Another School idols diary   作:藤原久四郎

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地味に忙しく遅くなりました。
そして二年生が思ったよりも動かしにくい!辛い!


μ´sと皆で叶える物語

「さて、俺も帰るか」

 

 矢澤先輩が俺を取り残して一人先に帰ってしまったのでやむを得ず湯呑の片づけをしていたのだ。その後部屋の汚れが気になり一時間ほど掃除していたので更に時間がかかってしまっていた。しかも片づけ中に「マル秘!矢澤にこのアイドルノート」という物まで発掘してしまう有様だった。

 そのマル秘ノートの内容は今結成されているスクールアイドルに関する自己流でまとめた資料だったのだ。更にそれを読んでいたのでまた一時間ほどかかってしまい帰るのは五時をすぎてしまっていた。

 部室の窓のカギをチェック。問題ないことを確認してから部室にも鍵をかけてから帰る。

 流石に五時過ぎているので校門をくぐる直前まで一般生徒はおらず、部活動に精をだしている人達がちらほら見えるだけだった。

 すると校門に夕暮れの光に照らされた三つの影が見えた。あれは……近づいていくにつれてはっきり見ることが出来た。二年生の穂乃果さんたちだ。素通りするのもよくないので挨拶をしておく。

 

「こんにちは穂乃果さん。もうこんばんはになる時間ですけど」

 

 俺の声に反応して穂乃果さんがこちらを振り向いた。

 

「あっ、陽月くんだ! こんにちは」

 

 元気のいい挨拶を返してくれる穂乃果さん。と、丁度いいのでそれとなくスクールアイドルの事について聞いてみるか。

 

「そういえばこんな所で何してるんですか? もう下校時間とっくにすぎてると思うんですが」

「あーそれはね、今ビラを学院中に張り終えた帰りなんだよ」

 

 これはどうやら当たりを引いたようだ。

 

「ビラっていうとなんのです?」

「実は私たち! スクールアイドルを結成しました! その初ライブの告知!」

 

 初ライブ……結成したのは少なくとも最近のはずだから、いきなりすぎると思うが大丈夫なんだろうか。そんな疑念は笑顔で塗りつぶして顔に出さないようにする。

 

「へぇー、それならなんか手伝えることとかないですか?」

 

 どうせ暇を持て余しているので折角だからお手伝いしたい。目の前に今興味津々のスクールアイドルが生でいるんだから。そうすれば俺の気持ちがまた一つわかるかもしれないから。

 

「うーん、お手伝い……それならビラ配り、とか?」

 

 少し遠慮がちに穂乃果さんが提案をする。それに対し俺は嬉々とした表情で返事をする。

 

「よろこんでさせてもらいますよ!」

 

 頭で考えるよりも先に口が動いていた。自分でもこんな行動するなんて少々、いやかなり意外だ。まだ出会って間もないスクールアイドルに意味も分からないまま、かなり惹かれているのがよくわかった瞬間だった。

 

「ちょっと穂乃果、私たちの事忘れてませんか?」

「それに穂乃果ちゃんこの子と知り合いなの?」

 

 隣から二つの声が割り込んでくる。そういえば三人いたんだった。失礼な事してしまったな。

 

「すみません、俺一年生の泰原陽月です。よろしくお願いします」

 

 さっきまでの無礼を詫びるように深い礼をしつつお二人に向かって自己紹介の兼ねた挨拶をする。

 

「あぁごめんなさい。私は園田海未、穂乃果と同じ二年生です」

「私も同じ二年生の南ことり。よろしくね、陽月くん」

 

 海未さんは口調のおしとやかな感じが大和撫子を連想させ、ことりさんはどこかフワフワしたというかゆるそうな雰囲気からマイペースな人なのだろうと思った。

 

「ちょっと聞きたいんですが、お二人はどうしてスクールアイドルを始めたんですか?」

「穂乃果(ちゃん)が強引に……」

「苦労してるんですね……」

 

 きっと昔から幼馴染でこんな感じで穂乃果さんに引っ張られてきたのではないかと俺の直観が告げている。穂乃果さんはまだ出会って間もないがリーダー気質であることは間違いないと思うし。

 

「ちょっとー無理やりだなんてひどいよー。ちゃんと説得したじゃん!」

「私はダメと言いました!なのに無理矢理……」

「私は気にしてないけどね~」

 

 俺をそっちのけで三人が言い合いを始めてしまった。正確に言えば穂乃果さんと海未さんがあーでもないこーでもないと言い合い、ことりさんが横でニコニコ笑っている、実に微笑ましい空間だ。

 

 俺がここにいても三人の時間を邪魔するだけなのでおいとまさせてもらうとしよう。

 

「じゃあビラ配り、俺もするんでもらっていきますね」

「うん、じゃあお願いします!」

「お願いします」

「よろしくね~」

 

そういって穂乃果さんの手元にまだ沢山残っていたビラを受け取り、御三方へ挨拶をしてから家への帰路を歩き出した。

帰り道、ビラの内容に軽く目を通しながら歩いていく。何々、新入生歓迎の日に講堂でライブ、時間は四時頃か。ユニット名はμ´s……石鹸だろうか。

となると俺に他にも手伝えることはないだろうか。ライブをするなら照明とか色々あるだろうし。またビラを全部配り終えたらまた聞きにいくことにしよう。そうしている内に我が家へとついていた。まだこの時間なら誰も居ないだろうから部屋で寝ることにしよう。最近は動き回っているせいか疲れがたまっている。

玄関で靴を脱いで素早く自分の部屋へ行く。制服を着替えることも忘れ布団に体を預ける。ものの一分もしないうちに睡魔が襲ってきたため意識が闇の中へ沈んでいった。

 

 朝、鳥の囀りが耳を震わせ、朝日が柔らかく身を包む早朝。

 そろそろ学院の皆が登校してくるであろう七時。そんな校門に佇む一つの影があった。

 その影、泰原陽月は片手にビラの束を抱え、校門で人が来るのをいまかと待ち構えていた。

 昨日はあの後朝の六時まで爆睡してしまい、何をしようにも中途半端だったので朝飯を早めに食べ朝からビラ配りをしようとこの時間から登校したのだ。

 待つこと五分、チラホラと人影が見えてきた。よし、頑張ろう。

 海未さんとことりさん、そして穂乃果さん達が頑張っているのは何度か目にしている。だからそんな彼女達のスクールアイドルの活動を、夢を支えてあげたいと思う。

 そういえばスクールアイドルを始めたのはわかったが目的を聞いていなかった。むしろそこが重要だったのだが……。とりあえず今は目の前の事に集中しよう。

四月。新学期や進学に期待を躍らせ、心機一転頑張ろうとする始まりの季節。

 そんな季節に人一倍気合を入れて頑張る男の姿が一つ。

 

「μ´s、ファーストライブやりまーす!よろしくお願いしまーす!」

 

 俺とスクールアイドル、μ´sの皆で叶える物語がここに幕を開けた。

 




真姫ちゃんに続き二年生sは出番が減りそうだ(白目
初ライブに向けて書き進めていきます!
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