恋姫無双〜黄鬚伝〜(リメイク)   作:ホークス馬鹿

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59話です。


59話

許都

 

 

 

 

曹軍兵士A「申し上げます。」

 

華琳「何かしら?」

 

曹軍兵士A「曹彰様と袁紹が官渡にてぶつかりました。」

 

この報告を聞き、華琳は兵から書状を取り読んだ。

 

桂花「下がりなさい。」

 

曹軍兵士A「はっ。」

 

それを見た桂花は、兵に下がるよう言った。

 

華琳「フフッ・・・」

 

すると、突然華琳が笑い始めた。

 

栄華「お姉様。如何なさいましたか?」

 

燈「華琳様?」

 

これに、周りの者は気になって尋ねた。

 

華琳「純が、郭嘉の策に従って実行したら、麗羽が見事引っかかったらしいわ。」

 

そう言い、華琳は純が稟の策に従った偽の会談を言った。

 

燈「成程・・・」

 

栄華「お兄様の演技に騙されるなんて・・・やはり袁紹は馬鹿ですわね、お姉様。」

 

これに、燈と栄華は笑った。

 

華琳「しかし、これからどうなるか分からないわ。劉備達も、あれから行方知れず。」

 

華琳「どこに行ったかも分からないわ。」

 

桂花「恐らくですが華琳様。劉備の一行は、荊州か益州辺りに行ったのでは?」

 

華琳「成程。確かにそこしか・・・。では、その近場辺りを調べておきなさい。」

 

桂花「御意。」

 

 

 

 

 

 

 

官渡

 

 

 

 

 

 

 

「「「ギャー!!!」」」

 

「「「う、うわああああっ!!!」」」

 

「「「うおおおっ!!!」」」

 

官渡では、純率いる曹彰軍と袁紹率いる袁紹軍と激しい戦を繰り広げていた。

 

文醜「くぅぅぅっ!!なんて強さだ!!数ではこっちが上だってのに!!」

 

顔良「曹彰さんが自ら手塩にかけて育てた将兵なんだもの!!その中でも彼らは精鋭を選んだんだから、強いのは当然だよー!!」

 

これには、袁紹軍の二枚看板はそう言いながら何とか対応していた。

そんな中、袁紹軍の後方にて再び現れた春蘭と霞率いる鉄騎四万の兵が

 

春蘭「突撃だー!!」

 

霞「行くでー!!目の前の敵全て斬り殺すんやー!!」

 

一斉に突撃をした。

これには

 

袁紹軍武将A「お、おい!!また曹彰軍の鉄騎が現れたぞ!!」

 

袁紹軍武将B「お、おい!!あれは曹操の大剣、夏侯惇じゃないか!!」

 

袁紹軍武将C「こっちは張遼だ!!張遼が来たぞー!!」

 

春蘭「フンッ!はあああっ!!」

 

袁紹軍兵士「「「ギャアアアッ!!」」」

 

霞「はあああっ!!うりゃあああっ!!」

 

袁紹軍兵士「「「うわあああっ!!」」」

 

袁紹軍は更に混乱に陥れ、乱れに乱れきった。

そして、戦線を維持する事が出来ず、袁紹軍は退却をした。

これを見た

 

秋蘭「ここまで順調に進めたか。皆、一気に攻めあげろ!敵を恐怖に陥れるのだ!」

 

そう指示を下した。

 

春蘭「行くぞ!!奴らを斬り捨てろ!!」

 

霞「行くでー!!全ての敵兵を斬り捨てるつもりで行くんやー!!」

 

楼杏「私も、参加させるわ!」

 

凪「行くぞ!真桜!沙和!」

 

真桜「おう!」

 

沙和「なのー!」

 

剛「遅れを取るなー!!」

 

哲「行くぞー!!」

 

これに、皆は更に袁紹軍への攻撃を増した。

この戦は、曹彰軍の兵士一人が十人の敵を同時に戦い勝つという非常識な出来事が起きており、これにより袁紹軍の兵は四割程失うという大敗を喫し、士気も大いに下がったのだった。

 

 

 

 

 

 

袁紹軍本営

 

 

 

 

 

袁紹「きーっ!!誇り高き袁家が、敵に背を向けて逃げるとは!!」

 

初戦の大敗に、袁紹は悔しさのあまり癇癪を起こしていた。

 

郭図「袁紹様。此度の策、恐らく曹彰の考えではございませぬ。」

 

袁紹「・・・それは誰ですの?」

 

郭図「恐らく、曹彰の懐刀である郭嘉だと思われます。」

 

袁紹「郭嘉?」

 

郭図「はい。あの者は曹彰陣営でも中々のキレ者であり、その知略と敵味方問わず冷徹に振舞う姿から、『鉄の軍師』と恐れられております。」

 

これに

 

袁紹「許せませんわ!郭嘉と申す者は、なんてあくどい者なのですの!正面から堂々と戦いに挑めば、私には敵いませんわ!」

 

袁紹「だから、奸計を純さんに授け騙したのですわ!純さんは強く優しく素直な方!だから、このような策を!」

 

袁紹は怒りに震えながら言った。

 

 

 

 

曹彰軍本営

 

 

 

 

春蘭「純様!此度の戦で、数多の武具などを奪い取りました!」

 

霞「袁紹は本営に戻ったきり、守りを固めて首を引っ込めて戦意を失ってるようやったで!」

 

秋蘭「負傷兵は二万。死者は七千程です。」

 

楼杏「まさに大勝です。」

 

純「・・・そうか。」

 

春蘭「純様!この勢いで攻め続ければ、冀州はおろか、河北四州全て平定出来ます!」

 

霞「ウチも惇ちゃんに賛成や!今一気に攻めれば、河北四州取れるで!」

 

これに、春蘭と霞は一気に攻めるべきと言った。

しかし

 

純「・・・。」

 

純はいつものように攻めるとは言わず、らしくなく悩みの表情を浮かべていた。

これには理由があった。

 

純「確かに俺達は大勝した。俺もこの勢いで一気に攻めたい。けど、依然として俺達の軍が劣勢だ。」

 

純「麗羽には、まだ40万程の兵馬がいる。いくら俺達の兵馬が精鋭でも、数の暴力には敵わねー。」

 

純「それに、青州、幽州、并州などから、兵馬兵糧の調達が可能。麗羽は確かに姉上と比べたらアレかもしんねーが、完全に頭が悪いわけじゃねー。次の戦、苦しくなるかもしんねーな。」

 

純「それだけじゃねー。兵糧が残り僅かなんだ。」

 

これには

 

春・霞「「っ!!?」」

 

春蘭と霞は目を見開き

 

楼杏「・・・。」

 

楼杏は察していたのか目を閉じ

 

秋蘭「・・・どのくらいしかありませんか?」

 

秋蘭は楼杏同様、やはりといった表情を浮かべながらそう尋ねた。

 

純「・・・持って五日分だ。」

 

これに

 

春蘭「そんな・・・」

 

霞「クッソー!あの時董承が変な駐留しなけりゃんな事にならんかったのに!」

 

春蘭と霞はそれぞれそう言った。

 

楼杏「純さん。どうするつもりなの?」

 

楼杏の問いに

 

純「・・・本心を言うと撤退してー。けど、今撤退するのは惜しい。」

 

純は素直に答え

 

純「・・・お前らは下がれ。それと、稟と風をここに呼んでくれ。」

 

と言い、下がらせた。

暫くして

 

稟・風「「拝謁致します。」」

 

稟と風が入ってきた。

 

純「お前達に相談なんだが・・・」

 

それを見た純は、そう話をしようとしたら

 

稟「兵糧の件ですか?」

 

と稟に言われ

 

純「ははっ。流石は稟だな。よく分かったな。」

 

純は苦笑いを浮かべた。

 

稟「純様と常に共にあったのです。悩みを感じ当然です。」

 

風「風も同様ですよ~。」

 

純「・・・そうか。でだ。兵糧はほぼ底をついた。これ以上は長く戦えねー。」

 

純「もしこの事を麗羽に察知されたら、長期戦に持ち込まれ俺達は不利になる。けど、今撤退するのは惜しい。またとない機会を自ら手放し、麗羽に立て直す機会を与えちまう。」

 

そう、純は二人に言った。

 

風「・・・。」

 

これに風は、飴を舐めながら聞いており

 

稟(成程・・・純様は恐らく、撤退をお考えだ。)

 

稟は、純の心の内を察した。その上で

 

稟「純様。私は、撤退には反対です。」

 

と言った。

 

稟「確かに袁紹は大敗しました。けれど、河北四つの州の豊かな土地を有し、多くの田畑は尽きる事無い兵糧と兵馬を送り出せる事が出来るのです。」

 

稟「時は袁紹に利があります。されど、戦局は純様に利があります。この機を逃さず再び戦うのです。」

 

稟「今この時、最も恐ろしいのは兵糧が尽きる事ではありません。」

 

純「・・・何だ。」

 

稟「純様。あなた様が悩まれる事です。」

 

純「俺?」

 

稟「大勝しながら憂いておられます。敗北を恐れていては、勝利は得られませぬ!」

 

稟「いつものように、皆を奮い立たせるのです!」

 

稟の叱咤激励に

 

純「・・・。」

 

純は目を閉じながら頷き聞いていた。

そして

 

純「・・・ここまで考えてくれる大切な仲間がいるにもかかわらず、俺は何を迷ってんだよ。」

 

と呟き

 

稟「では・・・」

 

純「全軍に伝えろ!武具を整え、戦に備えろ!」

 

純「もし退くという者がいたら、軍法に裁け!」

 

覇気を溢れさせながらそう稟に言った。

 

稟「御意!」

 

純「風は何か言いてー事あるか?」

 

これに風は

 

風「軍師というのは主の心が定まらぬ時に助言をするのが責務です。」

 

風「それに、全て稟ちゃんが言ってくれました。風も同じ考えです。申し上げる事は何もございません。」

 

そう飴を持ちながら拱手した。

 

純「・・・分かった。」

 

そして、純は軍を整え、再戦の準備をしたのであった。

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