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建業
江東の建業を拠点としている孫策らは、ある者と対面していた。
使者A「と言うわけですが、宜しいでしょうか?」
その者は、諸葛亮が送った使者であった。
何の用で来たのかというと、一言で言えば同盟締結に来たのだ。
孫策「・・・。」
それを聞いた孫策は
孫策「申し訳ないけど、その申し出、断らせておくわ。」
と使者にそう返した。
使者A「な、何故ですか?このままでは、いずれ曹操の弟である『黄鬚』曹彰にこの地を平定されますよ!?」
孫策「そんなの分かっているわ。けどね、民を第一に考える劉璋を処刑して、益州を手に入れる卑劣な者とは私は組みたくないの。」
孫策「加えて、それに抗議した民を殺し、強引に戦を進めた挙げ句に多くの命を散らした。」
孫策「そのような事をする者とは組まないわ。」
孫策「諸葛亮に伝えなさい。あなたのような卑劣な者とは手を携えないと!」
そう、孫策は『江東の小覇王』の異名に相応しい覇気を出して使者に言った。
使者「は、はい・・・」
これに、使者は怯えたように返事をして、その場を去った。
孫策「これで良いのよね、冥琳。」
孫策は、傍にいる眼鏡をかけた稟に少し似た怜悧な美人に言った。
彼女の名は周瑜。孫策とは『断金の交わり』による固い絆で結ばれた友で、冥琳は彼女の真名だ。
周瑜「ええ。それで構わない。諸葛亮と手を結んだら、それこそ我が身の破滅だわ。」
孫策「・・・そう。」
陸遜「しかし・・・諸葛亮さんも焦っているのでしょうか~?先の戦で大敗を喫し、劉備も戦傷が元で亡くなりました。」
陸遜「その影響で、益州内では国力が大いに消耗し、諸葛亮に対する不満が日に日に高まっているとか。」
呂蒙「はい。それに対して諸葛亮は、その者らを次々と粛清をしているとか。」
張昭「うむ。諸葛亮め、国は民の支えなくして成り立たずという言葉が分からぬのか・・・」
張昭「劉備も生前その事がよう分からぬような行動を取っておったしのう・・・」
黄蓋「人というのはよう分からぬのう・・・」
程普「そうね・・・」
そう、孫家の重鎮らは諸葛亮に対して痛烈に批判した。
孫権「・・・。」
そんな中、孫策の妹の孫権は、考え事をしていた。
孫策「どうしたの、蓮華?」
これに、孫策はそう聞くと
孫権「あ、はい・・・。亡くなった劉備は何を目的に名を上げたのか・・・その事を考えておりました。」
孫権「それは諸葛亮も同じで、彼女らの目的は大陸の平和であったはず。それはやり方は違えど曹操と同様。にもかかわらずあの様な行動・・・。それが分からなくて・・・」
そう、孫権は孫策に言った。
張昭「蓮華様・・・」
孫策「蓮華。本来の目的を忘れ、誤った行動をする者はああなるというのを覚えておきなさい。」
これに、孫策は孫権に対しそう諭すと
孫権「はい・・・」
孫権は真面目な表情で返事をしたのだった。
益州
諸葛亮「そ、そんな・・・!」
諸葛亮は、孫策が同盟を拒否した事に驚きを隠せなかった。
諸葛亮「何故・・・このままでは曹操さんに併合されるだけだというのに・・・!」
諸葛亮「何故・・・断ったの・・・?」
すると
関羽「それは当然だ、朱里。お前は今まで桃香様と共に卑劣な手で民を蔑ろにし、強引に曹彰殿らに戦をした挙げ句、多くの兵の命を散らした。」
関羽「そのような事をする者に、誰も手を組もうとは思わぬ。」
関羽は、そう諸葛亮に厳しく言った。
鳳統「愛紗さんの言う通りだよ、朱里ちゃん。もう、これ以上皆を傷付けないで。」
鳳統「明らかに度が過ぎてるよ。」
鳳統「水鏡先生も、こんな事望んでないよ。」
鳳統も、友として諸葛亮の暴走を止めようと説得したが
諸葛亮「そんな事ない。私は全て民の為、大陸の為に動いてるよ。亡き桃香様の遺志を叶える為、曹彰さんを討ち、その勢いで曹操さんや河北の皆を討ち、大陸を笑顔にしてみせる!」
諸葛亮はどこか狂気を含んだような目で言い、耳を貸さなかった。
関羽「いい加減にしろ、朱里!お前のやっている事は、ただ単に世を乱してるだけだ!いい加減それを自覚しろ!」
それに怒りを感じた関羽は、そう朱里に怒鳴った。
諸葛亮「そんな事ありません!全て民の為にやってます!」
関羽「朱里!」
諸葛亮「もう言う事はありません!私は私のやり方で桃香様のご遺志を継ぎます!」
そう言い、諸葛亮はその場を後にした。
関羽「・・・。」
これに関羽は、顔を歪ませ頭を抱え
鳳統「愛紗さん・・・」
それを見た鳳統は、何とも言いがたい感情が渦巻いていたのであった。