諸葛亮の耿紀を利用して内乱を起こし、その隙に乗じて攻めるという作戦は失敗に終わった。
それを聞いた諸葛亮は
諸葛亮「そうですか・・・全く使えませんね・・・」
ただただ冷たい目をしてそう述べただけだった。
しかし、諸葛亮はこれを上手く利用しようと考え、彼らの葬儀を行った。
そして、葬儀が始まり、皆が白装束を着ていると
関羽「桃香様!!」
張飛「お姉ちゃん!!」
劉備も白装束を着て現れた。
しかし、その途中躓いてしまい転び掛け、関羽と張飛に肩を抱かれたが
劉備「寄らないで!助けなんて無くても立てるよ!」
と言い、墓前に近付いて跪き
劉備「耿紀さん・・・金褘さん・・・韋晃さん」
と涙を流して耿紀と金褘、そして韋晃の名を言った。
劉備「ご無念でしたでしょう・・・漢の忠臣でありながら・・・このような目に・・・」
劉備「ごめんなさい・・・私が・・・もっとしっかりしてれば・・・あなた達が死ぬ事は無かったのに・・・」
そう、泣きじゃくって言っていた。
すると
諸葛亮「桃香様・・・この気高き誠の忠臣を殺した曹操さんと曹彰さんを生かしてはおけません!」
諸葛亮「桃香様のご命令あれば、曹操さんと曹彰さんを討ち取り、天子様をお救いし、漢の再興を致しましょう!!」
諸葛亮が羽扇を手に拱手し、涙を流して言った。
それを聞いた劉備は
劉備「朱里ちゃん・・・」
諸葛亮の手を取り、共に涙を流した。
鳳統「お気を確かに。桃香様、まずはご自愛下さい。」
鳳統の言葉に
劉備「これが悲しまずにはいられないよ・・・」
劉備「この人達は・・・国賊の曹操さん相手に果敢に挑み、死んじゃったんだよ。私の胸は、張り裂けんばかりだよ・・・」
劉備は姿勢を崩して泣くばかり。
諸葛亮「桃香様。この忠義溢れる者達の仇をお取り下さい!」
すると
劉備「この仇・・・必ず討つよ。曹操さん達は・・・絶対に許せない!!」
劉備はゆらりと立ち上がり
劉備「曹操さんは・・・力を使ってこの大陸を混乱と苦しみの世を作ろうとしている・・・私はそれを止め、皆が笑って過ごせる世の中を作りたいと思った。」
劉備「けど曹操さんは弟の曹彰さんと一緒に武力で勢力を拡大し、忠義溢れる者達を殺した・・・」
劉備「あの人達は・・・この国にとってまさに心臓に相応しい人達の命を奪い、民を苦しめている!!」
劉備「必ず・・・その人達を滅ぼし、天子様と民を救ってみせる!!」
そう強く述べ
劉備「秦宓さん!!」
秦宓「劉備様・・・」
秦宓を呼び
劉備「すぐに・・・曹操さんと曹彰さんを討つ檄文を書いて!!」
檄文の執筆を命じた。
しかし
秦宓「劉備様、どうかお考え直し下さい!!」
秦宓は床に額を付けるほど頭を下げてそう言った。
劉備「秦宓さん・・・私に逆らうの?」
秦宓「劉備様。確かに曹操は、耿紀殿達漢の臣下を討ちました!」
秦宓「しかし、曹操は民の為の政を行い、その弟曹彰は民の為に立ち塞がる敵を斬り殺しております!!」
秦宓「此度の騒動は、決して己の欲望の為に耿紀殿達を討ったわけではありません!!」
秦宓「確かに劉備様とはやり方は違います!しかし、あの人達も劉備様と同じく真にこの大陸の為、民の為に動いておられるのです!!決して民を苦しめておりません!!」
秦宓「この大陸の為、今一度曹操ともう一度話し合い、劉備様の理想をお築き下さい!!」
そう、秦宓は必死に諫めた。
劉備「またその話・・・何度も言わせないで!!あの人達は力で大陸を統一しようとしているの!皆が手を繋げば良いのに、それを放棄してるの!!」
劉備「その人達を止める為に行動するんだよ!!仇も討たなければいけない!!」
劉備「もう決めた事なの!!二度と反対しないで!!」
そう、劉備は秦宓に言うが
秦宓「劉備様!曹操と曹彰の姉弟は固い絆で結ばれており、とりわけ曹彰は『黄鬚』と謳われし大陸きっての武勇と軍才に溢れし名将!曹彰の下、将兵達の人望も厚く結束力も固い!その武勇と軍才、そして将兵との固い絆で、袁紹率いる70万の大軍を退けました!!」
秦宓「軽挙妄動を起こせば、袁紹と同じ轍を踏みます!!」
秦宓は怯まず必死に諫言した。
しかし
劉備「ねえ誰か。この人の首を刎ねて!!」
劉備には届かず、秦宓の首を刎ねるよう命じた。
秦宓「劉備様!私は死んでも悔いはありません!!」
秦宓「されど、それじゃあこの大陸の混乱は収まりませぬ!!劉備様!!」
兵に引っ張られながらも、秦宓は諫め続けた。
これには、周りも動揺し
関羽「桃香様!!秦宓は口が過ぎましたが、全ては桃香様をご心配しての事です!!」
張飛「お姉ちゃん!やめるのだ!!こんなの、お姉ちゃんじゃないのだ!!」
関羽は跪き拱手して止め、張飛は必死の表情でそう言ったが
劉備「愛紗ちゃん!!鈴々ちゃん!!二度とあんな人を庇い立てしないで!!あんなの、私達の仲間じゃない!!」
劉備は怒りの声を上げて関羽と張飛に怒鳴った。
すると
鳳統「桃香様。秦宓さんの死罪は何卒ご容赦を!私が檄文をご用意致します!!」
鳳統は跪いてそう劉備に言った。
劉備「・・・雛里ちゃんに手間は取らせたくない・・・私が書くよ。」
諸葛亮「桃香様。秦宓は、如何致しましょう?」
劉備「取り敢えず殺さない。ひとまず投獄しておいて。」
諸葛亮「御意!では、曹操さんと曹彰さんの討伐が成功した暁には、あの二人の首と一緒に仲良く焼き尽くしてあげましょう。」
劉備「うん。流石朱里ちゃん。」
諸葛亮「ありがたきお言葉。」
劉備「良い皆・・・今回の北伐に反対する人がいたら・・・全て私の敵だからね!」
そして、劉備は皆を指差してそう言い
「「「承知致しました。」」」
劉備はその場を後にし、それに諸葛亮も続いた。
関羽「・・・。」
張飛「お姉ちゃん・・・」
この時、関羽は目を閉じ、眉間に皺を寄せながら苦悩の表情を浮かべ、張飛は悲しい表情を浮かべていたのであった。