恋姫無双〜黄鬚伝〜(リメイク)   作:ホークス馬鹿

75 / 149
遅れながら、今年も宜しくお願いします。

ちょっと幕間かな・・・?

前作と内容一緒ですが・・・。


秋蘭と夜に響く旋律

純の部屋

 

 

 

 

純「・・・ん、何だ?」

 

深夜、どこから聞こえてくる旋律に純は目を覚ました。純は身体を起こし、その耳を澄ましてみた。

 

純「この音色・・・笛か。」

 

純(音色から察するに、姉上ではない。多分アイツだな・・・。)

 

そう思った純は

 

純「折角だし、行ってみるか。」

 

廊下を出て、笛の主を探したのだった。

城を出て、中庭を歩いた。空を見上げると、無数の星と美しい月が煌めいていた。部屋にいた時よりも、笛の音色は大きくなっている。

 

純「どこだ・・・?」

 

寝静まった城内を見渡しても、まだその主は見えない。どうやら、音は風に乗って流れてきていた。

純は指を湿らせて天に掲げた。緩やかな風が、南東に向けて吹いていた。

 

純「・・・裏庭か。」

 

そして、純は裏庭に足を運んだ。城内の林道を抜けて、裏庭へと出る。すると、それは正解だったらしく、笛の音は徐々に大きくなっていった。

 

純「この辺りの筈なんだが・・・」

 

純は月明かりを頼りに、辺りを見渡した。そしたら

 

純「・・・やっぱり、秋蘭だったか。」

 

秋蘭が、東屋の屋根の上で横笛を吹いていた。すると、静かに笛の音が止み、東屋の屋根の上に上っていた秋蘭が、純の方を見下ろした。

 

秋蘭「純様・・・何故ここに?まさかとは思いますが、散歩ですか?」

 

純「お前の笛の音が風で流れてきたんだ。それを辿ってここまで来たんだよ。」

 

秋蘭「それは申し訳ございません。起こしてしまいましたか・・・ここなら城までは届かないと思っていたのですが。」

 

純「気にすんな。恐らく俺以外他の連中は気付いてねーよ。」

 

秋蘭「そうですか。それなら良かったです。」

 

そう言って、秋蘭はホッと胸をなで下ろした。その曲線が、月の光を受けて更に艶やかに感じられた。

 

純「秋蘭、俺もそっち行って良いか?」

 

秋蘭「はい、構いませんよ。」

 

そう言って、秋蘭は承諾した。それを聞いた純は、ひょいと屋根の上に上った。吹き抜ける風が非常に気持ちよかった。

そんなに高い場所に上った訳でもないのに、月が先程よりも大きく綺麗に見えた。

 

純「秋蘭の笛を聴くのは久し振りだな。」

 

秋蘭「私も笛を吹くのは久し振りです。しかし、華琳様と比べたら楽の才は劣りますよ。」

 

そう言って、秋蘭は謙遜したが

 

純「そんな事ねーよ。お前の笛も、中々心が安らぐぞ。綺麗な音色だし。」

 

と純は秋蘭の笛を褒め称えた。

 

秋蘭「ふふっ・・・ありがとうございます。」

 

そう言って、秋蘭は頭を純の肩に乗せた。それに純は、秋蘭の頭を抱いた。

 

純「それに曲も・・・この地域に伝わる伝統的な舞踊曲だよな。」

 

秋蘭「はい。以前たまたまその舞踊を目にする事がありまして、その音を記憶し、再現したのです。」

 

純「成程・・・俺には無理だがな。」

 

秋蘭「純様は楽は好まなかったですからね。」

 

純「よく父上に叱られていたがな。しかし、俺の性に合わん。」

 

秋蘭「純様らしいですね。」

 

そう言って、秋蘭は口元を抑えて笑った。

 

秋蘭「・・・さて、もう遅いです。そろそろ城に戻るとしましょう。」

 

そう言って純の肩から頭を起こし、立ち上がろうとしたが

 

純「おいおい、待ってくれ。もう少しお前の笛を聴かせろよ。」

 

と言い、純は秋蘭の手を掴んだ。

 

秋蘭「し、しかし純様・・・」

 

そう言って秋蘭は断ろうとした。

 

純「折角ここまで来たんだ。一曲だけでも頼むよ。」

 

秋蘭「しかし・・・」

 

純「ダメ・・・かな・・・?」

 

しかし、純の上目遣いに

 

秋蘭「・・・わ、分かりました///」

 

秋蘭は顔を真っ赤にしながらそう言い、再び笛を吹いた。静かに旋律は流れ、穏やかな笛の音に、純は耳を傾けた。

 

純(不思議な曲だな・・・。)

 

その曲自体は明るいのだが、どこか胸を締め付けられるような切なさが感じられた。そう思わせるほど、秋蘭の奏でる音には、美しく澄んだ透明感があった。柔らかな月明かりを受けながら、秋蘭は旋律を奏でていった。

秋蘭は曲を吹き終えると、ゆっくりと笛から唇を離した。照れているのか、彼女は純から目線を逸らしていた。

 

秋蘭「ど・・・どうでしょうか?」

 

純「スゲー良かったぞ。感動した。」

 

それを聞いて

 

秋蘭「そ、そうですか・・・!それは良かったです!」

 

秋蘭は照れながらも嬉しそうな笑みで言い、また純の肩に頭を乗せた。

 

純「秋蘭・・・。」

 

そして、お互いに口付けをし、抱き締め合ったのだった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。