異世界のジョン・ドウ ~オールド・ハリー卿にかけて~ 作:?がらくた
数日後の夜にて
元の世界に戻るため、暗中模索の日々が始まった。
依頼をこなしたヘトヘトの体で、王国の酒場で聞き耳を立てながら、実のない情報収集をするのは精神的に堪えた。
しかし直接聞き出せば、迷い人と疑いの目を向けられる可能性がある。
砂漠で砂金を探すという形容がピッタリな、地道な作業だ。
文句があっても、目的を達成するまで生き延びるため、ヴォートゥミラで日銭を稼ぐ他ない。
一人でこんなことを続けていたのかと、石動は直美の精神的な強さに驚愕した。
「今はいないから率直に聞くけど。あいつのこと、無視していいの?」
「いいさ。冒険の協力はしてくれるから」
ハリーはよほど人間が気に食わないのか、冒険を終えると同時に僕らから離れ、単独行動をした。
石動は彼を放っておいた。
逆上させたら、それこそ何をするかわからない。
あの悪魔も自分を出し抜くために、策を弄しているはずだ。
名ばかりの主従契約が、いつまで継続するのか。
対策を講じなければ。
(疲れたなぁ。早く宿屋で寝たい)
酒場のカウンターに突っ伏した青年が、心の中で呟くと
「相変わらず手掛かりなしね。いつになったら終わるのよ! この生活は!」
横の直美は大声を張り上げる。
けれど叫びは、周りの雑音に掻き消されていた。
相当苛立ちが募っているらしいが、疲れた石動にとっては耳障りだとしか感じなかった。
むやみに調べても埒があかない。
「粘るのはこれくらいにして、あそこにいかない?。先は長そうだし、気楽にいこうよ」
「……ホント、イライラする。成果もないし、今日は諦めましょうか」
気分転換を提案すると、直美は渋々青年に従う。
情報収集を切り上げて行きつけの店となった『憩いの場:銀の皿』で、僕らは今後について話し合うことにした。
「ユウ、ナオミ、また来てくれたんだ。今は暇だからさ、いつでも呼んでね」
目的地に着くとブロンドの看板娘メラニーが、二人を出迎える。
彼女の笑顔は夜の闇の中でも、太陽の如く周囲を照らしていた。
店の中に入ると、テーブルの中心に置かれたランタンの灯だけを頼りに、メニュー表の文字に目を凝らす。
「私はステーキ3つとウィンナー。あとサラダも追加で」
「僕はシカの串焼きとサラダと、あと蜂蜜酒(ミード)をお願いします」
「私はエールで」
「ハイハーイ、すぐに用意しますね~」
しばらく談笑をしていると、木製の深皿が直美の前に運ばれた。
特製ソースがかかった厚切りの肉の隅っこには、コーン、ニンジン、ブロッコリーといった、色とりどりの野菜が盛られている。
見た目はごく普通で、別段凝った料理ではない。
しかし、もうもうと立ち昇る湯気と香ばしい匂いが、その料理の旨さを物語っていた。
彼女は初めてここに訪れた際に食べた、このステーキの虜になってしまったようだ。
結局シンプルな料理ほど飽きがこず、何度も食べたくなるもの。
「あなたの注文した料理、遅いわね。お先にいただきまーす」
「うん、僕のことは気にせずどうぞ」
そういうと直美は肉料理を黙々と平らげていく。
メインディッシュを食べ終えた次は、ナイフを器用に扱い、フォークに乗せたコーンを口に運ぶ。
咀嚼する度にシャキシャキと小気味良い音が聞こえ、視覚や嗅覚、味覚だけでなく、音感でも食事を楽しませてくれた。
「一日のシメはこれね~」
唇についたソースを舌で舐め取り、ごくごくと喉を鳴らして、口の中のものをエールと一緒に流し込む。
見ていて気持ちのいい豪快な食いっぷりに、石動の相好が緩む。
彼女いわく中高は水泳部に所属していたが、ここまでの大食いではないとのこと。
これも迷い人になった影響なのかもしれない。
知らないものを解き明かしたくなるのは、人の性なのだろう。
いつしか迷い人という存在に、石動は興味が沸いていた。
「ご馳走さまでした……あまりジロジロ見ないで。食べにくいからさ」
「ご、ごめん。美味しそうに食べるなぁって」
「残さず食べるのが食事を作ってくれた人と、食材への礼儀だもの」
ハンカチで口を拭き、直美はさも当然と言わんばかりに感情を込めずに主張する。
SNSに撮影した食べ物の画像をupしたら、口につけず捨てる人間もいる飽食の時代にも、こんな娘もいるのか。
忘れてはいけない心構えに感心していると
「……謎の声を聞いただけってヒントじゃ、わかるはずないわよ」
食事を終えて退屈なのか、ナイフを指揮者のように振り回し、直美は呆けた顔でぼやいた。
確かにその情報だけを頼りに、この世界から脱出するのは困難を極めるだろう。
学もない自分に適切なアドバイスなどできるのかと考えつつも、石動は
「いや、直美さん。僕たちは、もう1つ貰ったものがあるはずだよ」
そういって拳を握り締め、左手の盾を軽く殴ってみせた。
すると直美は掌を見つめ、周りに感づかれぬよう、ぼそりと囁く。
「……私にもあなたにもある、謎の力のことね。確かに共通点だわ」
「ただこの力、個人差があるね。僕は直美さんより力があるみたいけど、直美さんのように魔法は扱えないし」
この世界の新参者の自分にはわからないが、彼女には謎の力について、心当たりがあるやもしれない。
直美をまじまじと眺めて、石動は返事を待つ。
「SG8の連中は、確実に人間離れの力を持ってるわね。あいつらなら、何か知っているかも」
「敵対しているSG8の人たちと接触したら、聞いてみよう。やることがハッキリしてきたね」
とはいえ現実に戻りたい僕らと、SG8の利害は一致していない。
彼女を是が非でも排除したい彼らが、この世界から脱出する情報を有していれば、とっくに直美との取引材料として利用しているだろう。
そうすれば彼女はヴォートゥミラから解放され、SG8も誰にも邪魔されずに、ここにいつづけられるからだ。
推測の域を出ないが、SG8を調べるのは得策だとは到底思えなかった。
「あの連中が素直に話すとは思えない。私が無理矢理聞き出すしか……」
逸る気持ちを抑えられないのか、直美は物騒な発言をしだす。
感情的になったら、数日前の盗賊の頭が悪魔ハリーを呼び出したように隙を突かれ、惨事になりかねない。
石動は自分の頭にある思考を噛み砕いて説明すると、直美は口をへの字にさせながらも怒りを収める。
どうやら納得してくれたようだ。
直美もハリーほどではないにしろ、直情的な部分がある。
SG8の刺客やハリーの暴走への注意、そして直美のご機嫌とり。
日頃から心労が絶えないせいか、青年は長い溜息を吐いた。
「現時点では推測の域をでないけど、なかなか説得力ある話ね。私は暴走しがちだから、大局を見てくれるユウには感謝しないとね」
「そんな……僕はただ無気力というか。いちいち頭で考えるせいで腰が重いというか」
「謙遜しなくていいわよ。冷静沈着なあなたに、私には成せないことを期待してるから」
彼女に褒められ、裏があるのではと疑う。
だが視点を変えたり、物事の捉えようによっては、短所も長所にもなり得るのだ。
(……だからって、僕は褒められた人間じゃないけど)
そう頭では理解していても、実感は沸かなかった。
資本主義の国では、金に繋がるかが全てだ。
金(仕事)にならない趣味、他愛もない会話。
目に見えず、金を生み出さないものの価値など、ないに等しいとみなされる。
持たざる者の自分が、仮に元の世界から消えたとしても、社会に何ら影響はないだろう。
けれど直美や他の迷い人には、心配してくれる両親や友達もいるのかもしれない。
(そういう人たちが元の居場所に帰れたら、僕がここにきた意味もあるのかな……)
これから先、直美のように助けてくれる迷い人とも逢う。
蔑む人間のためでなく、良くしてくれる人々のためになら、石動は頑張れる気がした。
漠然とした帰りたい気持ちが、よりハッキリとした形を成していく。
心の中で决意を新たにし、僕と彼女はそれぞれの宿へ帰るのだった。
宿屋へ向かう帰り道
大通りの外れにある石動が暮らす宿屋への道は、昼間の王国とは、まったく違う顔を出す。
路端にはトレンチコートを羽織る娼婦が何人も立ち、道行く屈強な男たちに舐め回すような視線を送る。
そして羽振りのよさそうな男に狙いを定め、交渉をすると、一人また一人と夜の闇へと人々は消えていく。
彼女たちにとって、冒険者は得意客なのだろう。
しかし石動にとって、彼女らの存在は迷惑でしかなかった。
(……見世物じゃないんだ。勘弁してくれ)
さっさと通り抜けようと足を速めるも、彼の前に一人の女が立ちはだかった。
「I don't want to be alone tonight(今夜は独りにしないで)」
「いや、その……」
英語を話すやつれた娼婦はそういうと、胸元のはだけた真っ赤なドレスを見せつける。
目のやり場に困る服装に困惑した彼は、どうやり過ごそうかと頭の片隅で考えつつ、愛想笑いした。
(……し、刺激が強いな。こういう経験はないし、どう断ろう?)
「Let's stay at the inn(宿に泊まりましょ)?」
娼婦は一方的に腕に抱きついた。
たわわに実った乳房が押しつけられ、石動の男の象徴が否が応にも反応してしまう。
フローラルな香水の匂いに鼻孔をくすぐられ、胸の鼓動は運動直後のように激しくなっていく。
このままなし崩し的に、彼女と……。
石動が場の雰囲気に流されそうになると、もう片方の腕に抱き着いた女が、やつれた娼婦に睨みを利かせた。
「my darling(私の愛する男よ)」
女の迫力に気圧されたのか、娼婦は脱兎の如く逃走する。
「災難だったわね。ああいう時は無視しないと、つけあがるわよ」
「僕の言葉がわかるんですか?」
「ええ。よかったら、私とどう?」
彼女がいなければ、今頃はあの娼婦と宿を共にしていただろう。
親切な彼女に恩義はある。
しかし、それとこれとは話が別だ。
「助けていただいてすいません。明日も忙しいので、そういうのはちょっと。後日再開したら、お礼でも」
「……そう。残念ね」
「ありがとうございました」
背中を向けて宿に向けて歩くと、足音がした。
まだ言いたいことでもあるのか。
何事かと振り返ると、女は懐に忍ばせていた金属片を握り締めて、青年に駆け寄る。
(……えっ?)
頭が真っ白になった石動に、女はすかさず得物を突き刺す。
―――殺される!
青年が死を確信した瞬間
「な、なんで! なんでよ!」
女の悲鳴にも似た叫びが、辺りに響いた。
何事かと石動は刺された背中に目を向けた。
すると皮膚に突き刺さるはずだった刃物が、グニャリと曲がっていたのだ。
(僕の迷い人の能力は、異常なパワーだけじゃなかったのか)
狼狽える娼婦に、石動が咄嗟に盾で女の額を強打すると、女は頭から倒れてしまう。
倒れた女は出血しており、素人目でもわかる、命にかかわる致命傷を負っていた。
(うわ、やっちゃった。大丈夫、なわけないよね。でも正当防衛だよね。問題ないよね)
とんでもないことをしでかした時、人というのは自分を納得させるものらしい。
昏倒させてしまったが、今は大人しくしてもらおう。
彼女を助けるにしても、まずは自らの安全を確保してからだ。
「もしやSG8の刺客? 直美さんに協力したら容赦しない。警告のつもりなんだろうか」
独り言を言いながら辺りを見渡すと、ふと青年に悪寒が走る。
嫌な感覚を覚えた狭い路地には、燃えるような真紅の瞳が妖しく輝いていた。
間違いない、奴だ!
「クックック。人間には甘ェから、人同士の殺し合いに発展すれば簡単に死ぬかと思ったのによ。案外冷酷なんだな、お前」
街娼が倒れた場所の近くから、聞き馴染みのある声が響いた。
その瞬間、石動は彼女がハリーの差し金であるのを悟る。
怒りに我を忘れた青年は、周囲の迷惑も顧みず、盛りのついた獣の如く咆哮した。
「ハリー、出てこい! この人に何をした!」
「人ってのは欲深い。他人を蹴落とし、他人より幸せになりたがる生き物だ。だから簡単に操れんのよ。悪魔の甘言にそそのかされる、愚かな女が悪いのさ」
悪びれる様子もなく、ハリーは言ってのける。
人の心を弄ぶ怪物に道理は通じない。
「僕は何をしたと聞いたんだ、質問に答えろといっている。余計な発言は慎め」
「この女、浮気性の男と付き合ってるらしくてな。恋敵の女を消してやる代わりに、お前を殺せって言ったら、喜んで協力してくれたぜぇ?」
この娼婦を差し向けた悪魔は―――こいつは自分を殺すつもりなのだ。
一挙手一投足を見逃さぬようにハリーを見据え、青年は悪魔への嫌悪感を押し殺す。
「もういい、お前の存在は不愉快だ。僕や直美さんの前に、2度と姿を見せるな。失せろ、悪魔オールド·ハリー」
「1つ目の契約が成立した以上、3つの願いを叶えるまでオレサマがオメーから離れることはねェ。魔界法の掟だ。たった1つの例外を除いて、な」
「例外?」
含みを持たせた言い回しに、思わず石動は訊ねた。
それを待っていたと言わんばかりに、ハリーは大笑した。
「簡単な話だ。テメーがとっととくたばりゃいいのよ。テメーが死ねば、契約はなかったことになるからなぁ! ケーケッケ!」
その発言に、石動はまったく驚きはしなかった。
実に悪魔らしい考えだ。
気に食わない術者との契約は、術者自身を亡き者にすることで、魂を蒐集してきたのだろう。
「人間共の堕ちた魂を滅却せん、インフェルヌス!」
悪魔が呪文を詠唱すると、石動の周囲に火柱が上がる。
地獄の名を冠した魔法だけはあり、その火は暖炉の種火のような小さな火ではない。
生きとし生けるもの全てに牙を剝く、人間如きには制御しようもない、荒々しい焔そのものだった。
黒煙に視界を覆われた青年は咳き込み、この場を切り抜けるために思考を働かせる。
悪魔が人を襲わないよう命令したのに、なぜ炎を扱っている?!
(まさか、この炎。攻撃ではなく目眩ましか!)
気づいた時には時すでに遅し。
石動の頭上には翼膜を広げた悪魔が急降下すると、青年を持ち上げる。
「最後通告だ。ここで死ぬか、オレサマとの契約を解除するか。どちらか選択しな」
襲いかかってきた娼婦は米粒のように、。
こんな所から落とされたら、ひとたまりもない。
「死に場所も死に方も僕が決めることだ。それまでは契約を履行(りこう)してもらう」
「クックック、ずいぶん強情じゃねぇかよ。自分の状況わかってんのか。クソ人間。契約を解消するなら、命だけは助けてやってもいいぜぇ?」
「羽毛より軽い悪魔の言葉なんて、誰が信じるものか」
どうせ悪魔は俺を殺すつもりだ。
これは強がりではなく本心だ。
「悪魔の脅しに従わないのは、利口な判断だ。だがな、頭に血の昇ったオレサマには逆効果だぜ」
そういってハリーは躊躇なく、空から彼を落とす。
まずい、このままでは落下死する。
「オールド・ハリー。僕を助けろ、これは命令だ!」
「ああ、助けてやるよ。テメーが地面に堕ちた後に息がありゃあなぁ!」
悪魔は法や秩序の抜け道を探すもの。
―――迂闊だった。
地面に落下しないように助けろ、そう命令すれば命拾いしていたはずだ。
これは俺の落ち度だ。
だが、まだ希望はある。
(魔法がある世界だ。なら現実の物理法則を無視した、非現実的なことだって可能なはずだ。飛べ、空中を!)
魔術師の適正がなかった自分に、空を飛ぶ魔法が都合よく使えるのか。
そんな奇跡など起こるのだろうか。
一縷の望みをかけて願うと、体が一瞬だけフワリと浮いた……気がした。
だが、落下は止まらない。
(……ここまでか)
「ユウ!!!」
その時、直美の声がした。
(そうか。さっきの女の人の声と、僕の怒鳴り声を聞いて……)
万策尽きて、どうしようもない。
直美さんを、彼女を信じよう。
青年が自分の命を彼女に委ねた瞬間、地面に墜落する。
「……契約が解消された気がしねぇ。まだ息があるな。まさか迷い人か?! しぶとい野郎だ。まるで高い所から落ちても、ピンピンしてるアリみてぇだな」
ハリーは下卑た笑みを浮かべ、王国を眺めた。
空中を我が物顔で飛び回り、天に唾を吐くように火を吐くと、悪魔は空に浮かぶ満月と重なって、けたたましく笑う。
「手始めにフィリウス・ディネ王国を焦土と化すまで焼き尽くしてやるか。あいつを殺すわけじゃねぇし、魔界法にも抵触しねぇだろ。ま、王国の人間を皆殺しにする過程で、忌々しい術者もおっちぬかもしれねぇがなぁ! ギャハハ!!」
天を仰ぐ青年は、死に直面しているにもかかわらず、不思議と冷静だった。
空に浮かぶ星々は綺麗なのだろうかと、吞気なことを思い浮かべるくらいに。
だが視界が目薬を差した時のようにぼやけて、何も見えない。
呼吸をするだけであちこちが痛み、脂汗が滲む体には、夜の風が心地よい。
このままだと、あの世行きだ。
力を振り絞ろうと身動ぎすると、全身の神経という神経がそれを拒否し、青年は言葉にならない叫びで呻いた。
「ユウ、しっかりしなさい! 誰か、誰か彼を看て」
「大丈夫ですか。今、回復させます」
意識が遠のく中で直美と見知らぬ女の子の甲高い声、そして高笑いするハリーの叫びが響き渡る。
邪悪という言葉を体現したかのような悪魔の発言に、石動は嫌悪感を顕にした。
こいつは生かしておけない。
生かしておけば、王国の人々に危害が及ぶ。
エイプリルにメラニー、そして直美。
助けてもらった人々の顔が、走馬灯のように頭を駆け巡る。
(……人の痛みがわからない奴は、人を平気で傷つけられるんだな。人も悪魔も。だったら俺と、俺と同じ苦しみを味わえ! この……クソ悪魔が! 俺が死を迎える時には貴様も一緒に命を断て。悪魔オールド·ハリー!)
ハリーに呪詛の言葉を吐き捨て、彼の意識は底知れぬ深淵へと引きずり込まれていく。
死後の世界は花が咲き乱れているだとか、三途の川が流れているだとか、どこかで耳にしたことがある。
けれど実態はまるで違っていた。
―――何もない虚無の世界だ。
花畑や川はおろか、過去に愛したおじいちゃんやおばあちゃんさえも存在しない、絶対的な無が僕に待ち受けていた。
(……俺は死ぬのか? 母さん、父さん、姉ちゃん……何者にもなれなくて……ごめん……ダメなやつでごめん……)
最後を覚悟した彼は、家族への謝罪の言葉を胸に瞼を閉じる。
拙作「異世界のジョン・ドウ 〜オールド・ハリー卿にかけて」において、好感の持てる仲間キャラクターはいますか?
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石動 祐
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向川 直美
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オールド・ハリー
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七種 英子
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アシェル・F・フェアチャイルド
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ウィッカ・ヴィッカーズ
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ミッシャ・フォン・シュバルツマン