カチ勢頑張る   作:インスタント脳味噌汁大好き

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第9話 船長面談

「とりあえず武田様は止めて欲しいです」

「わかりました。ふむ。何故今のタイミングで?と聞きたいようですが、単に重要な人と強い人から面談していたら今のタイミングであなたとの面談になっただけです」

「……自分より先に面談した人って教えてもらえますか?」

「各鯖の1位チームのチームリーダーと黒猫様を除けばライト様、モルモット様に続き3番目ですね」

「7鯖のモルモットさんそんなに強かったっけ……?

あ、アブダクション生還組か」

 

このタキオン船団の船長と面談ということは、実質国のトップ、企業でいう社長との面談ということになる。就活の時の社長面接は緊張したなぁ。もうその企業も日本も滅びているらしいけど。

 

どうやらこのシウラさんから、自分は全鯖で3番目の強さだと思われているみたい。ユリクリウスの方が火力は絶対にあるが、二刀流でも自分にはダメージがそんなに入らなかったからな……。ダメージ割合カットは至高。

 

ライトさんがトップなのは納得できるとして、何で7鯖のモルモットさんが2位なんだろうと思ったけど、そう言えばアブダクション生還組か。30組中3組の内訳は、1鯖のユリクリウス&クロワッサン、3鯖のアクアさん、7鯖のモルモットさんの3組。たぶんモルモットさんはユリクリウスやアクアさんみたいになんか凄いスキルを拾ってるな。元々モルモットさんも7鯖ではトップクラスには入るプレイヤーだったから聞き覚えはあるし、そういう人が凄いスキル拾っているなら全鯖でトップクラスになるのは分かる。

 

一桁ナンバーの鯖は、サービス開始直後からあったから古参が多いんだよね。その後に人が増えて11鯖から20鯖が出来て、最盛期には21鯖から30鯖が出来た。その後はひたすら人が減少したけど、他ゲームで聞く鯖統合とかはなかったな。

 

まあ最初からこの状況にする予定だったなら、鯖統合がなかったのも分かる。うーん、マジで戦力としてこの世界に引き込んだのかは気になる。あと戦力として引き込むのに、初心者や初級者までセットで連れて来た理由も気になる。

 

「あの、どうして初心者や初級者まで引き込んだんですか?」

「身体は用意してしまっているので、1人でも多くの人を連れ込んだ方がその中から英雄の発生確率は上がるでしょう。

こちらからの質問ですが、貴方は大いなる闇との戦いに挑む勇気はありますか?」

「……ゲームと同じ仕様なら一撃で100ダメージ程度だ。大技でも1000ダメージ程度。勇気がなくても戦える範囲だな」

「……なるほど。貴方の性格、思考は分かりました。」

 

シウラさんからの質問は、大いなる闇との戦いについてだった。いやラスボスに命をかけて挑む勇気はあるかと問われれば皆無だけど、ゲームと同じ仕様なら恐らく死なない。つまり、勇気がなくても戦うことは出来るな。

 

そのことをそのままシウラさんに伝えると「人間らしくて良いと思いますよ」とか言うけどそれ人間じゃない存在の常套句。自分が人造人間の身体に魂を入れられた人擬きであることはもう把握してしまっているが、シウラさん本人も滅茶苦茶強かったはずだから人じゃない可能性や黒幕の可能性が捨てきれない。

 

その後も性格や趣味嗜好に関わることについて、何個か確認されるけど人となりを見に来ただけとは思えない。やることなすこと全てに意味がある完璧超人シウラさんだぞ。絶対に何かある。

 

「では最後に、貴方はこの世界を楽しめていますか?」

「……FUO2プレイヤーの上位勢で楽しめていない人はいないと思いますよ。少なくとも自分は楽しめています」

「新しくサポートロイドを買おうとするぐらいですものね。

それでは今日はありがとうございました。お見送りは結構です」

 

……と思ったけど、最後の質問で単に落ち込んでいる人とか気後れしている人がいるか探しているだけのように感じた。あと、面談が終わったらサッと次の人のところに向かうようで、一瞬で消えてしまった。それと同時にユリクリウスがチームチャットで叫んでいたので、ユリクリウスのところへ行ったのだろう。元々結構な課金勢の1人だったユリクリウスだけど、シウラさんの評価では全鯖で4番目の強さか。

 

さて……。

 

「『チャイナドレスS:緑』も良いなー。いやせっかくだしレイヤリングウェアを重ねてオリジナル感だそうかな。『ニーソックス:白』と『指ぬきグローブ:白』と……」

「……マスターって先ほど勇気がないとおっしゃいましたけど、かなり強心臓ですよね?」

「ゲームの世界ですら死ぬのが嫌だったからカチ装備作ってるやつに勇気なんてないし強心臓なんてナイナイ」

 

シウラさんも帰ったことだし、ロリっ子作成を再開。せっかくだしコッペパンに合わせてチャイナドレス姉妹も良いかと思ったけど、清楚なメイド服とかも良い感じに似合いそうだから迷うな。やっぱキャラクリはある程度仕上がってからの着せ替えタイムが一番楽しい。

 

コスチューム倉庫も当然最大まで課金して2783/3000種類まで埋まっているので何でも着せたい放題やりたい放題である。まあコスチュームが増えたのは課金ガチャが能力も待機モーションも強化アイテムもコスチュームも家具も全部一緒のごちゃまぜ闇鍋仕様だったからだけど。

 

HPタフネスを付けられるアイテムを4つ引くために1回300円のガチャを600回引いたのは良い思い出。200回で1天井なので天井3回分である。1回素引き出来たのは幸運だった。まあ自分に限らずステ系を盛っている人は全員この地獄を経験しているだろうけど。装備の更新の度に特殊能力アイテムは使い直さないといけないし、金のかかるゲームです。

 

ヨシ!2人目のサポートロイドのモデルが完成した。価格は200万ゴールド+ゲーム内通貨で8000万ゴールド相当のコスチュームと顔パーツ。

 

「2人目のサポートロイド完成したし、到着が楽しみだな」

「……もう発注されましたね。到着は3日後ですか」

「3日でサポートロイドが作れるって凄いな未来の技術」

「今は地球組にサポートロイドの配布を行っているので、通常24時間以内には納品されるサポートロイドが3日後到着に遅れています。」

「ああそっか。まだ順番に配布している途中だった」

 

3日後に届くようだけど、通常時ならこのレベルのアンドロイドが1日以内に届くとか怖すぎない……?普通に会話出来るのだけでも凄いのに、サポートロイドとして身の回りのお世話もしてくれる美少女が配布されるとかシアリーの特権階級っぷりがヤバイ。

 

……まあでも現状、全宇宙の脅威であるシャドウと日夜戦っているから許されていることなのかな。ちょっとサポートロイドを作るのに疲れたので横になろうとすると、正座して膝枕を用意するサポートロイドのコッペパン。地味に嫉妬してそうでかわいい。ロリっ子の膝枕は最高。

 

「2人目のサポートロイドの名前は何にしたのですか?」

「チョココロネ!」

「またパンの名前ですか……」

 

膝枕されながらじっくりとコッペパンの顔を見るけどやっぱり美人さんである。上位勢の中にはサポートロイドのお世話により堕落したプレイヤーが何人もいるとか何とか。現在進行形で膝枕されている自分もその中の1人に入っているけど。

 

[ユリクリウス:社長面接終わったぁああああ!

この後の順番はアクアさん→ライさん→ゼルだって言ってた]

[黒猫:ほう。

ゼルはクロワッサンより前に個人面談だった人の情報聞いといてくれ]

[ゼル:えっ、あの、シウラさんに質問する勇気ないんだけど]

[クロワッサン:それなら自分が既に聞いたぞ。

各鯖の1位チームのチームリーダーと黒猫を除いたらライトさん→モルモットさん→自分だった]

[黒猫:お、主要チームのチームリーダーが呼ばれているとは思ったけど、各鯖の1位チームと幼女同盟だけか。これは幼女同盟高評価。あのシウラさんが真面目な顔で「幼女同盟は要注意ですね」みたいな話をしているかと思うと胸が厚くなるな]

[ふわわ:それ以上胸を盛るのはどうかと思う]

[ハル:あれ?モルモットってそんなに強かったか?俺と同程度じゃね?]

[黒猫:アブダクション生還組だから何か拾ってるだろ。あとついでにクロワッサンはマジで何も拾ってないの?]

[クロワッサン:何も拾ってねえ。自分も二刀流欲しかった。アカツキノヴァ作る前に使っていた封呪剣使いたい……]

[ゼル:あれにももしかして堅牢付いてた?]

[クロワッサン:YES]

[ユリクリウス:コイツ1鯖で出た13個の内5個を独占してやがる]

 

膝枕をされながらゴロゴロしていると、ユリクリウスの面談が終わる。そしてユリクリウスの情報的に、ゼルさんが全鯖7位か。まあ分からんでもない性能の装備はしているし、PSは高い。これ幼女同盟の人間は結構な数が全鯖上位に来てそうだな。シウラさんが黒猫だけ特別扱いして呼んでいるのも、幼女同盟の評価が高くなるのも分かる気がする。全員ロリコンなのが玉に瑕。

 

[クロワッサン:あ、2人目のサポートロイド作ったら3日後に到着って言われた。名前はチョココロネにしたからよかったら見に来て]

[ユリクリウス:よし、サポートロイド俺も買う。ユウシャちゃん作る]

[ふわわ:到着したら動画取らせて下さい!]

[ゼル:到着したら添い寝スクショ、いや添い寝動画を撮らせて下さい]

[クロワッサン:……スクショなら気軽に許可出せたのに、動画となると急に抵抗感出て来るの何でだろう?]

[黒猫:新規で購入した奴なら好感度最低だからまずはクエスト周回に連れていく必要あるんじゃないか?]

[クロワッサン:あ、そうか。

いや倉庫に眠っていたNPC好感度UPアイテム大量に投与したら初日に好感度最大も行けるんじゃね?]

[ユリクリウス:そういえばあったなそんなアイテム。

……シウラさんにも使えるのか?ゲーム内では使えたけど]

[黒猫:NPCに使うものだからサポートロイドはどうだろうな……?あとそれシウラさんにやろうとしたら受け取られた上で「次はないですよ」と言われたぞ]

[白猫:流石にそれは自重して下さい駄マスター]

 

ふとチームチャットをしている最中に、NPCの好感度上昇アイテムがあることを思い出したのでサポートロイドに使えるかは気になった。シウラさんには効果が無かったみたいだけど、まずそれを使おうとした時点で黒猫は頭がぶっ飛んでると思う。よく見逃されたなコイツ。

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