恋姫無双〜黄鬚伝〜(リメイク)   作:ホークス馬鹿

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76話です。


76話

成都

 

 

 

 

純に完膚なきまでの大敗を喫した劉備達。しかし、20万いた大軍は僅か千足らずとなってしまい、劉備も重傷を負って非常に危険な状態で士気も悪くなっていた。

また、今回の大敗で成都の周辺がいつ反乱が起きてもおかしくなかった。

 

益州民A「おい聞いたかよ。劉備の奴、死にそうらしいぜ。」

 

益州民B「ああ。諸葛亮と一緒に俺達を散々苦しめ、挙げ句の果てに無理な徴兵で戦をしたんだ。今回の大敗も、きっと劉璋様が天から罰を与えたに違いないぜ!」

 

益州民C「ああ!俺の隣の人、あの戦で旦那を亡くしちまったんだ!」

 

益州民D「ああ・・・それを諸葛亮は何の謝罪も無しだ!馬鹿にしてんのかよ!」

 

益州民E「けど・・・関羽様が自ら謝罪に来てくれたから何とか怒りを抑えてるけどよ・・・いくら何でもあんまりだぜ!!」

 

益州民F「関羽様がこの益州の主になってくれたらなぁ・・・」

 

益州民G「ああ・・・関羽様は強いだけじゃ無く、俺達民を見てくれる心の優しいお方だ。あの人がもしこの益州の主になったら、俺達はあの人に一生ついて行くつもりなんだがな・・・」

 

そう、益州の民は劉備と諸葛亮の悪口を言い、逆に関羽の事を褒め称える内容を話していた。

一方の劉備は、日に日に悪化していった。

傍で見ている諸葛亮は、必死に看病をしていた。

 

諸葛亮「桃香様・・・何かお召し上がり下さい。」

 

諸葛亮「お体に障ります。」

 

関羽も

 

関羽「桃香様!お願いです!どうか、御身をお労り下さい!」

 

跪いて必死に拱手して言った。

しかし

 

劉備「・・・いらない・・・」

 

劉備は頑なに食事を口にしなかった。

 

関羽「桃香様・・・!」

 

劉備「・・・い・・・らないって・・・言ってるの!」

 

劉備「ゴホッゴホッ!!」

 

そう怒鳴ると、劉備は辛そうにむせた。

 

諸葛亮「桃香様!」

 

劉備「ハア・・・ハア・・・愛紗・・・ちゃん・・・出てって。」

 

関羽「・・・え?」

 

劉備「出てってって・・・言った・・・の!」

 

劉備「助・・・けに・・・来てくれ・・・ない・・・愛紗・・・ちゃんなんか・・・!」

 

劉備「ゴホッゴホッ!!」

 

諸葛亮「桃香様!まずは落ち着いて!」

 

諸葛亮「愛紗さん。ひとまずは、お部屋を・・・!」

 

関羽「・・・ああ。鈴々達の様子を見てくる。」

 

そう言い、関羽は辛そうな表情を浮かべながら部屋を後にした。

 

諸葛亮「桃香様・・・」

 

劉備「・・・ねえ・・・朱里・・・ちゃん・・・」

 

劉備「何・・・で・・・私達・・・は・・・負け・・・ちゃったの・・・?」

 

すると、劉備は諸葛亮にそう尋ねた。

 

諸葛亮「桃香様・・・」

 

劉備「わ・・・私達・・・は・・・正・・・義・・・の・・・戦・・・を・・・した・・・筈だよ・・・」

 

劉備「なのに・・・何で・・・私達は・・・負けたの・・・?」

 

これに

 

諸葛亮「それは・・・」

 

諸葛亮は何も言えなかった。

 

劉備「悪い・・・のは・・・あの人・・・達なのに・・・何で・・・なの・・・?」

 

そう、劉備はそう言い続けた。

 

諸葛亮「桃香様・・・全ては桃香様に逆らう者が悪いのです。桃香様は何も悪くありません。」

 

諸葛亮「だから・・・ゆっくりお休み下さい・・・」

 

諸葛亮「全ては、この私が何とか致します。」

 

これに、諸葛亮はそう返答した。

 

劉備「・・・うん。頼んだよ・・・朱里ちゃん・・・」

 

劉備「私達・・・の・・・正義が・・・正しいんだって・・・証明・・・してみせて・・・ね。」

 

諸葛亮「・・・はい。」

 

劉備「それと・・・もう一つ・・・」

 

すると、劉備が上体を起こすと

 

劉備「絶対に・・・私のお墓の前で・・・曹操さんと・・・曹彰さんの首を・・・そ・・・な・・・え・・・て・・・」

 

そう言い遺し

 

バタリ

 

そのまま倒れ、動かなくなった。

 

諸葛亮「桃香様!?」

 

これに、諸葛亮は大声を上げた。

しかし、劉備は二度と口を開く事は無かった。

こうして、一介の庶民から成り上がった劉備は、大志を果たせぬままその生涯を閉じたのであった。

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