カチ勢頑張る   作:インスタント脳味噌汁大好き

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第16話 報酬

[黒猫:こっちの報酬はゲームと変わらず特殊能力追加成功確率+20%と+10%か]

[ゼル:10%は999個あるけど20%は貴重だし今の世界だと超ありがたい]

[黒猫:そう言えばこの世界来てから装備強化した奴おる……?]

[クロワッサン:まず素材を用意するのに1000万ゴールド必要です(ゲーム時)]

[ユリクリウス:最終素材を用意するのに1億ゴールドは必要です(ゲーム時)]

[ふわわ:最終素材を10個用意します(ゲーム時)]

[ゼル:ラストの成功確率は5.6%です(ゲーム時)。出来るかボケェ]

[黒猫:今から真面目にやってもスロット6ぐらいまでしか拡張出来なさそうだな]

 

鯖対抗戦が終わり、報酬が配布されるけど出場者には特殊能力追加成功確率+20%が、勝利サーバーの人全員には特殊能力追加成功確率+10%が配布される。+20%は超優秀です。課金かここぐらいでしか入手できないやつだし、そりゃ勝ちに拘るわというアイテム。まあTA上位30位以内の報酬としての役割も兼ねているから、有用なアイテムを配るわな。

 

これ、この世界でも装備の強化更新していけってことか……?もう能力自体は完成しているから多額のゴールド払って移植することしかやらんぞ自分は。でもまあ、将来性のありそうな人に売ることや渡すことは出来る。もし新しく有用な特殊能力とかが出て来たら……その時はその時で考えよう。

 

[ユリクリウス:ゆうしゃちゃん届いてる!]

[クロワッサン:起動シーンはちゃんと動画撮っとけよ]

[黒猫:ロリっ子勇者は思考が天才]

[ふわわ:ロリっ子魔王も良かったし楽しみ]

[ゼル:添い寝したいする入室許可出せ]

[ユリクリウス:今日は誰も入れないからな【ゆうしゃちゃんの眠っている顔写真】]

[黒猫:ふおおおおおおおおおおおおおおおお]

[クロワッサン:おおおおおおおおおおおおおお]

[ふわわ:良いね!その服めっちゃ似合ってる!]

 

鯖対抗戦が終わってマイルームに戻ったらユリクリウスには2体目のサポートロイドが届いたようだけど、めっちゃ可愛い。よくあるRPGの女勇者をロリロリさせている感じで、髪は緑髪にしているのね。自分が渡した『ゆるふわロングS:アホ毛付き』が美麗な顔立ちに似合っている。眼は『レッドサンアイ2』だから赤色。拘ってるなー。

 

……あれ?TAの日には注文してたよな?それから鯖対抗戦の日までは3日の期間がある。もしユリクリウスがシウラさんから特別許可証を貰っていたら、これは1日で届いていたはずだ。それが3日もかかったということは、ユリクリウスの注文が難しいものだったのか、ユリクリウスが特別許可証を貰ってないかのどちらか。

 

……これは、気軽に話題に出したらダメそうな奴だな。ユリクリウスに特別許可証が渡されていないなら、ユリクリウス以下の評価をされた人に渡されたとは考え辛い。となると、ライトさんと7鯖のモルモットさんと自分の3人だけか?

 

というか発注から到着までの日数を冷静に考えられたら自分がやけに早いことは分かる。頼む、誰も気づくな。

 

[ユリクリウス:あれ?そう言えばチョココロネって何日で届いたの?]

[クロワッサン:コロネは2日ぐらいだったか?詳しくは覚えてねーな]

[ユリクリウス:発注履歴あるでしょ。画像の保存日時と照らし合わせたら分かるよ]

[クロワッサン:……言いたくねえ]

[ユリクリウス:ん、隠しておいた方が良い事か。了解。チームメンバーは気付いてないし、気にしないようにする]

 

[黒猫:お前の時、やたら発注から到着まで早かったけど何かあった?アブダクション生還時にお前だけ優先券みたいなの貰った感じか?]

[クロワッサン:あまり触れて欲しくない部分だから気にしないでくれ]

[黒猫:はいよ。チームの奴らは気付いてなさそうだし流すわ]

 

[ゼル:コロネちゃんって発注から到着まで1日なかったような気がするけどあれ何で?]

[クロワッサン:お前らエスパーかよ……。ちょっと訳ありだから気にしないで欲しいかな]

[ゼル:もしかしてプレイヤーとか?まあクロワッサンがそういうなら気にしないでおくー]

 

[ふわわ:追加料金システムどこです?届くまで3日かかるのに1日で届いたってことは優先権どこかに売ってますよね?ちょっと注文ページに見当たらないです]

[クロワッサン:お前はサポートロイド3人いるでしょうが!というか分かった。もう隠さないことにするからチームチャットの方で話す]

 

しかし現実は無情で、かなりの人数から個チャが来てしまっていたのでもうチームチャットで話すしかなくなる。こいつら何で全員察しが良いんだよ。しかも深掘りはしないようにしようとする良い人達だしここまで気付かれているなら隠し事はしたくねえ。

 

[クロワッサン:あー、シウラさんから特別許可証ってアイテム貰った。それで自分はサポートロイドの納品が早かったんだ]

[黒猫:マジか]

[ユリクリウス:プロフェッショナル的な?]

[ゼル:個人面談の時?]

[クロワッサン:そう個人面談の時にサポートロイドのコッペパンが受け取った。何か色々と優先的に手配してくれるらしい]

[ふわわ:どういう優遇措置があります?]

[クロワッサン:詳しくは聞いてないけどシャドウの拠点探索は許可貰ってる]

[黒猫:いやそれは知ってる。それを隠す気ならブラッドさんに会ったこと個チャで喋るなよ]

[クロワッサン:……( ゚д゚)ハッ!

いや黒猫以外には言ってなかったし]

[黒猫:そこに気付いてなかったとかポンコツか……?]

[コッペパン:優遇措置についてご説明いたします。

まず最初に、全クエストの受注許可、武器強化時のゴールド割引。各種ドーピング剤の割引等です]

[ゼル:ゴールド割引って特殊能力追加の方も!?]

[コッペパン:いえ、強化だけです]

 

チームチャットの方で特別許可証について白状すると、コッペパンが特別許可証の解説をし始めた。そしてこの反応だと、たぶん自分以外に貰った人はいないのか……?耐久力での判断とかならそりゃ自分一人になるだろうけど、そこで判断するか……?

 

[コッペパン:それに加え、あらゆる製品についてネット注文時に優先的な手配、配送を行います。これは地球組では今のところマスターとモルモット様しか持っていない特権です]

[クロワッサン:え?ライトさんも持ってないの?]

[ゼル:まあ、クロワッサンが全鯖で見ても死にそうにない人間ではトップでしょ。いわゆる戦力として数えられた1人ってことじゃないの?元々ゲームではシアリー自体が特権階級みたいなものだったし]

[黒猫:条件等はまたシウラさんに聞いて来るか。……モルモットはアブダクション生還組だが、何を拾ったんだ?]

[ふわわ:7鯖にもフレンドいるけどモルモットさんはマジで何があったか分からないね。ただレベルが140に到達してるらしい]

[クロワッサン:うわ、自分でもまだ135到達してないのに?]

[ユリクリウス:1鯖のトッププレイヤー達でも130台前半だし他鯖のトップは130に満たない人も多いんだぞ……?]

[黒猫:なんかあるのは確定だな。経験値入手率アップとか、そういうものの可能性も高い。何せ3鯖のアクアが獲得した豪運は、レアアイテムを入手しやすくなる能力みたいだし]

[クロワッサン:は?]

[ビートル:は?]

[ゼル:はぁ?]

[ふわわ:マジ?]

[ABC:!?]

[時雨:( ゚Д゚)ハァ?]

[ユリクリウス:はあ?]

[ハル:はあああ?]

[ジョーカー:ニア殺してでもうばいとる]

 

今のところ、1鯖では自分に与えられた特権とのことだけど素直に喜べないな。これでチームの人達から悪感情持たれたら嫌だよ……。あと、モルモットさんがレベリングに励んでいるようだけど情報の露出が少ないようで謎。まあ少なくとも、シャドウの拠点でレベリングしてそうなことは分かるな。

 

あの人もカチだっけ……?いや、普通に火力も耐久も振ってる模範的な課金勢という印象しかないな。8鯖とは違って、7鯖はあまり鯖対抗戦やチーム対抗戦でも当たってないしどういうランカーがいたのかもあまり覚えてない。興味のない、強くもない他鯖の情報までしっかり調べていた人は少ないだろう。

 

『エマージェンシークエスト発生!タキオン船団内部にシャドウが侵入!居住区に大量発生しています!対象船団は21から30です!』

 

どういう条件だったのか考えていると、エマージェンシークエストが発生。この世界になってから2回目だけど、こんなエマージェンシークエスト無かったぞ!?シャドウが侵入ってどういうことだよ。これ本当に大いなる闇が復活していないんだろうな!?

 

『船団1と船団11の救援対象は船団番号21です!至急救援に向かって下さい!』

 

すぐに指示が出るけど、推奨レベルとか何もねえ!何があるか分からないからユリクリウスとパーティーを組み、一番侵攻の激しい箇所に転送して貰う。……タキオン船団は、戦闘員シアリー以外にも多くの人が乗っている。居住区がその中にあることは設定集か何かで見た気がするけど、船の天井に屋上がくっついているような、ビル群みたいな感じなのか。

 

なんか普通に日常生活を送っているような感じの中に、シャドウの群れが侵入してきて現場はパニックみたいになってる。ヤバイ、こんな状況で戦えるのか!?

 

「行くぞ!」

「おう!……って、あれ?」

 

前方で普通の人がシャドウに襲われていたため、慌ててシャドウの方へ攻撃をすると、吹っ飛ぶシャドウ。よく見るとレベル5だ。これで市民は大パニックになるのか。いや、よく考えれば魔力を使える極一部の人間が厳しい訓練を経てレベル5だったな。うーん、これは初心者や中級者に狩るのを譲った方が良いか?

 

いや、市民にとってはレベル5だろうがレベル100だろうが脅威には違わないし救援を続けるか。ひたすら船団の内部に入り込んだシャドウを狩り続け、1時間ほどで根絶が確認出来たため帰還。強敵とか何も出て来なかったし当然経験値なんて雀の涙の方がまだあるレベルで少ないだろう。経験値バーが見えないから何とも言えないけど、これでレベルが上がったらびっくりだわ。

 

……ただこれ、タキオン船団の一番守りの厚いところに侵入されたというわけで、シャドウがヤバくなっているのかこちらの防御が手薄になっているのかは分からない。もしかしたらストーリーのように裏切り者が出て来るのかもしれないし、突発的なエマージェンシークエストが発生しても大丈夫なようにはしておかないといけないか。いざうちの船団に侵入された時、レベリングで疲れて戦えませんじゃシャレにならないしな。


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