恋姫無双〜黄鬚伝〜(リメイク)   作:ホークス馬鹿

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26話です。


26話

豫州・沛

 

 

 

 

 

官軍兵士A「張遼将軍!我が本隊、両翼共にもう限界です!」

 

張遼「ちぃっ。アホ何進め・・・冀州から豫州に大急ぎで転戦せえとか、無茶ばっか言いくさりおって・・・!」

 

張遼「黄巾の連中もここまで規模が膨れ上がったら、野盗や暴徒どころかその辺の軍隊と変わらんで。」

 

官軍兵士B「・・・こうなれば、撤退ですか?」

 

張遼「出来るもんならとっくにしとるわ!けど、ここでしくじったら本国の月らの首が飛ぶやろ。二度目やで!?」

 

張遼「お前、そないに月の首飛ばしたいんか!」

 

そう、張遼は目つきを鋭くして言った。

 

官軍兵士B「まさか!ですが、このままでは・・・」

 

張遼「・・・。」

 

すると

 

張遼「・・・はぁ、せやな。頭冷やさんとあかんのは、ウチも一緒か。」

 

そう溜息吐いて冷静になり

 

張遼「華雄と蘆植殿んトコの将軍に伝令出しい!一時後退して、陣形を整え・・・」

 

そう指示したが

 

官軍兵士C「張遼様、右翼の華雄様から伝令です!我、敵部隊に包囲され孤立。至急支援求むとの事!」

 

この知らせに

 

張遼「出来るかアホー!」

 

と怒鳴った。

 

張遼「あーもう!飯も武器も兵も時間も策ものうて、どないせぇっちゅうねん!」

 

その時

 

張遼「な・・・っ!何や、敵の増援か!」

 

別の方向から新たな集団がやって来た。その集団は

 

官軍兵士A「いえ!青の旗色に曹の旗印!恐らく、曹孟徳の軍かと思われます!」

 

純の軍勢だった。

 

張遼「苑州の州牧か!月が手ェ回せるか分からん言うとったけど、何とかなったみたいやな!助かった!」

 

張遼「それに青の旗色で曹の旗印言うたら、『黄鬚』曹彰やないか!」

 

これには、張遼は興奮したのだった。

 

 

 

 

 

 

稟「純様。官軍の指揮官から、連絡文が届いているそうです。」

 

しかし

 

純「・・・別に読まなくても良い。」

 

そう純は言った。

 

凪「えっ、良いのですか?」

 

純「いらねーよ。どうせ、やれ到着が遅いだの早く蹴散らせだの書いてあんだろ。そんな手紙、見る間も惜しい。」

 

純「読んでる暇があったら、敵兵一人でも多く斬り殺してた方が良い。」

 

凪「はあ・・・」

 

稟「純様・・・」

 

これには、稟は額に手を当てて呆れた表情をした。

 

香風「見せてー。」

 

稟「・・・純様。」

 

純「任せる、好きにしな。」

 

稟「はっ!・・・ええと、支援の感謝と、包囲された右翼の将軍殿の救出を頼みたいと書いてあります。」

 

手紙の内容を聞き

 

純「何だ。どこの間抜けが囲まれているのかと思ったが・・・右翼の将だと?」

 

純はそう稟に聞いた。

 

稟「どうやらそのようですね。」

 

剛「純様!部隊の展開、完了しました!」

 

純「まあ良いや。なら、香風は左翼と本隊の援護を。間抜けな官軍の援護は凪と稟、お前に任せる。」

 

香風「はーい。」

 

凪「分かりました!」

 

稟「純様。出来れば、揚州州境の前までには敵を殲滅するようお願いします。」

 

純「元々そのつもりだが、それはどういう意味だ?」

 

稟「実を申しますと、この辺りと揚州近くの土地を事前に調べたのですが、その揚州近く辺りは沼地が多く、身を隠すには非常に都合が良い場所なのです。」

 

稟「下手に追い掛けてしまうと相手に気付かれ、更に逃げられるのが可能な地です。それに、その先は袁術の領地です。もし無闇に追い掛け袁術の領地に侵入してしまい、袁術の兵とぶつかったら、後々面倒になります。」

 

純「確かに・・・そうなっちまったらメンドクセーな。姉上にも迷惑を掛けちまう。分かった。お前の言う通り、揚州の州境までには殲滅するようにしよう。」

 

稟「それが宜しいかと。」

 

純「ああ!剛は俺と一緒だ。賦抜けた官軍には荷が重い相手かもしんねーが・・・真の精兵たる俺達には、黄巾党など赤子も同然!ひねり潰してやれ!」

 

剛「総員、突撃だーっ!」

 

そう言い、黄巾党目掛けて突撃した。

 

 

 

 

 

官軍兵士D「な・・・何という強さだ・・・」

 

官軍兵士E「あの黄巾党が、まるで相手になっていない・・・」

 

この純率いる軍の圧倒的な強さに、官軍の兵士達は呆然としていた。

 

凪「将軍閣下!右翼を率いる官軍の将軍閣下はどちらにおわすか!」

 

凪の声に

 

華雄「お、おう!ここだ!ここにいるぞ!貴様らはどこの兵だ!」

 

華雄は反応した。

 

凪「我が名は楽進。」

 

稟「私は郭嘉と申します。」

 

凪「我らは苑州が州牧、曹孟徳の代理として馳せ参じました。ご無事か!」

 

華雄「ああ。敵に囲まれ苦戦しておったが、貴公らのお陰で何とか命を繋ぐ事が出来た。礼を言うぞ。」

 

凪「はっ。ここは我らが引き受けます故、皆様は急ぎ後退なさいませ。既に本隊と左翼は、我らの援護を受けて動き始めております。」

 

華雄「すまん。ならば、その言葉に甘えさせてもらう。撤退するぞ!」

 

官軍兵士D「はっ!」

 

華雄「総員、撤退せよ!撤退だ!」

 

官軍兵士E「撤退!撤退ー!」

 

そして、華雄率いる右翼は撤退した。

 

凪「・・・ふぅ。」

 

凪「それにしても、随分と薄汚れた装備を使っていましたね。練度もそうですが、官軍というのは純様が鍛えた兵とは随分と違うものなのですね・・・」

 

稟「あれが官軍の実力なのでしょう・・・」

 

香風「凪ー。稟ー。」

 

凪「香風。本隊と左翼の援護は終わったのか?」

 

香風「うん。終わったよ。」

 

稟「香風。純様の部隊は?」

 

香風「純様も、敵をある程度倒して追い掛けた後、すぐに撤退したよー。」

 

この知らせに

 

稟「・・・そうですか。」

 

稟は少しホッとした表情を浮かべた。

その様子を見た

 

凪「純様の事、大事に思ってるのですね。」

 

凪はそう稟に言った。

 

稟「ええ。私にとって、あのお方は真の主君ですから。あの武勇と優れた軍才に将兵の統率力。まさに英雄の器です。」

 

稟「ただ・・・唯一の弱点といったら、知恵が足りないだけ。そこは、私が全身全霊お支えします。」

 

凪「稟様・・・」

 

稟「凪。あなたも、純様の傍に仕えるからには共に命を懸けてお支えしましょう。」

 

凪「はい!稟様!」

 

すると

 

純「良し。稟、敵を殲滅したぞ!」

 

剛「いやぁ・・・敵もあっけなかったですなぁ。」

 

純「確かに・・・けど、もし何も考えずにあのまま行ってたら確実にメンドーな事になってたから、そこは稟に感謝だな。」

 

剛「そうですね。」

 

純が剛と一緒にやって来た。

 

稟「純様。お疲れ様です。それと、お見事です。」

 

凪「純様、お疲れ様です。」

 

香風「お疲れ様ですー。」

 

純「ああ。お前らも、お疲れさん。さて、引き揚げるか!姉上に良い報告が出来そうだ!」

 

そう言い、純は将兵を纏めて引き揚げたのであった。

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