文官A「曹操様。袁紹の領地は広く、兵力も甚大。文官武将も多数おります。郭図、田豊など、誰もが知謀に長けています。顔良、文醜などといった勇将。これらを相手では、いくら曹彰様とて敵わぬかと。」
この文官の発言に
純「んだと!?テメー、もういっぺん言ってみろ!俺がやられると言ってんのか!!」
純は目を吊り上げて怒鳴った。
文官A「い、いえ・・・!私は・・・」
春蘭「そうだぞ!貴様、純様は『黄鬚』と呼ばれし大陸一の武人なのだぞ!そのお方が、袁紹如きに負けるとでも言うのか!」
しかし、それは純だけではなく、春蘭も目を吊り上げて怒鳴った。
すると
華琳「純。やめなさい。」
秋蘭「純様。姉者。」
栄華「お兄様。春蘭さん。」」
純「っ!けどさ・・・!」
華琳「純。」
純「・・・はっ。」
華琳達が止めたため、純と春蘭は大人しくなった。
秋蘭「純様。あの者も悪気があって発言したのではございませぬ。」
栄華「そうですわ。だから、堪えて下さいまし、お兄様。」
純「・・・わーったよ。おい。」
文官A「は、はい⁉︎」
純「悪かったな。」
文官A「い、いえ・・・」
秋蘭「姉者もだ。」
春蘭「・・・うむ。」
その様子を司馬懿は
司馬懿(ふむ・・・相変わらず曹彰様は直情というか・・・気性が激しいというか・・・。しかし、戦における力は確かなものなんだよな・・・)
そう思いながら見ていたのだった。
華琳「・・・ふぅ。さあ、それでどうすれば良いと?」
文官A「は、はっ。故に、袁紹とは戦わずに和睦すべきかと。」
そう言い、文官は下がった。
すると
稟「ふっ・・・何と浅はかな考えか。」
稟が鼻で笑いながらそう言った。
華琳「郭嘉。意見があるなら言いなさい。」
稟「はっ。」
華琳の言葉に、稟は前に出て
稟「曹操殿。今の意見は、まさに腐れ儒者の発想です。私が見るに、明らかに袁紹の十敗、純様の十勝でしょう。」
そう発言した。
文官A「ほお、詳しく聞きたいのう?」
稟「袁紹は儀礼を好むが、純様は自然体を好まれる。これ、『道』の勝ち。」
稟「袁紹は逆賊。純様は忠臣。これ、『義』の勝ち。」
稟「袁紹は甘く、純様は厳格。これ、『治』の勝ち。」
稟「袁紹は人を疑い、親戚を重用。純様は明察鋭く、実力を重視。これ、『度』の勝ち。」
稟「袁紹は優柔不断で、純様は即断実行。これ、『謀』の勝ち。」
稟「袁紹は虚名を好み、純様は誠実に接する。これ、『徳』の勝ち。」
稟「袁紹は遠近ともに疎か。純様は隅々にまで目を配る。これ、『仁』の勝ち。」
稟「袁紹は虚言を信じるが、純様は真を信じる。これ、『明』の勝ち。」
稟「袁紹は是非が混同するが、純様は法で裁く。これ、『文』の勝ち。」
稟「袁紹は数頼みで、兵法に疎いが、純様は自らの手足の如く兵を操る。これ、『武』の勝ち。」
稟「これにて、袁紹の十敗、純様の十勝となります。戦が始まる前から、勝敗は決したも同然です!」
そう言い、稟は下がった。
純「稟。それは褒めすぎだぞ。」
全て聞いていた純は、謙遜しながら言った。
稟「そうでしょうか。自身を客観的に見て、苦手な事を配下に任せるというのも、一つの才覚では無いでしょうか?」
これに、稟はいつも通りの怜悧な顔で答えた。
華琳「もう良いわ。戦か和睦か、議論はここまでだわ。純、軍を整え、いつでも出陣できるようにしなさい。」
純「はっ!」
華琳「それと、桂花。すぐに百官達を参内させなさい。」
桂花「御意!」
華琳「純。あなたも参加しなさい。」
純「え。俺もですか?」
華琳「ええ。全将兵を率いているのはあなたよ。あなたの言葉で、百官達を和睦から抗戦に変えなさい。」
これに、純は
純「御意!」
気合の入った表情を浮かべ、拱手した。
それを見た華琳は、柔らかい笑みを浮かべたのであった。