カチ勢頑張る   作:インスタント脳味噌汁大好き

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AIに絵を描かせることに嵌ったので今回の話から挿絵が追加されます。
AIが描いているので細部が変です。猫耳が3つあったり左右の色が違ったり指が6本どころか7本になったり……。
AIが描いた絵に忌避感を抱く人は挿絵表示の設定をオフにしスルーをお願いします。


第38話 密談

ロリ虚乳になっていた妹とのフレンド登録を済ませて、その日はそのまま別れた次の日。チームルームに集まれとの連絡が黒猫からあり、覗いてみるとゲーム時代にはなかった景色が広がる。どうやらチームルームの種類が増えたようで、今は砂浜になっているようだ。エリア制限があるから小さいけど海もちゃんとあるね。普通に泳げるスペースはある感じ。

 

「明日の10時、ドゥームズ初期エリアから真南に10.2㎞地点の洞窟」

 

 

【挿絵表示】

 

 

そこで水着になって海辺を漂っていたら、白のスク水を着ている黒猫からボソッと告げられる。お、これは何か面白いことをしそうな雰囲気だ。この場で話せないということはタキオン船団に聞かれると困ることか?……幼女同盟の上位陣が一斉に惑星ドゥームズの探索クエスト受けるとか、タキオン船団側に密会していること自体はバレるわけだけど大丈夫かな?

 

その後の黒猫の動きを確認すると、ユリクリウスとゼルには声をかけていたけどABCさんも声をかける側かな。今の幼女同盟はチーム人数が80人近くまで増えたから、チームチャットだと伝えられないことなのだろう。それなら新しくチャットのグループを作ったら良いと思うんだけど、駄目なのかな?

 

翌日になり、ちょっと待ち合わせ時間より早い時間帯に指定の箇所に向かうと確かに洞窟はあった。タキオン船団で話せない内容とか危ない橋を渡りそうだなぁ。しばらくすると黒猫を始め、ユリクリウスや他の幼女同盟の人が集まって来る。

 

黒猫 144レべ/131レべ ガンナー/ナイト

ABC 119レべ/104レべ テイマー/ガンナー

ユリクリウス 179レべ/146レべ アサシン/ソードマン

クロワッサン 178レべ/150レべ ソードマン/ナイト

ゼル 155レべ/145レべ キャスター/メイジ

ジョーカー 149レべ/127 ゴースト/メイジ

ビートル 151レべ/131レべ シューター/アーチャー

時雨 130レべ/124レべ ボクサー/ソードマン

 

人数は自分も含めて8人。強い人順で呼ぶならふわわさんやめうさんを呼ばないとおかしいので、これは所属していた期間の長さで選んでいるな。自分とユリクリウスは同時に加入しており、結構な古参ではある。

 

「ここに集まって貰った理由について先に話しておこうか。

……ふおにの森に聞かれたくない話だからだ」

 

洞窟の中には大きなテーブルが配置されており、各自適当に座ると黒猫が語り始めた。警戒していたのはタキオン船団じゃなくてふおにの森か。タキオン船団に対して謀反を起こすのかと思ったよ。

 

「タキオン船団警戒じゃないんだ」

「あほか。ここもタキオン船団の支配下の惑星だぞ。どこであろうと会話なんて拾われるし、チームルーム内の会話を聞いて偵察マシンを飛ばすことぐらいはする」

 

ゼルさんも同じことを思っていたようだけど、そうかここもタキオン船団の手のひらの上か。まずタキオン船団に歯向かう意思というのは自分にはないし、幼女同盟の面子にタキオン船団へ喧嘩売るような精神の奴はいないだろう。最初の300万人拉致が出来る技術力の時点で反抗する気力なんてとっくに折れてる。

 

「だがまあ、ふおにの森の面子がここでの会話を聞けるとは思えない。タキオン船団もプライベートな会話を他人に公開することはないからな」

「そのふおにの森に聞かれたら不味い理由が知りたいが……この後何かあるのか?」

「……船団番号31の母船がもうすぐで完成するらしい。1つの船に1000万人が乗れるタキオン船団の母船がだ。その船の船員として、地球組の非戦闘組の移籍が既に決定している」

「はあ!?」

 

ユリクリウスが黒猫にふおにの森に聞かれたら不味い理由を聞いたが、こりゃ確かに聞かれたら不味い話だな。黒猫だけが知っている理由の方が気になって来たが、こいつの頭の良さはユリクリウスと同じでガチだしシウラさん相手にかなり強気な取引をしていたことから何か握っている可能性は高い。

 

……ふおにの森は非戦闘組も多い。下位層は採取と釣りと採掘だけでクエストを消化して、地道なレベル上げをしている。採掘だろうが釣りだろうが多少の経験値は入るからな。それも低レベルの間は結構効率が良い。

 

それに釣りは大物が釣れるなら金策になるようにもなった。釣りレベルがカンストならマグロも1日1回は釣れるだろう。採掘はまあ、掘れた鉱石から作れる装備が基本全部微妙だけど、最前線組からすれば微妙というだけで、決して悪い装備じゃない。自分が今も使っているシールドソード、採掘産だし。

 

「そしてこの話には続きがあって、地球組のシアリーが船団番号31番の船長になれる可能性があるんだとさ」

「マジで!?条件は!?」

「船団番号31の母船が完成してから1週間、一番シャドウ討伐スコアを稼いだチームのリーダーだと言っていた。ゲーム時代によくあったシャドウ狩りイベントと同じだな」

「……きっついわね、それ。というか無理ゲーじゃない?」

 

さらに船団番号31の話には続きがあり、シャドウを一番討伐したチームのリーダーが船長になれるそうだ。要するに船団長のシウラさんを除くと、一番上の立場だな。この話をしてくる時点で、黒猫が狙っているポジションはそこだろう。それに対してゼルさんは苦虫を嚙み潰したような表情で無理そうだと言う。

 

「幼女同盟のカンスト人数は40人前後。対するふおにの森1は限界の100人で稼いでくるでしょうから1人当たり2.5倍は狩らないといけない計算ね。勝算あるの?」

「船長になったチームリーダーのチームは全員船団番号31に移籍することになるの?」

「……これ、ふおにの森は把握してないの?」

 

上から順番にゼルさん、ビートルさん、時雨さんが突っ込むが、それに対して黒猫は順番に答えていく。勝算はどうやらあるようで、倒すシャドウが高レベルなほどチームに付与されるポイントが高いらしいから要するに自分やユリクリウスが本拠地で稼ぐということだ。

 

チームリーダーが船団番号31の船長になったら、そのチームは全員船団番号31に移籍することになるようだけど、幼女同盟の面子全員で行けるなら大きな問題はなさそう。1鯖に居た人と会うのが多少難しくなるが、ゲーム時代とは違って気軽に船団同士の行き来は出来るからそこまで大きな問題にはならない。

 

……ふおにの森は下部組織もあるし、ふおにの森1が移籍することになったらナンバリングされているチームは全員移籍するのだろうか?確か船団の移籍に必要なゴールドは1人30万ゴールド。上位層はともかく下位層全員の移籍は難しそうだな。

 

まあ、ふおにの森が本気を出さなくても他鯖のチームが本気を出して狩る可能性はあるから、楽観視は出来ない。他鯖には完全な一強独裁体制のところもあるし、そういうところにはカンスト勢100人が集っている。1位を目指すのは難しそうだ。

 

「ふおにの森は把握してないはずだ。だが、ランキング1位常連チームがこの状況になって初のイベントで走らないとは思えない。それに今回は当然、タキオン船団側のチームも参加するからどこまで稼がないといけないのかは分からないな」

「ああ、タキオン船団側のチームも参加するのか。……なあ、船長になる目的って何だ?無理して取りに行くべきポジションか?」

「そこら辺はタキオン船団の事情も話しておかないといけないか。

タキオン船団はわかりやすい階級があって、基本的には5段階に分かれる。階級社会ってことは全員既に把握してるよな?それで船長の位置は、上から2番目だ」

 

黒猫に船長を目指す目的を確認すると、このタキオン船団の階級について説明された。わかりやすくランク順にすると、タキオン船団の一般市民や地球組の非戦闘組がランク1、地球組の一般シアリーやタキオン船団の普通のシアリーがランク2、特別許可証持ってるシアリーや1つの鯖で1人か2人選ばれたチームリーダーがランク3とのこと。

 

その上のランク4が船長という立場であり、かなりの量の情報が開示されるようになるらしい。まあ船長の上のランク5が船団長シウラさんただ1人なので、シウラさんを除くとトップか。1鯖の船長はシウラさんが兼任しているから船長という立ち位置がイマイチ分からなかったけど、2鯖とか別の船団番号のところは普通にシウラさんみたいな船長がいるのね。

 

階級事情を説明された後は、タキオン船団の今後の計画について黒猫が語る。このことは絶対に他人に言うなと言っているが、どこかからは漏れるだろうな……。

 

「タキオン船団は最悪、シャドウを全滅させなくても良いと考えているみたいだな」

「それは宇宙船でシャドウから逃げ続ければ良いからか?」

「それもあるが、宇宙がシャドウで埋め尽くされても別の宇宙を目指せば良いと考えている。シャドウは別の宇宙に渡れないという前提だがな」

「……いやそれマジか?自分達の手で生み出した殺戮兵器に対処できないから自分達だけ安全地帯に逃げて再起するつもりか?」

 

黒猫の語るタキオン船団の計画とは、ジャンプドライブと呼ばれる別宇宙へ移動する技術を開発し、別宇宙に逃げるというもの。地球組が大いなる闇やシャドウの群れを退治出来なくても自分達の命だけは守り抜く姿勢のようでどす黒さが滲み出ている。

 

……まあ、ゲーム時代でもシャドウを狩ってポイントを稼ぐタイプのイベントでも幼女同盟は1位をいつも競える位置にいたし、気合い入れて1位を目指すなら取れる可能性はある。それで黒猫を船長に担ぎ上げることに、反対意見はないかな。この人、今は可愛い美少女だけどリアルだと31歳なんだよね。いや今もリアルだけど。

 

21歳の時に起業して、それが軌道に乗ったら大手企業に事業を丸ごと売って、また起業してを繰り返していたようだけど無難に就職活動をしていた身としては化け物かよと思う。ネタ発言も多いけど、ABCに代わってチームリーダーになってからはチーム活動を一番頑張っていた。長い付き合いだし勝たせたい。

 

とりあえずイベントが始まったら走るけど、チームが1位になるかは『報酬:船長』の公開されるタイミング次第かな。個人ランキングとかも作られるだろうし、カチ勢には厳しそうだけどユリクリウスを1位にするため頑張るか。




ついでにクロワッサンのイメージ図です。


【挿絵表示】


AIに男の娘を描かせるのは結構苦戦しました。右肩に鎧がなかったり左右で微妙に色が違うのはご愛敬。もうちょっと修正ガンバリマス。

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