純率いる20万の兵が、寿春へ向けて出陣した。その姿は、まさに官軍に相応しく威厳があり、勇壮な雰囲気を纏っていた。
純「・・・。」
純も、まさに護国大将軍という名に相応しい覇気を纏っていた。
霞「なあ惇ちゃん、妙ちゃん。」
春蘭「ん?」
秋蘭「何だ?」
霞「純、ホンマにかっこええなぁ・・・!」
それを見た霞は、春蘭と秋蘭にそう言った。
春蘭「当然だ。なんたって、『黄鬚』と呼ばれし我が軍いや、呂布を倒したから大陸最強の武人なんだぞ。」
秋蘭「ふっ・・・」
霞「せやなぁ・・・!何かこう・・・一緒にいるだけで力が湧いてくるっちゅうか・・・!目一杯頑張るでー!」
春蘭「ああ!」
秋蘭「そうだな・・・」
剛「哲、俺達も手柄を挙げてやるぞ!」
哲「当然だ・・・それが武人としての務めだ。」
楼杏「フフッ・・・剛さんと哲さんは相変わらずね。」
楼杏(私も頑張らないと・・・!)
凪(私も・・・!決して皆さんに遅れは取らぬ・・・!)
真桜「凪の奴、エラい気合入っとるな・・・」
沙和「そうなのー!沙和達も頑張らないと・・・!」
他の者も、気合の入った表情を浮かべた。
純「稟、風。此度の戦だが、全兵力を集中し、奴らの拠点寿春を攻め落としてやろうと思うんだが・・・」
稟「はい。それが良いかと。それこそ唯一の勝利かと。」
風「はい~。純様なら、必ず出来ますよ~!」
純「そうか・・・良し、一気に寿春まで行き、攻め落とすぞ!皆、存分に手柄を挙げよ!」
純は後ろを向きそう皆に鼓舞すると
「「「おおーっ!!!」」」
全ての兵士は皆拳を上げて答えた。そして、進軍速度が上がったのだった。
そして、純率いる20万の官軍は、寿春に到着し包囲した。
純「・・・。」
純は一人、天幕の中で悩んでる表情を浮かべていた。
その時
稟「純様。お呼びですか?」
風「・・・。」
稟と風が天幕の中に入ってきた。
純「稟。風。ここは俺達が討賊に王師を集める場所だな。」
稟「如何にも。」
風「そうですね~。」
純「もう五日が経った。姉上達の予想通り、誰一人として来なかった。」
稟「はい。曹操殿の予想通りでした。」
風「・・・。」
純「ああ。しかし予想外の者が現れた。そいつは数千の兵馬を率いて現れたんだ。」
稟「それは誰です?」
その問いに純は
純「劉備だ。」
そう答えた。
稟「ああ。忘れていましたが、劉備は漢の末裔です。あの者は悪事を許さぬ者です。袁術の愚行に腹を立てるのは道理かと。」
風「漢の末裔というのも、本当か分かりませんけどね~。」
純「正直に言おう。アイツは以前青州での戦の一件で俺の事を嫌っているから、来ねーと思っていてな。どうしたら良いと思う?教えてくれ。」
これに
稟「私は、劉備を殺すべきかと。」
稟はそう答えた。
純「何故だ?」
稟「劉備は我らとは対極の考えの持ち主です。この先我らとは相容れないでしょう。彼女の配下には二人の義妹の関羽と張飛という一騎当千の豪傑と、『臥龍』諸葛亮、『鳳雛』鳳統という軍師がおります。後の憂いを考えるなら、今のうちかと。」
純「成程・・・」
しかし
風「風は反対ですね~。」
風は反対した。
風「確かに劉備さんは純様とは対極の考えの持ち主であるため、将来の災いの種となりましょう。しかし、この袁術討伐は義をもって天下を治める為です。劉備の意見か分かりませんが、その義に応え出陣してきたのです。」
風「もし殺せば、この先味方する者がいなくなり、華琳様の覇道の二の足を踏む恐れがあります。」
風「風の考えは、今は殺さず生かしておいて、その後華琳様に相談すべきかと~。」
と風は純にそう進言した。
純「・・・そっか。分かった。二人とも、下がれ。」
稟「はっ。」
風「はい~。」
そして、稟と風は下がった。
純「・・・。」
一人になった純は、目を閉じ腕を組んで考えた。
純(稟の意見も風の意見も間違ってない。稟は殺すべきで、風は生かした後に考えるか・・・。)
純(この軍は袁術討伐という義を掲げている軍だ。風の言う通り、ここは生かしておくのが賢明か・・・)
純(俺には、アイツらの助言を参考に行動することしか出来ねー。姉上だったら、あの明晰な頭脳で何とかなるんだろうな・・・)
稟「あそこまでお悩みの純様は初めてですね・・・」
風「はい~。稟ちゃんがかつて仰った通り、純様は生まれながらの武人。武勇と軍才、将兵の統率力はまさに英雄の器です~。」
風「しかし、知恵が足りないのが純様の弱点。純様はそれを自覚しているからこそ、風達に意見を求めたのですよ~。」
稟「そうですね。けど、私達は二つの選択肢を示したのです。どれを選ぶかは、純様にお任せしましょう。そのいずれかを選んでも、私達は全身全霊でお支えしましょう。」
風「当然なのですよ~。」
そう言い、二人は純がいる天幕を振り返って見たのであった。