Another School idols diary   作:藤原久四郎

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ギャグかねこれは……(呆れ

展開に困っている今日この頃、矢澤と凛ちゃん書きたいです。


転機と天気

「落ち着いたかしら?」

「マジすんませんした」

 開幕いきなり土下座させられているのは俺、泰原陽月。対して何もない断崖絶壁も泣いて逃げ出すほどの胸板をこれでもかと反り返らせながら腕を組み、不快感をあらわにしているのは俺の二個上の矢澤にこ先輩だ。

「うふふ、二人とも仲ええんやね」

 そんな俺たちをまるで日常の一コマの様に優しく見つめているのは生徒会副会長を務める矢沢先輩と同じく二個上の東條希さんだ。

「これで仲よく見えるって希さんは凄い人だなぁ……」

 皮肉たっぷりに聞こえるか聞こえないかくらいの声で呟く。

「なーにが希さん凄い人だ、ですかぁ!」

「いってぇ!!」

 何故か都合よく切り取られた台詞にまた腹を立てたのか矢澤先輩が土下座をしている俺の剥き出しになっている背中をボコボコに叩いてくる。だが女性の力なのであまり痛くはないがここで調子に乗るとそれこそ本気の一発が来るだろう。

「褒めてもなんもでぇへんよ?それに二人はどっちかっていうと……新婚の夫婦みたいやなぁ」

「褒めてないです!それに新婚の夫婦っていうか浮気がばれて破局寸前の夫婦ですよ!」

 顔だけを希さんに向けて抗議をするが、それをさせないのは矢澤先輩。

「夫婦ですってぇ!?」

「ちょっ、痛い!叩く力強くなってる!」

 夫婦という単語に反応してか、さっきまでは(こい)が跳ねた程度の痛みだったのが(まぐろ)が全力で暴れているような痛みに変わっている。鮪の全力がどの程度かはわからないのだが。

 

 数分後、すっかり屍と化した俺は床に突っ伏していた。何回叩かれたのかもわからないままなすがままだったので背中が痛みを通り越して無痛の境地に至っている。矢澤先輩はといえばまだ肩で呼吸し、興奮さめやらぬといった様子だ。希さんだけは相変わらず笑顔でこちらをずっと見ている。

「とめてくれても……よくないですか……」

「いやよ、面白いもん」

 この人も悪魔だ、ことりさんと同じ匂いを感じる。

「もう一回なでてあげよっか?」

「是非――いや、いいです」

 またしても殺気を感じ取り、俺は快楽に身をゆだねようとする本能を理性で押さえつけ鋼の精神できっぱりと断る。流石にこれ以上やられたら死の危険がある。

「あ、そうや。ホントは用事あったんやった」

「最初から言ってくださいよ!」

「ごめんごめん、んでね……」

 

 それはつい先日のこと。

 生徒会室には事務作業をしている影が二つ、生徒会長である絢瀬絵里。それに副会長の東條希だった。彼女らは毎週のように提出される生徒からの書類や意見に対応するためにこうして今も作業をしている。

 そんな彼女らの日常に飛び込んできたのは元々三人から開始し、最近六人になったμ´sの面々だった。

 彼女らの提案はこうだった、今までは部員数が三人だったため部活申請できなかったが今は六人、つまり部活申請に必要である五人を超えているから。というものだった。         

だが生徒会長の返事は”はい”ではなかった。現在、生徒数も限られている中でいたずらに部活を増やすのは好ましくないという事とアイドル研究部というアイドルに関する部活はもう既にあるので新しい部活を設立するのは認められない、というのが生徒会側の意向だ。

 

「んで、ウチが一つの提案をしたわけよ」

「……嫌な予感がするけどその提案ってなによ」

「そうなりたくなかったらアイドル研究部と話を付けてくることやねって」

「あぁ、そういうこと……ってよくないわよ!」

「まぁまぁ落ち着いて落ち着いて」

 また叫びだした矢澤先輩をなだめようとするが一旦火がついてしまえばもう止まらない。

「なんで新しく部活動として認めないのよ!というか勝手に私たちを巻き込まないで!」

 至極ごもっともだが一部反対できるところがある。

「でも、矢澤先輩ってスクールアイドルに憧れてたんですよね」

「当り前よ!」

「なら一緒にスクールアイドルやればいいじゃないですか」

「うっ、それは……。と、とにかく私は認めないからね!」

 

 俺は別にアイドル研究部がμ´sのメンバーと合併しても良いと思ったので説得してみたが、頑として譲らない矢澤先輩は今は何を言っても無駄なようだったのでとりあえず今日は帰ることにしたのだが何故か希さんが隣で一緒に歩いている。それに天気は一雨どころか雷も落ちてきそうな闇に支配された空だ。

「希さんって矢澤先輩と友達かなんかなんですか?」

 折角なので疑問に思っていた事を聞いてみることにする。

「うーん、一年の時から……色々見てたかな?」

「ってことは知ってるんですよね、部活の事」

「まぁ……知ってるよ」

「ならなんで無理矢理あんな事したんですか?」

 その時はきっと怒気の籠った声で話していたんだろう、何故か希さんを問い詰めるような言い方をしていた。

「ウチはね」

 俺とはうってかわり、希さんはとても落ち着いてなだめるように言葉を紡ぐ。

「にこっちがずっと頑張ってきたのをずっと見てきた。それでも結果はよくなかったけど、それでもまだアイドルになりたいって気持ちはわかるんよ」

「でも、やり方ってものが――」

「もう、三年も待ったんよ、今しかないんや」

 そういった希先輩の顔は陰り、矢澤先輩の事を思う事以外にも何か別の事があるようにみられた。

そうだ、矢澤先輩は一人でずっとやってきていたんだ。やめなかったのはアイドルが好きだから、まだアイドルをやりたいって思っていたから。

「だけど、矢澤先輩は簡単には動かないと思うんですが……」

「だからこその君や」

「えっ……?」

「ウチはあくまで押してあげるだけ、最後は自分次第だし……それに陽月くんが一番、今にこっちに近い人なんよ?」

 またしても、複数に語り掛けるような口調。それに俺が一番近いだって?

「なら、俺も頑張りますよ。皆の為にも矢澤先輩の為にも」

 やるべきことは決まった。矢澤先輩の夢を後押しし、更にμ´sの皆の手助けをする。

「あとは、君もやで?」

「はい?」

「μ´s、はいりたいんとちゃうの?」

「そ、それは……」

 駄目だ、やはりμ´sには入りたいと思うのに、体ともう一つの心がそれを拒絶する。自分でもわからない所に楔が撃ち込まれているようだ。駄目だ駄目だ駄目だ、変わらなくちゃいけないって思うのに。心に刺さる楔はどす黒く、錆びつき、俺の心を縛り付けている。

「大丈夫よ」

 暗闇に落ちようかという時、俺の目に映った希さんは本当の女神の様に感じられた。そして包み込むような抱擁。とても暖かく、優しい。

「え……?」

「泣いてるよ?陽月くん」

 言われて初めて気が付いた。頬には一筋の熱い涙が伝っていることに。

「ぁ……すみません……」

「ええんよ、でも君も自分のしたいこと始めよう?」

 そうだ、俺はしたいんだ。μ´sの皆で。夢を、叶えることを。

 昔、決めた約束だ。それに俺の願いでもある。――の近くで皆を支えることが。

「……ちょっとだけいいですか。情けないんですが」

「ええよ?」

 少しだけ、少しだけこの中で。きっと大きく前に進んだから。

 暗い闇が支配していた空に、一筋の光が闇を切り裂くように強く、輝きを放って空から差し込んでいた。

 




のんたんに甘えたい!!!!!!!!!!!!!!!!!!

まぁこういうのもスピリチュアルやん?
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