恋姫無双〜黄鬚伝〜(リメイク)   作:ホークス馬鹿

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30話です。


30話

純の部屋

 

 

 

 

剛「純様、俺の分の書類を纏めておきました。」

 

稟「私の方も纏めておきました。」

 

風「風もですよ~。」

 

純「うむ、ご苦労だったな。」

 

そう言って、純は三人分の竹簡を確認した。本来、純はこういう書類は得意ではなく、他の人に任せていたのだが、稟曰く

 

稟「純様が信頼してくれるのは非常にありがたいことですが、自らご確認していただかないと意味がありませんよ。」

 

と稟に言われてしまい、それ以来自分でも出来る限り確認を取っていた。

 

純「ふむ・・・」

 

そして、純は一つ一つ丁寧に確認していた。

 

純「三人とも、中々良い査定だな。これなら、兵達に与える恩賞をしっかり与える事が出来る。」

 

純の言葉に

 

剛「ありがとうございます。」

 

稟「はっ。」

 

風「はい~。」

 

三人とも、頭を下げた。

 

純「では、これは栄華に提出する事とする。お前達、ご苦労だったな。今度何かお礼するよ。」

 

剛「本当ですか!」

 

風「ホントですか~!約束ですよ~!」

 

稟「ちょっと風!」

 

純「稟は嫌か?」

 

稟「い、いえ、私は・・・純様のお役に立てたのならそれで・・・」

 

純「はは。まあ、今すぐ決めろとは言わねーから、何か思いついたら言って。」

 

稟「か・・・考えておきます。」

 

純「うむ。そんじゃ、また後で。」

 

そう言い、純は部屋を後にした。

 

純「栄華はまだ居るかな・・・。」

 

そう言い、純は栄華の執務室の前に立った。

 

純「静かだな・・・。どっかで休んでんのかな?」

 

そう思った純は、執務室の扉を開いた。すると

 

栄華「すぅ・・・すぅ・・・。」

 

純「栄華?寝てんのか?」

 

栄華は執務室の机に突っ伏して、静かに寝息を立てていた。

 

純「疲れてんだな・・・。」

 

開け放たれた窓から気持ち良い風が入り込み、栄華の前髪を揺らしていた。

 

純(まあ、良い天気だしなあ・・・。俺だったら、木の下で昼寝すんな。稟に怒られるけど・・・)

 

純「起こすのも悪いし、待つか。」

 

そう思った純は、近くにあった椅子を引き、栄華の寝顔が見える位置にそっと座った。

そして、栄華の頭にそっと手を添え、頬に触れたりした。

 

純(栄華・・・。)

 

すると、自分自身も少し眠くなっていくのを感じた。

 

純(ちょっと寝るか、俺も・・・)

 

そう思った純は、そのまま眠ったのだった。

暫くして

 

栄華「んっ・・・ああ、思ったよりも長く眠ってしまったようね・・・。」

 

栄華が目を覚ました。

 

栄華「んんーっ、んっ・・・お陰で頭もスッキリしたし、お仕事を再開させて・・・えっ?」

 

背伸びして、仕事を再開しようとしたら

 

純「・・・すぅ・・・すぅ・・・。」

 

純が横で寝ていたのだった。

 

栄華「お、お兄様・・・!?」

 

これには栄華もびっくりしたのだが、純が持ってる竹簡を見て

 

栄華「恩賞の査定を提出に参ったのですね・・・。」

 

と何しに来たのか察したのだった。

 

栄華「しかし・・・」

 

栄華は純の寝顔を見て

 

栄華「やっぱり、お兄様の寝顔は・・・可愛らしいですわ・・・。」

 

そう言った栄華は、純の頬や髪に触れたりした。そして

 

栄華「・・・スンスン。」

 

純の匂いを嗅いだりしていた。

 

栄華「はぁぁ~・・・お兄様・・・。」

 

その行動は少しエスカレートし、純の服に顔を当てて擦り寄せるほどだった。

 

栄華「お兄様・・・お兄様・・・。」

 

そして、自ら純を抱き締め堪能していた。その時、栄華は自身が持っているぬいぐるみを見て

 

栄華(お兄様・・・)

 

ある事を思い出していた。

 

それは、栄華がまだ幼かった頃だった。

その日、栄華は誕生日を迎え、それぞれが栄華にプレゼントをあげた。華琳や春蘭、秋蘭、華侖、柳琳はそれぞれ首飾りや耳飾りをあげたりし、栄華の誕生日を祝った。

 

栄華「お兄様は私に何をあげますの?」

 

純「それは見てのお楽しみだ。栄華、ちょっと目を瞑って手を出して。」

 

栄華「はい、こうですの?」

 

純にそう言われた栄華は、目を瞑り手を出した。すると、純はある物を栄華の手に置いた。

 

栄華(な、何でしょうこれは・・・?非常に柔らかいですわ・・・。これは一体・・・?)

 

そして、

 

純「目を開けな。」

 

栄華「はいっ!・・・わあぁぁぁ♪」

 

栄華が目を開けると自身の手に兎らしきぬいぐるみがあり、口には何かを入れるのに使うチャックらしき物が付いていた。

 

純「この前、お前と一緒に街に出ただろう?」

 

栄華「はい。」

 

純「その時お前がこういうぬいぐるみ欲しがってたのを見てたんだよ。それで、材料を揃えて作って、何かを収納できるぬいぐるみを栄華に作ろうと思ったんだ。」

 

栄華「えっ!?これってお兄様が作ったんですか!!」

 

純「ああ、こういうのを作るのは初めてだったから、世辞にも店頭に売れる物じゃねーんだけどな・・・。」

 

そう言われてよく見ると、僅かに糸も飛び出ていて縫い目なども見えており、とても店頭に出せる物ではなかった。

しかし

 

栄華「いいえ、お兄様の作った物なら、どんな高価な物よりも千金の価値がありますわ・・・。大切に致します・・・。」

 

と栄華はぬいぐるみを大事に抱き締め、大粒の涙を流しながらそう言った。それを見た純は、少し慌てたのだった。

 

それ以来、栄華は今でもそのぬいぐるみを大事に使っており、それと同時に純に強い想いを寄せるようになった。後に秋蘭に気付かれた後も、秋蘭と一緒に純と触れ合ったりした。

 

栄華「お兄様・・・チュ。」

 

そして、栄華は純の唇を奪った。そして、純から離れ頭と頬を撫でた後、そのままそっとして仕事を始めた。

開け放たれた窓から吹く優しい風が、二人を包み込んだのだった。

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