恋姫無双〜黄鬚伝〜(リメイク)   作:ホークス馬鹿

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19話です。


19話

先遣隊

 

 

 

純「稟、後どれくらいだ?」

 

稟「後、十里ぐらいだと思います。」

 

純「・・・そうか。」

 

風「純様。焦りは禁物ですよ~。」

 

純「分かっている。戦になる前に疲れさせては、意味がない。」

 

風「はい~。その通りなのですよ~。」

 

稟「先に偵察部隊を送りましょう。」

 

純「うん、それが良いだろう。人選は任せた。」

 

稟「御意。」

 

そう言って、稟は兵を選び、偵察部隊を送った。

 

偵察隊兵士A「郭嘉様。我が軍の側面にて数百名ほどの謎の集団が。」

 

すると、偵察兵の一人がそう言ってきた。

 

稟「その集団が我らに攻撃する様子は?」

 

偵察隊兵士A「いえ。特に攻撃する様子はございません。」

 

稟「・・・純様。如何致しますか?」

 

純「・・・俺の勘だが、多分そいつらは味方だ。」

 

これに

 

稟「勘、ですか?」

 

風「・・・。」

 

稟と風は疑問の表情を浮かべた。

 

純「ふっ・・・。こういった動きをする奴は一人しか知らねーよ。」

 

その時

 

??「純様!お久し振りです!」

 

一人の若武者が、馬に乗って颯爽と駆けつけてきた。

 

純「やっぱりお前だったか、剛!」

 

これに、純は笑顔で答えた。

 

純「久し振りだな!」

 

剛「はい!お久し振りです!」

 

これに

 

稟「純様。この者は?純様とはお知り合いのようですが・・・」

 

風「風も気になりますね~。」

 

稟と風は純にそう尋ねた。

 

純「ああ、悪い。剛、コイツらは俺の軍師だ。」

 

剛「そうか。俺は、姓は朱、名は霊、字は文博だ。純様とは、幼馴染のような関係だ。」

 

これに、剛は馬上ながら拱手して自己紹介した。

 

稟「そうでしたか。私は郭嘉、字を奉孝と申します。」

 

風「風は程昱、字は仲徳ですよ~。」

 

純「剛、何故ここに?母君のご容態は?」

 

剛「・・・母上は・・・つい先日天寿を全うした。」

 

純「・・・そうなのか。済まない。」

 

剛「良いんだ。あなたが気にする事ではない。それまで、気ままな独り暮らしをしていた。」

 

剛「だが・・・あなたの活躍を聞き、俺もいてもたってもいられなくなり、今こうして駆けつけて参ったのです。鍛練を積んだ勇士と、生死を共にせんとする仲間三百人を連れて。」

 

純「そうか。」

 

そう言い、純は剛が連れて来た勇士を見ると

 

純「皆良い面構えじゃねーか。流石俺の友だ。」

 

そう剛に言った。

 

剛「ありがたきお言葉!」

 

その時、偵察部隊が帰ってきた。

 

偵察兵A「報告致します。」

 

稟「村の様子はどうでしたか?」

 

偵察兵A「はっ。村の周りは賊に完全に囲まれています。村の中では、夏侯淵将軍と曹純将軍が戦っている模様です。」

 

稟「分かりました。あなた達は本隊が来るまで休んでて下さい。」

 

そう言って、稟は偵察部隊を下がらせた。

 

稟「純様。」

 

純「ああ。皆の者、よく聞け!我々の仲間が十里先で戦っている。仲間を助け、賊を倒すぞ!」

 

兵士「「「おおーっ!!」」」

 

純「行くぞ!剛も付いてこい!」

 

剛「はっ!お前ら、純様に続け!」

 

純の一言で、黄鬚隊と剛の率いる勇士は駆け出したのだった。

 

 

 

 

 

一方秋蘭達は

 

 

 

 

 

 

柳琳「秋蘭様!西側の防壁、三つめの防柵まで破られました!」

 

秋蘭「・・・ふむ。残りの柵は後二つか・・・それでどのくらい保ちそうだ?李典。」

 

真桜「せやなぁ・・・。応急で作ったもんやし、後一刻保つかどうかって所かなぁ。」

 

秋蘭「・・・微妙な所だな。本隊が間に合えば良いのだが。」

 

柳琳「きっと大丈夫です。お姉様とお兄様は必ず来ます。」

 

凪「しかし、夏侯淵様達がいなければ、ここまで耐えることは出来ませんでした。ありがとうございます。」

 

柳琳「それは私達も同じです。あなた達義勇軍の皆さんがいなければ、相手の数に押されて保たなかったはずですから。」

 

その時

 

沙和「大変なのー!東側の防壁が破られたのー!防壁は、後一つなのー!」

 

沙和が慌てた様子でやって来て、東側の防壁が壊されたことを報告に来たのであった。

 

真桜「・・・あかん。東側の最後の防壁て、材料が足りひんかったらかなり脆いで。すぐ破られてまう!」

 

秋蘭「仕方ない。西側は最低限の人数を残し、残る全員で東の侵入を押しとどめるしかない。」

 

凪「では、先陣は私が切ります。私の火力を集中させれば、相手の出鼻は挫けるはずです!」

 

柳琳「でしたら私の隊が続きます。それで、一度は敵を退けられるはず・・・しばらくは時間を稼げるでしょう。」

 

秋蘭「・・・そうだな。なら柳琳、そちらの指揮は任せる。」

 

柳琳「秋蘭様もお気を付けて。では、楽進さん。」

 

凪「はっ!」

 

秋蘭「皆、ここが正念場だ。力を尽くし、何としてでも生き残るぞ!」

 

沙和「分かったの!」

 

真桜「おう!死んでたまるかいな!」

 

その時、

 

凪「か・・・夏侯淵様!外に砂煙が見えます!」

 

外に砂煙が見えるとの報告を受けたのであった。

 

真桜「なんやて!」

 

沙和「えー・・・。また誰か来たの?」

 

秋蘭「敵か!それとも・・・」

 

すると

 

柳琳「お味方です!青の旗色に曹の旗印!お兄様です!」

 

そう柳琳は報告したのであった。それを聞いた兵士達は、

 

兵士B「おお!曹彰様だ!」

 

兵士C「曹彰様が来たからにはもう大丈夫だ!」

 

気力を取り戻し、士気が上がったのであった。

 

 

 

 

黄鬚隊

 

 

 

 

純「稟、風。ちゃんと付いて来いよ。」

 

稟「はっ!」

 

風「はい~!」

 

純「剛もな。」

 

剛「当然です!」

 

純「良し!突破するぞ!」

 

そう言い、西門に向かった。黄巾党はそちらに目を向けたが

 

純「邪魔すんじゃねー!!どきやがれー!!」

 

剛「純様の前に立つんじゃねー!」

 

純と剛の圧倒的な武勇と黄鬚隊の攻撃力に、周りは死体のみが転がった。

 

 

 

 

 

村中央

 

 

 

 

純「秋蘭!柳琳!」

 

秋蘭「純様!!」

 

柳琳「お兄様!助かりました!」

 

純「お前達、ここまでよく耐えたな。」

 

秋蘭「彼女らのおかげです。」

 

純「この者か?お前達、よくこの村を守ってくれた。俺は曹彰、字は子文と言う。お前達は?」

 

その時

 

凪「自分は楽進、字は文謙と申します。・・・我らは陽平義勇軍。黄巾党の暴乱に抵抗するため、こうして兵を挙げたのですが・・・」

 

その時、ある一人の少女の顔を見た瞬間

 

純「あっ。」

 

真桜「あー!」

 

純と真桜は、お互い指を差し合った。

 

秋蘭「純様、知り合いですか?」

 

純「ああ、前にみんなで城下に視察に行ったときにな。へえ、お前も義勇軍か。」

 

真桜「せやで。ウチは李典、字は曼成。そっか・・・てことは、あの時の姐さんが州牧様で、兄ちゃんはその弟さんか・・・。」

 

沙和「私は于禁、字は文則なのー!お兄さん、とってもカッコいいの!」

 

その時

 

凪「真桜!沙和!曹彰様にに対してその言い方は何だ!」

 

沙和「っ!!凪ちゃん痛い!!」

 

真桜「本気で殴ったなー!!」

 

凪が、真桜と沙和に拳骨を下ろした。

 

純「はは。ああ秋蘭、柳琳。後半刻ほどで、姉上達の本隊もやって来る。それまでに、何としても持ち堪えるぞ。」

 

秋蘭「はっ!!」

 

柳琳「はい!!」

 

純「それと・・・おい!」

 

剛「久し振りだな、秋蘭!柳琳!」

 

剛の登場に

 

秋蘭「剛!?」

 

柳琳「剛さん!?」

 

秋蘭と柳琳は驚きの顔をした。

 

純「ここに到着する前にコイツが来てくれてな。」

 

秋蘭「そうだったんですか・・・」

 

柳琳「剛さん、改めてよろしくお願いします。」

 

剛「おう!」

 

純「さて・・・俺は剛と一緒に西側に行くから、そちらは任せたぞ。」

 

秋蘭「御意!!」

 

柳琳「分かりました!!」

 

純「稟と風はここで補佐をしてくれ。」

 

稟・風「「御意。」」

 

純「じゃ、行ってくる。来い、剛!」

 

剛「はっ!」

 

その時

 

秋蘭「純様!!どうかご無事で・・・。」

 

そう言われたので、純は右手を掲げて行ったのだった。

 

 

 

 

 

西側

 

 

 

純「よし、矢を放て!!」

 

純の命令で、多くの矢が放たれた。それによって、賊が多少怯んだ。

その様子を見た純は、鞘から刀を抜き

 

純「敵に一当てする。突撃だー!!」

 

兵士「「「おおーっ!!」」」

 

純「剛!共に暴れてやろーぜ!」

 

剛「はっ!共に暴れて、俺達の強さを見せつけましょう!」

 

純「ああ!」

 

剛やその他の兵と共に突撃した。その時の純は、最初に突撃したのと同様に

 

純「全部ぶっ殺してやるぜー!!」

 

剛「オラオラー!!皆殺しだぜー!!」

 

黄巾党兵士A「うわーっ!!コイツ、つえーぞ!!」

 

黄巾党兵士B「横にいるもう一人の小僧もメッチャつえーぞ!!」

 

黄巾党兵士C「に、逃げろー!!『黄鬚』には敵わねーっ!!」

 

圧倒的な武勇を見せ、その勢いで敵を斬っていった。その動きは、言動とは逆でまるで流麗な舞の如く刀を振るっていき、剛はそれとは対照的で大剣を豪快に振り回し、敵を斬り殺していった。

その二人の周りには、黄巾党の兵士達の死体だらけとなっていた。

その後、華琳達の本隊が到着し、黄巾党は壊滅的被害を受けて、撤退したのだった。

 

春蘭「純様!秋蘭!季衣!ご無事ですかっ!」

 

純「ああ!大丈夫だ!」

 

秋蘭「危ないところだったがな・・・まあ見ての通りだ。」

 

季衣「秋蘭様ーっ!」

 

華侖「柳琳!柳琳はいるっすかー!」

 

柳琳「姉さん!」

 

妹の様子を見た華侖は

 

華侖「るー!!」

 

柳琳に抱き付いた。

 

柳琳「もぅ、姉さんったら。そんなに心配しなくても大丈夫だから。」

 

華侖「お姉ちゃんなんだから、心配するに決まってるっすー!無事で良かったっすー!うわーん!」

 

香風「・・・純様。」

 

純「香風も助かったぞ。」

 

香風「・・・うん。」

 

華琳「皆、無事で何よりだわ。けれど、損害は大きかったようね。」

 

秋蘭「いえ。防壁こそ破られましたが、純様の救援と彼女らのおかげで最小限の損害で済みました。街の住人も皆無事です。」

 

純「彼女らは陽平義勇軍と申し、黃巾の暴乱に抵抗するために兵を挙げたそうです。」

 

その時

 

春・栄・沙「「「あー!」」」

 

春蘭と栄華、沙和が互いに指を指し、叫んだのであった。

 

華琳「・・・何よ、一体。」

 

純「実は姉上、俺も到着して気付いたのですが、以前に皆で視察に行ったときに会った、絡繰を作ってたカゴ売りの者です。」

 

華琳「・・・思い出したわ。あの時の。」

 

真桜「せやで。」

 

沙和「私は前に服屋でむぐぐ」

 

しかし、沙和が喋ろうとしたときに春蘭と栄華が口を押さえ

 

春蘭(そ、それは内緒にしておいてくれっ!)

 

栄華(そうですわ。私とあなたは初対面。いいですわね。初対面ですわよ・・・?)

 

そう述べたのだった。

 

沙和(むぐむぐ。わかったの・・・。)

 

季衣「どうしたんですか?春蘭様。」

 

春蘭「い、いや、何でもないっ。何でも!」

 

沙和「むぐぐー。内緒にするから、離してなのー!」

 

栄華「そうですわ。何でもありませんわ。おほほほほほほほほ。」

 

沙和(でもこれだけお話してたら、とっくにバレてる気がするの・・・。)

 

季衣「春蘭様・・・なんなんですかね?」

 

秋蘭「さあな。何かあったのだろうが、姉者に合わせておいてやってくれ。」

 

華琳「・・・で、純。傍にいるのって・・・」

 

純「はい。姉上は勿論、皆も知っている者です。剛、前に出ろ。」

 

剛「はっ!ご無沙汰しております曹操様!朱霊でございます!」

 

そう言い、朱霊は拱手して華琳に自己紹介した。

 

華琳「・・・久し振りね、朱霊。」

 

すると、華琳は一瞬眉間にしわを寄せながら剛を見た。

 

純「姉上。剛をまた俺の配下に加えても宜しいでしょうか?」

 

それに純は、華琳にそう言った。

 

華琳「・・・良いわ。朱霊、今後とも純を良く支えるように。」

 

剛「はっ!いつ如何なる時も、純様に付いていく所存でございます!」

 

華琳「・・・頼むわね。さて、あなた達義勇軍がこの村を守っていたのね。」

 

凪「はい。ですが、黄巾の賊がまさかあれだけの規模になるとは思いもせず・・・こうして夏侯淵様と曹彰様に助けていただいている次第。身の程も弁えず、お恥ずかしい限りです。」

 

華琳「けれど、あなた達がいなければ私は大切な将を失う所だった。皆を助けてくれた事、感謝するわ。」

 

そう言って、華琳は凪達に頭を下げた。

 

凪「それはこちらも同じです。こちらが感謝こそすれ、感謝されるようなことは・・・。」

 

その時

 

純「姉上。この者達を、我が軍に加えてみては如何でしょうか?」

 

と純が華琳に言った。

 

華琳「義勇軍が私の指揮下に入るということ?」

 

凪「聞けば、曹操様もこの国の未来を憂いておられるとのこと。一臂の力ではありますが、その大業にぜひとも我々の力もお加え下さいますよう・・・。」

 

華琳「・・・そちらの二人の意見は?」

 

真桜「ウチもええよ。新しい州牧様とその弟さんの話はよう聞いとるし・・・そのお方が大陸を治めてくれるなら、今よりは平和になるっちゅうことやろ?」

 

沙和「凪ちゃんと真桜ちゃんが決めたなら、私もそれでいいのー。」

 

華琳「純から見てどうかしら?」

 

純「俺も一連の動きを見ておりましたが、村のカゴ売りで終わらせて良い人材ではありません。皆、鍛えればひとかどの将になる器かと。」

 

華琳「そう・・・。純が認めたなら問題ないでしょう。名は?」

 

凪「楽進と申します。真名は凪・・・曹操様にこの命、お預け致します。」

 

真桜「李典や。真名の真桜で呼んでくれてええで。以後よろしゅう。」

 

沙和「于禁なのー。真名は沙和っていうの。よろしくおねがいしますなのー♪」

 

華琳「凪、真桜、沙和。以後宜しく頼むわね。それでは三人の件はこれでいいわね。物資の配給の支度が終わったら、この後の方針を決めることにするわよ。各自、持ち場に戻りなさい。」

 

純「かしこまりました。」

 

そして、それぞれ持ち場に戻ったのであった。

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