【悲報】転生したら暗殺組織の隊員にされた件【戸籍ナシ】   作:星ノ瀬 竜牙

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長らくお待たせしました。生きております。

モチベが著しくダウンしていたのですがそろそろ書かなきゃやばいな、と書き始めた次第です。

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今後とも感想、評価、お気に入り登録を励みに頑張りとうございます。


I'ts no use crying over spilt milk.

 横たわっている千束を見た少年は、我を忘れた。必ず、この女を殺さねばならないと、そう無意識に身体を動かした。

 

「ッ────!!」

 

殺す……ッ!

 

 あと一手、確実にその女の首を切り裂く。そうナイフの刃を看護師を装った女に向けたが……

 

「待ってくださいっ! 棗さんッ!! そいつに千束に何をしたのか吐かせないと!!!!」

 

「ッ……!」

 

 たきなの制止で、棗はその手を一瞬止めてしまう。女は、その隙を逃さなかった。

 

「ガッ────お前ッ……!?」

 

「棗さんっ!?!?」

 

 なにか、注射器のようなものを棗は首筋に突き刺される。しかし、それで動けなくなるわけではない。傷としては浅すぎる。殺せるモノではない。棗は即座に女の首根っこを掴み壁に投げ飛ばす。

 

「ォ、オオオッ!!!」

 

「ッ!!?」

 

 女は壁に叩きつけられるが、まるで痛みなど感じなかったように拳銃を取り出し棗とたきなに向かって発砲する。

 棗もたきなも、銃弾を即座に防ぐ判断はできず遮蔽物に身を隠すほかなかった。それこそが、女の狙いだった。

 

「……!」

 

 その隙を逃さずに女は窓ガラスに向かって発砲し、ガラスを割る。つまるところ、女の狙いは逃走経路の確保だった。当然だが、棗とたきなもそう易々と見逃がすはずもない。棗は、女を追いかけようと窓に足をかけようとするが────

 

「逃がす────……か……?」

 

「棗さんっ……!? 棗さんっ!! 棗さんっ!!!?」

 

 ふらり、と身体が揺れる。意識が朦朧とする。そうなる理由は一つだけ。おそらく、さきほど女に打たれた注射器の中身のせいだろう。棗が追いかけようとする。それすらも女は想定済みだったということだ。バタリ、と床に倒れ伏す。

 

(……ああ、クソ……が……あの女……だけは、にがしちゃ────)

 

 ────いけないのに。身体は既にいう事を聞かなかった。

 

 ────

 

「……………………またこの天井か……」

 

 棗は意識を取り戻し、天井を見上げる。以前目が覚めた時と同じ病院の天井だ。横になっていた椅子から起き上がる。

 

「…………手が……?」

 

 鈍い、身体が全体的に重いというべきだろうか。手も些か動かない。違和感を覚える。

 

「起きたか、棗くん」

 

「おやっさん……? そうだ、千束はっ!?」

 

 最初に視界に入ったのはミカの顔だった。だからこそ、すぐに状況を把握しようとできたのだろう。ミカに慌てて状況を聞こうとする。

 

「ここにいるっての、そう慌てなさんなって~。棗クン?」

 

「ッ……千束!! 無事なのかっ!? 怪我はっ!?!?」

 

「ちょーいちょいちょいちょい!? 近いってば!!? ()()()()()()()()()()!!」

 

「……そう、か」

 

 一息ついて……胸をなでおろす。だけど、安堵で終わるほど……現実は甘くはなかった。

 

「ねえ、山岸先生……私、()()()()()()()

 

「……急激な高電圧による過充電でハードとのアクセスが不可能になったの。

 もう充電もできないわよ。……単純だけどよ、効果的すぎる最高の破壊方法よ。……あの女め」

 

「────マジかぁ……」

 

「────は?」

 

 山岸女医が告げたその言葉の意味がわからないほど、棗は何も知らないわけではなかった。

 

「待てよ……! じゃあ()()()()()()────!」

 

「……幸い、充電直後だったから……もって二ヶ月ね」

 

「────ッ!」

 

 それが意味することを否が応でも理解させられてしまう。やり場のない怒りを、棗は吐き出すように己の脚を殴りつける。

 

「あの……二ヶ月って……?」

 

「動き回らなければ、もうちょっと余裕ができるわ」

 

「だからなにが二ヶ月────」

 

「余命だ」

 

「ぇ……?」

 

「────千束の、余命だよ」

 

 理解が追い付いていなかったたきなの言葉に顔を顰めて教えるのは、ミカだった。

 そう、二ヶ月とは千束の余命だ。……錦木 千束が死ぬまでのタイムリミット。

 

「そ、そんな……! 壊れたところを交換でもして────」

 

「……できると思うか?」

 

「棗さん……?」

 

「人工心臓なんてオーパーツ……今の科学力じゃどうやっても作れるやつがいない。

 ただでさえ精密機械の塊なんだ。パーツ1つの交換もできるはずがない。……心臓の弁だけを、血管に繋がる部分だけを取り換えるなんてこと。仮にパーツ交換ができたとしても誰もできやしないよ。心臓はできて丸ごと交換だ。……けど、その丸ごと交換できる代物すら現存しないんだ。……不可能なんだよ。千束の心臓を直すのも……交換するのも」

 

 棗のその言葉は、千束を諦めろということに他ならなかった。千束を救うことはできない、と暗に告げていた。当然、たきなはそれを納得できるはずもない。

 

「じゃあ、棗さんは千束がどうなってもいいって言うんですか!?!?」

 

「そんなこと思うわけないだろうがっ!!!!!」

 

 たきなの言葉を否定するように大声で叫ぶ。棗らしからぬ、大声だった。

 

「……棗」

 

「ッ……すまん……うるさかったな……たきなも、悪い」

 

「……いえ、こちらこそ、すみませんでした」

 

 気まずい沈黙が病室で流れる。ミカも、ミズキも、クルミも……誰も声を出せる者はいなかった。

 その気まずい沈黙を打ち破ったのは、他ならぬ当事者である……錦木 千束本人だった。

 

「まあ、うん……起きちゃったことは仕方ない。元々、()()()()()()()()()()()()()

 

「もと……もと……?」

 

「……もって、あと二、三年だったんだろ」

 

「あー……棗は知ってたんだ」

 

 千束の言葉に首を傾げるたきなとは正反対に……ため息を吐いて、棗はそうぼやく。

 そう、知っていた。ミカに無理やり問い詰めて聞きだしたのだ。知っていたのだ。

 それを聞いて、たははー……と困ったように千束は笑みを浮かべる。

 

「知ってたよ……知ったから……その二年で……何とかする方法を模索してたのに……!」

 

 棗は頭を掻きむしりながら、そう呟く。彼も決してバカではない。彼なりに知識を絞って、彼女の人工心臓を、寿命をどうにか改善する方法を模索していたのだ。二年……否、一年もあれば、彼はその手段にたどり着けただろう。錦木 千束を救えただろう。だが、運命は……現実は非情だった。二ヶ月という期間はあまりにも短すぎる。

 

「そっか……うん、ありがとう棗。私を助けようとしてくれた。それだけで充分ですよ」

 

「────充分なわけないだろっ……!」

 

 千束の言葉に、誰よりも納得できないのは棗だった。顔を俯かせたまま弱々しくそう嘆くしかできなかった。

 だがどう足掻いても……既に解決策はない。打開策は何処にもない。

 

 ────結局、何事もなかったようにいつも通りの日々に戻る以外に……彼らには選択肢はなかったのだ。

 

 それから……しばらくは、特段変わったことはなかった。当然と言えば当然だ。千束の心臓を狙った意味やそのバックに潜む存在は不明。もちろん、整理し、推理すれば誰が何のためにやったのか、を予想することはできる。とはいえ、確証はないが。

 

 だから、そんなある日……雲行きが怪しくなり、雨が降り始めた日。

 

「……ほんとに、ヨシさんだったんだなぁ」

 

 とある川の橋の下で、雨宿りをしながら千束はデジタルカメラの撮影済みの写真を見る。

 ……幼い頃、まだ心臓が人工物でなく、天然のもので弱かったころに撮った一枚の写真。

 

 そこには、スーツ姿でこちらに顔を振り向かせた吉松 シンジの顔が写っていた。

 

「……なんか、不思議な感覚だなぁ」

 

 恩人の正体がようやくはっきりしたのに……晴れやかな気分にはなれなかった。彼が、間接的に殺そうとしたからか。或いは……

 

「わぷっ……!?」

 

 唐突に、千束は視界を奪われ何事かと慌てて視界を上着らしきもので覆ってきた犯人を捜す。

 ……もっとも、その仕立て人はすぐ横で立っていたわけだが。

 

「棗……?」

 

「冷えるだろ、ココアでよかったか?」

 

「あ、うん。ありがとう……」

 

 自販機で買ってきたのであろう、温かい缶のココアを棗に手渡される。

 

「隣、座ってもいいか?」

 

「……うん」

 

 千束の隣に棗はよっこらせ、と腰を掛けて座り込む。雨の降る音が聞こえる中、棗はカシュ、と自分が飲むために買っていた「おしるこ」のプルタブを開けて飲みながら……横目で千束の持っているデジカメの写真を見る。

 

「……よく撮れてるな、吉松さん」

 

「……だろ、我ながらめっちゃ綺麗に撮れてると思うんだよねー。芸術作品として出せるレベルじゃない?」

 

「アホか、んなわけねーだろ」

 

「えー、そんなことないって」

 

 ……そんな、気さくな会話だった。いつものような普通の会話。

 なのに、いつもより弾まない。そんな会話。

 

「……ねえ、棗」

 

「あ? なんだよ?」

 

「この前の告白の件だけどさ……」

 

 切り出したのは千束だった。結局、あのあと……うやむやになって返事すらできないままでいたあの話。

 

「……千束、俺は」

 

「ごめん!! やっぱアレなしで!!」

 

「────は?」

 

 意を決して、千束に返そうとしたところで遮るように彼女は前言を撤回した。

 

「いやーさ、考えたわけですよ。色々。……でもさ、色々考えたら考えただけ……このままじゃ棗に悲しい思いさせちゃうだけだなーってなってさ」

 

 そうだろう。だって、残り二ヶ月しかない命だ。そんなわずかしか生きられない人間に……愛を注ぐなんて、させたくない。そんなことに、棗の気持ちを注いでほしくない。

 

「私は大丈夫だからさ。……たきなを幸せにしてあげてよ。ほら、なんだかんだで? たきなも棗の傍にいるの悪くなさそうだし? ひと押しあったら棗にべた惚れしちゃうと思うんだよねぇ」

 

「…………千束、お前」

 

 無理をしている。それぐらいは棗にも理解できた。痛々しいほどの作り笑い。それがわからないほど棗は鈍くはない。

 

「…………うん、大丈夫。私は大丈夫だから。棗は真島をドゴーン! とやっつけて……それで────」

 

 私のことなんて忘れて、みんなとリコリコを盛り上げてよ。そう言いたかったのに。

 

「あ、れ……なんで……私……ご、ごめんね棗……! ちゃんと、ちゃんと言うから!」

 

 どうしても言いよどむ。口に出せない。簡単な言葉のはずなのに。声に出せない。

 

「私のことなんか────んんっ!?」

 

 その言葉は、紡げなかった。否、塞がれた。他ならぬ棗に。文字通り口を塞がれた。

 

「んん、ぅ……んっ……ふ、ぁ……棗……なんで……?」

 

 分からなかった、意図が掴めなかった。だって、これは私の一方的な感情で。棗はそんなこと考えてるはずもないのに。

 

「…………ぁ」

 

 何も言わず、棗はただ千束を抱きしめた。棗のトクトク、という心臓の音が聞こえる。

 この音が好きだ。自分の鼓動じゃないけれど……自分が生きているって実感をくれるから。

 

「……俺もさ、言ってなかったことがあるんだよ。千束に。だから、それを話さなきゃなってずっと思ってた」

 

「棗……?」

 

 そうだ。結局いつまでも隠していたって仕方がない。だから、隠していたことを明かさなきゃいけない。山岸先生に明かし、クルミの検査で判明したこと。────()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 ────

 

「つまり……棗くんの身体は……!」

 

「ああ、一種の時限爆弾みたいな状態になったってわけだ。吉松はなにを考えたのか、千束と一緒に棗にも細工を施したってことになる。おそらく、千束に手を出せば棗が冷静さを失うのも想定の内だったんだろうな。……松下と名乗ったあの時に、企てたんだろう」

 

 リコリコ店内で、クルミはミカにそう語る。棗が今とても危うい状態であることを。

 

「……解決策はないのか」

 

「ないな。千束の心臓以上のオーパーツだ。下手に刺激すれば……」

 

「棗くんが死ぬ可能性の方が高い……か」

 

「そういうことだ。……厄介だな。()()()()()()()()()()

 

 クルミは棗に「こうなった以上は隠しきれない。お前が思ったタイミングで俺のことを明かして欲しい」と言われ、その通りに、ことの経緯をミカに説明した。立花 棗の身体はナノマシンによって生かされているような状態であることを。そしてそのナノマシンはほぼ全身を巣食っていて、棗の身体のいたるところに点在しているということ。

 

 ……そして、あの看護師に偽装し、千束の命を狙った女に打たれた注射はそのナノマシンの抑制剤……つまり、鎮静化のプログラムが入ったナノマシンを打ち込まれたということを。

 

「当然だが、今までのような動きは棗にはできないだろうな。……もっとも、それでも並外れた身体能力は健在なわけだが。それに……いつどこでそのプログラムが起動するかもわからない。試作型だってことは辛うじて判明したが……試作型だからといって稼働しないと保証はできない」

 

 なにがトリガーでナノマシンを抑制するのか、それが判明していない以上下手に調べることもできない。

 

「さっきも説明したが、一度でも抑制が開始されたらその時点で終わりだ。全身のナノマシンが機能しなくなるからな。……幸いなのは心臓や肺、脳といった重要な器官にはまだナノマシンは入っていないことだろう。……それでも、確実に身体に支障がでる。棗が死ぬ可能性だって普通にあるわけだからな」

 

「……そうだな」

 

「……どのみち、真島を捕らえなければ、吉松には接触できず、千束の心臓も……棗さんのナノマシンのことも聞き出せない、ということですね」

 

 二人の会話をカウンターの裏手で聞いていたたきなが、顔を出す。

 

「たきなっ……!? 聞いていたのか!?」

 

「はい、ミズキさんも」

 

「ちょっと!? 私までバラさなくてもいいでしょお!?」

 

 しれっと告げ口されたミズキが抗議をするが、観念したように顔を出す。

 

「……たきなの言う通りだ。吉松の足取りがつかめない以上、動きの派手な真島から辿った方が早い。たきな、DAの作戦に参加できるのはチャンスだぞ!」

 

「……本当は、断ろうと思っていました」

 

 そう、たきなは少し前にやってきたフキとサクラにDAからの指令を受け取っていた。

 真島一派の掃討作戦への参加をしろ、という指令だ。勿論、受けるかどうかは自由だ。……ただ、今回の作戦を蹴れば、二度とDAには復帰できない。二者択一、天秤のどちらかを選ぶしかなかった。

 リコリコを捨ててDAに復帰するか。DAへの復帰を諦めて、リコリコに居座るか。そのどちらかだ。

 そして、たきなは……千束や、棗……リコリコを選ぼうとしていた。ここが、居場所なのだと。そう言うように。

 

「何故だ? 望んでいた復帰だろう!?」

 

「……しょうがないでしょ。千束の最期の二ヶ月なんだから」

 

 そうだ、千束がもうすぐ死ぬ。なら、DAには行けない。そう思っていた。

 

「でも、私……DAに戻ります。千束が生きる可能性が……棗さんを助けられる可能性が少しでもあるなら、それに賭けたいんです」

 

 正直、藁にも縋る思いだということは理解している。それでも、わずかでも可能性があるならば。それに賭けたいのだ。

 

「……私から、二人には言おう」

 

「いえ、自分の口から言わせてください。……時間をください」

 

 DAに戻る前に、やりたいことがあるから。

 

 その意図を汲んでくれたのか、ミカはたきなに視線を向けてこくり、と頷いた。

 

 ────

 

「────そっか……なんだ、私と棗って意外と似た者同士だったんだな?」

 

「……ま、史上最強のリコリスと史上最強のリリベル。しかも、どっちも吉松シンジに救われたアランチルドレン。……偶然にしちゃできすぎてるが、色々と似てるところだらけだったわけだしな」

 

「そういえばそうじゃん。なーんか、運命感じちゃうなーこれ」

 

「……そういうもんか?」

 

「そういうもんでしょ、こういうのはキャー! ロマンチックー! ぐらいでいいんだって~」

 

 よくわからん……と棗は首を傾げる。

 

「まあ、うん……お互い死にかけ、みたいな状態になったのは意外だったね」

 

「……まあ、そうだな。俺の場合はそんなに影響はでてないから軽々しく同じだとは言えないけどな」

 

 純粋に余命が分かってしまっている千束と現状は不明あり、死ぬかどうかも分からない棗では大きな違いがあるだろう。

 

「ありがとね、棗」

 

「……なんだよ、急に」

 

「え、だって棗なりに考えて……私を励まそうと思ったんでしょ?」

 

「む……」

 

 筒抜けであった。何年の付き合いだと思っているんだ、と言わんばかりに。棗の考えは千束に筒抜けだった。否定できないからこそ棗はスン、と押し黙る。

 

「うん、ありがと。めっちゃ元気出た。元気百倍の千束さんですよ!」

 

「……そっか、ならまあ……良かった」

 

 普段の、底抜けに……うざったいぐらいに明るい表情を千束がみせる。それを見て、棗は少し安心したように微笑んだ。

 

「えへへ……ありがとね、棗。…………あ、そうだ。ねえ、棗。さっきのキス────」

 

「…………さて、なんのことかな」

 

 す、と振られた話題に棗は肩をすくめてすっとぼける。

 

「はー!? ちょっと、そこで誤魔化すのはなしでしょ!! あんだけ無遠慮に人の唇を奪っといてぇ!!」

 

「は? それ言ったらお前だってこの前無遠慮に奪っただろうが人のファーストキス!!」

 

「え、初めてだったの!?」

 

 棗のその暴露に千束は思わず顔を赤くする。初めてだとは思っていなかったからこそだろうか。やはり心は初心な乙女である。

 

「んだよ、初めてだったら悪いか!? ああ!?」

 

「別に悪いとは言ってないでしょうが!!」

 

「「ぐぬぬぬぬ」」

 

 お互い睨み合う。……いつものような、くだらない売り言葉に買い言葉の子供みたいな喧嘩。

 

「くっ……」

 

「ぷふっ……」

 

「「はははははっ!!」」

 

 どちらからと言わずに噴き出していた。ああ、やっぱり。この感じが自分たちらしいのだ。とそう思うように。

 

「……最期の二ヶ月、よろしく頼むぜ。"元"相棒」

 

「"元"言うな。アホ千束」

 

 コツン、と拳を重ねる。千束はやっぱり諦めている。……けれど、棗の目は諦めていなかった。必ず助ける、とそう告げるように。千束の笑みに笑い返した。

 

 

 

 もっとも……そう全てが都合よく成立するなど、ありえない。

 

「────もしもし」

 

『────久しぶりだな、立花 棗。いや……灰色、と呼んだ方がいいかね?』

 

「……ええ、随分と……お久しぶりですね、虎杖(いたどり)司令

 

 棗はスマホを手に取ったまま、連絡相手と言葉を交わす。

 ────その額に、赤いレーザーサイトを当てられながら。




立花 棗

実は現状軽く死にかけているが、死生観が転生者故にゆるゆるなのでヨシ!している。
千束を救う一心で行動していたし、今後もするつもりだったが思わぬ邪魔が入った。
実は千束ちゃんに向けている感情はクソでかい(無自覚)
愛なんて言葉で表現できないほどクソでかい(重要)

錦木 千束

なんか急にヒロイン力が高まってきたメインヒロイン。
人工心臓壊され寿命あと二ヶ月。恋も含めて全部諦めることにした。
けど棗にうやむやにされちゃった。……バカ、もっと好きになっちゃうじゃん。


井ノ上 たきな

一応サブヒロイン枠。当初の予定ではたきなちゃんもヒロイン枠に置く予定だった。幻のたきな√も実は存在する(かもしれない)
千束と棗さんを助けるために……私は覚悟を決めました。
狂犬系覚悟ガンギマリヒロインである。


虎杖

いったいどこの組織の司令なんだ……?(すっとぼけ)
実は真島が千束ちゃんを襲撃した辺りで棗の生存に気付いていたが泳がせていた。
拙作1の切れ者腹黒タヌキになるかもしれません(予定では)
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