ちょっと幕間かな・・・?
前作と内容一緒ですが・・・。
純の部屋
純「・・・ん、何だ?」
深夜、どこから聞こえてくる旋律に純は目を覚ました。純は身体を起こし、その耳を澄ましてみた。
純「この音色・・・笛か。」
純(音色から察するに、姉上ではない。多分アイツだな・・・。)
そう思った純は
純「折角だし、行ってみるか。」
廊下を出て、笛の主を探したのだった。
城を出て、中庭を歩いた。空を見上げると、無数の星と美しい月が煌めいていた。部屋にいた時よりも、笛の音色は大きくなっている。
純「どこだ・・・?」
寝静まった城内を見渡しても、まだその主は見えない。どうやら、音は風に乗って流れてきていた。
純は指を湿らせて天に掲げた。緩やかな風が、南東に向けて吹いていた。
純「・・・裏庭か。」
そして、純は裏庭に足を運んだ。城内の林道を抜けて、裏庭へと出る。すると、それは正解だったらしく、笛の音は徐々に大きくなっていった。
純「この辺りの筈なんだが・・・」
純は月明かりを頼りに、辺りを見渡した。そしたら
純「・・・やっぱり、秋蘭だったか。」
秋蘭が、東屋の屋根の上で横笛を吹いていた。すると、静かに笛の音が止み、東屋の屋根の上に上っていた秋蘭が、純の方を見下ろした。
秋蘭「純様・・・何故ここに?まさかとは思いますが、散歩ですか?」
純「お前の笛の音が風で流れてきたんだ。それを辿ってここまで来たんだよ。」
秋蘭「それは申し訳ございません。起こしてしまいましたか・・・ここなら城までは届かないと思っていたのですが。」
純「気にすんな。恐らく俺以外他の連中は気付いてねーよ。」
秋蘭「そうですか。それなら良かったです。」
そう言って、秋蘭はホッと胸をなで下ろした。その曲線が、月の光を受けて更に艶やかに感じられた。
純「秋蘭、俺もそっち行って良いか?」
秋蘭「はい、構いませんよ。」
そう言って、秋蘭は承諾した。それを聞いた純は、ひょいと屋根の上に上った。吹き抜ける風が非常に気持ちよかった。
そんなに高い場所に上った訳でもないのに、月が先程よりも大きく綺麗に見えた。
純「秋蘭の笛を聴くのは久し振りだな。」
秋蘭「私も笛を吹くのは久し振りです。しかし、華琳様と比べたら楽の才は劣りますよ。」
そう言って、秋蘭は謙遜したが
純「そんな事ねーよ。お前の笛も、中々心が安らぐぞ。綺麗な音色だし。」
と純は秋蘭の笛を褒め称えた。
秋蘭「ふふっ・・・ありがとうございます。」
そう言って、秋蘭は頭を純の肩に乗せた。それに純は、秋蘭の頭を抱いた。
純「それに曲も・・・この地域に伝わる伝統的な舞踊曲だよな。」
秋蘭「はい。以前たまたまその舞踊を目にする事がありまして、その音を記憶し、再現したのです。」
純「成程・・・俺には無理だがな。」
秋蘭「純様は楽は好まなかったですからね。」
純「よく父上に叱られていたがな。しかし、俺の性に合わん。」
秋蘭「純様らしいですね。」
そう言って、秋蘭は口元を抑えて笑った。
秋蘭「・・・さて、もう遅いです。そろそろ城に戻るとしましょう。」
そう言って純の肩から頭を起こし、立ち上がろうとしたが
純「おいおい、待ってくれ。もう少しお前の笛を聴かせろよ。」
と言い、純は秋蘭の手を掴んだ。
秋蘭「し、しかし純様・・・」
そう言って秋蘭は断ろうとした。
純「折角ここまで来たんだ。一曲だけでも頼むよ。」
秋蘭「しかし・・・」
純「ダメ・・・かな・・・?」
しかし、純の上目遣いに
秋蘭「・・・わ、分かりました///」
秋蘭は顔を真っ赤にしながらそう言い、再び笛を吹いた。静かに旋律は流れ、穏やかな笛の音に、純は耳を傾けた。
純(不思議な曲だな・・・。)
その曲自体は明るいのだが、どこか胸を締め付けられるような切なさが感じられた。そう思わせるほど、秋蘭の奏でる音には、美しく澄んだ透明感があった。柔らかな月明かりを受けながら、秋蘭は旋律を奏でていった。
秋蘭は曲を吹き終えると、ゆっくりと笛から唇を離した。照れているのか、彼女は純から目線を逸らしていた。
秋蘭「ど・・・どうでしょうか?」
純「スゲー良かったぞ。感動した。」
それを聞いて
秋蘭「そ、そうですか・・・!それは良かったです!」
秋蘭は照れながらも嬉しそうな笑みで言い、また純の肩に頭を乗せた。
純「秋蘭・・・。」
そして、お互いに口付けをし、抱き締め合ったのだった。