Another School idols diary   作:藤原久四郎

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わざわざ書くほどでもないけど書きたい、陽月くんが不能になってないことの証明の幕間一話分。
凛ちゃんは二期から好きになった人も多いのではないかと思い、少し凛ちゃんの乙女らしいところを増やそうと決めた筆者。


幕間~体育~

「はっ……」

 カッと目を見開く。正面に映っているのはどこまでもどこまでも青い空。そして起き上がりまわりを見る。そこには音ノ木坂学院の広いグラウンドだ。

 今は……体育の時間だったな。それで今は凛たちと遊んでて……頭が痛い。まるで思い出すのを拒んでいるかのようだ。それに何故か股間辺りも仄かに痛い気がするが、感覚はあるのできっと問題ないだろう。

 そういえば凛たちはどこにいるんだ。周りを見渡してみるとグラウンドから少し離れた所で三人とも固まっているようだ。全く俺がグラウンドでぶっ倒れてるのになんて薄情なんだ。

 駆け足で近寄って文句の一つでも言ってやろうと思ったのだが、三人の目の前まで来ると凛と花陽、それに真姫はお互いに肩を寄せ合いスヤスヤと寝息を立てて寝ていた。一応授業なのに寝てていいのか?

 そんな心配も三人の寝顔を見ているとすっかり忘れる程に絵になる光景で目を奪われてしまう。

春の爽やかな日差しの中、木から仄かに漏れる光を浴び眠る三人の美女。それだけで本が一冊書けそうなほどだ。だが校舎の方に掛けられているグラウンドから見られる時計の針は授業の終わりを指す時間の五分前だった。そういえばサッカーすると言って何か一つしかしてない気が……やめておこう、思い出すのは危険だ。

「おい、起きろ。もう授業終わるぞ」

 寝かしたままでも良かったが流石に可哀想かなと思い一人一人肩を揺すりながら起こしていく。

「ふわぁ……」

「眠いにゃ……」

「ん……」

 反応はそれぞれだが等しく爆睡していたようでまだ起きても尚三人の視点は朧げなままだった。

 起きた時の表情も三人とも個性があり、一貫して可愛らしい。ますますアイドルをしているんだなぁという実感が湧いてくる。

 そして三人が目を覚ましてから意識が覚醒仕切る前に終業を知らせるチャイムがグラウンドに響き渡る。グラウンドで遊んでいた一年生は皆それぞれ教室へ帰っていく。

「じゃあ俺着替えもあるから先行くからな」

 俺はまだ寝ぼけ気味の三人に一応伝えてからグラウンドを後にした。

 

「……行ったにゃ?」

「うん。もう行ったよ」

「わざわざこんなことしなくてもいいのに」

 陽月が走り去った後、真姫と凛と花陽はさっきまでの寝惚けた様子はまるでないいつもと同じ状態になっていた。

「だってボール当たってから倒れたんだよ?流石にやりすぎたなとは思ったんだけどそこで謝るとまた陽月くんが調子に乗りそうで……」

「謝ればよかったのに」

「でもそんな素振り見せてなかったよね」

 それもそうだ。もしさっきの事があれば凛に物凄い勢いで攻め立てて来ただろう。だがそれをしないという事は怒っていないか覚えていないかのどちらかである。

 前者は陽月くん的にはまずあり得ないのでとなると後者になる。

「というか凛も、もしあれで男の子から女の子になる羽目になったらどうするつもりだったのよ」

 あれとは勿論凛が放ったボールが股間を強襲したことだが、

「そ、そうなったら責任取って……」

「せ、責任!?凛ちゃん陽月くんと結婚するの!?」

「ち、ちがっ。そんな……!」

 咄嗟に凛は思い描いてしまった。自分は女の子らしいウェディングドレス、陽月くんがタキシード。二人は会場の皆からの祝福を受けながら神父の前へ、そして誓いの言葉を……そして……。

「にゃああああ!!」

 ちょっといいなぁとか陽月くんも悪くないなぁとか思ってしまった思考を振り払うように大声を上げる。確かに凛も女の子だからそういうの憧れるけど……

「凛ってば、もしかして想像でもしたわけ?」

「違うにゃ違うんだにゃ!別にそんな……」

 自分でも気づかない内に頬だけでなく首筋まで赤くなっている。別に陽月くんのことなんか好きじゃない!

「ま、まぁ凛ちゃん落ち着いて。それより早く帰らないと」

「そうだにゃ!早く戻って着替えるんにゃ!」

 そういって全速力で教室への道を走り出した。後ろから二人の戸惑いの声が聞こえてきた気がしたが今足を止めたらまたさっきの光景が浮かび上がってきそうで……振り払うためにももっともっと早く走らなきゃ。

 

 凛の走り去っていった後、真姫と花陽は走り出していった凛の背中を茫然と見つめながら立ち尽くしていた。

「ねぇ花陽」

「なに真姫ちゃん」

「凛って意外と――」

 その時花陽は何故か真姫よりも先に真姫の言いたいことを口に出していた。

「「女の子だよね(なのね)」」

「でも」

 その時花陽の顔には普段は見られない、深い影が見えた気がした。だが真姫はその事に気が付かない。

「どうしたの花陽」

「ううん、なんでもない。早く帰ろ?」

 そういった花陽の顔は普段通りの優しく、おっとりした雰囲気の彼女だった。

 




なんだろう、展開がすすんでいない気がするのですが……だが確実に進んでいる!(ハズ
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