反董卓連合が解散してしばらくの時が過ぎたが、諸侯の小競り合いが続き、乱世は収まることはなかった。ただ、それで華琳達の日常が劇的に変わったかというと、特にそういうわけでもなかった。ただそれは、この先に起こる嵐の前の静けさでしかなかった。
そんなある日の事であった。
玉座の間
華琳「これでやりなさい。」
桂花「仰せの通りに。」
その日、華琳は桂花に指示をしていた。
その時
純「姉上。洛陽より董承の密使が、詔書を届けて参りました。」
純が入ってきて、詔書を華琳に渡した。
華琳「その密使はどうしたの?」
純「はは。どうやらかなり腹を空かせていたらしく、着くなり倒れたので、裏庭に運ばせて粥を食わせました。」
そう言い、純は華琳に詔書を渡した。
それを読んだ華琳は、少し顔色を変えた。そして、その詔書を桂花に渡して読ませた。
それを読んだ桂花も
桂花「っ!?・・・これは・・・!?」
驚きの表情を浮かべた。
純「桂花。何があったんだよ?教えてくれ。」
それを見た純は、そう桂花に尋ねた。
桂花は華琳を見ると
華琳「・・・。」
華琳は頷いた。
桂花「純様。私達が力を付けている間に、都で天地を揺るがす一大事が起きたのです。反董卓連合の後、天子と百官が賊の権力争いに翻弄され、洛陽は廃墟と化し、血が川の如く流れ、水や食糧も枯渇しました。天子は粗末な物を召し上がり、百官達の命も危うい。」
すると
華琳「要点を言いなさい。」
と華琳が桂花に言った。
桂花「はっ。今天子は、安集将軍董承の下決起し、賊と事を構えております。」
純「はぁっ!都の兵は脆弱な奴らじゃねーか!そんなの、ひと月と持たねーぞ。」
桂花「はい。純様の仰る通りで、このままじゃひと月と持たず、皆殺されます。そのため、董承はこの詔をお書きになり、諸侯に急ぎ助けを求められたのです。」
これに
華琳「このような好機、またとないわ。」
そう華琳は言った。
純「好機?姉上、どこが好機なのですか?俺にはさっぱり分かりません。」
桂花「つまりこうです。今から出兵し、天子をお助けすれば、天子は華琳様の手の中。しかる後は・・・」
華琳「天子の名の下諸侯に命じ、天下を我が手に!」
華琳は手を掲げ掴みながら言い
華琳「純。今すぐ兵の準備をしなさい!」
純にそう命令した。
純「はっ!それで姉上、その賊共は全て俺が斬り殺しても宜しいですか?」
華琳「ええ。好きになさい。」
それを聞いた純は、すぐに獰猛な笑みを浮かべ
純「御意!ではすぐに出陣の支度をして参ります!」
そう拱手して言い、その場を後にした。
そして、すぐに出陣した。
その他の諸侯にも勿論詔書が届き、袁紹は特に駆けつけたかったが、郭図に猛反対され決断できなかった。
袁術の方は、詔書を破り捨てるなどし助けに向かわなかったのだった(もっとも、その詔書を破り捨てたのは張勲だった。)
これを聞いた華琳は
華琳(麗羽・・・私より洛陽に近いはずなのに・・・。袁術も詔を受けないと。あの耳障りな高笑いのみが取り柄の愚かな一族ね・・・。)
華琳(麗羽・・・あなたのような馬鹿に、私の可愛い弟を渡せないわ・・・。)
と馬上でそう思っていたのであった。