Another School idols diary 作:藤原久四郎
意外と一年生sの日常はアニメでも少なかったなーとか思ったりして書いてみる。
「さぁ遊ぶにゃー!」
星空凛は大きな声で叫ぶ。
「うん!」
小泉花陽は控え目ながらも返事をする。
「なんで私まで……」
西木野真姫は一人だるそうに呟く。
「結局この四人か……」
泰原陽月は友達の少なさに溜息を吐く。
今の授業は体育。金曜日に一度しかない貴重な体育の時間だ。今は先生の怠慢によりレクレーションの名目のもとに自由時間になっている。
そして凛に連れられ今こうして三人の輪の中に加わっているがそんななか俺はずっと胸の事を考えていた。
ふむ……花陽は意外どころかかなり大きいな。一年生にしてはかなりの物だろう。いったい何を食べたらここまで大きくなるのだろう……。次いで真姫だが花陽よりは大きくないものの年相応の大きさだ。二人とも出るところは出て締まるところは締まっている……いや花陽は少しだけ締まってない。
「陽月くん?」
花陽の方を見ながら考えていたせいか、花陽がこちらの視線に気が付いていたようだ。さっきの凛の事からまるで反省していないのがバレバレである。
「いや、今は日本の経済事情を考えていてだな――」
「はいはい」
「真姫!人が真面目に話しているのを遮るんじゃあないぜ!」
「めんどくさい人ね……」
「どうせ嘘なのもわかってるにゃ」
クソ、俺が日本の経済事情を知らない事もバレバレなのか……だが咄嗟の嘘としては上手い事話を逸らすことが……凛にはばれてるなコレ。
「よ、よし!何して遊ぶんだ?サッカーか?縄跳びか?なんでもいいぞ!」
俺はもう勢いに任せて誤魔化すことにした。これならば問題ないはず……
「それってさっきまで陽月くんがみてた――」
「運動すんぞおおおお!」
凛がまたさっきの事を掘り返そうとしてきたのでそれ以上に大きい声で遮る。なんでこんなにも疲れねばならんのだ。
「私、座っててもいい?」
「私は……皆のしたいことを……」
「真姫!ノリが悪い!花陽!もっと積極的にこいよ!」
「陽月くんはやっぱ駄目な奴にゃ……」
結局凛がしたいと提案したサッカー、まぁパス回しやゴールを使ってPK、そしてワンバンノーバンというボールを浮かせてワンバウンド、もしくはノーバウンドで相手に返す遊びをすることが決まった。今思えばこれが悪夢の始まりだったのだが。
「パス回しはボールを二つ使って好きな人にパスを回して相手が返せなかったらそれで一ミス、三回で罰ゲームにゃー」
「よっしゃ、やってやんぜ」
「大丈夫かなぁ……でもがんばろう」
「私運動苦手なんだけど」
俺たちは四角を作り、三者三様といった様子でそれぞれやる気を見せている。と一名を除いてそう思う。
「じゃあまずかよちんと真姫ちゃんからボールね!」
凛が始めというのを合図にパス回しが始まる。ここは冷静に作戦を立てよう。この中で凛は一番運動が得意であることは間違いないので出来るだけ俺からはパスを回さないようにしよう。となると真姫か花陽か……多分花陽がこの中で一番運動が苦手であると結論付け、ターゲットを花陽に決める。
さぁどこからでもかかってこい。
「えい!」
「いくわよー」
そう言って二人から蹴りだされたボールは同時に俺の方へ向かってくる。同時……だと。
しかもボールの勢いは同じだが向かっている方向が俺の右と左と見事に分散している。……このままでは始まっていきなり一ペナルティを課されてしまうだろう。ならば、”同時に”蹴ればいいだけだ!
「オラッ!」
大きく振りかぶった足が風を切り、空気を切り裂いた。
よく考えてもみたら片足でしか蹴れないものを同時に蹴れるわけがない。超次元でもあるまいし。そして俺は運動が苦手である。
「はい、陽月くんミス一回にゃー」
「おいおいいきなりいじめかよ……」
「じゃあ二回目いくにゃー」
「次こそまともにやらせろよな」
一回目から出鼻を挫かれてしまったので今一度気合を入れなおす。
「今のはあんまりだったからもう一回かよちんと真姫ちゃんからね」
「いっくよー」
「いくわよ」
えい、と二人が同時にボールを蹴る。今度は気合を入れて強く蹴ったようだ。二人が蹴ったボールはほぼ同じ軌道を描き、ぶつかった。
「「あ」」
花陽と真姫の間の抜けた声が俺と凛の耳に届く頃には二つのボールは俺と凛の横を通り過ぎていた。
「「「「…………」」」」
あまりにも地味すぎたこの結果は俺たちに沈黙を運んでくるには十分すぎた。
「これはねーわ……」
「まったくにゃ……」
「「ごめんなさい……」」
「じゃあ三回目いくにゃー。今度はミスした陽月くんと凛からね」
「次こそは……」
いくにゃー、と凛が宣言し俺はもう後がない三回目が始まる。同時に凛のボールを蹴ろうとしている方向を素早く確認。俺は凛の正面に立っているので真姫の方に蹴るのか花陽の方に蹴るのか一目瞭然なのだ。
凛の体は花陽の方を向いている。丁度いい、これなら俺も花陽の方へさっきみたいに同時に蹴れば確実にミスを取れる。すまない花陽、だが勝負の世界は非常なのだよ。
凛が蹴りだそうとした瞬間俺も花陽の方へ蹴りを入れる。――いただきだ!
「甘いにゃ!」
「何ッ!?」
なんと凛は花陽の方へ蹴ろうとする瞬間体をこちらに捻り、プロのサッカー選手と見間違うほどの強力な蹴りを繰り出してきた。俺は避けようにももうボールを蹴る体制入っており、もう動くことはできない。
疾ッ!そんな掛け声が聞こえてきそうな明らかにパスではなくゴールを狙う勢いのボールがこちらの鳩尾に向かい一直線に迫る。体を捻れば、いけるか!?
花陽の方へ向けていた体を素早く捻り空を仰ぎ見る体制になる。これならボールは腹の前を通過するはずだ。三ミスにはなってしまうがこれが当たるのは流石に不味い。
「凛の”サジタリウスの矢”は決して獲物を逃がさないんだよ?」
って今思い切り獲物って言ったよな。これ完全に根に持たれてるやつだよ。しかもサジタリウスの矢て……。
そう考え、再び移動しようとしたときにはもう遅い。ボールは既に直撃寸前の所にあった。だが軌道はそのまま直進のはず。
だがそうではなかった!ボールは俺の腹を通過する寸前に軌道変更、いや落ちてきたのだ!野球で言えばフォーク、その鋭い球は俺の股間を強襲!
カーン、そんな間の抜けたよくあるバラエティの間の抜けた音などではなく車が壁に衝突した時の音が似あう程、強烈なボールが股間に吸い込まれていった。
「ふざ……けんなよ……」
あまりの激痛に俺の意識はさっきまで見ていた空の彼方へ飛んでいった。
陽月が倒れた後、その場で凛たちはそれぞれアクションを起こしていた。花陽は口を押えてアタフタとしているし、凛は少しやりすぎたなーと少しだけ反省はしているがその実内心すっきりしている様子だ。真姫に至っては心配する様子を微塵も見せず木陰で休憩している。
自業自得、因果応報。罰ゲームにしてはやりすぎたとそんな事を凛はぼんやりと考えていたのだった。
サッカーしようぜ(涙目)の陽月くんは最近調子に乗っているのでたまには痛い目に会うこともあるのです。
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