劉備が益州を平定した事はすぐ許都にも届いた。
華琳「そう・・・劉備が益州をね・・・」
桂花「諸葛亮の策により、益州を平定した劉備は、益州を治めていた劉璋を偽の降伏勧告で騙し首を刎ね、支配下に置きました。」
司馬懿「その行為に反発した益州の民と、一部の武将達が劉備らに反旗を翻し反乱を起こしましたが鎮圧され、大勢の民が処刑されました。」
華琳「そう・・・これが仁徳・劉備の真の姿ってとこかしら?」
司馬懿「曹操様。劉備はわれら官軍に刃を向けただけでなく、先帝に益州を託された劉璋を騙し討ちしました。」
司馬懿「これは良い大義名分です。朝廷に弓引く者として、今すぐ劉備を討ち、益州を平定しましょう。」
華琳「・・・そうね。けど、河北四州全てを平定したばかりの現状の我らは地盤固めの最中。今兵を動かしては、固めてる地盤が崩れてしまうわ。」
司馬懿「確かに・・・」
桂花「それだけじゃありません。もし我らが益州に完全に目を向けたら、これを機に江東の孫策らが北進し、この許都を襲う危険性があります。」
華琳「そうね・・・軽はずみに攻めては私の覇道も露と消えるわ。」
桂花「ここはどう動くか、見極めましょう。そして、それと同時に純様に兵馬を鍛錬させ、いつでも出陣できるように致しましょう。」
華琳「分かったわ。純にも、準備させるよう言っておくわ。」
桂花「御意。」
司馬懿「御意。」
そして、華琳は地盤固めと同時に劉備の動きの見極めと、純に兵馬の鍛錬といつでも出陣できるように心構えをするよう言ったのだった。
それから数日後、益州にて反乱を起こした厳顔と共に戦った魏延と黄忠が華琳達の前に現れた。
黄忠曰く
黄忠「劉備は、益州の主劉璋殿を卑劣な策で殺しました。最初、私はここにいる魏延と共に劉備の下で益州平定に尽力致しました。劉璋殿が民を蔑ろにする暴君であると聞き、必死に戦いました。」
黄忠「しかし、劉璋殿はそのような事をするお方ではなく、寧ろ民を思う心優しいお方だとお聞きしました。現に、益州の民は皆歓迎していなかった。」
黄忠「故に、仲間と共に立ち上がって反乱を起こしたが力及ばず、ここにいる魏延と共に逃げて参りました。」
華琳「それで、貴方達二人はこれからどうしたいの?」
それを聞き
魏延「私は劉璋殿と反逆者として処刑されたききょ・・・厳顔様と仲間の仇を取りたい!そして、曹操殿が目指す泰平の世を作るための手助けをしたいです!」
黄忠「私も同意見ですわ!是非とも、お力添えを!」
魏延と黄忠は拱手して必死に言った。
華琳「分かったわ。あなた達の言葉、受け取ったわ。これからは、私の覇道のため、力を貸して頂戴。」
そう言い、その後互いに真名を交換した。
益州・成都
諸葛亮「桃香様。お呼びですか?」
劉備「うん。座って、朱里ちゃん。」
諸葛亮「ありがとうございます。」
劉備「朱里ちゃん。私達は益州を平定したけど、悪い人達を倒して、皆が笑って暮らせる世を作れるのかな?」
諸葛亮「桃香様、そう嘆かれないで下さい。事を急いては、大業を成し遂げられません。お志も高く、配下には千以上の良将を抱え、百万近い兵馬。曹彰さんが攻めてきても、返り討ちに出来ます。」
劉備「朱里ちゃん。曹操さんと曹彰さんは私達と違い、力で武力で平和な世を築こうとしているよね。」
劉備「けど、それじゃあいつまで経っても皆が望む平和な世を築けないと思うんだ。二人の姿勢は、乱世を深めるだけだし。」
劉備「だからね、今すぐ北進し曹操さんと曹彰さんを倒し、天子様をお救いして大業を成し遂げたいと思う。」
劉備「私達は益州を平定したばかりで士気も高い。けど、曹操さんは曹彰さんに河北四州全てを平定させたから疲れているはず。今から攻めれば、例え曹彰さんでも容易く倒せると思うんだ。」
これを聞き
諸葛亮「素晴らしいです!!そこまでお考えとは、敬服致しました!!」
諸葛亮は扇を持って拱手した。
諸葛亮「しかし、そうなれば戦の最大の鍵は、兵糧と武器です。それで、色々分析したところ、各郡県で六割の税を徴収し、三人に一人を徴兵します。」
諸葛亮「そうすれば、新たに25万前後の兵と、150万石の兵糧を確保できます。」
これを聞いた劉備は
劉備「凄い!!これで大業を成し遂げられる!!」
大喜びして立ち上がって諸葛亮の手を取った。
諸葛亮「しかし・・・桃香様。愛紗さんと雛里ちゃんは六割の徴税及び三人に一人の徴兵には反対しております。」
諸葛亮「もしこれを続けたら、民の負担は重くなるとの事です。」
これに
劉備「大丈夫。皆きっと分かってくれるよ。残ってる民は、皆私の理想に共感してる人達だから。」
劉備は笑顔で答えた。
諸葛亮「分かりました。早速、準備に取りかかります。」
そう言い、諸葛亮はその場を後にした。
鳳統「愛紗さん!桃香様が、六割の徴税と三人に一人の徴兵に同意なさいました!」
この知らせに
関羽「何だと!」
関羽は驚きを隠せなかった。
鳳統「未だに益州内で私達に反発する者が燻っており、内側は安定しておりません。もう一度、桃香様を諫めましょう!」
鳳統は言うが
関羽「もう既に二度はお諫めしたのだ。けど、今回命を下されたという事は、桃香様と朱里の北進の決意が固い証拠だ。私とお前が、二度諫めたらまだしも、三度目は許されぬ。」
関羽「私達が取るべき道はただ一つ。桃香様を全力でお支えするのみだ。それ以外に道はない。」
関羽はそう言うしかなかった。
鳳統「・・・はい。」
関羽(雛里・・・私達が訴えてももう無駄だ。桃香様は最早現実と理想の区別が全くついておらぬ。どんなに諫めても、頑固なあのお方は耳を貸さぬだろう・・・)
そう、関羽は雛里を見ながら心の中でそう呟いたのであった。