楼杏「純さん、楼杏です。宜しいでしょうか?」
純「うむ。入れ。」
そして、楼杏がカツカツと軍靴を鳴らしながら純の部屋に入った。
楼杏「お呼びと聞いて、参上致しました。」
純「そう畏まるな、俺と楼杏の仲だ。楽にしてくれ。」
楼杏「・・・分かりました。」
楼杏「純さん、私にご用というのは?」
純「うむ。稟と風、そして剛とも話し合ったのだが、楼杏にはこれから俺が率いてる隊の指揮の一部を任せたいのと、剛達に、今までの戦で培った経験と知識を伝えて欲しいのだが。」
楼杏「えっ・・・?私が兵の・・・つまり、純さんが率いる黄鬚隊の兵の一部の面倒と皆に将としてのイロハを教えろと?」
純「そういう事だ。楼杏の将としての実力は、俺がよく知っている。俺や皆も、何度か戦に出て経験を積んできた。けれど、楼杏ほど将としての経験はしておらず、剛達にとって、楼杏は生きた手本だ。頼めるかな?」
そう言われ
楼杏「身に余るお言葉。是非とも拝命致します。」
と拱手した。
純「そうか!では、頼むぞ!」
楼杏「はっ!」
その日以来、楼杏は軍のあらゆる面に関して、今まで培った経験と知識を余す事なく伝えた。それは剛だけじゃなく、春蘭や秋蘭らにとっても、目から鱗が落ちる事でもあった。
そして、楼杏が直々に指揮を執った練兵でもしっかりとした練兵を見せ、純に隊の一部を任されたのだった。
純の部屋
純「今日の練兵、ご苦労だったな。」
楼杏「純さん、ずっと私の練兵を見ていたわね。どうだったかしら?」
純「うむ。久し振りに見たがやはり、楼杏の練兵は基本に沿っている。実に楼杏らしい堅実な練兵だったな。」
楼杏「何事も基本に沿う事が大切だからね。」
純「そうだな。」
純「それで、練兵してみての感想はどうだった?」
楼杏「ええ。純さんが鍛えただけあって、皆優秀な兵ばかりね。呑み込みも非常に早かったわ。」
純「そうか、それは良かった。」
すると
楼杏「ふふっ・・・。」
楼杏が突然笑ったのだった。
純「?どうした?」
楼杏「いえ、あなたとこうして二人っきりで話すのは久し振りだなって・・・。」
純「そういえば、そうだな。」
楼杏「始めて会った時から、あなたは武勇と軍才に優れていたわ。その時思ったの、いつかこの子は、大陸を轟かす強い将軍になれるってね。」
純「そうだったんだ。楼杏に言われるなんて、光栄の極みだよ。」
すると、楼杏は純の手を優しく握り、指を絡めた。
純「楼杏?」
楼杏「そして、あなたはいつも私の心を簡単に乱してしまう悪い御方・・・。」
そう言い絡めた指を更に強め、純の頬に手を添え
楼杏「んっ・・・。」
純に口付けをした。
純「えっと・・・楼杏?」
楼杏「好き・・・。」
すると、楼杏は純に告白した。その溢れた想いは、留まる事は出来ず、純を抱き締めた。
楼杏「あなたが好きなの、純さん。好きすぎて、苦しくて夜も眠れない。」
純「楼杏・・・。」
楼杏「正妻にしろだなんて言わない。序列は最後で良いの。だから・・・だから、私と恋仲になって下さいっ!!」
それを聞いた純は
楼杏「あっ・・・。」
楼杏を強く抱き締めた。
純「こんな武骨者だけど、良いんだね。」
楼杏「ええ。もうあなたしか考えられない。ああ・・・純さん・・・。」
そう言い、楼杏は純の胸板に顔を埋めた。そして、純は楼杏の顎に手を添え
純「楼杏・・・。」
楼杏「純さん・・・。」
楼杏も両手を純の頬に添え
純「んっ・・・。」
楼杏「んっ・・・。」
口付けをしたのだった。そして、その夜二人は一つになったのであった。