終わったとき、皆の顔が引き締まり、真剣な表情になった。

 

華琳「休む暇もないわね。・・・さて、情報源が早速現れたわけだけれど、純、今度は誰を行かせる?」

 

純「そうですね・・・」

 

すると、

 

季衣「はいっ!僕が行きます!」

 

季衣が真っ先に手を上げた。

 

純「季衣か・・・。」

 

しかし、純はすぐに決断しなかった。

 

春蘭「・・・季衣。お前は最近、働き過ぎだぞ。ここしばらく、ろくに休んでおらんだろう。」

 

季衣「そんなの平気です!それに、また知らない村が襲われてるんですよ?せっかく僕、そんな困ってる人達を助けられるようになったのに・・・。」

 

香風「なら、シャンが行く。」

 

華侖「だったらあたしも行くっすー!」

 

純「そうだな。今回の出撃、季衣は外そう。確かに最近の季衣の出撃回数は多すぎる。」

 

季衣「どうしてですか、春蘭様っ!僕、全然疲れてなんかないのに・・・!」

 

純「季衣。お前のその心は貴いものだ。けど、自らの力を過信しては、いずれ足元を掬われるぞ。」

 

季衣「そんなこと・・・ないです。」

 

華琳「季衣。純の命令に従いなさい。」

 

季衣「・・・でも、みんな困ってるのに・・・。」

 

華琳「そうね。けれど、目の前の百の民を救うために貴女が命を投げ打っては、その先救えるはずの何万という民を見殺しにする事にも繋がるの。・・・分かるかしら?」

 

季衣「だったらその百の民は見殺しにするんですか!」

 

すると、季衣の発言に

 

華・純「「するわけないでしょう!/ねーだろーが!」」

 

季衣「・・・っ!」

 

華琳と純が覇気のこもった力強い一声を出した。その一声に季衣だけでなく、その場にいる皆が身を縮ませる程だった。

 

春蘭「季衣。お前が休んでいる時は、私達がその代わりにその百の民を救ってやる。だから、今は休め。」

 

季衣「ううー・・・。」

 

華琳「今日の百人も助けるし、明日の万人も助けてみせるわ。その為に必要と判断すれば、無理でも何でも遠慮なく使ってあげる。それは純も同じ事よ。・・・けれど今はまだ、その時ではないの。」

 

純「それに我が軍がいかに人手不足と言っても、お前一人に全てを背負わせる程ではねーよ。そうだろ?」

 

すると

 

華侖「おいっす!」

 

香風「・・・うん。任せて。」

 

華侖と香風が返事をした。

 

季衣「・・・。」

 

華琳「純。編成を決めなさい。」

 

純「御意。・・・では秋蘭、柳琳。今回の件、お前達が行ってくれ。」

 

香風「えー。」

 

華侖「なんでっすかー!今、あたしと香風が行く気まんまんだったっすよー!?」

 

しかし、華侖と香風は不満を漏らしたのだった。

 

桂花「今回の出動は、戦闘よりも情報収集が大切になってくると華琳様もおっしゃってたでしょ。・・・二人とも、気が付いたら突撃してるじゃない?」

 

そう言って、桂花は純の選定のフォローをした。

それに対し

 

香風「・・・そんなことない。命令なら、ちゃんとする。」

 

華侖「そ、そうっすー!」

 

二人は揃ってそう言ったが、明らかに目が泳いでいた。

 

純「これで決まりだ。秋蘭、柳琳。くれぐれも情報収集は入念にな。」

 

秋蘭「は。ではすぐに兵を集め、出立致します。」

 

季衣「秋蘭様!柳琳様!」

 

柳琳「大丈夫よ。私達が、季衣さんの分までしっかり村の人を守ってくるから。」

 

季衣「はい・・・。よろしくお願いしますっ!」

 

秋蘭「うむ。私達にしかと任せておけ。」

 

そして、秋蘭と柳琳は出立をしたのだった。

 

 

 

それから暫くが経ち

 

 

 

純「姉上、都から軍令が届いたとお聞きしましたが。」

 

華琳「ええ。早急に黄巾の賊徒を平定せよ、とね。」

 

栄華「あの・・・、今頃ですか?」

 

華琳「今頃よ。」

 

それを聞いた純は

 

ドカッ!

 

純「クソッ、遅すぎだぞ!!どれだけ民が苦しんだと思ってんだ!!」

 

柱を殴り、怒りの声を上げた。

 

華琳「怒りを静めなさい、純。いくらあなたでも、朝廷の事は知っているはずよ。」

 

これに、華琳は純をなだめた。

 

純「・・・はっ。申し訳ございません、姉上。」

 

それを聞いた純は、怒りを静めて謝罪した。

 

香風「・・・でも、する事は一緒。」

 

華侖「華琳姉ぇ、純兄、大変っすー!」

 

夜の警備に回っていたはずの華侖が慌ててやって来た。

 

華琳「どうしたの、華侖。」

 

華侖「ええっと、陳留の隣の郡で、また黄色い布の人が出てきたって報告が届いたっす!それも、沢山!」

 

香風「沢山・・・?」

 

華侖「えーっと、今までに無い規模で、街に近付いてるって!」

 

それを聞いた純は

 

純「姉上、俺を先遣隊として秋蘭達の救援に向かわせて下さい!」

 

華琳の前に立ち、拱手して言った。

 

華琳「分かったわ!すぐに行きなさい!」

 

それを聞いた華琳は、即決で許可した。

 

純「御意!稟、風、行くぞ!」

 

稟「はっ!」

 

風「はい~!」

 

そして、純はすぐにその場を後にした。

 

華琳「春蘭と華侖はすぐに本隊の準備を。栄華と桂花は、城下に降りて糧食の調達に向かいなさい。」

 

全員「「「はっ!!」」」

 

華琳の指示により、皆もそれぞれ準備のためその場を後にしたのであった。

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