恋姫無双〜黄鬚伝〜(リメイク)   作:ホークス馬鹿

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8話です。


8話

城下の下を走り回る完全武装の兵士達。束ねられた槍は薪のように積み上げられ、その隣には槍束を二回り小さくした束が更に大きな山を築いていた。

それは、弓隊が使う矢であり、その他にも糧食やその他備品まであった。

 

秋蘭「純様。装備品と兵の数、全て滞りなく済みました。」

 

純「分かった。春蘭、糧食の最終点検の帳簿を受け取ってこい。」

 

春蘭「はい。栄華の所で良いんでしたっけ?」

 

秋蘭「姉者。栄華は商人達への最後の根回しに出ているぞ。実際の作業は補佐の監督官がしている筈だ。」

 

春蘭「ああ。」

 

秋蘭「後、監督官は今、馬具の確認をしている筈だ。そちらに行くと良い。」

 

春蘭「ああ、秋蘭。」

 

妹の秋蘭にそう言われ、春蘭はその場を後にした。

 

 

 

 

 

しかし、監督官の顔を知らない春蘭は、柳琳にどこにいるかを聞き、そこに駆けつけて猫耳頭巾を被っている一人の少女に声をかけた。

 

春蘭「おい、そこのお前。」

 

しかし

 

??「・・・。」

 

無視された。

 

春蘭「聞こえんのか、おい。」

 

また春蘭が声をかけても

 

??「・・・。」

 

無視された。

 

春蘭「返事をせんか、おーい!」

 

すると

 

??「聞こえているわよ!さっきから何度も何度も何度も何度も・・・一体何のつもり!?」

 

と言われてしまったのだった。

 

春蘭「な!聞こえているのであれば、返事をすれば良いではないか!」

 

これには、春蘭はそう言って怒った。

 

??「アンタなんかに用はないもの。忙しいんだから邪魔しないで!」

 

春蘭「何だとう!」

 

??「何よ!」

 

 

 

 

 

 

 

純「あの馬鹿は、一体何やってんだよ?」

 

純は、頼まれて帰ってこない春蘭を探していた。

すると、春蘭が誰かと言い合いしてるのが聞こえてきて、猫耳頭巾を被った小さい少女といがみ合っていた。

 

純「おい春蘭!何やってんだよ!待たせてんじゃねーよ!」

 

それを見た純は、春蘭にそう怒鳴った。

 

春蘭「じ、純様!大変申し訳ございません!」

 

??「何よ!また誰か邪魔をし・・・に・・・」

 

春蘭といがみ合った少女は、怒鳴りつけようと顔を向けたその時

 

??「そ、曹彰様!?」

 

純の顔を見て驚いた顔をした。それと同時に

 

??(マ・・・マズイ・・・!曹彰様に怒鳴ってしまった・・・!このお方は『黄鬚』と呼ばれし猛将で、非常に気性が荒い・・・!叩き斬られてしまう・・・!)

 

顔を青ざめさせてしまった。

それを見た純は

 

純「・・・糧食の再点検の帳簿を受け取りに来た。監督官はお前か?」

 

比較的優しく問うた。

 

??「は、はい、私です!こ、これが帳簿です!!」

 

これに少女は、怯えつつも帳簿を渡した。

 

純「ありがとう。」

 

??「あ、あの・・・」

 

純「ん?」

 

??「先程の無礼、大変申し訳ございませんでした。」

 

すると、少女は身体を震わせつつ純に頭を下げ謝罪した。

 

純「あの程度の事、気にしてねーよ。ただし、次からはちゃんと相手の顔見て言いなよ。」

 

これには、純はそう言い諭しながら帳簿を開いて内容を見た。

 

??「・・・寛大なお言葉、感謝致します。」

 

すると

 

純「・・・ところでお前、これはどういう意味だ?」

 

純は帳簿を少女に見せてそう言った。

 

??「どう、とは?」

 

純「兵糧の数、俺が指定した量の半分だ。何か根拠があるのか?」

 

??「はい。此度の戦では、この量で充分だと判断致しました。」

 

それを聞いた純は

 

純「・・・名は?」

 

少女に名を尋ねた。

 

荀彧「姓は荀、名は彧、字は文若と申します。」

 

名を聞いた純は

 

純「・・・来い。姉上に会わせてやる。」

 

そう言った。

 

荀彧「!?・・・御意。」

 

そして、純は春蘭と一緒に荀彧を連れて行った。

 

 

 

 

 

 

純「姉上、遅くなりました。」

 

華琳「構わないわ。・・・後ろの子は?」

 

純「俺の勘が正しければ、コイツは優秀な人材です。理由はこれです。」

 

そう言い、純は帳簿を華琳に渡した。

 

華琳「どれ。・・・純、これの何処が優秀なの?」

 

秋蘭「如何したんですか、華琳様?」

 

華琳「兵糧、純が指定した量の半分しか用意してないのよ。」

 

これには

 

秋蘭「何と!?」

 

秋蘭は驚きの言葉を発した。

 

純「コイツは、恐らく半分の兵糧で済ませる為の策があるんだと思います。だから、こういった自殺行為をやったんだと思います。」

 

華琳「・・・成程。」

 

華琳(あの気性の激しい純にそのような事をするなんて・・・何て胆力なのよ・・・)

 

その時、華琳は荀彧の顔を見てそう思っていた。

 

華琳「・・・良いわ。そこまで言うなら見極めてみましょう。名は?」

 

荀彧「姓は荀、名は彧、字は文若です。」

 

華琳「真名は?」

 

桂花「桂花です。」

 

華琳「では、私の真名である華琳を預けましょう。」

 

純「俺は純だ。お前らも、真名を預けろ。」

 

秋蘭「私は秋蘭だ。」

 

春蘭「し、しかし純様・・・!このような無礼な輩に真名を預けるなど・・・!」

 

しかし、春蘭は先程罵声を浴びた事を根に持ってるのか、真名を預ける事を躊躇った。

 

純「春蘭、先程の喧嘩が理由で真名を預けねーんなら、お前を戦には出さねーぞ。」

 

これに純は厳しい言葉をかけ、殺気を浴びせた。

 

春蘭「っ!・・・分かりました。おい、私は春蘭だ。」

 

これには、春蘭は恐怖で身体を震わせたが、すぐに命令を受け入れ、桂花に真名を預けたのだった。

そして、曹操軍は出陣したのであった。

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