恋姫無双〜黄鬚伝〜(リメイク)   作:ホークス馬鹿

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2話です。


2話

純は今、白き羽織と籠手、そして武骨な軍靴を身に纏っていた。

その理由は、洛陽の付近に賊が現れた為、その討伐に向かっていく為だ。

 

秋蘭「純様。」

 

純「ああ。皆、準備は良いか?」

 

「「「おおーっ!」」」

 

純「皇甫嵩殿も、よろしくお願いします。」

 

皇甫嵩「ふふっ。ええ、いつもの事だけど頼りにしてるわ。」

 

純「いえ、こちらこそ。行くぞ!」

 

そして、純達は出陣した。

 

 

 

 

 

とある山・賊のアジト

 

 

 

 

 

 

賊A「親分!」

 

親分「ああ?どうした?」

 

賊A「麓の見張りからで、官軍の奴らが現れたみたいですぜ。」

 

親分「げへへへ・・・そうか。いつも通り返り討ちにしてやるぜ!」

 

賊A「しかし親分、今回の相手は『黄鬚』という異名を持つ奴ですぜ。」

 

親分「『黄鬚』?」

 

賊A「へえ・・・洛陽北部都尉である曹操とかいう小娘の弟でして、何でも曹操に代わってあちこちの匪賊を討伐して、その圧倒的な強さからそう呼ばれてますぜ。」

 

賊B「噂では、一人で五百の賊を斬り殺したって聞きました。」

 

賊C「いや、俺は千人って聞いたぜ。」

 

それを聞いた賊の親分は

 

親分「俺も『黄鬚』の事は噂で聞いた。しかし、所詮は噂だ。おめぇらもいちいち真に受けんじゃねぇ。」

 

親分「おめぇら、武器を取れ!山の中腹で奴らを待ち構える!!官軍共に教えてやれ!本物の賊ってやつをな!!」

 

親分「ガハハハ!!」

 

一笑に付し、皆に出陣の合図をしたのだった。

 

 

 

 

 

 

賊D「あの・・・親分。今更ですが・・・別に奴らが俺達の基地に上がってくるのを待ちゃあ・・・」

 

親分「あん?」

 

親分「ガハハハ!!これだから頭の弱ぇ奴はまいっちまう。この山は登るのもキツい山だ。甲冑をつけて山登りなんざ無理な話だ。恐らく騎兵もいるから苦労するぜ。例え山を登れたとしても戦う前からヘトヘトだ。」

 

親分「勿論、奴らは俺らの拠点なぞ調べ済みだろう。だがそこまで登り切るまでに一度隊列を整え休息を取る。だから俺達は疲れ切った官軍共に奇襲を仕掛ける!」

 

賊D「な・・・成程。流石親分!」

 

親分「ガハハハ!!奴らに本物の賊の怖さを思い知らせてやれ!」

 

そう言い、出撃した賊だったが

 

純「はあああっ!!」

 

賊「「「ギャアアアッ!!」」」

 

賊E「な・・・何だこの餓鬼!?」

 

賊F「これが噂の『黄鬚』・・・!」

 

秋蘭「はっ!」

 

賊G「何だ!この女も強えーぞ!」

 

賊H「コイツらだけじゃねー!兵達も強えーぞ!」

 

純達の強さに混乱し、とてもじゃないが戦闘できる状態ではなかった。

 

皇甫嵩「流石曹彰さんとその配下の将兵達ね・・・。自身の手足の如く動いてるわ。」

 

皇甫嵩「初陣の時から殆ど一緒になって戦に出たけど、本当に成長したわね。弱者を襲うばかりでまともに戦った事もない匪賊には到底勝つ事は出来ないわ。」

 

その様子を見ていた皇甫嵩は、目を細めながら見ていた。

 

官軍兵士A「中郎将様。我らも・・・」

 

皇甫嵩「ええ、分かってるわ。皆、曹彰さんに続きなさい!」

 

「「「はっ!!」」」

 

そして、皇甫嵩達も匪賊に攻め立てたのだった。

 

親分(あ・・・あり得ねえ・・・。こんなの・・・)

 

この時、賊の親分は自分達がやられている姿に呆然としていた。

 

親分「アイツが・・・!」

 

そして、戦場の中央で暴れている純を見つけるや一気に駆けた。

 

親分「てめぇか!『黄鬚』ってぇのは!?」

 

純「ああ。俺が『黄鬚』曹彰だ。テメーがこの賊の大将か?」

 

親分「そうだと言ったら?」

 

純「知れた事、その首よこせ!」

 

親分「生意気な糞餓鬼が!死にやがれー!」

 

そう言って、親分は持っていた斧を振り下ろした。

しかし

 

純「はあああっ!!」

 

純は攻撃を避け

 

純「死ね!」

 

親分「ギャアアアッ!!」

 

親分の胴から真っ二つに斬り捨てた。純は親分の首を斬り、それを持ち上げて

 

純「賊の大将の首、曹子文が討ち取った!!」

 

高らかに声を上げたのだった。

 

 

 

 

 

 

賊討伐を終えた純達は、洛陽に帰還した。

すると

 

洛陽民A「『黄鬚』様が来たぞ!」

 

洛陽民B「今回も匪賊を見事討伐なされた『黄鬚』曹彰様のお通りだぁ!!」

 

洛陽民C「皇甫嵩様もご一緒だー!!」

 

洛陽民D「賊討伐ありがとうございます!!」

 

洛陽の民に一斉に迎えられたのだった。

 

洛陽民E「格好いいー!!」

 

洛陽民F「こっち向いてー!!」

 

洛陽民G「曹彰様と皇甫嵩様、絵になるわー!!」

 

洛陽民H「曹彰様の後ろに控えておられる方も凜々しくて良いわー!!」

 

洛陽民I「あれは夏侯淵様ね!曹彰様の幼馴染よ!」

 

洛陽民J「まあ!お似合いねー!」

 

洛陽民K「『黄鬚』バンザーイ!!」

 

それを聞いていた純は、少し恐縮していた。

 

皇甫嵩「ふふっ。相変わらずの人気ですね、曹彰さん。」

 

純「皇甫嵩殿。」

 

皇甫嵩「けど、もう少し堂々となさっても良いのでは?」

 

純「けど、此度の戦は俺一人の活躍ではありません。皇甫嵩殿の他、皆が支えてくれたからこそ、此度の戦に勝てたのです。俺一人の力ではありません。」

 

皇甫嵩「フフッ・・・曹彰さんらしいわ。ねえ、夏侯淵さん。」

 

秋蘭「ええ・・・。しかし、これが純様です。」

 

皇甫嵩「そうね・・・」

 

皇甫嵩(それに・・・益々カッコ良くなったわ・・・)

 

そういうやり取りしながら、通りを抜けたのだった。

 

 

 

 

 

曹家屋敷

 

 

 

 

 

屋敷に戻った純は、秋蘭と一緒に華琳に会った。

 

純「姉上。ただいま戻りました。」

 

華琳「良く戻ったわね、純。聞いたわよ、また活躍したと。」

 

純「皆の支えがあってこそ、此度の戦に勝てました。」

 

華琳「そう・・・。良くやったわね。」

 

純「はっ!」

 

すると

 

華琳「さて・・・純!」

 

純「あ・・・姉上?うわあっ!?」

 

華琳「お帰りなさい、純!怪我はしてない?」

 

華琳は純に近付くや、抱き締めたのだった。

 

純「あ、姉上・・・」

 

華琳「だって・・・暫くあなたの顔が見られなくて寂しかったんだもの。」

 

純「だってじゃありません。俺達はもう子供じゃないのですよ!」

 

華琳「ええっ・・・」

 

秋蘭「フフッ・・・。」

 

純「お前も笑ってないで姉上を止めろ。」

 

秋蘭「すみません。華琳様、純様が困っておいでですよ。」

 

華琳「・・・しょうがないわね。」

 

そう言い、華琳は純から離れた。

その時

 

バンッ

 

華侖「純兄!お帰りなさいっすー!!」

 

春蘭「純様!此度のご活躍、詳しくお聞かせ下さい!」

 

部屋の扉が開き、華侖と春蘭が勢いのまま入ってきた。

 

柳琳「ね、姉さん。そんないきなり入ったらはしたないから止めて。」

 

栄華「そうですわよ、華侖さん!春蘭さんも!」

 

その後に、柳琳と栄華が入ってきた。

 

純「その話は飯の後に聞かせてやる。」

 

華侖「やったっすー!」

 

春蘭「純様!もし賊討伐がありましたら、私もご一緒させて下さい!」

 

純「ははっ!分かった!その時までに鍛錬を怠るなよ!」

 

春蘭「はっ!」

 

そう言い、部屋の中は笑いで溢れたのだった。

 

 

 

 

朝廷

 

 

 

 

文官A「また曹彰が活躍したそうじゃな・・・。」

 

文官B「うむ。そうなのじゃ。」

 

文官A「洛陽の北部都尉をやってる姉の曹操といい、益々気に食わぬ。」

 

文官B「全くじゃ。宦官の孫が調子に乗りおって・・・。」

 

文官A「この際、彼奴らを何らかの罪を着せて斬首にしようかのぉ・・・」

 

文官B「それは無理じゃ。あの二人は民の人気が非常に高い。今彼奴らを斬り捨てたら、この洛陽の民が暴動するやもしれぬ。」

 

文官B「いっその事、どこかの太守に任命させて、彼奴らを追い出すのはどうじゃ。」

 

文官A「おおっ!それは妙案じゃ!じゃあ、早速陛下に上奏しようぞ!」

 

文官B「うむ。北部都尉による治安の回復と、此度の曹彰による賊討伐の恩賞という事で追い出そうぞ。」

 

文官A「うむ!」

 

そして、この文官達は今の帝である霊帝に上奏した。

その結果、華琳は陳留の太守となったのだった。

この一件を知った皇甫嵩は、洛陽から追い出そうと企んだ一部の文官による陰謀だと察し、帝に拝謁しようとしたが叶わず、華琳の太守就任が決まったのだった。

そして、華琳達が陳留に出発する時

 

秋蘭「純様。皇甫嵩殿がこちらに参っております。」

 

純「皇甫嵩殿が?」

 

秋蘭「はい。」

 

純「・・・会おう。」

 

皇甫嵩が曹家の屋敷にやって来た。

純は会いに行くと

 

皇甫嵩「曹彰さん!」

 

純「皇甫嵩殿!」

 

皇甫嵩が純に近づき

 

皇甫嵩「ごめんなさい!」

 

そう謝罪の言葉を述べた。

 

純「皇甫嵩殿、何故謝るのです?」

 

皇甫嵩「今回の陳留太守就任の件、全ては一部の文官による陰謀よ。彼らは、あなた達曹一門が気にくわなくて、この洛陽から追い出したのよ。」

 

皇甫嵩「私はそれを知ってすぐに帝に拝謁しようとしたんだけど、それも叶わなくて・・・!」

 

そう言い、皇甫嵩は涙を流した。

それを見た純は

 

皇甫嵩「あっ・・・」

 

純「皇甫嵩殿、そうご自身を責めないで下さい。此度の勅命、恐らくですが姉上は気付いております。」

 

純「けど、俺達は陳留にて力を付け、民の為に戦う所存です。」

 

皇甫嵩の手を取って、真っ直ぐに見据えて言った。

 

皇甫嵩「曹彰さん・・・」

 

純「だから皇甫嵩殿、また会いましょう。」

 

皇甫嵩「はい・・・」

 

純「それでは・・・また。」

 

そう言い、純は拱手してその場を後にした。

そして、曹一門は陳留に向かって出発したのだった。

 

皇甫嵩(曹彰さん・・・必ずお会いしましょう・・・。それまで、息災で・・・)

 

その後ろ姿を、皇甫嵩は目を潤ませながら見ていたのであった。

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