Another School idols diary   作:藤原久四郎

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やっとこさ本編を進めだしました。基本アニメ沿いなので展開はアニメ通りです。

最近、何故か書くのが遅くなっております。夏バテでしょうか(適当


センターとカラオケ

「センターよ!」

 今日はアイドル研究部に全員集まり、所謂ミーティングが行われる日だ。一年生と二年生が長机の両脇に座り、唯一三年生の矢澤先輩が俺たちに挟まる座り方で長机を囲っている。開幕いきなり大声でそう宣言したのは矢澤先輩。どうやら次のPVでのセンターをどうするか、という事の様だ。

「センターとは! 大抵のグループの場合そのグループのリーダーがするもの!」

「そ、そうですか部長!」

 μ´sのリーダーであり、二年生の穂乃果さんが気迫に押されているのかたじろぎながら相槌を打つ。

「それで、最近思ったの。穂乃果はリーダーに向いていない!」

「え、えぇ……!?」

「そもそもリーダーとは!」

 そう言ってリーダーとはいかなるものかを熱の入った言葉たちで語りだす。相変わらずの豹変っぷりに思わず辟易しながら隣に座っている真姫の方を見てみると、興味なさそうに髪を指でいじくっていた。こっちも相変わらずだな、と思いながら逆の方の隣に座っている花陽の方を見るとまたしてもメモを片手に熱心な様子で矢澤先輩の言っている事をメモしていた。あぁこっちも相変わらずだなぁと思わず笑いがこみあげてくる。

「――なのよ!」

 気が付けば矢澤先輩の長いリーダーについての話は終わっており、皆はその事に関して深く考えている様子が見て取れた。とりあえず聞いてなかったが考えるふりだけしておこう。

「それで、誰が一番リーダーに、センターにふさわしいかを決めようじゃないの!」

「はいはーい! なら皆で競い合って決めるにゃー!」

 今まで押し黙っていた凛が限界と言わんばかりに大声で高らかに提案をする。

「でも、リーダーの素質を競うと言っても方法が……」

 何も考えていないであろう凛の提案に、真面目に返答をするのは海未さん。

「私は別に穂乃果ちゃんのままでいいと思うけど~」

 ことりさんは決めかねているのか曖昧な返事で言葉を濁している。

「わ、私は……」

 煮え切らない様子の花陽。やはりこういう主体性の求められる場合には奥手な面が出てきてしまうのだろうか。

「私は別に……」

 真姫は相変わらずぶれることなく興味無いの一点張り。本当はアイドルとかどうでもいいんじゃないかって思わざるを得なくもなるものだ。

「これじゃあ決まらないわね……」

 矢澤先輩が多種多様な意見や提案、もはや参加すらしていない一名に苦悶の表情を浮かべながら打開策を考えている様だ。実際、この状況ではどうしたらいいかも決めにくい。皆はまだ思い思いの意見や提案を出し合いっている。女が三人寄れば姦しいとはいう物のその実質二倍なので更に混沌とした状況だ。 

「そうだ、陽月。アンタはどう思ってるのよ。モアイみたいな顔して固まってるけど」

「え、えぇ……? 俺に振るんですか……」

 なんだモアイみたいな顔って。人の顔をなんだと思ってるんだ。あ、でも最近自分の顔思い出せないからもしかしたらそんな顔してるのだろうか。今度家の鏡で自分の顔見ておかねばいけないな。そもそも自分の顔思い出せないって逆に凄い。

「凛が言ったみたいに全員で競う……というか決め合うか推薦とか……」

「アンタもハッキリしないわね……まぁでも凛が言ったみたいに競うって言うのはアイドルの情勢を表してるみたいだし、いいかもしれないわね……」

 

 それならば早速、という事で俺たちアイドル研究部の面々は部室を後にし、秋葉原の方へ向かい手頃なカラオケ店に入った。

「じゃあリーダー争奪、リーダー決定戦を開催しまーす!」

 とってつけたようなわけのわからない開催宣言をさせられている俺。一応公平な裁定者が必要との事で直接審査対象ではない俺に白羽の矢が立った。

「いぇーい!」

「か、カラオケは久しぶりで恥ずかしいですね……」

「大丈夫だよ海未ちゃん?」

「かよちん、かよちん! 一緒にうーたお?」

「え? でもこれって一人ずつやるんじゃ……」

「めんどくさいわね……」

「……この曲は……高得点……」

 皆、どちらかと言えばただカラオケを楽しみに来ているという感じで正直さっきの気張った開幕宣言が恥ずかしくなってくる。相変わらず真姫はぶれないし、矢澤先輩は何やらメモを見ながら隅っこでブツブツと呟いているし、なんというか統率のなっていない感じが否めない。

「オホン! では、一人ずつ順番に曲の決まっている方からどうぞ!」

 結局今更テンションを変えるのも恥ずかしいのでこのままのテンションで突き進む。点数の付け方はカラオケの機械に入っている採点と、俺がどう感じたかを含めた二つで決めるらしい。まだ他にもいくつか対決方法があるらしく、カラオケ対決が終わったら次にいくと矢澤先輩は言っていた。

「はいはーい!ならまず凛が歌うーっ!」

 提案時と同じく元気いっぱいと言った様子の凛が素早く機会を操作、何を入れたのかはわからないが曲を機械へ入れる。すぐに備え付けのモニターの画面が切り替わり、専用の動画を流し始める。そこに映し出された曲名は最近流行のアイドルの曲だった。

 アップテンポのリズムに如何にもアイドル、といった歌詞をノリノリで歌っていく凛。だが所々音程を外していたり、歌詞がわからなくなっていたりと危うい個所がいくつか見られたものの最後まで無事に歌いきる。

「えへへ、カラオケ久しぶりだからちょっと緊張したにゃー」

 頭を掻きながらはにかむ凛。緊張したというのは嘘だろ、と心の中でツッコミながらモニターに採点画面が映るのを確認する。

 出された点数は75点と平均点より少し高いくらいで、それを俺は採点用紙というなのメモ帳に自分の感想と共に書き込んでいく。

「ねぇねぇ陽月くん! 凛の歌どうだった?」

 マイクを置いた凛は俺の方へ駆け寄り、自身の歌の評価を聞いてくる。

まぁ正直なところ感心した。アイドルに向いてないだの言っていた割に歌も普通に上手いし、それに……容姿も悪くない。だがまだ甘い所がいくつかあるのでそれを直していければまだまだアイドルとしても女の子としても良くなれると思うぞ。……とは流石に言いたくはない。

「……まぁいいんじゃないかな」

 メモに集中しているフリをし、素っ気なく返す。自分で考えた事が思ったよりも恥ずかしく、どうしても淡白な調子で言わないと焦る可能性があった。

「えー、もっと褒めてくれてもいいのにー」

 そう言って口を風船みたいに膨らませる凛はいつもの男勝りのやんちゃ娘というよりはただの女の子に見え、またしてもメモに視線を貼り付けることになった。

 

 カラオケは順調に進んでいき、一通りの採点と俺の評価付けは終わる。驚いたのは海未さんがかなり歌が上手く、点数も唯一の90点越えという驚愕の結果だった。高音から低音までぶれることなく歌いきるその歌唱力はアイドルとしては素晴らしい、と書き込んでおいた。

 次はこれまた驚き、花陽が87点と高得点。前々から思っていたのが花陽の声は人を落ち着かせ、安心させるような声音で、癒しの効果でもありそう、と書いておいた。

 続いて同率で真姫と矢澤先輩の84点。何故か二人は似たような箇所が多く、俺の感想も二人とも似たような内容になってしまった。きっとタイプが似ているのかもしれない。

 次いでことりさんの81点。長時間聞いていると脳が危険で危ないことになりそうな声で歌うものだから感想にも地味に困った。

 次は穂乃果さんの76点で、そして凛の75点という結果だった。穂乃果さんも凛と同じく歌詞が飛んでいたり音程が抜けていたりと二人は似たような修正箇所がいくつか見られた。

結局評価に悩んだ結果A、B、Cで順位分けし、採点メモに書き記しておいた。

 

 こうしてカラオケ対決は無事終わり、次の対決の舞台であるゲームセンターに移動することになる。途中、矢澤先輩が蹲りながらなにやらこんなはずでは、だとか化け物なの、だとかブツブツと何か言っていたのだが不気味だったので無視してゲームセンターに歩を進めることにした。

皆がゲームセンターに向かう途中、ワイワイとカラオケの事について話している中で唯一何もしていない俺は一言呟く。

「そういえば俺何も歌ってねぇ……」

 




なんか短いなーと思うのですが最初はこれよりも短かった事を考えるとやはり書き込みが増えたのかなーと思います。結果として会話が減っているのがテンポの悪さを助長しているのでしょう。

そしてお分かりの事と思いますが前後編の様な感じで分割してあります。

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