あれからしばらくが経ち、純たち曹一門は、苑州の陳留に住んでいる。
それは、純の姉である華琳が、陳留の太守になったからだった。
そして、陳留の治安維持や財政回復、または、賊の討伐などを行った。そして今、陳留は、非常に住み心地の良い街になったのであった。
そんなある日のこと
副官「曹彰様、引き揚げの準備が出来ました。」
純「ああ、分かった。引き揚げるぞ!」
純はとある賊の平定に出陣し、平定が完了したため引き揚げようとしていた。
副官「はっ!総員、撤退だ!」
純「それと、姉上に使いを送れ。全て完了したと。」
副官「御意!うん?曹彰様、あちらに賊に襲われてる者がおります。」
純「本当だ。すぐに助けるぞ!」
副官「御意!」
??「はあ、はあ、はあ、風もう少し速く走れないのですか?じゃないと追いつかれますよ!」
眼鏡をかけた少女が頭に人形を乗せてある少女に必死に言った。
??「そんなこと言われても~、キャ!」
すると、頭に人形を乗せてある少女が転んでしまった。
??「風!」
眼鏡をかけた少女が駆けつけたが、その時には彼女らを追っていた連中が追いついていた。
賊A「やっと追いついたぜ。ほらさっさとオレ達と着いてきな。」
??「嫌!」
眼鏡をかけた少女が抵抗してるが、腕を捕まえられ身動きできなくなった。すると、
賊B「おい、大変だ!!後ろから官軍らしき集団が来たぞ!!」
賊A「何!!くそ、なかなかの上玉だって言うのに。おい、逃げるぞ。」
賊B「ああ!!」
そう言って、2人の賊は2人の少女を置いて逃げていったのだった。
副官「曹彰様、賊は逃げたようですな。この2人を置いて。」
純「そのようだな。2人とも、怪我はなかったか?」
??「ええ。危ないところでしたが、ありがとうございます。」
??「はい~。おかげさまで~。」
??「もし宜しければ、あなたの名前を聞いても宜しいでしょうか?」
純「いいが、まずは自分から名乗るのが筋じゃないか。」
??「失礼しました。私の名前は戯志才。そしてこっちが」
??「程立ともうします~。」
すると
純「戯志才とやら、その名は偽名だろう?」
稟・風「「!?」」
純は戯志才の名を聞いてそう言った。
すると、2人は驚愕の表情を浮かべた。
稟「な、何故!偽名だと・・・!」
純「だって、自分の名前を言う際、一瞬思考する素振りを見せたじゃん。」
稟「そ、それは・・・。」
彼女は動揺した。しかし
純「まあ、このご時世だ。偽名を使わねばならん理由があるのだろう。俺は気にしてねーから。」
稟「そ、そうですか・・・。」
そう言い、純は気にしてないと言った。
一方の戯志才は、目の前の男の雰囲気に流すことが出来ないでいる。すると
風「それで、お兄さんの名前は?」
程立は純にそう問うた。
純「ああ、すまん。俺の名は曹彰、字は子文だ。」
それを聞いた純は、自身の名を言った。
稟「あなたがあの曹彰様ですか!?」
それを聞いた戯志才は、興奮した。
純「おお、そうだが。」
戯志才のハイテンションに純は戸惑う。すると程立が戯志才をからかうように言った。
風「稟ちゃんは曹彰様の噂を耳にして、ずっと興味を持っていましたからー。その本人に会えたのがとても嬉しいのでしょう。」
稟「ちょっ、風!!」
すると、戯志才が顔を真っ赤にしながら止めようとした。
純「でも、俺より姉の曹孟徳の方に興味が向くと思うんだけどなー。太守でもあるし。」
稟「いえ!確かに曹操殿も素晴らしいお方ですが、その弟君である曹彰様は遙かに素晴らしいお方です!なぜなら、曹彰様は幼くして武勇と軍才において圧倒的な才能を見せ、将兵の統率に長け、数多くの戦に勝利している!まさに『黄鬚』という異名に相応しいお方!」
純「分かった分かった。まあ落ち着いて。」
風「稟ちゃん。いくら憧れの方に出会えたからって、ちょっと興奮しすぎなのですよ~。」
稟「ごほん。失礼致しました。」
純「まあ、何だ。俺これから陳留に帰る予定なのだが、お前達はどうするの?」
稟「はい。もし宜しければ、私をあなた様の軍師として雇っていただけないでしょうか?」
風「稟ちゃん、抜け駆けはずるいですよ~。風も曹彰様について行きます~。」
純「いいのか。俺、太守でもねーんだぞ。」
稟「はい、それでもかまいません。」
風「風もですよ~。」
純「そっか・・・。分かった。じゃあ改めて、歓迎する。俺の真名は純だ。宜しく。」
稟「ありがとうございます。では改めまして、私の名は郭嘉、字は奉孝と申します。真名は稟です。」
風「風の真名は風なのです。それとこの際、名を程立から程昱と名を改めます~。日輪を支えるという意味で。」
すると稟が、
稟「風、それって。」
風「はい~。風、先日夢を見ました。それは、風の目の前に太陽が落ちてきて、それを風が持ち上げる夢です。これは風が純様という日輪を支えろというお告げだと思います~。」
稟「まさか、風も私と同じ夢を見るとは・・・。」
風「おお~、稟ちゃんもですか~?」
稟「はい。私も風と同じです。私が日輪を持ち上げる夢を。」
2人が驚きと興奮で言葉が告げられなくなっていたので、純が
純「分かった。2人の真名、受け取ろう。では、共に陳留に行こう。」
稟「はっ!!」
風「はい~。」
純「っと、その前に。おい、誰か。」
兵士A「はっ!」
純「道中、軍師を雇ったと姉上たちに伝えておいてくれ。」
兵士A「御意!」
純「よーし、行くぞ!!」
そうして、純たちは陳留に向かったのであった。新たな仲間を加えて。
陳留
華琳「純からの報告は?」
秋蘭「はい。全て滞りなく完了したとの知らせが。」
華琳「そう。相変わらずね、純は。」
春蘭「流石純様です!」
華侖「純兄、また手柄挙げたんすかー!!凄いっすー!!そうっすよね、柳琳!!」
柳琳「ええ、そうね姉さん。」
栄華「しかし、こうも遠征ばかりでは、お兄様の負担が掛かりすぎのような気がしますが・・・。」
華琳「それは仕方が無いわね。純に全て押しつけるつもりはないけど、我が軍で最も戦に長けているのは純なのだから。それに純がこうして引き受けてくれるからこそ、私は国事に集中できるわ。」
華琳「なにより、お父様の遺言でもあるしね。内政は私に、軍事は純に役割分担し、共に力を合わせるべしとね。」
栄華「そうですわね。」
秋蘭「それと華琳様。もう1つ報告が。」
華琳「何かしら?」
秋蘭「道中、軍師を雇ったとの事です。」
華琳「そう、分かったわ。」
秋蘭「はっ。」
すると
栄華「お姉様。それって、まさか・・・。」
何かを察した栄華が、華琳にそう言った。
華琳「ええ。あなたが考えてる通りね。私の予想だと、純以外の命令は聞かないかもしれないわね。」
栄華「やはり・・・。」
華琳「でも、構わないわ。純の為に働くというのならばね。」
栄華「そうですわね。」
華琳「さて。純が帰ってくるまで、私達は出来ることやりましょう。それに紹介したい子もいるし。」
そう言って、1人の少女に目を向けた。
香風「?」
華琳「では、解散‼︎」
そう言って、解散となった。