恋姫無双〜黄鬚伝〜(リメイク)   作:ホークス馬鹿

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37話です。


37話

連合の参加を表明してから数日後、華琳は兵を率いて出陣した。そして、

 

桂花「華琳様!袁紹の陣地が見えました!他の旗も多く見えます!」

 

目的地まで目の前に着いた。

 

香風「華琳様。向こうに馬の影ー。」

 

顔良「曹操様!ようこそいらっしゃいました!」

 

華琳「顔良か。久しいわね。文醜は元気?」

 

顔良「はい。元気すぎるくらいですよ。」

 

華琳「結構な事だわ。・・・で、私達はどこに陣を張れば良いのかしら?案内して頂戴。」

 

顔良「了解です。それから曹操様。麗羽様がすぐに軍議を開くとの事ですので、本陣までおいでいただけますか?」

 

華琳「分かったわ。純、顔良の指示に従って陣の構築をしておきなさい。それから桂花は、どこの諸侯が来ているのかを早急に調べておいて。」

 

純「分かりました。栄華、手伝ってくれ。」

 

栄華「分かりましたわ。」

 

桂花「御意。」

 

華琳「私は麗羽の所に行って来るわ。春蘭、秋蘭、燈は、私に付いてきなさい。」

 

春蘭「はっ!」

 

秋蘭「了解です。」

 

そして、華琳達は本陣に向かった。

 

 

 

 

 

連合軍本陣

 

 

 

 

 

華琳が天幕に入ると

 

袁紹「おーっほっほっほ!おーっほっほっほ!」

 

耳に響く高笑いが聞こえた。

 

華琳「・・・久し振りに聞いたわね。その耳障りな笑い声・・・麗羽。」

 

袁紹「華琳さん、よく来てくださいましたわ。」

 

華琳「・・・。」

 

袁紹「あら、純さんは?」

 

華琳「・・・純なら、今陣の構築をさせているわ。」

 

袁紹「あら、そうですの。・・・真直さん!」

 

田豊「はいっ!」

 

袁紹「純さんに使いを。陣の構築が終了次第、諸侯と同じように来なさいと。」

 

田豊「し、しかし麗羽様!曹彰殿は曹操殿の弟君であって、諸侯ではございませんよ!」

 

袁紹「構いませんわ!同列に迎え入れなさい!」

 

田豊「し、しかし・・・!」

 

袁紹「真直さん・・・!」

 

田豊「・・・御意。」

 

袁紹に強引に言われた田豊は、曹軍の陣営に使いを送ったのだった。

 

華琳(全く・・・私はまだしも、純に迷惑を掛けるなんて・・・本当に腹が立つわね・・・)

 

この時、華琳は心底嫌な顔をしていたのだった。

 

袁紹「さーて。これで主要な諸侯は揃ったようですわね。華琳さんがびりっけつですわよ、びりっけつ。純さんもこのような姉を持って可哀相ですわ。」

 

と、華琳は袁紹に言われたが

 

華琳「・・・はいはい。」

 

華琳はスルーした。これには

 

秋蘭「・・・。」

 

秋蘭は、完全に諦めモードだった。

 

袁紹「それでは純さんがまだですが、最初の軍議を始めさせていただきますわ!」

 

袁紹「知らないお顔も多いでしょうから、まずそちらから名乗っていただけますこと?ああ、華琳さんはびりっけつですから、一番最後で結構ですわよ。本当に純さんが可哀相ですわ。おーっほっほっほ!」

 

そして、それぞれ自己紹介を始めた。

 

公孫賛「幽州の公孫賛だ、よろしく頼む。今回は徐州の陶謙殿の軍と連合で参加させていただく。徐州からは・・・」

 

??「雷々だよー!」

 

??「電々でーす!」

 

公孫賛「・・・おい、お前達!ここで名乗るときは真名じゃなくて名前を名乗れとあれほど・・・」

 

糜竺「あ、そうだった・・・。」

 

糜芳「電々、間違えちゃった・・・。」

 

公孫賛「・・・良いからやり直せ。」

 

糜竺「ええっと、陶謙様の名代で来た、雷々・・・じゃなくって、糜竺だよ!徐州の軍を率いるよ!よろしくー!」

 

糜芳「その補佐の、糜芳でーす。・・・えへへ、ちゃんと出来た!」

 

袁紹「・・・いつからここは年少の私塾になりましたの。」

 

華琳「・・・陶謙殿の発言力も衰えたと聞いていたけれど、人材も不足しているようね。」

 

袁紹「まあ結構ですわ。次の方!お願い致しますわ。」

 

劉備「あ・・・はい。平原から来た劉備です。こちらは、私の軍師の諸葛亮。」

 

諸葛亮「宜しくお願いします。」

 

劉備「ええっと、私達も、幽州と徐州の連合に入れさせていただいています。宜しくお願いします!」

 

馬超「涼州の馬超だ。今回は母の馬騰の名代としてここに参加することになった。」

 

馬鉄「補佐を務める馬鉄です。よろしくお願いしまーす。」

 

袁紹「あら、馬騰さんはいらっしゃいませんの?」

 

馬超「最近、西方の五胡の動きが活発でな。袁紹殿にはくれぐれもよろしくと言付かってるよ。」

 

袁紹「あらあら。あちらの野蛮な連中を相手にしていては落ち着く暇がありませんわねぇ・・・。」

 

馬超「・・・ああ。すまないが、よろしく頼む。機動力のある相手なら任せてくれ。」

 

袁術「袁術じゃ。江南を治めておる。まあ、皆知っておろうがの!ほっほっほ!」

 

張勲「私は美羽様の補佐をさせていただいています、張勲と申しますー。こちらは客将の孫策さん。」

 

孫策「・・・。」

 

孫策は立ち上がって、黙礼を1つしてそのまま座ったのだった。

そして

 

袁紹「次。びりっけつの華琳さん、お願いいたしますわ。」

 

華琳達の順番になった。

 

華琳「・・・典軍校尉の曹操よ。こちらは我が軍の夏侯惇、夏侯淵、陳珪よ。」

 

華琳達を最後に、参加した諸侯の自己紹介を終えたちょうどその時

 

袁紹軍兵士A「申し上げます!曹彰殿が参りました!」

 

純が来たとの知らせが入った。

 

袁紹「通しなさい!」

 

袁紹軍兵士A「はっ!」

 

そして、それに入れ替わるように

 

純「遅参の段、御免なれ。」

 

純が入り拱手した。

 

袁紹「構いませんわ。それより、お久し振りですわ純さん。」

 

純「ああ、麗羽も息災で何よりだな。」

 

袁紹「ええ、純さんもお元気そうで。しかし、どこかの誰かさんと違って、純さんは相変わらずお優しいですわね。」

 

純「・・・どうも。それより麗羽、自己紹介したいのだが。」

 

麗羽「ああ、そうですわね。純さん、お願い致しますわ。」

 

純「はっ!典軍校尉曹操が弟、曹彰でございます。こちらは副官の朱霊と、軍師の郭嘉です。」

 

と純は拱手し自己紹介した。

 

袁紹「まあ、凜々しくて見事な自己紹介ですわ!ささっ、純さんはこちらへ!」

 

そう言われ

 

純「ああ。」

 

純は華琳の隣だが、麗羽に最も近い位置に座った。

 

華琳「ごめんなさいね、純。」

 

純「いえ、お気になさらず。」

 

この際、華琳と純はそんな話をしたのだった。

その間も、各諸侯はそれぞれ色んな目で純を見ており、その視線を純はそれぞれ判別していった。

 

純(色んな目で見られてんな~。慣れたっちゃあ慣れたけど・・・ん?この突き刺す感じの視線は?)

 

純(・・・興味や好奇心、そして嫌悪。前者の二つは孫策と馬超の視線。後者は・・・劉備か。)

 

と自らに向けられた視線の中で、一番強い視線の持ち主に気付いた。

見るというよりかは『睨みつける』といった方が正しいであろうその表情を隠そうともしない彼女に、純は視線を送った。

 

劉備「っ!」

 

フイッ

 

その瞬間、劉備はその顔を純から背けたのだった。

 

純(ありゃりゃ・・・嫌われちったか。まあ、しょうがねーか。俺達とは考えがちげーからな・・・)

 

それを、純はそう思いながら見ていたのだった。

 

袁紹「さて、それでは・・・最後はこの私、袁本初ですわね!」

 

それに続いて袁紹も自己紹介をしようとしたのだが

 

華琳「それは皆知っているから、いいのではなくて?」

 

公孫賛「だな。有名人だから、みんな知ってるだろ。」

 

袁紹「そ、それはそうですけれど・・・っ!」

 

糜竺「雷々も知ってる!」

 

糜芳「電々もー!」

 

馬超「軍議を円滑に進めるための名乗りだろう?なら、いらないんじゃないか?」

 

と言われたのであった。

 

袁紹「うぅ・・・三日三晩考えた名乗りですのに・・・。」

 

純(うわぁ・・・それゼッテーなげーやつじゃねーか・・・。)

 

袁紹「ま・・・まあ、仕方ありませんわね。それだけこの私が名を知られているという証ですわ!おーっほっほっほ!」

 

袁紹「では、紹介も終わりましたし、軍議を始めさせていただきますわ!」

 

袁紹「僭越ながら、進行はこの私!このわ、た、く、し!三公を輩出した袁家の長、袁本初が行わせていただきますわ!」

 

袁術「むぅ・・・袁家の長は、この妾じゃぞ。」

 

華琳「良いから早く始めなさい。」

 

田豊「あ、袁紹様の補佐は、不肖この田豊が務めさせていただきます。」

 

袁紹「さてでは、最初の議題ですけれど・・・このわ」

 

公孫賛「現状の目的と確認だろ?」

 

袁紹「え・・・ええ、そうですわ。この私が集めた、反董卓連合の目的ですけれど・・・」

 

華琳「都で横暴を働いているという董卓の討伐、でいいのよね。」

 

華琳「西園軍の任命式の頃は中郎将だったはずだけれど、今はどれだけ官位を上げているの?」

 

袁紹「さあ?どうせ大した役職では・・・」

 

しかし

 

公孫賛「聞いた話だと、相国だそうだ。」

 

その言葉を聞いて

 

紹・術「「なぁぁぁぁあんですってぇぇぇぇぇぇ!/なんじゃとぉぉぉぉぉぉっ!?」」

 

袁紹と袁術は、驚きの声を上げた。

 

馬鉄「・・・んー?相国って?聞いた事のない官位だけど、そんなに偉いのー?」

 

袁紹「え、え、え、偉いなどというものではありませんわ・・・。相国など、どうして董卓さんなんかが・・・董卓さんが相国・・・。」

 

純「相国っつーのは、俺達朝臣に与えられる中では最高位の官職だ。髙祖に仕えた蕭何様、曹参様以来、長らくあのお二人の大業を成した者がいなかったため、空位になっていたんだ。」

 

馬鉄「へえ・・・。」

 

華琳「三公より上となると、袁家の立場も形無しね。」

 

袁紹「ぐぬぬ・・・!」

 

袁紹「なんたる専横、なんたる横暴。これは私達だけではありません・・・私達の父祖に対する侮辱ですわ!」

 

袁紹「ただでさえ空丹様を玉座から引き下ろし、許せないと思っていた所にこの所業・・・!許せません、絶対に許せませんわ・・・!」

 

袁術「おのれ董仲穎。西涼の田舎者と思うておれば・・・。」

 

馬超「・・・あの。あたしの故郷も西涼なんだが。」

 

馬鉄「聞こえてないみたいだよー。」

 

華琳「なってしまったものは仕方ないわ。理由は何であれ、朝廷をほしいままにする董卓は誅しなければならない。・・・次の議題は何かしら?」

 

その後、都までのルートや配置、先鋒を決め、そして、総大将が袁紹と決まり、解散となったのだった。

 

 

 

 

 

陣外

 

 

 

 

 

純「さて・・・やっと色々決まった。早く戦が始まんねーかなぁ・・・!」

 

華琳「全く・・・あなたは戦になるといつもそうね・・・」

 

この華琳の言葉に

 

純「だって・・・戦場の匂いって、凄く良いじゃないですか!何かこう・・・血が滾るっていうか・・・!」

 

純は生き生きとした顔でそう華琳に言った。

 

華琳「本当・・・仕方ない子ね。」

 

純「へへっ・・・!けど、汜水関は公孫賛と劉備なんですよね。」

 

華琳「ええ。汜水関の将は華雄一人よ。それほど強い相手ではないし、あなたを使うのは勿体ないわ。」

 

華琳「もし使うなら、呂布と張遼がいる虎牢関よ。」

 

純「成程・・・流石は姉上です。」

 

華琳「純。兵の指揮は、いつも通りあなたに任せるわ。私の事は気にせず、我が全軍を好きに動かしなさい。」

 

純「御意!」

 

華琳「それはそうと・・・あなた、その劉備に随分と嫌われてるように感じたけど・・・」

 

純「あれは、以前姉上の名代として俺が青州に出陣して、皇甫嵩殿と共に賊を殲滅した時なのですが・・・」

 

そう言って、純は青州の件を話した。

 

華琳「何よそれ。貴方は全く間違ってないじゃない。」

 

純「はい。俺も何故責められたのかよく分かんなくて・・・」

 

華琳「・・・そう。劉備って子、相当な甘ちゃんね。」

 

純「はい。しかし、稟によると、奴らは今後俺達にとって大きな敵になるやもしれないとの事です。奴らは、俺達とは対極の考えですから。」

 

華琳「そうね。さて、私達の陣に戻るわよ。」

 

そう言い、陣に戻ったのだった。

 

 

 

 

 

連合軍本陣

 

 

 

 

 

袁紹「・・・ああもうっ、何もかもが台無しですわ!あのクルクル・・・!!純さんの前で恥をかかせて!!」

 

袁紹「私が、どんな想いでこの連合を集めたか・・・幽州や徐州の田舎者どもに頭を下げたか・・・ギギギ・・・」

 

文醜「まあ、実際あの話は長いですからねー。無くて正解でしたよ。」

 

顔良「それに・・・以前会った時も思ったけど・・・曹彰さんも結構な戦狂いな気が・・・」

 

袁紹「何か仰いまして!!」

 

文醜「・・・何でも。」

 

顔良「・・・いえ。」

 

田豊「落ち着いて下さい、麗羽様。連合の作戦は、まだ始まったばかりです。」

 

田豊「どさくさ紛れでしたけど、連合の盟主の座は無事、麗羽様になったではありませんか。」

 

袁紹「ま、まあ・・・そうですけれど?」

 

田豊「何より・・・幽州連合は、自分達が領土的に大きな発言力を持っているという自覚がありません。」

 

田豊「今のうちに懐柔して味方に取り込んでしまえば、揚州の袁術殿は勿論、孟徳殿を抑える事も可能です。」

 

袁紹「それは分かっていますけれど・・・うぅ、純さんと違ってあの芋っぽい方々にこれ以上頭を下げるのは、私の誇りが・・・矜持が・・・」

 

袁紹「幽州と青州の半分だけあれば、このような事をするハメにはなりませんでしたのに・・・どうして徐州と同盟など・・・」

 

田豊「ご辛抱下さい。全ては戦いの後のため。董卓を討ち果たした後に、大陸の覇権を握る為の準備です。」

 

袁紹「・・・そうですわね。私はここで終わりではありませんもの。」

 

袁紹「それにあのエセ相国に引きずり下ろされた空丹様の無念に比べれば・・・私の誇りなぞ、ものの数に入りませんわ。」

 

と本陣でそのような話をしていたのであった。

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