恋姫無双〜黄鬚伝〜(リメイク)   作:ホークス馬鹿

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29話です。


29話

曹操軍本陣

 

 

 

純「姉上、これは黄巾党指揮官の首です。奴らを殲滅させ、残りは捕虜にしました。」

 

純は左手に持った首を華琳の前に投げた。

 

華琳「ご苦労。捕虜にした者は、纏めて郷里に送り返させなさい。」

 

純「はっ!」

 

純「・・・で、コイツらが張三姉妹ですか。どいつが張角なのですか?」

 

そう言い、凪達が連行してきた三人の少女を指差して華琳に尋ねた。

 

華琳「真ん中にいるのが張角よ。周りの二人は妹の張宝と張梁よ。」

 

純「・・・そうですか。」

 

天和「うっぷ・・・おええええっ。」

 

地和「え、ええっと・・・あ、あの・・・その・・・うっぷ。」

 

その時、純が首を持って来たからか、三姉妹の顔は青ざめ振るえてしまい、天和は胃の中全てを吐き出し、地和は吐いていないが吐き気を催していた。

 

華琳「ごめんなさいね、弟は戦になるとこうなるから。」

 

人和「え、あ・・・はい、大丈夫です。」

 

華琳「季衣、間違いない?」

 

季衣「はい。僕が街で見届けたのと同じ人達だと思います。」

 

喜雨「・・・この三人が、張三姉妹。」

 

そして、その三姉妹を喜雨は見つめていた。

 

華琳「喜雨。思う所は色々あると思うけれど。」

 

喜雨「・・・分かってるよ。」

 

喜雨「無理を言って同席させてもらったんだから、大人しくしてるよ。華琳様にこれ以上迷惑は掛けないから。」

 

華琳「・・・そう。」

 

純「それで姉上。コイツらの処分はどうしますか?殺しますか?」

 

この純の発言に

 

地和「ちょっと!何で私達が殺されなきゃならないのよ!ちぃ達は何も悪くないわよ!」

 

立ち直った地和が目を吊り上げ純にそう言った。

 

喜雨「ッ!」

 

この発言に、喜雨は怒りの声を上げようとしたが

 

純「・・・テメー、もういっぺん言ってみろ!」

 

その前に、純は溢れんばかりの凄まじい覇気を出し怒りの目で地和を見た。

 

地和「ひっ!」

 

純「テメーらでこれだけの騒ぎを巻き起こし、村々を散々荒らして罪なき者を殺しといて。何が何も悪くねーだ!それ以上ふざけた事言うなら、この俺が斬り殺してやろーか?」

 

そう言い、純は腰の太刀を抜いて地和達に突きつけた。

これには、地和は先程までの勢いをなくし、腰が抜けたのかそのまま座り込んでしまい、他の天和と人和も腰を抜かしてしまった。

それは他の者も同様で、三姉妹だけじゃなく春蘭達も純の覇気に押しつぶされそうな感覚に陥った。

すると

 

華琳「・・・純、やめなさい。」

 

華琳が純の前に立ってそう言った。

 

純「しかし姉上!コイツのこの態度、聞いてて腹立たしいですよ!斬らねば、死んでいった者達に申し訳が立ちません!」

 

華琳「あなたの怒りは尤もよ。だけど、抑えなさい。話が進まないわ。それでも怒りが収まらないなら、私を斬ってからこの三人を斬りなさい。」

 

これには

 

純「ッ!」

 

純は目を見開き、固まった。

 

華琳「純。」

 

純「・・・御意。」

 

これには、純は渋々怒りを静め、太刀を納めた。

それと同時に、皆はそれぞれほっと一息ついた。

 

華琳「それで良いの。ありがとう、純。」

 

そう言い、華琳は純の頭を優しく撫でた。

 

天和「えっと・・・私達、死なないんですか?」

 

華琳「ええ。今のところ、私の弟であり、『黄鬚』が斬らないと言ってるから。けど、どうなるかはこれからの話の内容次第よ。」

 

純「姉上。俺は兵の様子を見に行きます。」

 

そして、純はそう言い残し、本陣を後にした。

 

桂花「純様!」

 

華琳「良いのよ、桂花。」

 

桂花「ですが華琳様!」

 

華琳「少し機嫌が悪くなっただけよ。大丈夫、すぐに機嫌が良くなるわ。」

 

桂花「そうでしょうか?」

 

華琳「純はとても情に厚い優しい子よ。民を散々殺し、その上何も反省しない彼女らの態度が許せなかったのでしょう。」

 

桂花「はい。」

 

華琳「さあ。それより、何故このような事が起きたのか、子細に話しなさい。」

 

そう言い、華琳達は事の次第を話し合ったのだった。

その頃純は

 

純「はっ!ふっ!はあっ!」

 

一人太刀を振り回していた。華琳に兵の様子を見に行くと言ったが、今の状態で兵の様子を見たらマズイと判断したため、こうして太刀を振り回していた。

とはいえ、その立ち振る舞いと太刀筋は見事なもので、見るものを魅了するものだった。

 

剛「純様。」

 

凪「素晴らしい太刀筋です。」

 

真桜「何や、まるで舞を舞ってるみたいや・・・」

 

沙和「そうなのー!」

 

それを、剛と三羽烏が声をかけた。

 

純「剛か。それに・・・凪達も・・・」

 

剛「相変わらず、あなたの太刀筋は見事なものです。先の戦でも、目を奪われましたよ。」

 

凪「はい!真桜の言う通り、まるで舞のようでした。」

 

真桜「ウチには無理な芸当やな。」

 

沙和「沙和もなのー!」

 

そして、剛は純に水が入った竹筒を渡した。

 

純「剛も、中々なものだったぞ。そのデケー剣を自在に操れんだからよ。凪達三人も、中々の腕だな。特に凪、見事な体術だったな。」

 

そう言い、純は水を飲んだ。

 

剛「滅相もない。あなただって、この剣を自在に扱えますよ。」

 

凪「ありがたきお言葉です!これからも精進します!」

 

真桜「良かったな、凪。」

 

沙和「凪ちゃん、とっても嬉しそうなのー!」

 

その様子を

 

純「ふっ・・・。」

 

純は微笑んでみていた。

 

剛「・・・しかし、随分と苛立っておりますね。僅かに太刀筋が乱れてましたよ。何かありましたか?」

 

純「・・・お前はよく見てるな。」

 

剛「恐れ入ります。」

 

純「・・・黄巾党の本隊は潰した。だが張三姉妹は、各地の村を散々に荒らし、罪なき者を殺した。にもかかわらず、奴らは何も反省してねー。俺は今すぐにでもあの三人を斬り殺してー。そうじゃなきゃ、死んでいった者達に申し訳が立たねーよ。」

 

純「だが姉上がそれを許さぬ。姉上にも何か考えがあるのだと思うのだが・・・俺は姉上と違って頭が悪いからさっぱり分からぬ。」

 

剛「・・・成程。」

 

すると

 

稟「曹操殿は恐らく、あの三姉妹の歌の力を使って、兵を集めようと考えているのですよ。」

 

風「そうですよ~。」

 

稟と風が二人の間に入った。

 

純「稟・・・風・・・」

 

凪「稟様・・・風様・・・」

 

真桜「稟と風か・・・どういう事や?」

 

沙和「なのー?」

 

剛「軍師殿。教えて下さい。」

 

稟「曹操殿は、この大陸に覇を唱える為には今の勢力では到底足りない。だからあれだけの賊を熱狂させ、この軍の将兵にも少なからず影響を与えた程の力です。故に、彼女らのその歌の力を利用し、徴兵し兵力を上げようと考えておられるのです。」

 

剛「成程・・・流石は曹操様だ。」

 

風「大丈夫ですよ~。純様のお気持ちはここの将兵も同じ思いです。けど、皆共に我慢しておられます。ですから、今はその苛立ちを鎮めて、華琳様の覇道を邪魔する者をその刃で斬り殺して下さい~。」

 

稟「はい。風の仰るとおりです。皆も、同じ思いですよ。」

 

すると、殆どの兵達が、純の周りに集まった。

 

純「お前ら・・・」

 

そして

 

「「「曹彰様!」」」

 

皆跪き、拱手した。

それを見た純は

 

純「・・・皆も同じ思いの筈なのに、俺は皆の前ではしたない姿を見せてしまった。すまなかった。」

 

そう言い、拱手し謝罪した。

 

純「だから、改めてもう一度誓おう!例え何があろうとも、俺達は心を一つにし、共に苦楽を分かち合おう!」

 

「「「はっ!我らは、曹彰様と共に!!!」」」

 

そして、将兵達は皆、そう純に言ったのだった。

その様子を

 

華琳「ね、大丈夫だったでしょ?」

 

桂花「はい。華琳様の仰る通りでした。」

 

柳琳「一時はどうなるかと思いましたが・・・」

 

華侖「ホントに良かったっすー!」

 

季衣「良かったですね、春蘭様!」

 

春蘭「ああ、そうだな。」

 

秋蘭「純様・・・」

 

栄華「お兄様・・・」

 

華琳達は目を細めて見ており

 

天和「す、凄いねー!」

 

地和「こ・・・これが噂の『黄鬚』なの・・・!」

 

人和「そうね・・・ちぃ姉さん、二度と彼に逆らわないようにね。」

 

地和「わ、分かってるわよ!」

 

張三姉妹に至っては、この様子に鳥肌が立ってしまったのだった。

これにより、各地を荒らしていた黄巾党の反乱は終わったのであった。

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