【悲報】転生したら暗殺組織の隊員にされた件【戸籍ナシ】   作:星ノ瀬 竜牙

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ここから先、しばらく掲示板はないです。

掲示板形式詐欺です。


今回のメインは男たちの話。


The fat is in the fire

「……それで、本題はなんですか」

 

『話が早いな、それでこそ灰色というべきか』

 

 窓から外を覗けば、見知った服の少年たちがちらほらと立っている。

 なるほど、囲まれたか。棗は悪態をつくように顔を顰める。

 

「お褒めの言葉ありがとうございます。……世辞はなしにしましょう。司令」

 

『ふむ、そうだな……なら、本題に入ろうか。立花 棗。真島案件に君を使うことになった。これは決定事項だ』

 

 決定事項。つまり拒否権はないということだ。しかし、引っ掛かることがある。

 

「……真島案件は、彼岸花(リコリス)の管轄では?」

 

『ふむ、君の疑問はもっともだ。……確かに、現在"は"楠木くんたちの管轄だ』

 

「……なるほど、現在"は"……ですか」

 

『そうだ、既に彼女達は四度、真島に遅れを取った。これを上層部は重く見ているのだよ』

 

 一度目は千丁の銃取引、偽の取引時間を掴まされ、結果として千丁の銃は真島一派に渡ってしまった。二度目は地下鉄襲撃。ここでは先手をとったが、それでも彼らが用意した爆弾で被害は出た。経済的にも……リコリスにもダメージがでた。三度目は、リコリスの襲撃。リコリスの存在を知り、そのうえで襲撃という明確な挑発行為に出た。そしてなにより……DAの切り札ともいえる錦木 千束にも襲撃をかけた。

 最後の四度目、警察署襲撃。囮映像を使い、リコリスを各地に配置させることで本命の警察署襲撃を遂行した。

 

 そう、既にリコリスは四度も後手にまわされた。

 

『仏の顔も三度撫ずれば腹立てる……という、言葉を君は知っているかね?』

 

「生憎、そういった知識は養成機関で学ばなかったので」

 

『……ふむ、そうだったか。だが、これは文字通りの意味だとも。DAも上層部としてもこれ以上の損失は手痛いものになる。つまり……』

 

「────次の失敗は許されない。もし失敗すればリコリスの処分……あるいは、現状の我々のように活動規模を縮小させることになる、ということですか」

 

『理解が早いようで助かるよ。もっとも、我々のように活動自粛……縮小になるのであれば、まだ優しいだろうがね』

 

 それはつまるところ、名誉挽回のチャンスは既にリコリス側に存在しないということだった。

 ────四度の失敗とは、それほどに大きいのだ。

 

「……そして上層部は次も失態を犯す可能性があると見ている、ということですね」

 

『いかにも。僅かとはいえ『ラジアータ』を誤魔化すことができるウィザード級のハッカーが真島一派の中にいる、というのも危険視しているのだよ。『ウォールナット』には劣るが、それでもそれができるハッカーというのは少々こちらの手に余る』

 

「……情報部を攪乱できる相手、というだけで厄介極まりない、と」

 

『そういうことだ』

 

 足取りが掴めないハッカーほど厄介な相手はいない。確かにその通りだ。であれば……

 

「ラジアータに頼れない以上、現場の判断も必要になる。そこで俺……ですか」

 

『そうだ。理解が早いな。君の数多の実績を考えれば不思議ではないだろう? 

 ……ファーストとは、そして君に与えた灰色という立場は、戦闘力だけを評価して与えたモノではない。

 我々君影草(リリベル)は個人主義ではなく団体主義だ。理解しているだろう』

 

「…………しかし、俺は公には死んだことになったはずでは?」

 

『それでくたばるような者を私はファーストに昇格させたつもりはないがね。それに、君は些か暴れすぎた。錦木 千束との逢引きは楽しかったかね?』

 

「……なるほど、理解しました」

 

 タヌキめ、と悪態つく。この虎杖という男は立花 棗の生存を誰よりも疑っていなかった。そして、把握してからも泳がせていたということだ。食えない男だと舌を打ちそうになる。化かされたようなものだ。

 

『……真島案件において上層部がリコリスの処分を決定した場合。君の任務は、真島及びリコリス全ての処分となる』

 

「────」

 

 本気で言っているのか、コイツは。棗は思わず、激昂しそうになるが……大きく深呼吸をする。

 ここで冷静にならなければこの男に掌の上で転がされる。そう判断したからこそだ。

 

「…………なら、俺から1つ……戻るうえで条件をつけさせてください」

 

『ほう、条件ときたか。……それができる立場だと?』

 

「別にその条件を守ってくれなくて構いませんよ。その場合……今この周囲にいるリリベルと、あなたの首を斬るだけなので」

 

『………………』

 

 必ず殺す。明確な殺意をもって、棗はそう返す。脅しともいえぬ脅しだ。

 だが……虎杖という男は、立花 棗ならばできると知っている。

 

『ふっ……いいだろう、ならば君の条件を聞こうじゃないか』

 

「……簡単ですよ、俺が戻る条件。それは────」

 

 口にする。そして、俺にとっての逆鱗がなんなのかも差し示す。

 

『……ふむ、それでいいのかね』

 

「ええ、構いませんよ。守らなかった場合殺すだけですから」

 

『分かった、ならば君のその条件を呑むとしよう。交渉成立だ』

 

「ありがとうございます」

 

 何処がだ。と棗は心の中で舌を打つ。

 やはり食えない男だ。苦手な部類と言っていいだろう。

 お互い、ただ脅し合っただけのやり取りのどこが交渉というのだろうか。

 

「それで、決行日は?」

 

『時期は未定だ。しかし……リコリスが真島に総攻撃を仕掛ける作戦が近日中に行われる』

 

「……なるほど、その結果次第ですか」

 

『そうだ。その結果次第で我々の動きは変わる。静観か、排除か……そのどちらかでしかないがね』

 

「つまり、それまでの間……俺たちには牙を研げと」

 

『理解が早いようでなによりだよ。……集団戦を得意とするリリベルが連携もとれぬようでは評価も落ちるというものだ』

 

 顔合わせをして、しごいておけ……と遠回しに告げる虎杖。その意図を察せてしまうからこそ顔を顰めてしまう。

 

「……わかりました、では後日」

 

『期待しているよ、最強のリリベル……灰色の切り裂き魔(アッシュ・ザ・リッパー)

 

 プツ、とスマホの通話が切れる。

 

「…………はぁ」

 

 大きなため息を吐いてソファに座り込む。もとより、全てが上手くいくなどと思ったことはない。

 思ったことはない、が……

 

「参ったな。本当にタヌキに化かされた気分だ」

 

 忌々しい、と舌打ちする。虎杖という男が立花 棗は常に苦手だった。あの何食わぬ顔も、腹の底で何を考えているかわからない切れ者加減も……すべてが苦手だった。

 

「……チッ、全員撤退したか」

 

 ストレス発散にでも付き合わせようか、と窓の外を見れば……他のリリベルは既に撤退していた。

 誰か一人でも血迷ってこちらに突入してくれていれば正当防衛としてストレス発散に付き合わせられたものを……なんて考えて、頭を横に振る。

 

「ダメだな……虎杖司令と会話したからか……あの頃みたく思考が過激に寄ってる……」

 

 リリベル時代の自分に戻ったような感覚だ。気持ち悪い。

 だが、戻ると決めてしまった以上……覚悟を決めねばならないだろう。

 

「明日、誰よりも早くリコリコについて……全部持っていく準備をしないとな」

 

 ────

 

「ゲホッ……げほっ……! 埃がたまりすぎだろ地下倉庫……! これじゃあ、銃をどこに置いたかもわかったもんじゃねえ……」

 

 翌日、明朝。棗はリコリコの地下倉庫で必要なものを取り出そうと捜索していた。

 誰にも言うつもりはない、そっと去るつもりだ。……そうしないと、いけないと思ったから。

 

「……これは、違うな。さすがに大きすぎる。……こっちも、違うか……あー、マジでどこに置いたんだおやっさんは」

 

 文句をたれるが、こればっかりは自業自得でもある。その必要なものを渡したのは棗自身なのだから。

 まあ、そうして苦戦していたからこそ……

 

「……棗くん、なにをしているんだ?」

 

「っ、おやっさん……」

 

 こうして、見つかってしまったのだが。

 

「…………はあ……」

 

 ため息ばかり吐いてるな、と苦笑しながら棗は観念したようにミカに向き直る。隠していたって仕方ない。どうせバレる話だ。なら……彼にだけは話しておかねばいけないだろう。

 

「別に、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「っ、それは……」

 

 その言葉の意味を理解できないミカではない。だから……それが、何を指すのか理解してしまった。

 

「まあ、いつかはこうなるかも……とは思っていたんですよ、俺も。だから、そんな顔しないでください。()()()()

 

 明確な拒絶の意。それを示すように喋りながら棗は倉庫を漁る。

 

「……おやっさん、とは呼ばないのか」

 

「呼べる資格はもうないでしょう。約束を先に破ったのはこちら側だ。むしろ……貴方には、俺を撃ち殺す権利すらある。アイツを悲しませないうちに」

 

「……そうだな」

 

 それでも、彼はこちらに銃を向けたりはしない。ああ、本当に……千束によく似ている。

 いや……この人だからこそ、千束はあんな風になったんだろうな、と思わず笑ってしまう。

 

「……そこにはない、棗くん」

 

「……え?」

 

「ついてきなさい」

 

「…………わかりました」

 

 ミカに誘導されるがまま、彼の後をつける。そうして、ミカが案内した場所には────

 

「これ、は……」

 

「覚えているだろう、君も」

 

「……ええ、まあ」

 

 わざわざ、俺の成人式を見たい……なんて、ワガママを言った千束に絆されて……買った晴れ着を入れていた箱だ。

 

「覚えていないわけがないでしょう……俺の思い出ですから」

 

「そうか……」

 

 ミカは軽く、返事をしながらその箱を取り出し……蓋を開ける。

 晴れ着をどけたその下に……立花 棗がかつて使っていた45口径の大型拳銃(Mk23)とコンバットナイフが入っていた。

 

「……ここに入れていたんですか」

 

「……君も、ここなら迂闊に手は出さないと思ってな」

 

「……食えない人だ。俺の心理……弱みに漬け込むとは」

 

「戦場とは、弱みに漬け込めた者勝ちだ。そうだろう?」

 

「まあ、違いないですね」

 

 確かに、晴れ着を買ってもらった恩、千束との思い出。それらを拳銃を捜索することと天秤にかければ……立花 棗は拳銃を探せない。それほどまでに、ミカや千束たちとの思い出は立花 棗にとって大きなものだったからだ。

 

「……うん、重い。それに……」

 

 棗は、Mk23とコンバットナイフを手に取り、構えながら実感する。

 やはり……しっかりと、メンテナンスが行き届いたままだ。十年以上、この銃もナイフも使っていなかった。多少錆ついていたり、埃をかぶっていても不思議じゃないはずだ。だというのに、錆も汚れも埃も、いっさい二つの武器からは見つからなかった。それはつまり……

 

「どうして、これのメンテを。しない方が……貴方にとっては利点だらけだったでしょう」

 

 それどころか、解体したって良かったはずだ。これがなければ少なくとも、真正面から千束を完全に殺すことはできない。そういう意味ではミカにとってこの銃はなくてよかった代物だ。だというのに、彼は……欠かさず、棗の愛銃をメンテナンスし続けていてくれた。なぜなのか、棗は理解できずに問いかけてしまう。

 

「何度か、そうは思ったさ。……だが、君といる千束の楽しそうな顔を見ていると……その気は起きなかった」

 

「…………」

 

「千束がそうだったように……君もまた、千束に心を許していた。千束は、本当に大切なものを見つけてくれたんだな。と私はそう思った。だからこそ、私は君を許した。君を千束と共に育てようと思った」

 

 そうして、立花 棗も共に面倒を見ていくうちに……ミカの中に、心境の変化があった。

 

「……気付けば、君も私の中ではかけがえのない存在になっていた。千束と同じぐらい、大きなモノにな」

 

「……ミカさん」

 

 その言葉の意図を察してしまう。ああ、どれほど苦悩したのか……考えたのか、悩んだのか。

 棗は、顔を悲痛に歪める。そんなつもりはなかったからか、或いは……

 

「君にとっては厚かましいことかもしれん。だが、それでも……私は、()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「────」

 

 その結果が、この甘さだった。彼の銃を手入れして……いつでも戦場に赴けるようにしてしまった。それが、どんな不幸を呼ぶかも分かっていたのに。この銃を解体することも、捨てることもミカにはできなかった。

 

「……参ったな、やっぱり……貴方にだけは敵いそうにない」

 

「これでも、君よりは長い年月を生きているんだ。単純な人生経験の豊富さだよ」

 

「だとしても……同じ土俵に立っていたとしても、俺は貴方に口論では敵う気がしませんよ」

 

「そうか……」

 

 少し、沈黙する。何を言うべきか……お互いに測りかねていた。

 沈黙を破ったのは棗だった。彼は、己の懐にしまっていた……麻酔型拳銃(Mk22)偽造ナイフ(スタンガン)を取り出す。

 

「これは、お返しします。この先の俺には相応しくない」

 

 十年、愛用したその武器を手放す。その意図など分かりきっている。決別だ。殺さずに戦い続けた十年の日々を……ミカに作ってもらったその武器を捨てることで、立花 棗はいっさいの繋がりを捨てようとしている。

 

 だが、ミカはそれを受け取らなかった。

 

「……それは、私が君に渡したモノで、君のモノだ。……私の銃ではない。君が持っておくべき銃だ」

 

「……しかし」

 

「それに、使い方次第では……それらも人殺しの武器になる」

 

「────」

 

 そうだ、麻酔銃だろうがスタンガンだろうが……使い方次第では人を殺せたのだ。だが、棗はそれを理解していてなお、殺すために使わなかった。……使いかけたことはあったが、それも誰かを守るためだ。そこには確かな棗の想いが込められている証だった。

 

 ────ああ、本当に敵わない。棗は苦笑いを浮かべる。

 

「武器は多い方が、君にとっても利点となるはずだ。違うか?」

 

「…………わかりました。後悔、しないでくださいよ。俺に渡したままにしたこと」

 

「後悔などないさ、君の目を見ればわかる」

 

「……本当に食えない人だ。ミカさんは」

 

 全て見透かされているようで、背中がむず痒い。ただ、その感覚もなんだか悪くないと棗は思えてしまっていた。ああ、そうか。千束だけじゃない……俺はこの人にも、いや……リコリコという場所に絆されていたんだな。と理解してしまった。

 

「棗くん……?」

 

 大きな身体だ。ミカに抱きついて棗はそう思う。本当に、父のように安心する身体だ。

 

「…………俺も、貴方のことは父親のように思っています。それは、今も変わらない」

 

 そうだ、本当に父親のような人だった。千束にとっても、俺にとっても。温かかった。心地良かった。本当に、楽しかった。時に千束と一緒に怒られたり、迷惑を掛けて困った顔をさせてしまったり。……本当に、嬉しかった。

 

「ありがとう。────()()()

 

「────」

 

 ミカは、強く棗を抱きしめる。大切な子供に対するように。

 

「すまない……棗くん、私は……」

 

「……構いませんよ、貴方にとって誰よりも大切なのは千束だ。それでいいんですよ」

 

 そうじゃないと、俺は後悔なくこの場所を去れない。天秤にかけて選ぶのは俺でなくて、千束であって欲しい。俺がそうしたように。

 

「すまない……」

 

「その気持ちだけで充分です。今まで、ありがとうございました」

 

「棗くん……何があっても、ここは君の帰る場所だ。千束も、私も……ミズキやクルミ、たきなも、君が帰ってくると信じている」

 

「────ありがとうございます」

 

 独りではないんだ、そう告げるようなミカの言葉に棗は笑って返す。ああ、本当に……その気持ちだけで充分だ。

 

「…………たきなが、千束と君に……何かをしたいと言っていた」

 

「え?」

 

「……今日だけは待ってやってくれないか?」

 

「…………」

 

 棗は少し考えこむ。これ以上、ここにいると決心が鈍るかもしれない。

 ただ、それでも────

 

「……はぁ……分かりました。今日だけです……どのみち、今日は帰還の準備の予定でしたから」

 

「……すまんな」

 

「お気になさらず。俺が自分で決めたことです」

 

 たきなが何を思い、何をしようとしているのかは分からない。それでも、想いを踏みにじれるほど非道ではなかった。

 つくづく俺は千束とたきなに甘いんだな、と棗は自分に対して呆れるようにため息を吐いた。

 

 ────

 

「へいらっしゃーい! いらっしゃーい!! らっしゃっせー!! らっしゃーい!!」

 

「じゃかあしいわ!!」

 

「あ、ごめん。……はぁぁ……暇だなぁ」

 

 有り余る元気を消化するように掛け声を続ける千束。少ししてからミズキに咎められて黙り込むが……客がいない日はやはり物静かな店になるリコリコにおいては退屈な時間であった。

 

 そんなとき、カランと来客を報せる鐘が鳴り千束はそちらを見るが────

 

「あ、いらっしゃ────お、おお……おかえり?」

 

 そこには何故か、夏服……というより千束と棗が選んだ私服を着込んだたきなが立っていた。

 

「千束、棗さん。ちょっとお話が」

 

「え、あ……はい?」

 

「…………ん、わかった」

 

 カウンターに座っていた棗は腰をあげてたきなの方に向かい、千束はきょとんと首を傾げる。

 たきなに畳席に案内され、向かい合うように千束と棗は座り込み、たきなを見る。

 

「なにごっこ!?」

 

「え?」

 

「……は?」

 

「ん……?」

 

 千束の言葉に首を傾げるのはたきなと棗であった。まあ、畳席で沈黙し続けて向かい合うだけだったらなんというか、ウチの娘はやらん。みたいなままごとのように思えたのは事実だし仕方ないのだが。

 

「いえ、別にそういう遊びではなく……」

 

 ポン、と机の上に『あそびのしおり ~休暇プログラム~』と書かれたたきなが作ったであろうしおりが置かれる。

 

「これ……は?」

 

「……出かけましょう。私と、千束と、棗さんの三人で」

 

「……!!」

 

 たきなのその言葉を聞いた千束は目を輝かせて、ミカとミズキのいるカウンターの方に視線を向ける。

 

「いってきなさい」

 

 ミカは頷いてそう返す。

 なるほど……たきなが、したいこと。か……と棗は納得するように目を閉じた。

 

「ようし! そうなったら早速着替えるぞー!! 棗も、ほら! 着替えて着替えて!!」

 

「ちょ、おいこら。急かすな!?」

 

 千束に腕を引っ張られて、急かされるように連れて行かれる。一番浮かれているのは千束だろう。それを見ながら、困ったように、仕方なさそうに……棗は笑った。

 

 きっとこれが最期になるかもしれない。そう思ってしまったからだろう。




立花 棗

誰が何と言おうと、俺にとって貴方は父親でしたよ。ミカさん。


ミカ

……すまない、棗くん。
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